関西プロリーグ レポート

第17期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第6節レポート

Aリーグ第6節:辻本翔哉

猛暑日が続く夏。その中でも一際熱い場所がある。それでは第6節のレポートをお伝えします。

1卓:横山・坂本・稲岡・高谷
今期は観戦出来なかったので、まずは結果から発表します。
高谷+26.3P 坂本+20.7P 稲岡▲17.0P 横山▲30.0Pとなった。高谷が前節の勢いをそのままに卓内トップ。坂本はようやく決定戦に向けて照準を合わせてきた。一方、横山は前節から調子が上がらない。
そして稲岡はまだエンジンがかからない。前期は後半からの巻き返しが際立ったので期待したい。

2卓: 藤川・仁科・米川・吉本
こちらも観戦できず、結果を発表します。吉本+24.1P 仁科+4.5P 米川+4.3P 藤川▲32.9Pとなった。
吉本が卓内トップ。1卓もそうだがここにきて今期昇格組がリーグにも慣れてきて調子を上げてきたようだ。
一方藤川が1人でマイナスを抱え込む事となった。ベテラン実力者の調子が上がらず、若手の台頭で本当に混戦状態となってきた。

3卓: 勝間・佐々木・辻本・宮田
一番印象に残った1回戦の佐々木のアガリ手を今回はレポートします。
東3局 西家 26,700点

二万七万八万九万六索四筒北白白発発中中  ドラ六万

配牌の時点。鼻息が荒くなる配牌がきた。そして2巡目に白をポン。14巡目にアガる事となる。

七万八万九万北北北発発中中  ポン白白白  ツモ発

形はこうで3,000.6,000の跳満となった。
佐々木とはリーグで何度も対戦している。それで感じたか、白を仕掛けた時に違和感があった。まず打点が高く本格派の佐々木にしては三元牌を仕掛けるのが早い。そして捨て牌もアガリの形がもう想像できているような感じを受けた。
私の手の中には発中が1枚ずつあった。しかし、佐々木の仕掛けの後に発中どちらかがトイツになるまでは切らないでおこうと考えた。
切っていればテンパイできた場面があったが切らず。トイツになる事はなかった。
佐々木は対局後、北が暗刻になる前に発中どちらかを仕掛けたかったと。
私が序盤で発中を切って佐々木が仕掛けても、役満になっていたか、跳満止まりか、はたまたアガれたかどうかは誰にもわからない。
しかし一発裏ドラがない、いわゆる競技ルールで役満はとてつもない破壊力がある。現在のトータルの成績が上位で余裕があったからの判断だと思う。

ちなみに佐々木は3回戦もアガれずテンパイ止まりだったが、ホンイツ小三元だった。三元牌が寄る日だったようだ。
中盤戦も終了し、残りは12回戦。最後に笑うのは誰か。泣くのは誰か。混戦模様の太閤位戦にますます目が離せなくなります。

 

Bリーグ第6節:山室太二

今年のプロリーグも残り半分、折り返し地点となる6節を迎えました。
そろそろ各員昇、降級への焦点が向いて来ている頃合いでしょうか。
各ポイントについては、本日の対戦相手がちょうど紹介しやすい選手が多いので併せて記していきます。
対戦相手は、松永、山中、上村政でポイント状況において特筆すべきは、現トータルトップの松永でしょうか。彼については序盤から頭ひとつ抜きでていて、私のようなポイントの低い者は特に逆らう意味のない天上人といったところでしょうか。
次に山中。彼は毎期上位に残って来ている実力者で、今期もポイント上位につけ、当然昇級を狙って気力も充分といったところでしょうか。
次に第1節でも当たった上村政、今期は珍しく大きく沈んで不調の様子です。
対戦内容に移る前に、今回の面子を聞いた時に正直厳しい展開になるでしょう。
私見ですが今回の面子は全員アガリを目指すタイプの攻撃型で、普段であればかかってこいと言わんばかりの気合いで対抗するのですが。
現状ポイントが沈んでいるので、単純に局参加人数比分抽選が不利になる展開が見えているので、勝ち切る為に何度運頼みのめくりあいになるか考えたくも無いですね。
先手至上主義を徹するという手もありですが、いかにも許してくれなさそうですね。
対戦が始まると意外と攻めてきたのが大量のポイントを抱えている松永で、大きな放銃も目立ちますが、粘り強く取り返しなかなか沈みません。
対象的に一歩引いて慎重に立ち回ったのが今期不調の上村政で、後手を踏んだら字牌の暗刻落としをしいられる。取る中盤くらいでも、場が煮詰まると甘い牌を打たなくなっていました。
東家松永の手牌

一万一万三万三万三筒三筒六筒六筒七筒七筒南南白  ロン白  ドラ六筒

今回やはりポイントを獲得したのは松永で、今期の好調を象徴したような躍進ぶりでした。

 

C1リーグ後期1節:松尾潤

C1リーグは今節からポイントがリセットされ、後期の1節が開始となります。
前期からは4名が入れ替わりとなっており、私自身も昇級の勢いを続けて結果を残して行きたいと思います。

4卓3回戦(中安・松尾・辰巳・行野)
2回戦まで終わり、ポイント状況は辰巳 ▲30.3P、行野 +12.3P、中安 ▲36.4P、松尾 +54.4P。
東4局0本場
点数は大きく動かず迎えた東4局。
親の行野が早々に仕掛け、ションパイの白をポン、六筒をチー、河を見てもホンイツ濃厚です。

