北陸プロリーグ レポート

第23期北陸プロアマ混合リーグ決勝レポート

北陸の地に雪がちらつく中、12月19日(日)に北陸プロアマリーグ決勝戦が行われた。
会場は麻雀スタジアムオリンピア。今回は4位が同点の為、初の5名となった。

北陸プロアマリーグは決勝通過順にポイントが付与される。

1位通過 藤田さん +40.0P
2位通過 中谷さん +20.0P
3位通過 南プロ  +10.0P
4位通過 中西さん  ±0.0P
4位通過 堂前さん  ±0.0P

この中で南は決勝進出を決めた唯一のプロだ。
立ち会いの獅坂の挨拶が終わると4人が席につき、対局が始まった。

1回戦 東家から 堂前さん→中谷さん→南→中西さん

開局を制したのは南。まずは中西さんからリーチ・タンヤオの2,600をアガった。
次局は堂前さんが1,300・2,600をツモアガる。
東3局も堂前さんに好配牌が続き、先制リーチを打つも中谷さんが上手く捌いた。

南1局、堂前さんが2,600オールをツモアガり、1人抜け出した。

1本場では粘って形式テンパイで親番を継続。

2本場では中西さんのリーチ・七対子に堂前さんが追いかけるも、中西さんが1,600・3,200をツモアガる。
その後は堂前さんが上手くゲームを回しオーラス。
ツモられる展開が続き、苦しい展開の南が意地の満貫をツモアガり、マイナスだが4→2着になるアガリを決め、堂前さんが1人浮きトップで決着。

1回戦結果

堂前さん +10.1P
南     ▲1.5P
中西さん  ▲3.8P
中谷さん  ▲4.8P

堂前さんは1人浮きで最高のスタートを切った。

2回戦 東家から堂前さん→中西さん→藤田さん→南
開局は堂前さんが終盤にドラ2の手牌から三筒をポンして、白で片アガリのテンパイを取る。

既にテンパイが入っていた藤田さんから白を打ちとり、5,800のアガリ。1回戦目に続き調子が良さそうに見える。

堂前さんの親番を中西さんがかわし、親番を迎えた中西さんに勝負手が入る。

ドラ二筒

一万一万一万七万八万九万二筒三筒四筒四筒五筒東東

三筒六筒は切っておりフリテンになっているがダブ東をポン出来たときの待ちかえが出来る。
そこにダブ東が暗刻になる。
二筒五筒ヤミテンに構え、南からでた五筒を捉えて、9,600の出アガリ。
次局も1人テンパイで親番を継続。
2本場で藤田さんがツモり四暗刻の1シャンテンになるも堂前さんがかわす。

東3局では南に勝負手が入った。
一万一万七万九万一筒二筒三筒六索七索七索八索八索九索
最高の手替わりの九索を引き、リーチを打つ。
親番の藤田さんが捌きにかかり、タンヤオのテンパイが入るも、軍配が上がったのは南。
苦しい状況を打破する跳満のツモアガリ。

このアガリにより原点付近まで回復する。

このアガリによって藤田さんは1人沈みでかなり厳しくなった。

南の親番を藤田さんがかわし、南入。

南が中西さんから満貫をアガり、トップ目に立つ。

南3局では中西さんが満貫をツモアガり、オーラスへ。
オーラスは三つ巴の展開に。

親の南は早い1シャンテンになるも手が進まず、その間に堂前さんがテンパイを入れる。
しかし藤田さんも負けじとリーチをかける。
堂前さんはひたすらテンパイ維持のために押していく。
結果は堂前さん、藤田さんの2人テンパイで流局。

2回戦結果
中西さん  +9.2P
南     +2.8P
堂前さん  +2.3P
藤田さん ▲15.3P
供託    1.0P

藤田さんは痛い1人沈みで2回戦を終えた。

3回戦
東家から中西さん→中谷さん→堂前さん→藤田さん

点棒の移動が少ないまま勝負は南場へ。

南2局は堂前さんが高めタンピン三色のテンパイを入れる。
そこに飛び込んでしまったのは藤田さん。
痛恨の7,700の放銃となってしまった。
藤田さんは苦しい展開が続く。

南3局では堂前さん、中西さんの手がぶつかる。
堂前さん ドラ八万

二万三万四万八万八万四索五索四筒六筒六筒八筒白白

ここから白が暗刻になり、少考後に打八筒
そこに中西さんがリーチをかけてくる。
堂前さんも勝負所とみてリーチに対して押していく。
しかし中西さんが勝負を決めるような満貫をツモアガる!

