中部プロリーグ レポート

中部プロリーグ レポート/第20期中部プロリーグ A・B・Cリーグ 最終節レポート

Aリーグレポート:寺戸孝志

名古屋でも雪が降るほど厳しい寒さの中始まった、第20期中部プロリーグ最終節。
最終節は、対局者の目標・条件が明確になることで、大きく加点に来るもの、失点を抑えながら局を回していこうとするものなど同卓者の手組み・押し引きがかなりわかりやすくなります。
それを踏まえての戦いが最終節の戦い方だと私は思っています。
4節が終わった時にも記したとおり、トータルプラスの10位の杉浦までは決勝を、
トータルマイナスの11位の鈴木(雄)以下は、降級を意識しての対局になったでしょう。
そして、最終節は4回戦中3回戦終えたところでポイントを集計して、
最終戦はすべての卓が同時スタートとなります。
そんな中で3回戦終わった時点でのポイントは下記の通り。
1位村瀬+122.9P・2位古川+105.7P・3位日下+102.5P・4位伊藤+66.6P・5位毛受+55.2P
6位渡辺+25.9P・7位森下+24.9P・8位掛水+20.6P・9位山田+5.9P・10位杉浦▲27.4P
11位寺戸▲32.2P・12位鈴木(雄)▲72.4P・13位鈴木(基)▲81.3P
14位三戸▲88.1P・15位浅野▲104.4P・16位若松▲121.6P
このポイントで残りはあと1半荘となる。
決勝の上位4名のボーダーは伊藤の+66.6P。8位の掛水まではチャンスがある。
降級の下位2名のボーダーは浅野の▲104.4P。12位の鈴木(雄)まで危険なポジション。
このポイントを踏まえて各卓を見ていきます。
1卓 14位三戸・6位渡辺・1位村瀬・16位若松
この卓は村瀬は多少のマイナスはOK。渡辺は6万点以上のトップが必要。
三戸は浮き条件。若松は三戸を交わして大きいトップが必要となる。
ここでは三戸がきっちりトップで降級回避。若松はプラスするもの条件をクリアできず降級。
渡辺はマイナスしてしまい2期連続優勝はここで潰える。村瀬は2位で2期連続の決勝進出となった。
2卓 3位日下・2位古川・5位毛受・10位杉浦
この卓は古川・日下は毛受に交わされないのが最低条件。逆に毛受はどちらかを捲れば決勝確実だが、
4位を見れば大きいトップなら可能性あり。
しかし日下がトップで、日下・古川と2人が決勝進出。毛受は次点となってしまった。
3卓 4位伊藤・8位掛水・7位森下・13位鈴木(基)
この卓は、伊藤は掛水・森下に捲られないのが最低条件、他の卓も見るとプラスしておきたい。
掛水・森下は伊藤を捲れば、決勝の可能性が出てくる。鈴木(基)はマイナスはできない状況。
結果は、掛水がトップを取るも伊藤にとどかず、伊藤はマイナスしてしまうがなんとか4位で決勝へ。
鈴木(基)はしっかりプラスで終え残留を決める。
4卓 11位寺戸・12位鈴木(雄)・9位山田・15位浅野
この卓は鈴木(雄)と浅野のうち下に行ったほうが降級になる。
ここで鈴木(雄)1人沈みのラスを引いてしまい15位となりまさかの降級。
浅野は厳しいポジションから諦めず残留を決めた。
結果、決勝メンツは2回目の進出となる日下・村瀬・伊藤の3名と大ベテラン古川の戦い。
どんな戦いになるのか今から非常に楽しみである。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 日下 健司 56.7 ▲ 0.2 ▲ 25.6 41.0 56.5 128.4
2 村瀬 寛光 ▲ 11.1 6.0 35.2 85.3 ▲ 2.3 113.1
3 古川 孝次 69.0 1.1 38.3 34.6 ▲ 52.9 90.1
4 伊藤 鉄也 ▲ 39.3 71.0 8.8 58.5 ▲ 39.3 59.7
5 毛受 俊 13.0 ▲ 7.0 18.7 ▲ 11.6 35.9 49.0
6 掛水 洋徳 ▲ 4.3 ▲ 12.8 48.0 ▲ 8.0 15.2 38.1
7 山田 優駿 19.1 24.5 ▲ 33.7 7.0 ▲ 2.1 14.8
8 森下 剛任 8.7 ▲ 23.1 26.0 ▲ 0.7 ▲ 1.3 9.6
9 渡辺 典夫 13.5 35.6 ▲ 20.2 6.5 ▲ 26.2 9.2
10 寺戸 孝志 ▲ 22.9 ▲ 6.5 ▲ 57.7 35.6 48.4 ▲ 3.1
11 杉浦 貴紀 29.5 53.5 ▲ 27.5 ▲ 46.5 ▲ 40.5 ▲ 31.5
12 三戸 亮祐 7.2 ▲ 71.2 35.3 ▲ 49.9 12.5 ▲ 66.1
13 鈴木 基芳 ▲ 35.0 ▲ 27.0 14.5 ▲ 54.5 25.4 ▲ 76.6
14 浅野 文雅 ▲ 82.8 43.7 ▲ 26.9 ▲ 65.7 29.5 ▲ 102.2
15 鈴木 雄介 ▲ 38.7 ▲ 76.8 62.7 16.0 ▲ 75.8 ▲ 112.6
16 若松 正和 16.4 ▲ 12.8 ▲ 96.9 ▲ 48.6 15.0 ▲ 126.9

