プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第38期鳳凰位決定戦二日目レポート

【暫定首位の佐々木がさらにポイントを伸ばす結果に】

 

 

佐々木寿人(現鳳凰位)
古川孝次
黒沢咲
前田直哉

この4名によって行われている今期鳳凰位決定戦。
初日は佐々木寿人がマイナスなしの安定感あるポイントで暫定首位を走っていた。

 

 

2日目の今日、このポイントが広がるのか縮まるのか。それとも逆転があるのか。注目の一戦が始まった。

 

 

鳳凰位決定戦は一発裏ドラのない連盟公式ルール。1日4回戦、4日間で16回戦を行い、優勝者を決める。

 

【5回戦】

初日同様、開局に好スタートを決めたのは黒沢。東1局1本場では親番前田との2軒リーチに勝って高めの六万ツモで1,100・2,100(+1,000)

 

 

東2局1本場でも古川との2軒リーチを制して2,100オール(+2,000)のツモアガリを決める。
南3局には北をポンして南中待ち。しかし直後に佐々木からリーチが飛んで来る。

 

 

親番古川もツモリ四暗刻1シャンテンだが、黒沢の仕掛けは明らかにソウズのホンイツなので中を止めて無筋の五万から切っている。

 

 

黒沢が掴んだのは佐々木の高め三色で古川が暗刻の六筒。佐々木に7,700の放銃となり5回戦逆転トップを許してしまう。

 

【6回戦】

6回戦は対局者のイメージとは裏腹に淡々と進んで行く。ここまで前田の700・1,300は800・1,400が最高打点という小場で迎えたオーラス。
親番黒沢のテンパイ打牌五索で前田がロン。

 

 

2,000は2,600(+2,000)のアガリで6回戦は前田がトップ。黒沢はこの放銃で沈みとなってしまう。

 

【7回戦】

東1局に古川が七対子ドラ単騎。ヤミテンで2,000・4,000のツモアガリ。その後も2,000オール、3,900は4,200と連続でアガってリードする。

 

 

東3局。佐々木が白中をポンしてペン七筒待ち。

 

 

親番の黒沢は下家佐々木の仕掛けに構わず三筒五筒と切り飛ばして三万六万リーチを打つ。佐々木も一歩も引かず、無筋を勝負し、ロン牌の三万も勝負。黒沢7,700のアガリとなる。

が、ここから佐々木がハートの強さを発揮した。顕著にそれが出たのが南1局の打牌選択。黒沢からリーチが入ってこの手牌で何を切るか?

 

 

テンパイを取れる打牌は3種あるが、佐々木が選んだのはアガリの可能性が最も高いと思われる四万切り。

 

 

結果は古川のヤミテンに1,000(+1,000)の放銃。仮にドラ単騎待ちを選べばアガリ率はぐっと下がる上に、黒沢に2,600(+1,000)の放銃。そもそも、手の内には黒沢の安牌もあったのだから、佐々木の選択には戦いに挑む者が持つべき心の強さを感じた。

この半荘は古川の1人浮きトップで終了。佐々木は今決定戦初めての沈みとなった。

 

【8回戦】

東1局は親番前田が仕掛けてタンヤオドラドラ。5,800のアガリからスタート。

 

 

東4局1本場。黒沢が白をポンして東切り。

 

 

親番古川はすでにテンパイしている状態からダブ東を大明カンし、リンシャンツモが二筒。黒沢は大明カンのパオで7,700は8,000の責任払いとなった。

南3局1本場。佐々木の手牌にピンズが押し寄せるが、点棒状況からこのテンパイに価値ありと見て六索九索リーチ。古川から”九索”が出て、3,900は4,200(+2,000)のアガリ。8回戦は佐々木がトップを取った。

 

 

 

 

以上で第38期鳳凰位決定戦2日目が終了。
佐々木が2位と100オーバーの差をつけて首位。リードしている時の強い戦い方を見せてくれた。
前田は最小限の沈みで留まるも、佐々木との差は広がる結果となってしまった。
古川は最下位スタートから後半ポイントを伸ばして3位に浮上。
黒沢は140を超える差をつけられてしまったが、強気のヴィーナスならまだ射程圏内か?

第38期鳳凰位決定戦3日目ご視聴はこちら!!
2022/1/30(日)14:00

実況 古橋崇志
解説 藤崎智・西川淳
牌譜解説 阿久津翔太