北陸プロリーグ レポート

第4期北陸プロリーグ 第7節レポート

北陸リーグレポート

令和3年12月12日。北陸プロリーグの第7節。
いよいよ勝負は最後の直線を迎えるところまできた。
全8節における7節目の模様をお届けしたい。

最終節を前に、藤本、木原、梅本はほぼ当確だろう。
上記3名は期を通して安定した強さを見せ、着実にスコアを積み重ねた。
間違いなく決勝の椅子に座る資格があると言えよう。

4位には支部長の浦田。
前節で大きくスコアを崩し圏外となるも、僅か半日でボーダーに復帰する。
痛恨の大沈み、と己を評するもそのメンタルは崩れていなかった。
「まだ振出しに戻っただけだ。これで混戦。最終節勝負にするためにも少しでもプラスを積み重ねよう」
そんな鷹揚とした強さが好結果となった要因かもしれないと浦田は振り返る。

そんな浦田が印象の1局と上げたポイントも興味深い。

4回戦南4局北家 ドラ一索

二筒二筒三筒三筒七筒七筒八筒八筒北北発中中 ツモ五索

ここまで大きくポイントを取り返して迎えた23,400持ちのオーラス。
ここで満貫、跳満をアガってさらに加速したい、そんな中でラス目の親からリーチが飛んできた直後に掴んだ五索である。

「アガれば浮きに回れる、こんなもの勝負しなくてどうする!」
普通は勝負すべき局面、と浦田自身も後に語っている。
しかし、手牌の進行や、この半荘のプロセスに僅かな違和感を感じていた浦田。
この場面の大命題を「ラス回避」と再認識し、現物の二筒でオリとする。
思った通り、親の待ちは五索八索であった。

「弱気な選択でプロらしくないと言われるかもしれないが、私はこの手を『オリる勇気』を持てるのも、またプロだと思っている」

勢いあふれる若武者たちに負けぬ爆発力に、円熟の冴えを加えた浦田。スコア的にも勿論だが、決勝の残り1枠、最も近いポジションにいると言えよう。

「最終節は競技麻雀の真髄を味わうべく、混戦を楽しみたいと思います」
北陸の地で誰より競技麻雀を知り尽くした男が、挑む者たちに立ちはだかる大きな壁となる。

安城、美咲と苦戦する女流の中で1人気を吐くのが文月。
直対の最終節へ向けて十分な条件を残す、50Pの上積みを手にした。

「どの局にも参加していく攻撃力が持ち味です」
屈託のない笑顔で7節を振り返った文月。
ドラを絡めた高打点を多くものにして1-4-1-1と雀風そのままの攻撃力でトップを重ねて大混戦の一員に名乗りを上げる事となった。

「大きなチャンスなので勿論4位以内を目指したいですが、ミスの無い、自分に悔いの無い戦いにしたいと思います」
才色兼備、北陸の地に咲いた一輪の花はその輝きを夏目坂に届ける事が出来るか。

私、荒谷は6節終了時点で5位ではあったが、4位の岡田とは65P超の差。
奇しくも直上の岡田と7節は戦うこととなった。
ここで差を広げられては勝負が決まってしまう。最終節勝負とする為にも、自身の素点と並びを意識した条件戦と己に言い聞かせて臨んだ一番であった。

振り返る会心の1局は下記。

3回戦東4局西家 ドラ一万

一筒二筒二筒二筒三筒三筒四筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒 ロン九筒

仕掛けを入れて手牌を晒せば、テンパイは近づくが簡単に出す面子ではない。
シャンテンを上げる鳴きを拒否して、自力で仕上げて本田より16,000。
この半荘を71,100として、最終節を十分条件のある5位で迎える事が出来た。

抜きんでた上位3名に続くのが63.7Pの浦田。
そして約20P差で追いかけるのが、上記女流の文月、前期プロリーグ準優勝の里木、そして私、荒谷である。

思えば私は前期プロリーグも次点の位置で迎えて、あの時は最終戦オーラスアガリ勝負まで行くも手が届かなかった。

安定して決勝に進むも優勝を逃し続けている藤本。
前期優勝まで僅かに及ばなった梅本、里木。
鳳凰位戦等で躍進し、このリーグ戦でも結果を残したい木原。
北陸のリーダーとして、人一倍強い思いで戦う浦田。

皆には皆、一様にその場所に懸ける理由があり、誰もがそれに足る思いを牌にぶつけてきて今日という日がある。
無論、私には私の負けられぬ、負けたくない思いがある。

「打撃型紳士」
不肖ながら私のキャッチフレーズである。
名前には責任が伴う。
己の雀風を打撃と称する以上、プロとして恥じない、意志のある麻雀を貫く
聞こえの良い綽名も、己に課したハードルである。
誰よりも思いが強い、などとは言わない。
だが、その椅子に挑む意志と資格は持っていると自負している。

最終節、4半荘。
長かったようであっという間の1年の戦いの最後の火蓋が切って落とされる。
最終節は令和4年1月16日、応援の程宜しくお願い致します。