麻雀日本シリーズ、麻雀日本シリーズ レポート

女流プロ麻雀日本シリーズ2019 プレーオフレポート 中野 妙子

いよいよプレーオフが始まった。各選手2戦戦って上位4名が決勝に進出となる。
いつもよりさらに緊張感が増したと思われるスタジオの中、立会人ともたけプロの元気のよい合図によってプレーオフ1回戦がスタートした。

★1回戦(起家から、茅森、西嶋ゆかり、仲田、朝倉)
プレーオフはポイント持越しとなる。
茅森+111.4P 西嶋+31.6P 仲田+1.7P 朝倉+42.6P
茅森は2回ラスでなければ決勝濃厚なポイント。そんなに無理をすることはないだろうし、仲田はとにかく攻めて行くだろう。
東1局はまずは仲田がリーチしツモり、仲田がくるか?と思われたが、、、
きたのは西嶋ゆかり!東2局、西嶋の親が止まらない。
リーチして流局した後は、四暗刻テンパイ。これも流局したが、

 

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次局は2,600オール。
3本場では仲田の先制リーチにおして12,000を打ち取る。
4本場ではリーチして仲田から12,000は12,900。

そして好牌配。
ここで西嶋の選択は、七筒切らず、七筒を重ねてリーチ。

 

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茅森もこの手だが、ポイントを考えたか、無理せず中切りでオリる。

 

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西嶋は五万をツモアガって2,000は2,500オール。
77,500点までになり、西嶋は一気に決勝の椅子を手繰り寄せる。

こうなったらかなり厳しくなったのは仲田。持ち点3,000点になってしまい、これは難しいか、、、と思われたがまた2着目まで戻す。

その仲田が南1局チャンス手。ドラの南を2枚持ったホンイツ手。
ここに、今までリスクを冒さず安全にきていた親番の茅森が、南切りでおす。
仲田がポン。

 

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ここでアガリを決めたのは、茅森、4,000オール。
勝負をしたらしっかりとものにしてくる。そして続いて次局は4,100オール。
さすが茅森、攻めてきた時はしっかりとアガリをものにし、2着目に浮上!
今度は朝倉が3,000点持ちになり、苦しくなる。
と思われたら七対子ドラドラをリーチでツモあがりまた3着目に浮上した。

高打点の手が飛び交う!上下の移動が激しく、誰が残るか最後までわからない。
親番で攻めて加点した茅森は、それ以外のガードがすごく、さすが冷静で落ち着いている。

南3局仲田の親番。ここで加点しないと決勝はかなり厳しくなる。
と思ったら6巡目に4,000オールを決めてくる!
そして仲田が四暗刻テンパイでリーチ!東九索のシャンポン待ち。

 

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同巡に朝倉がホンイツで追いつきリーチ!

 

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決勝をかけた2人の大きな勝負。これを決めたほうが決勝への椅子を勝ち取るチャンスがあるだろう。
この大勝負を決めたのは、、、、朝倉。4,000・8,000で2着目まで浮上!
オーラスの親は朝倉。ここでまた連荘してなんと5万点越え。
なんと朝倉が一時7万点以上あった西嶋を捲る!

プレーオフ1回戦
1着 朝倉
2着 西嶋ゆかり
3着 茅森
4着 仲田

★プレーオフ2回戦(起家から、西嶋千春、大島、和久津、魚谷)
西嶋+56.5P 大島+7.6P 和久津+55.5P 魚谷+5.7P
魚谷と大島は2連勝したいところ。
まずは西嶋の12,000のアガリから始まる。放銃となった大島だが、決勝に行くにはトップが必要、東2局の親で5本場まで粘って連荘する。

点数を持った西嶋だが、自身の手がチャンスの時はしっかり勝負していき、まだまだ守りには入っていない、タンヤオ七対子もリーチを打ち、しっかりツモり、ポイントの近かった和久津との差を広げていく。
南1局には和久津と魚谷の一万九万の1シャンテン対決。

