北関東プロリーグ レポート

北関東プロリーグ レポート/第15期北関東リーグ 決勝レポート

鳳凰位決定戦やWRCリーグの熱い話題が絶えない2月某日、北関東プロリーグの決勝が行われた。
今期の決勝進出者が若手中心ということもあり、まずは選手紹介から。
1位通過
小川尚哉(22期)
第33期王位戦3位、グランプリ(2007)3位、更には特昇リーグ優勝など決勝での対戦経験は4人の中で最も豊富。
北関東プロリーグ準優勝、プロアマリーグでは優勝経験もあり、決勝常連組の1人。順当に考えれば大本命。
後輩3人に囲まれた今回の決勝戦、負けられない戦いである。本人曰く雀風は「なんでもやりたい型」。
2位通過
小暮智貴(31期)
第1回モンド新人戦3位。アマチュア時代に北関東プロアマリーグでの準優勝経験がある。
普段から麻雀では負けん気の強さを見せ、自他ともに認める攻撃型。麻雀以外では会社のマラソン部に所属しているそう。
5回戦という決勝戦の長丁場、持ち前の持久力を発揮することができるか。
3位通過
福田雄大(33期)
麻雀プロになって間もない彼にまだ決勝経験はない。雀風は「わかりません」。まだ自身の麻雀を模索中といったところか。
普段は麻雀卓販売の仕事をしているそう。麻雀に関わる職業を選び、麻雀プロの世界へ足を踏み入れ1年目で勝ち取った決勝戦への切符。優勝への思いは計り知れない。
4位通過
塚越裕次郎(28期)
アマチュア時代、北関東プロアマリーグの優勝経験あり。最近は雀風についてあまり意識していないとのこと。
普段は麻雀広告サイトの営業を生業とする彼は、今期で連盟を退会することになった。
今大会が最後の公式戦となるため、有終の美を飾るべく優勝を勝ち取りにいくに違いない。
 
1回戦 起家から塚越、小川、福田、木暮
この日、最初のアガリは東2局のこと。配牌に恵まれた西家の木暮が、
六万七万八万一索一索一索六索八索二筒四筒四筒東東  ドラ七索
この形に早くも5巡目で絶好のドラ七索を引き入れリーチ。程無くして福田から東が切られ、6,400は6,700のロンアガリ。気持ちの良いスタートを切る。
東3局、南家木暮が3巡目に中の一鳴きから、一気にマンズの一色手へと向かう。
4巡目にはカン四万チー、13巡目に南をポンしてこのテンパイ。
二万三万六万六万  ポン中中中  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き  ポン南南南  ドラ九索
下家の木暮に対しマンズをぶつけ続けた親の福田も勝負手をテンパイ。
三索三索四索四索五索五索六索七索白白  ポン東東東
西家塚越も本日最初の勝負手をヤミテンに構えていた。
一万一万一万一索二索七索八索九索七筒八筒九筒発発
3者が静かにぶつかり合ったこの局を制したのも木暮。あっさり四万をツモり2,000・3,900。
誰の目にも好調に映っていたであろう木暮は、親を迎えた東4局も、一手変わり三色のタンピンのテンパイを入れヤミテンで押し続ける小川をリーチのみの2,000点で打ち取ることに成功する。
この日最初に親を連荘したのも木暮だった。
東3局1本場、木暮はさらにアグレッシブな攻撃を見せつける。
7巡目にチーしてテンパイ。
四万五万六万四筒四筒四筒五筒中中中  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ドラ六筒
同巡、下家の塚越の切った中を大明カン。嶺上からツモって来たのは三筒。塚越から7,700は8,000のアガリとなる。
しかし、放っておいたらどこまでも続きそうな木暮の時間を流しにかかったのは、この南家の塚越。
二万二万六万七万三索四索五索六索六索六索  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ドラ五万