Bリーグレポート:朝岡祐

5ヶ月間の集大成、第20期中部プロリーグ最終節が行われた。
これまでの闘いを経て、昇級の切符獲得を目指す者、降級を避けるべく闘牌する事を強いられる者…
各々の思惑が交錯する中での闘いぶりを卓別に見てみよう。
1卓 朝岡・杉村・牛尾・太田
下位3名の降格争い。そしてその争いに暫定2位の太田がいかに巻き込まれる事なくポイントを伸ばしていくかが焦点となる。全員が前に出なければならないので、激しい打ち合いとなることが予想された。
そんな中、好調の太田は、常に攻撃の手を緩める事なく毅然とした麻雀を貫き、ポイントを伸ばす事に成功。見事に首位通過を決めた。
『全員前に出てくるのできつい展開だった。これまで昇格争いに参加しながらもなかなか決める事ができなかったので、すごく嬉しい。』と、語っていた。
最近の太田は、安定した戦績を残しており、来期以降のAリーグでの決勝進出をかけた闘いぶりに注目していきたい。
2卓 菅野・葛山・木村・小坂
ポイントを叩けば逆転昇級もあり得る木村、菅野と、全体の中位につける小坂に対して、降級も十分考えられる位置に甘んじていた葛山が3回戦までにポイントを伸ばし、最終戦を前に残留安全圏への脱出に成功した。
最終戦、菅野が見事な末脚を見せ50,000点を超えるトップを取り意地を見せるが、昇級まであと一歩及ばなかった。
3卓 樋口・長谷川・佐藤・清水
首位との差は僅かながら暫定3位の佐藤と、それを追う暫定5位の樋口の熾烈な昇級争いは、3回戦終了時点で何と同ポイント。
一進一退の攻防が繰り広げられた4回戦。魅せたのはAリーグ再昇級に燃える佐藤であった。
素点だけで70,000点近くを叩き出す会心の勝利で見事2位昇級を決めた。
Aリーグでは結果が出せなかった佐藤だが、その実力は以前より確実に向上しているであろう。
今回見せたような瞬発力に安定感が増せば、Aリーグ長期滞在、そして決勝進出も決して夢ではないはず。
4卓 大西・大滝・土岐・中西
僅かながら暫定首位に立つ大滝であったが、この日は思うようにポイントを伸ばすことが出来なかった。
次節以降、雪辱に燃えての奮闘に期待したい。
5ヶ月間に渡る全日程を終えた第20期中部プロBリーグ。終始混沌とした展開が続き、どう転ぶか最後の最後まで分からなかったのだが、こうしてようやく決着がついた。
最後に、少しでも臨場感が伝わるように、各卓の注目選手を中心に執筆してきました。
拙い文章に最後までお付き合いいただいてありがとうございました。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 太田 充 7.7 24.2 2.2 61.3 17.5 112.9
2 佐藤 あいり 74.3 ▲ 26.2 34.6 8.8 17.6 109.1
3 菅野 直 25.2 36.5 ▲ 6.9 ▲ 23.7 44.2 75.3
4 大滝 聡 47.4 8.1 ▲ 29.9 70.9 ▲ 24.0 72.5
5 樋口 新 26.2 52.2 ▲ 2.5 ▲ 29.1 ▲ 4.0 42.8
6 木村 東平 ▲ 32.9 9.3 50.3 39.0 ▲ 35.4 30.3
7 土岐 雄太 ▲ 32.1 42.0 ▲ 16.2 5.1 28.4 27.2
8 中西 栄二 ▲ 53.1 35.7 ▲ 10.6 32.7 ▲ 6.6 ▲ 1.9
9 小坂 美樹 ▲ 34.2 6.6 15.6 ▲ 0.4 ▲ 10.5 ▲ 22.9
10 葛山 英樹 ▲ 1.8 ▲ 14.0 ▲ 39.9 15.2 1.7 ▲ 38.8
11 牛尾 信之 ▲ 38.6 ▲ 25.1 71.5 ▲ 41.4 ▲ 7.1 ▲ 40.7
12 清水 哲也 4.8 ▲ 66.5 ▲ 19.4 36.1 ▲ 3.4 ▲ 48.4
13 朝岡 祐 ▲ 19.3 7.3 15.2 ▲ 56.7 4.5 ▲ 49.0
14 長谷川 弘 66.5 ▲ 9.9 ▲ 14.6 ▲ 73.3 ▲ 30.2 ▲ 61.5
15 杉村 泰治 ▲ 35.9 15.8 ▲ 37.2 ▲ 17.5 ▲ 14.9 ▲ 89.7
16 大西 義則 ▲ 4.2 ▲ 96.0 ▲ 12.2 ▲ 27.0 2.2 ▲ 137.2