10巡目、松尾手牌。

三万四万四万五万六万二索三索三索四索五索東中  ツモ一筒

配牌からほぼ変わらずの手牌で、東・ドラの中は共に生牌。行野の河にピンズは四筒のみ、一筒ツモ切りを選択するも行野へ12,000点の放銃。

一筒一筒南南南中中  カン白白白白  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン一筒  ドラ中

3回戦は行野が大きなアドバンテージを得たままトップ。松尾がラスとなりました、大きな失点となりましたが、気を取り直して4回戦へ向かいます。

4回戦では、ここまで状況の苦しそうな辰巳の3,000・6,000や、行野の親番でドラ東が暗刻の11,600、中安の要所でのアガリでもつれ込みましたが、松尾がオーラスの4,000オールをアガリきりトップとなりました。
この勢いが次に続けばいいのだけどと思いました。

 

C2リーグ後期1節:北村祐二

C2リーグは後期の初戦第6節がスタートしました。
組み合わせは、
1卓(冨田・北村・吉田・秋山・南田・管東)
2卓(高橋・楠木・山本・平柴・伊原)
1卓は冨田の独壇場。4戦全てでトップを獲り、+104.9Pの大稼ぎ。2位は秋山で+19.3P。3位の管東は、2度役満をテンパイしましたが成就できず。それでも終始安定した打牌で+15.4P。
一方、北村は再三のチャンス手をことごとくアガれず、▲69.7Pの最下位となりました。

2卓は、山本がトップを3回獲り、卓内1位の+36.9P。2位の伊原は+22.8P、3位の楠木は+10.0Pで、終わってみれば冨田が全体で頭2つ抜ける結果となりました。
麻雀は、1つのアガリや放銃、鳴くか鳴かないかで流れが一気に変わる、不思議なゲームだとつくづく感じます。今回は「1アクションが流れを変える」と題して、私が印象に残った半荘を振り返ります。

1卓5回戦(起家から、吉田・秋山・南田・冨田)
東4局の終盤、親冨田の手牌は、

三万四万七索七索七索三筒三筒三筒東東  ポン中中中  ドラ七索

ここまで2戦連続トップで向かえた3戦目。他家からはドラも東も見えない恐ろしい状況で、二万を吉田からアガる。開けてビックリ強烈な一撃でした。この親満で冨田にスイッチが入ります。
東4局1本場の中盤、冨田の手牌は、

六索七索八索四筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒東東  ドラ東

吉田から七筒が出て、7,700のアガリ。吉田にとっては痛い連続の放銃となりました。
東4局2本場。冨田の配牌は、

四万七万一索三索四索一筒六筒南西北発発中中  ドラ五筒

配牌は決して良くありませんでしたが、今日の冨田にはお構いなし。3巡目に発、13巡目に中を鳴くことができ、テンパイ。

二万三万四万三索三索六筒八筒  ポン中中中  ポン発発発

ここから、16巡目に四筒ツモ、八筒切りでドラ待ちに。次巡三筒ツモ、六筒切りで両面待ち。次巡あっさりドラ五筒をツモり、2,000オールの加点。

親満から一気に流れを引き寄せた冨田。その後、大量リードを保ったまま南2局を向かえます。配牌は、

一万三万四万九万二索三索六索六索七索二筒三筒四筒西

第一ツモで四索、次巡西を引き、

三万四万二索三索四索六索六索七索二筒三筒四筒西西

ピンフ三色が狙える絶好の1シャンテン。好調さが顕著に表れている証だと感じます。
このままメンゼンで手を進めるかと思われた矢先、下家の吉田から出た西を鳴き、七索切り、片アガリのテンパイをとりました。局を消化する狙いがあったかと思われましたが、この鳴きが流れを変えてしまうことになります。

7巡ツモ切りを繰り返し、11巡目。六万をツモったところで冨田は不穏な空気を察したのか、六索を切りました。この時、上家の南田の手牌は、

二万二万四万五万七万八万九万  ポン白白白  ポン中中中

18巡目に秋山が三万を南田に放銃し、結果的に冨田は放銃を回避しましたが、筆者の個人的感想として、今までの好調さ故に、鳴かなければこの局をモノに出来たのではないかと感じた、印象に残る局でした。

この局のアガリで南田が流れを引き寄せ、反撃に出ます。
南3局の親番で2,600オール、南3局1本場で1,300オールをアガリます。
南3局2本場でも連荘し、向かえた南3局3本場。中盤の南田の手牌は、

四索六索七索七索八索九索発  ポン中中中  ポン白白白

大物手を期待させる手である。
上家の秋山から八索が出たが、鳴かず。数巡後秋山から勝負の二索切りリーチが入ります。
その後、南田は発をツモって、跳満テンパイ。
しかし、四索が秋山への放銃となりました。
先程の南田の手牌で、八索を鳴くか鳴かないか、意見が分かれる局面だったと感じました。
南4局は、前局アガリをモノにした秋山が満貫をアガリ、終局。
結果は、1度他家に流れを与えたものの、序盤の大量リードを守った冨田がトップで終えました。
1局毎に流れが目まぐるしく変わる、非常に中身の濃い半荘でした。