好調を確信していたであろう木暮のリーチ宣言牌となったドラの五万を打ち取り2,000は2,000のアガリ。塚越にとってこの日の初アガリである。
南1局、木暮の親を落とすことに成功した塚越の親番。
6巡目の塚越、木暮、両者の手牌がこちら(ドラ中
塚越
八万八万七索七索一筒一筒二筒六筒九筒東南西中
木暮
三万四万五万五万六万五索六索七索八索五筒六筒発発
見ている方が苦しくなる塚越の手牌は、ドラの中も1枚浮いている。観戦者のほとんどが、木暮があっさりアガることを想像しただろう。案の定2巡後に四筒を引いた木暮はリーチに打って出る。しかし塚越も粘りを見せ、見事14巡目に七対子テンパイで木暮に追いつく。
八万八万五索五索七索七索一筒一筒東東南南中
迷いなく「リーチ」の発声。しかしツモ番が来ることなく木暮の500・1,000ツモアガリ。結果的に木暮のアガリとなったが、観戦者の目を引く塚越の粘りであった。
南3局には再び3者の手がぶつかる。
7巡目に四索ポンから仕掛けた親の福田が16巡目、西家塚越の切ったドラの七筒をポンしてテンパイ。
二万四万六索六索三筒四筒五筒  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ドラ七筒
塚越は四暗刻1シャンテン。その後もツモ切りを続ける塚越に対しロンと発声をしたのはまたしても木暮。
南家
四万四万四万五万六万六万七万八万六索七索八索五筒六筒  ロン四筒
タンピンで2,000。
1回戦、好調者木暮が5万点を超える1人浮きのトップ。この半荘の主役となった。
対して小川はこの半荘アガリなし。しかし執念のテンパイ取りなどで小さな沈みの2着につけているのは流石である。
1回戦終了時
木暮+36.8P 小川▲4.4P 塚越▲12.4P 福田▲20.0P
 
2回戦 起家から福田、木暮、小川、塚越
東1局、西家の小川が早い段階で1枚目の白から仕掛けにかかり、続けて北もポン、8巡目にカン二万をチーしてこの牌姿。
六万八万東中  ポン白白白  ポン北北北  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ドラ六万
自身としては一度もアガリがなく終わった1回戦での木暮の好調ぶりを見て、上家の木暮の警戒を煽るためか、苦しいながらもどうにかアガリをものにしようという意志か。
次巡、親の福田のリーチを受け、字牌を払いながら受けにまわる。
程無くして福田が高めの六万をツモり2,600オールのアガリ。
七万八万五索六索七索六筒七筒八筒九筒九筒九筒東東  ツモ六万
福田としてもマンズに寄せている小川の3フーロを見せられてからの六万九万待ちのリーチ、あっさりドラをツモることができ感触はよかったはずだ。
そして続く東1局1本場8巡目、小川にとって待ちに待ったこの日初のアガリが。
二万三万四万七万七万八万九万九万三索三索六筒七筒八筒  ツモ八万  ドラ三索
2,000・3,900は2,100・4,000。
この時北家の塚越もひっそりと勝負手を入れていた。
三万四万五万三索三索四索四索四索三筒三筒四筒五筒五筒
そして親の福田もタンピンイーペーコーの好形イ1シャンテン。
四万四万五万五万六万六万八万八万六索七索六筒七筒七筒
この半荘も4者の手がぶつかり合う予感がする。
東2局でも南家小川は4巡目でホンイツがすぐそこに見えるこの牌姿。
一筒二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒東北北中中  ドラ六万
次巡八筒をツモると八筒を空切り。ターツが足りているので先に処理したと考えられるが、結果、小川の河はこのようになっていた。
九万 上向き四万 上向き五万 上向き五索 上向き八筒 上向き東
一筒 上向き九索 上向き九索 上向き
変則手には見えるが、東切りが他家に合わせて切られており、速度や手役が判断しにくい。そして7巡目に中ポンでテンパイ。
