北陸プロリーグ レポート

第19期北陸プロアマリーグ 最終節レポート

新年を迎え、雪風と共存する時季となったここ北陸の地において、第19期北陸プロアマリーグの第5節が開催されました。

約半年間に渡る予選も今日が最終節。
ここで上位4名が決勝進出となり、選手一同が勝ち上がりをかけて熱い闘いが繰り広げられました。
決勝戦は予選上位者から順番にポイントが加算されてからのスタートとなり、
(1位通過:+40P、2位通過:+20P、3位通過:+10P、4位通過:0P)
上位者においても出来れば1つでも上の順位で通過したい。
また当落線上にいる選手は、なんとしても勝ち名乗りをあげたく、普段の節とは比べ物にならないくらいのバトルが予想されます。

 

●A卓
獅坂(1位)、荒谷(4位)、南(5位)、後藤(8位)

予選最終節は上位陣同士の直接対決の組み合わせとなり、A卓では4名全員がプロの対決となり、まさにプロのプライドを賭けた闘いとなりました。
注目はこれまでレポートでずっと書いてきましたが、第1節から一度も首位を明け渡す事なく走り続けている獅坂がそのままトップ通過を果たせるかどうか?
前節一気に4位まで浮上した荒谷が、初の決勝進出を決めれるか?
また、プロ1年目のルーキー南は、初出場ながらいきなり決勝の切符を勝ち取れるか?
勿論、最近活躍目覚ましい後藤も十分狙える位置にいます。

結果は1回戦2回戦と獅坂が連続トップを決め、「1位通過」を磐石のものにする。
今期の獅坂は本当に強く、予選は非の打ち所がないパーフェクト勝利に終わったといえよう。
決勝はアドバンテージもあるため、このまま優勝するイメージも強く感じられてしまいます。

こうなれば、他3人はなんとかして獅坂以外で一番上位に立ちたい。
益々激しくなる3回戦、ここで荒谷が1人浮きのトップを取り、進出候補者に名乗りをあげる。
③④④と失速した南はここでほぼ万事休す。

運命の最終戦、なんとか荒谷を捲りたい後藤であるが、東1局の荒谷の親に7,700を放銃してしまう。
続く1本場も荒谷は跳満の6,000オールを決め、決勝の当確ランプが灯り始める。

しかし、後藤もまだ諦めるわけにはいかない。
次局、東1局2本場で

五万六万三索四索四索五索五索六索一筒一筒一筒二筒三筒  リーチ  ツモ四万  ドラ一筒

この3,000・6,000を決めて反撃開始。
荒谷と後藤はタイプが似ていて、どちらも超攻撃型であり、この最終戦においてもまさに2人のノーガードの意地と意地がぶつかり合う。
最終的にはなんと後藤が荒谷を捲ってトップを奪取に成功。
この結果、後藤は「予選3位通過」を果たす。
後藤は北陸プロリーグ第1期のチャンピオンであり、最近は王位戦準決勝進出、WRCベスト16進出と、夏目坂配信対局が続いており、北陸の代表格になりつつある。決勝戦でも獅坂を倒す刺客になるかもしれません。

 

●B卓
窪田さん(2位)、浦田(3位)、木戸(6位)、山元さん(7位)

もう1つの上位卓はプロ2名と一般2名の対決。

現在2位の窪田さん。
前身の北陸リーグでは優勝経験もある窪田さん。その打ち回しは実に変幻自在で、いつの間にか対戦者を絡めとってしまう、独特の雰囲気を持つ打ち手であります。
窪田さんとしては、浦田はじめ3人の誰かに抜かされなければ安泰、もしくは誰か1人に捲られても本日プラスであればほぼ大丈夫という状況か?

現在3位の浦田も窪田さんと同じ状況か?
木戸と山元さんの爆発を防ぎ、少しでもプラスを重ねておけば、窪田の下でも当確であろうか?

逆に少しポイントを離されている木戸と山元さんは、なんとかして爆発して窪田さんか浦田のどちらかをかわしたい。

1回戦、誰もがほしい初戦トップを取ったのは木戸。ラスは窪田さん。
浮きの2着の浦田も望ましい展開。

2回戦、タンヤオドラ2をテンパイする浦田。
待ちはカン三筒ではあるが、全体的にピンズが安く、何処からでも出そう。
しかし白をツモ切りすると、山元さんから「ロン」の声。

九万九万東東東白白  ポン発発発  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  ロン白  ドラ三筒

3役ホンイツトイトイの12,000放銃!
中級講座の「二鳴きに放銃するべからず。」と言っていた人は何処にいったのでしょうか?

跳満をアガッてトップ目に立った山元さんだが、ラス前に木戸にヤミテンで11,600を振り込み、その後もポイントを減らし、終わってみればまさかのラス転落。
トップ目からの急降下で、さすがに山元さんはこの時点で敗退決定か?
逆に木戸はポイントを伸ばし、窪田さんと浦田に迫り、後半戦に臨む。

3回戦、後がなくなった山元さんが開き直ったか?ここから大爆発!この半荘だけで+44.6Pを稼ぎ、一気に戦線に戻って来た。
浦田も山元台風の狭間で親満二発を決めて、大きな2着をキープ。
この煽りを受けた木戸は大きく後退、窪田さんも危険水域に入ってしまう。

最終戦、現状卓内トップの浦田と窪田さんとは18.0P差、山元さんとは28.8P差
直接対決なので全然安心出来ない点差ではあるが、私としては最悪2人ともに抜かされなければよく、自分の中では当確ランプが灯っていた。まだまだ何が起こるか分からないのに…。

東1局2本場、南家の山元が下記のアガリ。

七万八万九万六索六索七索八索九索三筒四筒五筒七筒八筒  ロン九筒  ドラ五万

木戸プロから高目九筒で、7,700は8,300のアガリ。
これで完全に落ち着きも点棒も取り戻した山元さんは最終戦もトップを取り、見事2位通過を果たす。
心が折れそうな前半戦からの見事な爆発力は、流石の一言です。

そして最後の椅子を手に入れたのは窪田さん。
山元さんに抜かされても慌てずに原点を死守し、トータル4位で終了。
対局後、「浦田さんだけを見ていました。」とのコメント。

さて、その浦田さんですが、大事な場面で放銃を繰り返し、ズルズルと後退。
2人に抜かされる最悪の結末となり、あえなく敗退。
最終戦もそうですが、今期は各節とも大事な場面でミスを繰り返しており、ある意味勝ち残れなくて当然の結果かと思っております。
顔を洗って出直して来ます。

激戦を制した下記4名が決勝戦に進出。

1位通過 獅坂 祐一 (プロ)
2位通過 山元 一成 (一般)
3位通過 後藤 正博 (プロ)
4位通過 窪田 一彦 (一般)

今回もプロ2名+一般2名の対戦となりました。
決勝戦は2月17日(日)に開催されます。
果たして栄冠は誰のもとに輝くでしょうか!?