北陸プロリーグ レポート

第24期北陸プロアマリーグ「帝陸戦」決勝レポート

今期は4節の上位8名によるプレ-オフを経て決勝戦の4名が決まる。
プレ-オフは3回戦行い上位4名が決勝進出。
令和4年8月7日(日)決戦の舞台は富山県富山市。

 

100

 

現在、上位2名は100Pを超えている、それに対し下位数名は70P前後で迎えたプレ-オフ、3回戦の闘いで下位から勝ち上がることは決して容易ではなく上位者も安心できるポイント差ではない、予断を許さない状況の中で勝ち抜き決勝にコマを進めたのはこの4名。

1位通過 岡田   142.6P
2位通過 南    138.8P
3位通過 松井   124.1P
4位通過 押川さん  85.1P

8位から4位浮上の押川さんは今期決勝唯一の一般参加者だが、かつて北陸プロアマリ-グを制した実力者、プロ3名においては若手ではあるが近年のリーグ戦やタイトル戦予選で活躍し結果を出している期待のホ-プ達である。
決勝ではポイントの持越しはないが、1位通過40P・2位通過20P・3位通過10Pのアドバンテ-ジがあり、岡田がわずかに優勢な状況で決勝が始まる。

1回戦
【東家】押川 【南家】岡田 【西家】南 【北家】松井
開始早々から高打点が飛び交う。南が岡田から8,000点を討ち取り、続く東2局では岡田と押川さんのリーチ合戦。押川さんが岡田に7,700放銃。
東3局、東4局では松井が奮起し、アガリを重ね56,500点を持って南場に突入するが大きく状況は変わらずオ-ラスを迎え、劣勢の押川さんが起死回生の2,000・3,900をアガリ1回戦が終了。

【1回戦終了時】※アドバンテ-ジ含む
1位 松井   +40.6P
2位 岡田   +26.4P
3位 南    +25.4P
4位 押川さん ▲22.4P

2回戦
【東家】岡田 【南家】押川 【西家】松井 【北家】南
序盤は1回戦とは一転して静かな立ち上がり、全員ノーテンで局が進む。
初戦をマイナスで終えた岡田としては流れが向かない展開。
南場に入っても小場が続き岡田は劣勢のまま、対して松井の勢いは止まらず連続トップで2回戦を終える。

【2回戦終了時】※アドバンテ-ジ含む
1位 松井   +58.6P
2位 南    +29.0P
3位 岡田   ▲ 5.6P
4位 押川さん ▲12.0P

3回戦
【東家】押川 【南家】松井 【西家】南 【北家】岡田
トップと差が70Pを超えてしまった押川さんも粘りたいところだが状況を打破する手が入らず局が進む。それでも劣勢の押川さんと岡田が若干リ-ドで迎えた東4局ドラ發、南が松井とのポイント差を埋める大きなアガリを決め、劣勢の2人とっては大打撃となる。

6巡目
一万一万二万三万四万五筒七筒七筒九筒九筒北北発  ツモ二万  打五筒
一万一万二万二万三万四万七筒七筒九筒九筒北北発  ツモ八筒  打四万
一万一万二万二万三万七筒七筒八筒九筒九筒北北発  ツモ三万  打発

これを受け岡田、押川さんもドラ発を合わせ打ち、高打点リ-チと見切りを付け押し返せない。南の独壇場で八筒をツモ3,000・6,000。
南が4万点を超え他3名は原点を割り南場に入るが南が早々に軽いアガリで局を進める。松井も追撃を許すわけにはいかない南2局で1,000オール1本場をアガリ粘る。だが南の勢いは止まらない。

【3回戦終了時】※アドバンテ-ジ含む
1位 松井   +68.4P
2位 南    +50.6P
3位 岡田   ▲23.4P
4位 押川さん ▲25.6P

4回戦
【東家】南 【南家】岡田 【西家】押川 【北家】松井
上位下位がはっきりと分れ迎えた最終戦。岡田、押川さんにとってはかなり厳しい状況になる。対して初優勝が見える上位2名においては、攻め切るのが前提の南、下位2名をケアしながら南の攻撃を躱したい松井。
いろんな思いを胸に始まった最終戦。東1局は3人テンパイで1本場、松井がリーチをかけ南を突き放しにかかる。しかしアガリを決めたのは押川さん、ここで2,000・4,000を決め南にとってはかなり厳しい状況になり大逆転を狙う押川さんにとっては大きなアガリとなる。東2局は皆が良形の手牌のなか、南が1,000・2,000をアガリ前局の失点を返す。東3局は岡田が先制リ-チを打つが同巡に押川さんがドラの暗槓、一瞬皆が凍りつくなか南が岡田から2,000を討ち取り松井を追い詰める。
局が進み残すところもあとわずか南2局を迎える。
現時点でのポイント差は南がわずかに松井を躱し有利な状況である。
そして岡田にとって最後の勝負所、なんとか1,300オールで粘るも松井に8,300の放銃。ここで松井が再び南を上回る。
南3局、劣勢の押川さんも500オールで粘るが南が1,300・2,600 1本場をアガリ、南・松井の熾烈なシーソ-ゲ-ムでオーラスを迎える。

南+66.0P 岡田▲43.6P 押川▲14.6P 松井+62.2P

3回戦終了時の松井・南、両名の差は17.8ポイント差で松井が優勢。
この最終戦でわずかに南がトータル上位で迎えたオ-ラス。追い風は南に吹いていた。熾烈な争いは南が早々にアガリを決めこの闘いに終止符を打つ。

【最終結果】※アドバンテ-ジ含む
1位 南    +67.0P
2位 松井   +61.2P
3位 押川さん ▲14.6P
4位 岡田   ▲43.6P

1位通過のアドバンテ-ジを得た岡田プロにとっては厳しい結果になってしまいました。しかし彼のプロとしての時間はまだ始まったばかりです。今回の敗北を糧に成長し、今後の活躍を期待しています。
一般参加から唯一決勝に残った押川さんは、熟練の技術を駆使して対戦者を追い詰め、また観戦していた我々にも刺激を与え素晴らしい闘いを見せて頂きました。
惜しくも準優勝の松井プロは1回戦終了時からトップに立ち油断こそありませんでしたが、後半戦に入り重圧によるものなのか少々焦りが見えたように思えます。短期戦では一度の悪手やミスと言えるものが大勢に影響が出てしまうのだと改めて感じさせられました。
そして南プロ優勝おめでとうございます。前半から安定し後半では圧巻の強さを見せつけられました。今後は帝陸戦優勝者として今後の飛躍、また連覇を目指してください。
私自身も決勝の経験がありますが、決勝には独特の雰囲気があります。序盤での入り方、中盤でのせめぎ合い、最後の競り合い、終わりの時を迎えるまで張り詰めた空気を感じながら闘います。
そして優勝者には安堵感、優勝に届かなかった者には悔しさが残る。各々にどんな結果が出たとしてもそれは良い経験であり、また糧となり明日につながります。最近では新型コロナウィルス感染拡大もあり厳しい状況下の中ではありますが、感染防止に努めながら切磋琢磨し、北陸支部を盛り上げていきたいと思います。拙文ではありますが、ご判読ありがとうございました。

(文:北陸支部32期 獅坂祐一)