二筒二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒北北  ポン中中中
またも小川のアガリとなりそうな空気が流れる中、2巡後、北家福田からリーチが入る。
四万四万七万八万九万二索三索四索六索七索八索六筒七筒
これをヤミテンとしていたところに、注文通りドラの六万をひき、タンヤオ高め三色含みに振り替わりリーチ。安めではあるものの五筒を即ツモ、2,000・4,000のアガリとなった。
東3局、親を迎えた小川、ダブ東とドラの三筒がトイツ、そして1面子1両面と、大物手を予感させる配牌であったが、福田から塚越へ2,600横移動に終わる。小川の時間帯が来るのはまだもう少し先か。
南1局。北家の塚越は早い段階で1シャンテンに漕ぎつける。
一万二万三万五万六万七万七万八万一索三索三筒四筒五筒  ドラ六万
しかしここから有効牌を全く持ってこなくなる。私も普段実感することだが、不調の時は1シャンテンが異様に長い。そうした時、自分の不調さが改めて身に染みる。中終盤になりやっと引いてきた牌は八。テンパイ打牌となる七万はドラの跨ぎで切りにくく、切っても役なしテンパイではあるが、塚越はテンパイを取った。ドラ2枚使いの順子手や一通まで伸びる可能性も秘めていただけに納得のいく形ではないとは思うが、数巡後二索をツモり500・1,000。折り合いをつけながら我慢の麻雀を強いられている塚越、ぐっと堪えヤミテンで押してのこのアガリは打点以上の価値あるものに見受けられた。
南2局1本場、西家塚越はここで積極的な攻撃に出る。8巡目に1枚目の白を仕掛けてから有効牌を立て続けに引き入れ、2巡後にこのテンパイ。
一索一索一索八索八索四筒五筒発発発  ポン白白白  ドラ三万
同巡八索もポンして四筒単騎に受けトイトイテンパイ。
実はこの時南家小川に大物手が入っていた。
三万三万四万五万六万三索四索五索六索六索六筒七筒八筒
北家の福田はドラ1枚使い、イーペーコー含みの1シャンテン。
一万一万二万二万二万三万八万八万五索六索二筒三筒四筒
親の木暮はチーしてタンヤオテンパイ
二索二索二索五索五索六索七索八索三筒四筒  チー八万 左向き六万 上向き七万 上向き
塚越の仕掛けに対し3者は一歩も引かなかった。
さらに塚越は発を大明カン。嶺上からツモって来たのは五筒。木暮の当たり牌である。五筒単騎に受けていれば…しかし塚越は表情を変えない。自分の不調を受け入れ、自然体で麻雀と向き合っているように見える。
その後塚越は南2局2本場で3,200は3,800、南3局で1,300、2,600をアガリ。少しずつ復調が見られた頃にオーラスで親番を迎える。
トップ目の福田は36,700、塚越は33,600、その差3,100点。
中盤にきて塚越はドラの四万をポンしタンヤオドラ3のテンパイを入れる。
対する福田は次の牌姿から三索を切り三色を狙う。
五万六万七万三索五索七索一筒二筒三筒六筒七筒九筒九筒中  ドラ四万
上家塚越の切った六索をチーしてテンパイ。五筒をツモり300・500のアガリ。トップを守りきった。
1回戦目1人浮きのトップだった木暮は2回戦で1人沈みのラス、また4着だった福田がトップをとったことで混戦模様となった。
2回戦結果(2回戦終了時トータル)
木暮▲23.6P(+13.2P)
小川+1.7P (▲2.7P)
福田+15.8P(▲4.2P)
塚越+6.1P (▲6.3P)
 
3回戦 起親から塚越、木暮、小川、福田
東1局、西家小川が先制リーチ。
一万四索四索四筒四筒五筒五筒七筒七筒東東北北  リーチ  ドラ四筒
福田から8,000のアガリ。
しかし若手選手の勢いも衰えない。東4局福田がピンズを1枚も余らせることなくこのテンパイ、塚越から5,800のアガリ。
二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒九筒  ポン発発発  ロン七筒
