関西プロリーグ レポート

第17期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第7節レポート

Aリーグ第7節:辻本翔哉


約2ヶ月ぶりのリーグ戦のレポートです。
A1卓:横山・坂本・勝間・米川
成績が全員プラスの今節一番の注目卓です。観戦は出来なかったので結果を報告します。坂本+14.6P 横山+6.2P 勝間+4.7P 米川▲25.5Pとなった。半荘1回分程の変動で、トータルの成績の降順の結果となり、差が縮まった。

A2卓:佐々木・辻本・宮田・吉本
2卓は私辻本が参戦していた卓なので詳しくレポートします。
先に結果から報告します。
吉本+54.0P 佐々木+51.1P 辻本▲43.8P 宮田▲61.3Pとなった。
トータルトップで迎えた7節だが、前日まで十段戦決勝を戦っていた佐々木、若手のホープ宮田、Aリーグに慣れ調子を上げてきた吉本と手強い相手との対局となった。

2回戦、東1局 南家
親の宮田から先制リーチが入っていたが

七万八万九万七索八索九索四筒五筒六筒八筒九筒西西  ドラ六索

この形で6巡目にテンパイする。1回戦は消極的な麻雀でラスになってしまい、ここは積極的に攻めようと追っかけリーチをした。宮田から七筒が切られアガる事が出来た。

東2局 東家 またもや宮田の先制リーチが入っていたが

六万六万七万八万九万三索四索五索八索九索七筒八筒九筒  ドラ六万

このテンパイが入り今回はリーチをしなくても親の満貫、それに宮田が四索を切っていてソウズが出やすい場だったので、ヤミテンにした。結果ツモアガリ4,000オールとなった。
そのまま他でも加点し、東場終了時点で60,500点となりトップは安泰かと思われたが、麻雀は何が起こるかわからない。

南1局 南家 ドラ五索
またもや宮田が6巡で先制リーチ。その時は七対子1シャンテンで現物は1枚持ちのドラの五索しかなかった。
トイツはどれも安全牌ではなく残りの3牌もわからなかった。ここはドラを切りたくなかったが仕方なく五索を切る。
すると下家の吉本に放銃。タンヤオピンフドラ2の7,700点となった。
そこから完全にペースを崩してしまい次の親もすぐ流れる。そして

南3局 西家
親の吉本が7巡でツモアガる。

一索二索三索六索六索南南南西西白白白  ツモ西  ドラ四索

ツモ、ホンイツ、三暗刻、役牌2で8,000オール。
卓に衝撃が走った。競技ルールでリーチもせず、それも7巡でそんな高い手をアガられると、一瞬なにが起きたかわからない。
もちろんこの半荘は吉本がトップ。結果、私は28,500点で沈みで終了した。
対戦相手は全員麻雀が強くなりたくてプロになった猛者。油断などはしていなかったが、ここまでの逆転劇はなかなか無い。平常心を乱され今節は大きなマイナスとなってしまった。

A3卓: 藤川・仁科・稲岡・高谷
こちらも観戦は出来なかったので、結果を報告します。
稲岡+30.3P 仁科+17.2P 高谷+3.0P 藤川▲50.5Pとなった。
稲岡が卓内トップとなり、紅一点のスロースターターはこれから調子をあげてきそうだ。一方藤川は、1人でマイナスを抱えてしまい今期は苦戦をしいられている。
今節は全体的には差が縮まり、これからの戦いがより面白くなりそうな結果となった。これで残るは2節。ますます熱くなるリーグ戦に目が離せない。

 

 

Bリーグ第7節:山室太二

 

リーグも後半戦に差し掛かり、選手各々昇降級を強く意識するところでしょう。
麻雀がある種のメンタルゲームである以上精神面を推し測った上でアプローチを掛けていきたいところ、今節の対戦相手は、大橋、城、菅上となかなか押しの強い面子構成で、引き気味に受けすぎると無制限に押し込まれ兼ねないので、2~3局程度採算無視してでも押す姿勢は見せるつもりで臨みました。特に城は上位に着けていてポイントを稼ぎに来ることが予想されます。
実際予想を遥かに越える強さを見せた城。
早いヤミテンが多く、めくりあいにも強く、手の施しがありませんでした。