 

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ついに役満がくるか!と思われたが、テンパイ一番乗りは親の西嶋。

 

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しっかりツモリ4,000オールで、5万点越え。これで2年連続の決勝が決まったかとも思われたが、西嶋はまだまだ!の如く、次局も仕掛けて攻めて3本場まで積み、持ち点65,000点のトップ目へ。
オーラスは魚谷の親。
魚谷はとにかく連荘、和久津はあと1戦残っているのでポイント的には3着にはなっておきたいか、と思われたがテンパイして即リーチの勝負を選択。ヤミテンでもアガれば3着にはなれるが、もっと上を目指してリーチ。これを力強く一発でツモる!

 

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プレーオフ2回戦
1着 西嶋千春
2着 和久津
3着 大島
4着 魚谷

★プレーオフ3回戦(起家から和久津、茅森、仲田、西嶋ゆかり)
和久津+57.3P、茅森+99.8P、仲田▲41.4P、西嶋+52.6P
暫定6位の大島がマイナスポイントのため、暫定4位の和久津と5位の西嶋の着順が上の方が決勝進出濃厚な戦いとなった。

そんな中、東3局仲田が親で連荘してくる。
6,000オール、2,600オールで6万点超え、和久津と20ポイントほどの差につめてくる。
これは仲田の大捲りもあるかと思われたが、連荘を止めたのは西嶋のヤミテン。しかも和久津から直撃で、和久津との差を約1万点にしてくる。

南3局トップ目の親の仲田はまだまだポイントが必要。茅森のリーチ前言牌のドラの白をポンしてテンパイいれるが、

 

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流石に茅森がドラを切るということは、4面張待ちで、茅森に放銃となり加点することができなかった。

 

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この親落ちで仲田の決勝がかなり遠のいた。
オーラス、親は2着目の西嶋。仲田は役満条件。
和久津はなんとか西嶋を捲りたい、その差は10,600点。
西嶋はテンパイをいれていたが、最後テンパイを崩して2着をキープして終了する。

これで茅森、西嶋ゆかりの決勝はほぼ決まったか。

プレーオフ3回戦
1着 仲田
2着 西嶋ゆかり
3着 茅森
4着 和久津

★プレーオフ4回戦(起家から、朝倉、魚谷、西嶋千春、大島)
③朝倉+76.1P、⑦魚谷▲23.7P、①西嶋千春+98.8P、⑥大島▲7.1P
暫定②位の茅森は+84.8P、④西嶋ゆかり+52.4P、⑤和久津+26.5P、⑧▲23.7P

魚谷と大島はかなり大きなトップが必要となるので親でのオリはなく、攻めてくるだろうことが予想される1戦。
西嶋はよほどのことがない限りほぼ決勝だろう、朝倉は大きなラスだけはひきたくない、局を早く進めたいところ。

1回目の魚谷の親は、魚谷粘って連荘するが大きな加点はできず。
東3局親は西嶋千春。今期安定した戦いをみせ、2年連続の決勝を目指す西嶋は親でもしっかり加点し、盤石の構えでトップ目に立つ。
東4局の大島の1回目の親番は、こちらも安定して隙のない戦いをみせる朝倉がさらっと流す。

昨年80ポイント以上の差を捲って優勝した魚谷、このままで終わらないだろうと期待される中、南1局にはリーチしてハイテイで3,000・6,000をツモる。

 

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朝倉と7万点差のトップラスが必要だが、魚谷なら何か起こるかもと思わせる。
アガって親を迎えた魚谷だが、上家の朝倉の鉄壁のガードで全然鳴くことができず、
テンパイすることができず親が1局で終わってしまう。