続く2本場でも福田は4巡目に先制リーチを打つ。テンパイの入った塚越から3,900は4,200のアガリ。
一万二万四万五万六万一索一索四索四索四索五筒六筒七筒  リーチ  ロン三万  ドラ五筒
塚越には苦しい展開の幕開けかと思われた。
しかし次局、塚越は跳満を引きアガる。
二万二万七万七万九万九万三索三索六索六索九筒九筒東東西  リーチ  ツモ西  ドラ西
これでまた混戦模様である。
南2局1本場、ここまでしばらく静かだった木暮の親番である。21,900持ちの4着目、ここは積極的にアガリを目指したいところ。僅か7巡で三色テンパイ。
七万八万九万二索二索七索八索九索一筒二筒三筒八筒九筒  ドラ白
七筒は場に2枚切れ、小川と福田の手に1枚ずつで山には残っていない。小川はメンツで使っていたが、福田は手が進むにつれ五筒七筒のカンチャンターツに手がかかり木暮に3,900は4,200の放銃。点数状況的にリーチを選択する打ち手もいるとは思うが、今回はリーチがかかればアガリは無かったと考えられるだけにこの木暮の冷静な選択が吉と出た。
その後も1,500は1,800、2,000は2,900と細かいながらもアガリを重ね連荘し浮きに回ることに成功する。
南4局、北家木暮が4巡目でこの牌姿からドラをリリース。
三万三万六万六万七万七万四索五索六索四筒六筒北発発  ドラ北
トイツ手もまだ否定できず、カンチャンターツも残っており、北を切っても発を暗刻にするかポンしない限り役も見えないだけに、ドラを切らないうち手が多いのではないかと思う。アガリたい気持ちが強く伺えた。自身が北家ということも切りやすい要素となっていたか。しかしこの北を西家塚越がポン。
四万五万六万二索四索五索八索四筒六筒白  ポン北北北
なんとか三色へ持っていきたい2シャンテン。
そこへ8巡目に親の福田がリーチを被せるが、それらを掻い潜り小川が400・700ツモ。
東場での加点を守り抜き、最後も他家をかわしてトップを守り抜いた。トータルでも木暮と約7ポイント差に詰め寄る。
3回戦結果(3回戦終了時トータル)
木暮+9.1P (+22.3P)
小川+18.1P(+15.4P)
塚越▲7.0P (▲13.3P)
福田▲20.2P(▲24.4P)
 
4回戦 起家から塚越、木暮、福田、小川
トータル首位の木暮と4着目福田は、1半荘で入れ替わる可能性も十分にあるポイント差。この4回戦がターニングポイントとなりそうである。
この半荘どうにかトップ、最低でもプラスが欲しい西家福田が東1局から積極的に仕掛けていく。
二索二索五筒六筒  ポン四万 上向き四万 上向き四万 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ドラ二索
親の塚越もプラスが欲しいのは同様だが、手牌がなかなか動かない。どうにかドラ単騎の七対子テンパイに漕ぎつけるが、間もなく福田が1,000・2,000をツモアガる。
トータル首位の木暮の勢いも衰えず、次局迎えた親番で2メンツ1両面とドラトイツの好配牌。わずか4巡でリーチ、4,000オールを決める。
一索二索三索五索六索七索一筒二筒三筒四筒五筒九筒九筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ九筒
続く東2局でも木暮、福田の手がいい。親の木暮は白ポンテンもとれる形の1シャンテン。南家福田は役なしテンパイからドラを引き入れ役ありの5,200テンパイに振り替わる。
七万八万九万三索三索四索五索五索九索九索一筒二筒三筒  ドラ五索
一方小川と塚越は2人とも2フーロして1シャンテン。木暮の親番をどうにか落とすためにアガリへの道を探っているようだ。こういうとき、勢いや流れ、態勢などという目に見えないはずのものが実際に具現化されているように感じる。麻雀にはやはりそういった類のものが大いに影響しているとわたしは思っているし、このときも心のどこかで(やっぱり...)と思っていた。