南4局はラス親の藤田さんを含む3人のリーチ合戦でぶつかるも、競り勝ったのは中西さん。2,600を中谷さんから出アガり、勝負を決めた。

3回戦結果
中西さん +17.5P
堂前さん  +5.6P
中谷さん ▲10.6P
藤田さん ▲12.5P

4回戦開始時トータルスコア

中西さん +35.9P
堂前さん +35.0P
南    +13.3P
中谷さん  ▲7.4P
藤田さん  ▲7.8P

4回戦

東家から堂前さん→中谷さん→藤田さん→南
東1局は南が満貫をツモり、スタートダッシュを決める。

局を上手く回し、東4局で親番を迎えた南が2,000をアガり、親番を継続。
1本場では南のマンズの染め手と中谷さんの下記の手がぶつかる。

ドラ南
三万五万三索四索五索三筒四筒五筒南南  ポン中中中

ここは中谷さんが四万をツモり、満貫のアガリ。

南3局は堂前さんがドラトイツのリーチを打ち、藤田さんから満貫をアガる。このアガリにより36,000のトップ目に立つ。

オーラスは親の南が白を仕掛け、テンパイを入れているところに六索を持ってきて、何かを覚悟したように河に放った。
藤田さんからかかるロンの声。開けられた藤田さんの手牌は全てソウズだった。
藤田さんにとっては希望を繋ぐアガリ。南にとっては絶望の12,000の放銃だ。

4回戦結果
堂前さん  +6.0P
藤田さん  +5.2P
中谷さん  +1.3P
南    ▲12.5P

最終戦戦開始時トータルスコア

堂前さん +49.0P
中西さん +35.9P
藤田さん  +0.4P
中谷さん  ▲5.1P
南    ▲11.2P

5回戦抜け番の堂前さんはかなり不利である。
理由としては現状2着目の中西さんがラス親であり、13.1P差で捲られてしまう。さらに全員が堂前さんを超えるための条件づくりの為、たとえオーラスでラス親の中西さんが堂前さんを捲っていなかったとしても、何としてでもラス親を継続させるという協力体制が為されるからである。

堂前さんが優勝するケースとしては1つだけ。
ラス親の中西さんがトータルスコアで捲っていないかつ、テンパイできなかった時だけである。可能性は0ではないので堂前さんはそれを願って対局を見守る中、最終戦が始まった。

最終戦

東1局1本場で中西さんが終盤にドラ暗刻のリーチを打つ。
勝負に出た藤田さんを捉え、8,300のアガリで抜け出す。

しかし次局にドラ色のソウズ仕掛けの藤田さんに、現物でのテンパイを入れていた中西さんが8,000の放銃。勝負は振り出しに戻る。

東3局も藤田さんのドラ2仕掛けと中西さんのチンイツ仕掛けがぶつかる。
そこに中谷さんも七対子のリーチで参戦!
3者テンパイの中、競り勝ったのは中西さん!

チンイツ・トイトイの跳満をツモり、またも抜け出すことに成功。

そのまま中西さんが丁寧に局を回し、勝負は南入。

南1局は藤田さんの親リーチを中谷さんがかわす。

南2局は南の先制リーチに親の中谷さんが追っかけリーチ。
さらに藤田さんはドラの三索が暗刻のチンイツ仕掛けのテンパイを入れている。

二索三索三索三索  ポン一索 左向き一索 上向き一索 上向き  ポン六索 上向き六索 左向き六索 上向き  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

各者のアガリ牌の枚数を見る限り、藤田さんが圧倒的に不利だったが、藤田さんが力強くラス牌の二索をツモって倍満のツモアガり。

南3局、苦しい南の親番は配牌を開けるとドラ暗刻と役牌の東がトイツ。
東を鳴き、早い巡目で中谷さんから11,600のアガリ。
最後の親番で希望を繋ぐ。
1本場でも5巡目で親の先制リーチを打つ。待ちは二筒五筒
しかし中西さんも仕掛けて追いつき、勝負所と判断して無スジを押してきている。
数巡後に「ツモっ!」という声と共に五筒が手元に置かれた。

アガったのは中西さん!南と同テンで引き勝ったのだ!
またも勝負所を制し、オーラスの親番を迎えた。

オーラス時点のスコア
中西さん +15.4P
藤田さん +22.5P

藤田さんの条件は中西さんに倍満以上の直撃か、三倍満以上のツモ。
中西さんはラス親で堂前さんのスコアを超えているので、ノーテンで伏せることが出来る。
藤田さんは手を作るも、一歩及ばず流局。

全員ノーテンで試合終了。

激闘を制しての優勝は中西さん!
ご優勝おめでとうございます!

私個人の感想としては、中西さんは勝負所の見極めが非常に上手だと思った。
それに加え、点棒状況による繊細な押し引き、かわし手を入れるタイミング等もかなり優れており、ミスもほとんどなかったように見える。私もまだまだ勉強して経験を積み、次こそこの決勝の舞台に立ちたいなと思った。

また出場された参加者の皆様、お疲れ様でした。
稚拙な文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

(文:梅本翔)