Cリーグレポート:原田知彦

12月上旬というのに小雪がぱらつく厳しい寒さの中、第5節が行われた。
4節終了時点で昇級が現実的に考えられるのが、3位と53ポイント差の7位櫛田までか。
感覚を半荘で例えるなら、オーラスで跳満ツモか満貫直撃条件といった感じである。
今節、私の同卓者は、大高坂、角谷、三谷。ポイントは暫定で私が1位、大高坂が3位という
状況なので、目標は4回戦トータルでプラスマイナス0か大高坂を上回ると設定した。
はずであったが、1回戦の東2局で6万点を越えた時点で「1位で昇級したい」などと欲が出てしまい、押し引きを若干攻めの方へシフトしたところ、バランスを崩してしまった。
結果、1回戦トップの後は3連続ラスで▲27.1Pとなり、なんとか3位での昇級。
昇級がかかるプレッシャーの中での対局は経験が無かったとはいえ、自己コントロール能力の未熟さを痛感した。この経験を無駄にせず、Bリーグで戦い抜く糧にしたい。
2位通過はなんと、7位62.4Pから107.7P上乗せした櫛田である。
2回戦からの3連勝は本当に勝負強さを感じる。特に、4回戦は92,200点のトップ取り他を圧倒した。
ただ、4回戦のオーラスというのは特殊な状況で、各々が目指す目標を満たすアガリを目指すために、櫛田の親がなかなか落なかったというのも事実である。昇級を諦めない櫛田の執念が生んだ状況なのかもしれない。
1位通過は吉井。櫛田と同卓にも関わらず、周囲に巻き込まれず安定した強さを発揮しての+32.9Pは素晴らしい結果である。Bリーグでも戦いぶりに注目してみたい。
最後になりましたが、レポートをご覧いただいた皆様、半年間お付き合いいただきありがとうございました。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 吉井友直 62.6 4.8 ▲ 2.2 98.2 32.9 196.3
2 櫛田利太 38.3 ▲ 33.9 5.9 52.1 107.7 170.1
3 原田知彦 86.9 73.4 17.7 16.7 ▲ 27.1 167.6
4 河合慎悟 19.2 ▲ 51.9 75.6 51.8 29.0 123.7
5 大高坂松城 27.0 83.4 ▲ 26.9 31.9 ▲ 14.6 100.8
6 安藤大貴 59.7 5.8 ▲ 9.9 38.6 ▲ 31.2 63.0
7 大町篤志 ▲ 17.5 0.4 49.1 7.7 ▲ 5.3 34.4
8 斎藤寛生 ▲ 62.6 41.3 30.2 ▲ 12.8 31.6 27.7
9 太田峻也 ▲ 18.2 57.2 ▲ 17.3 1.7 ▲ 16.5 6.9
10 加藤泰史 ▲ 27.9 52.4 82.5 ▲ 38.2 ▲ 63.1 5.7
11 小野雅峻 22.3 1.9 ▲ 18.1 ▲ 65.1 40.4 ▲ 18.6
12 岡本丈司 ▲ 34.7 ▲ 30.5 21.1 ▲ 2.6 26.2 ▲ 20.5
13 山神達也 3.3 42.1 ▲ 40.1 ▲ 29.9 2.2 ▲ 22.4
14 加賀美幸孝 46.6 ▲ 82.9 ▲ 13.3 ▲ 8.7 25.8 ▲ 32.5
15 越川清一 25.2 30.4 ▲ 43.3 ▲ 48.3 ▲ 39.5 ▲ 75.5
16 三谷卓也 ▲ 26.5 ▲ 50.3 30.4 ▲ 100.0 50.4 ▲ 96.0
17 家田みゆき ▲ 50.8 8.8 ▲ 15.8 ▲ 37.8 ▲ 20.8 ▲ 116.4
18 岩井健太 ▲ 25.6 ▲ 20.9 15.4 ▲ 100.0 10.2 ▲ 120.9
19 鈴木淳 ▲ 68.5 ▲ 11.3 5.3 ▲ 29.9 ▲ 22.8 ▲ 127.2
20 金平裕樹 ▲ 100.0 ▲ 52.4 ▲ 41.8 8.0 ▲ 32.5 ▲ 218.7
21 今枝美月 ▲ 40.3 ▲ 29.1 ▲ 38.8 ▲ 34.4 ▲ 80.3 ▲ 222.9
22 角谷和幸 ▲ 19.5 ▲ 40.7 ▲ 65.7 ▲ 100.0 ▲ 9.7 ▲ 235.6