オーラスの親は大島。とにかく連荘が必要。魚谷は朝倉から役満直撃条件。
粘って連荘した大島だったが、最後は朝倉がアガって終局となる。

プレーオフ4回戦
1着 魚谷
2着 西嶋ゆかり
3着 大島
4着 朝倉

この結果で決勝進出者4名が決定した。
何度も大物手が飛び交い、高打点対決もあり目が離せない白熱した試合となった。

システム

■予選全24回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

予選成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 西嶋千春(第18期女流最高位) 56.5 42.3 4.1 102.9
2 茅森早香(第11期女流最高位) 111.4 ▲ 11.6 ▲ 15.0 84.8
3 朝倉ゆかり(第12期RMUクラウン優勝) 42.6 33.7 ▲ 20.2 56.1
4 西嶋ゆかり(連盟会長推薦) 31.6 21.0 ▲ 0.2 52.4
5 和久津 晶(連盟会長推薦) 55.5 1.8 ▲ 30.8 26.5
6 仲田加南(第13期女流桜花) 1.7 ▲ 43.1 46.0 4.6
7 魚谷 侑未(女流プロ麻雀日本シリーズ2018優勝) 5.7 ▲ 29.4 25.3 1.6
8 大島麻美(第16回女流モンド杯優勝) 7.6 ▲ 14.7 ▲ 9.2 ▲ 16.3

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 茅森早香(第11期女流最高位) ▲ 6.4 27.9 25.0 ▲ 9.7 37.8 ▲ 7.4 28.8 15.4 111.4
2 西嶋千春(第18期女流最高位) 30.5 ▲ 13.7 9.6 26.9 11.6 12.9 ▲ 14.5 ▲ 6.8 56.5
3 和久津 晶(連盟会長推薦) 18.2 15.0 20.8 39.9 ▲ 7.3 ▲ 20.2 ▲ 29.7 18.8 55.5
4 朝倉ゆかり(第12期RMUクラウン優勝) 27.8 6.3 50.9 ▲ 22.1 ▲ 8.3 ▲ 21.1 ▲ 20.2 29.3 42.6
5 西嶋ゆかり(連盟会長推薦) 32.4 16.2 11.3 9.1 ▲ 36.3 14.1 0.8 ▲ 16.0 31.6
6 大島麻美(第16回女流モンド杯優勝) 26.5 ▲ 7.8 28.6 ▲ 14.3 ▲ 10.1 ▲ 20.0 23.3 ▲ 18.6 7.6
7 魚谷 侑未(女流プロ麻雀日本シリーズ2018優勝) ▲ 51.9 17.0 33.6 ▲ 6.9 ▲ 27.5 6.1 33.4 1.9 5.7
8 仲田加南(第13期女流桜花) 14.3 ▲ 35.1 25.8 ▲ 26.1 21.5 46.7 ▲ 18.1 ▲ 27.3 1.7
9 宮内こずえ(連盟会長推薦) ▲ 23.7 14.4 24.1 4.4 9.7 ▲ 33.7 ▲ 22.0 27.9 1.1
10 二階堂 亜樹(連盟会長推薦) 2.6 ▲ 33.9 ▲ 10.3 4.3 ▲ 41.1 ▲ 20.6 ▲ 30.0 81.7 ▲ 47.3
11 黒沢咲(連盟会長推薦) ▲ 13.1 ▲ 8.8 23.8 ▲ 39.3 ▲ 20.4 ▲ 29.2 43.4 ▲ 50.0 ▲ 93.6
12 逢川恵夢(第17期女流雀王) ▲ 44.7 ▲ 37.5 ▲ 5.6 ▲ 12.0 ▲ 33.8 8.9 7.2 ▲ 56.3 ▲ 173.8

予選、プレーオフの厳しい戦いを経てついに2019年度の女王が決まる!
これまで以上に熱い戦いになるだろう決勝戦★お見逃しなく!

★4/13(土)★
決勝4回戦
西嶋千春VS茅森早香VS朝倉ゆかりVS西嶋ゆかり
実況:日吉辰哉
解説:勝又健志・白鳥翔