結果、この局は木暮が白をポンして塚越から1,500は1,800をアガリ、福田の勝負手をかわし親番連荘に成功する。
続く東2局、西家小川が西をポンして木暮から1,000は1,600をアガリ、木暮の連荘を止めることに成功する。このときも木暮は中張牌だけで2メンツ1両面2トイツの超好配牌であった。
小川と木暮の勢いの差は誰の目にも明らかだった。しかしそれを揺るがすような局があった。
東3局1本場、北家木暮は6巡目にソーズのホンイツ1シャンテン。
二索二索四索四索五索六索七索七索八索九索南北北  ドラ四万
そこへ南家小川が9巡目に1,300のリーチ。
六万七万八万一索三索七索八索九索一筒一筒二筒三筒四筒  リーチ
木暮がソーズのホンイツということもありソーズはやや場に高いというだけでなく、木暮が字牌を余らせ始めた後のことである。ここが小川の強さなのではないかと思う。
対する木暮はリーチを受け、上記のホンイツ1シャンテンの牌姿に六万をツモってきて少考。確かに六万はドラ跨ぎで切りにくい牌ではあるが、木暮という選手の印象からすると六万をツモ切ってもおかしくない。実際小川への当たり牌二索は木暮からはほぼ出ない形になっている。ここも木暮がアガリきるのか。
しかし木暮は唯一の現物五索を抜いた。これには驚いた。ここまでの両者の態勢や、今までの木暮の攻めっぷりを見てきた観戦者はどう感じただろうか。
他に現物のない木暮の手牌。次巡一万をツモり、五索の筋を追って二索で1,300放銃となる。
失点こそ小さいものの、いつもの木暮なら当たり牌を使い切ってテンパイしアガリきるビジョンまで見える。そして、そうやってこの決勝への道を開拓してきたと私は思う。木暮としても決勝での戦い方を考えてのことだろう。しかし何かが変わりそうな気がした。4回戦まできてトータルトップ、この半荘もトップ目という現状、木暮に守りたい気持ちが出始めているように見受けられた。
次局、親番は前局見事1,300のアガリを決めた小川。
6巡目南家塚越から先行リーチが打たれる。
二万三万四万七万八万九万七索八索四筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ四万
塚越もここまで我慢が続いただけに、この勝負手で先手を打てたのは大きい。
しかし小川の手牌もまとまっており、9巡目に追いつきリーチ。
五万五万六万六万七万七万二索三索四索五索六索三筒三筒  リーチ
塚越が四索で11,600の放銃。塚越には苦しい時間帯が続く。対して小川は前々局の木暮の親番落とし、そして前局の1,300と流れを感じさせる大きなアガリである。もうひとアガリあれば木暮をかわせる、そんな勢いを感じた。
しかし次局アガったのは木暮。
三万三万三万四索五索六索二筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ五筒
塚越から5,200は5,500のアガリでさらに加点し木暮が44,100持ちのトップ目。大抵のことでは揺るがないほどの態勢ができあがっているか、若しくは木暮は牌に愛されているのか、そんなことを思った。
南1局、痛い放銃が続いた塚越は3,000持ちのラス目で親番を迎えた。9巡目に両面2ターツのピンフ1シャンテン。しかしここから全くテンパイまで至らない。ギリギリのところでチーして形式テンパイをとりなんとか親番を維持する。続く1本場も2フーロでタンヤオテンパイを入れるがアガリには至らない。2本場で木暮が700・1,300は900・1,500をツモアガリ、塚越はアガリなく3着に大きく離されたラス目のまま親番を落としてしまう。
その後は大きな点数の変動はなく、勢い衰えない木暮はトップを守り切りリードを広げた。塚越は1人沈みのラス、トータルトップとは約97ポイント差と最終戦の条件は厳しいものになった。
