プロクイーン決定戦 レポート

第21期プロクイーンベスト16C卓レポート

第21期プロクイーン、ベスト16C卓は、現十段位でベスト16から登場した魚谷侑未。
前回決勝進出で今期ベスト16シードの古谷知美、予選から勝ち上がった西嶋ゆかり・内田みこによる対戦。
全選手がタイトル戦で優勝経験がある好カードになったが、終わってみると魚谷の強さが際立つ対局だった。

 

 

1回戦東3局。親番・古谷の先制リーチに対し、役牌2種を仕掛けて追いつき、
古谷が掴んだドラの 九索 を仕留めて12,000。
東中 ・チャンタ・ドラ3)

 

 

ここで主導権を握ると、南1局1本場には先制リーチに追いすがってきた親番の内田や西嶋を振り切り、
リーチ・ツモ・中の1,000・2,000(+300)。

 

 

勝負強さが光り、1回戦で5万点を超えるトップを奪う。

続く2回戦。南3局2本場に親番・内田が 発 ・トイトイ・三暗刻の4,000オール(+600)で魚谷を追う。

 

 

しかし、続く3本場に古谷が内田からリーチ・一発・ 発 の6,400(+900)を直撃して内田に迫ると、ラス親の南4局には 白発 ・ホンイツの12,000を西嶋から仕留め、このゲーム逆転でトップを奪う。

 

 

3回戦。2回戦はアガリが出なかった魚谷だが、東1局にリーチ・ツモ・ハイテイ・ 南 の2,000・4,000で再度エンジンがかかると、供託リーチ棒3本ある親番の東2局2本場には一発でアガリをものにし、(2,000オール+3,600)勝ち上がりへ万全の体制を築く。

 

 

「1回戦トップを取るとすぐ手を緩めてしまう癖があるので、良くないところだなぁと思ったので」(魚谷)
最速マーメイドは修正力も最速である。

ベスト8進出を巡るもう1枠の争いは早々に古谷が優勢となる。
3回戦の南場で効果的なアガリを取ってリードを奪うと、4回戦東2局2本場には先制リーチをかけ、直撃で迫りたい内田から一発で仕留めて7,700(+600)。
下位2人相手に大きなアドバンテージを築いた。

 

 

オーラスは親番の西嶋が連荘で抵抗するも、最後は古谷が魚谷からトータルトップを奪うアガリで、勝ち抜けは古谷・魚谷の2人に決まった。

古谷は1回戦こそ魚谷の当たり牌を掴み続けたものの、2回戦でトップを奪ってからは危なげない戦い。
「ゆーみんも卓回しが上手なので、くっついていれば大丈夫だと思っていました」と語った通り、先行する魚谷の直後のポジションがいかに有利かを物語る対局となった。
2年連続の決定戦進出へ、まず好スタートを切った。

 

 

魚谷は毎年のようにタイトルを獲っているが、まだプロクイーンを獲ったことがない。
「WRCルールがちょっと苦手かなと思っていた」が、WRCルールで行われた7月の小島武夫杯帝王戦を優勝したことで潮目が変わったか、麻雀日本シリーズも予選途中ながら首位を走る(8月20日現在)。
「WRCルールでも勝てることが証明できたので、今年は勝ちたいと思います」(魚谷)

 

 

対局後の魚谷の表情には自信が満ち溢れていた。

 

 

(文:梅中悠介)