実戦譜では1回戦南1局

五万五万五万四索五索六索六索七索八索二筒三筒四筒五筒  ロン五筒  ドラ五万

二筒は3枚切れのこの七巡目の仮テンに山室が放銃

2回戦東3局

三万四万八万八万八万三索四索五索二筒二筒三筒四筒五筒  ロン五万  ドラ四筒

このヤミテンで二万の安めをスルーしながら、親現物の五万高めに大橋が放銃。昇級への強い意思を感じました。

4回戦オーラス

四万四万二索三索四索六索七索八索四筒五筒六筒南南  ロン南  ドラ四万

トップ目でのダメ押しのダブ南ドラドラ、これにラス目の親の大橋が放銃。責められない放銃とはいえ、なかなかにえげつない締めでした。
今節は、攻め、かわしともに圧倒的な成功率を誇った城が頭ひとつ抜き出ていて、空振り、放銃が多かった大橋が大きく沈みました。
私はと言うと、押していくつもりだったのですが振るわず微マイナス。昇級はかなり厳しいですが、対戦レポートの任を請けおった以上、少なくとも最終節上位卓の対戦をお届けするよう努めたく思います。

 

 

C1リーグ後期2節:松尾潤

 

1卓 松尾 +63.5P、後藤 +5.8P、行野 ▲29.0、吉田(哲) ▲44.3P

前節からの好調を維持し松尾が3回トップを取りポイントを大きくプラス。4回戦ともオーラスで各選手が順位が変わる大物手をアガリきる最後まで気が抜けない展開となった。
個人的に振り返ると、リーチの判断など反省も多くありますが、悪い方向に転がらなかったことは幸いでした。

2卓 辰巳 +42.8P、掛樋 +29.5P、杉田 ▲12.6P、中野 ▲59.7P

2卓では前節の結果が逆転する結果に。中野は前節トップだったが、局面に恵まれずトータルでもマイナスになる大きな失点となった。

3卓 木下 +20.8P、長野 +17.4P、宮澤 +5.4P、原田 ▲43.6P

原田、宮澤は前節のマイナスを取り戻したいところだが好調の木下がポイントを重ねた。後期C1リーグでは下位4名が降格となるため残り3節どのように戦うのか注目される。

4卓 中安 +15.7P、音羽 +4.0P、吉田(圭) ▲4.1P、根越 ▲15.6P

混戦となり大きなポイントの動きにはならなかったが、中安が2回戦で1人沈みのラスとなるも後半巻き返しプラスとなる。一方で根越は1回戦でトップをとり、そのまま前回のマイナス分を取り返したかったが実らなかった。

 

 

C2リーグ後期2節:北村祐二

 

C2リーグは第2節。
組み合わせは、
1卓(冨田・楠木・吉田・平柴・南田)
2卓(高橋・北村・山本・秋山・伊原・管東)

1卓では、楠木が+59.1Pで卓内1位。前節+100P超の大稼ぎをした冨田は+0.4Pの2位で、結果的に楠木の1人勝ちとなりました。

2卓では、卓内1位が高橋(+36.6P)、2位に伊原(+23.4P)、3位に山本(+12.1P)と、僅差の戦いでした。
全体では、冨田の足踏みによって、後続が点差を縮める結果となりました。

【第2節終了時点】
1位 冨田 +105.3P
2位 楠木 +69.1P
3位 山本 +49.0P
4位 伊原 +46.2P
5位 高橋 +27.4P
尚、北村は▲111.0Pで、早くも崖っぷちに追い込まれました。

「幸先の良いスタート」とは、様々な競技で使われている言葉ですが、麻雀においての「幸先の良いスタート」は、「東1局のアガリ」ではないかと感じます。多くの場合、そのアガリで半荘を優位に進めることができるためか(逆転され、トップを逃すこともありますが)、東1局(のアガリ)の持つ意味はとても大きいと感じます。
2卓、4回戦の東1局。
秋山がピンフドラ1の2,000点をアガリましたが、今節はこの局をフォーカスしました。
先に、この半荘の結果(素点のみ)を紹介すると、

管東 +1.0P
伊原 +5.8P
秋山 +15.8P
山本 ▲22.6P

前述の東1局でアガリをものにした秋山がトップをとりました。
本題の局面では、7巡目、秋山は九筒をツモリ、

六万六万五索六索七索八索九索三筒四筒五筒七筒八筒九筒  ドラ六索

この形でテンパイしました。ここで秋山はヤミテンを選択し、数巡後、四索を山本からロンアガリしました。
この局面では、秋山はヤミテンを選択しましたが、リーチと選択する方もいるのではないかと思います。また、もし場況がひとたび変われば、選択も違ってくるかと思います。例えば、
・親か子(南家、西家、北家)か。
・盤面(序盤、中盤、終盤)。
・他家の動向(鳴きやリーチの有無)。
・一手変わり役か付くか、否か。
・ドラの有無や枚数。
・前回対局の結果、当日のコンディション。
等、選択に影響を与える要素が様々あります。これらを踏まえて、秋山が出した結論はヤミテンでした。結果論ではありますが、選択は吉と出ました。