4回戦結果(4回戦終了時トータル)
木暮+23.2P(+45.5P)
小川+4.1P (+19.5P)
福田+10.6P(▲13.8P)
塚越▲37.9P(▲51.2P)
 
最終戦 起親から小川、福田、塚越、木暮
東1局にアガリを決めたのは、中盤から勢いを見せ始めた福田の1,300・2,600。
二万二万四万五万六万一索二索三索四索五索六索二筒三筒  リーチ  ツモ四筒  ドラ二筒
福田は続く東2局親番を迎え、3,900オールをアガリしさらに加点。
しかしこの福田の親番を、トップ走者木暮が流しにかかる。
二索三索四索五筒五筒七筒八筒九筒白白  暗カン牌の背四筒 上向き四筒 上向き牌の背  ツモ白  ドラ北
800・1,600は1,000・1,800のアガリで原点近い2着目につける。この並びのまま終局とすると、福田は少なくともあと30ポイント以上素点で差をつけなければならないが、実際、福田は最終戦開始時から東2局までに計算上ポイント差をほぼ半分に詰めたことになる。後半に勢いを増してきた福田と守備態勢を強めた木暮。選手たちを見つめる観戦者たちの目が、勝負の行方を見守る。
東3局、西家小川が国士無双の1シャンテンという場面。気配がなかったか他家は字牌をノータイムで淡々とツモ切る。南家の木暮が3枚目の西を切った直後、小川の手に4枚目の西が舞い込み、2枚切れ白待ちの国士無双テンパイ。白を引いたら誰もがツモ切ろうという場面。しかしここはポンテンを入れていた親番塚越の1,000オールのアガリ。
四万五万六万四索五索三筒三筒五筒六筒七筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ツモ三索  ドラ四万
小川、塚越もまだ勝負を諦めてはいない。
続く東3局1本場、塚越は苦しいながらもなんとかテンパイを入れリーチ、ドラトイツの1シャンテンで押していた小川から2,000は2,300のアガリ。
一万二万三万一索二索三索八索八索四筒五筒六筒七筒九筒  リーチ  ロン八筒  ドラ四万
ところが2本場ではツモがかみ合わず、2フーロして粘るが痛恨のノーテンで親が流れる。塚越はまだ原点を割る3着目、南場の親番での大逆転に賭けることになる。
東4局、トータルトップ目の木暮の親番。木暮は10巡目にチーテンをとることを選択する。
六万七万八万六索八索二筒三筒四筒西西  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ドラ一万
西のトイツを守備要素とみなしてのテンパイ取りか。現状のポイント差を考えると1,500点のアガリで自身の親番を1局増やすより、失点を抑えて親番を消化する選択もあるように思える。他家からのリーチやテンパイ気配があればアガリの構えか。
この仕掛けにかぶせるように北家の塚越がドラ単騎七対子のリーチ。
一万二索二索七索七索九索九索六筒六筒東東中中  リーチ
この日1日で、苦しい手牌からどうにかドラ単騎の七対子テンパイに漕ぎつけた塚越を何度見ただろう。そしてこのリーチを掻い潜りテンパイを入れたのは小川。
一万一万二万二万三万三筒四筒五筒七筒七筒北北北
これに対し木暮は西のトイツ落としで受け、塚越、小川の2人テンパイで流局。勝負はいよいよ最終戦南場へ突入する。
南1局4本場、20,800持ち4着目で親番を迎えた小川はここが勝負どころ。7巡目で
二索三索四索九索九索九索一筒一筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ四万
この3面張リーチを打つが結果は福田に1,300は2,500の放銃。最後の親番も流れ、このあとは条件との兼ね合いの手組を組むことを強いられることとなる。
南2局、最後の親番を迎えた福田はなかなかアガリに結びつかないもののテンパイを入れ連荘。
2本場で福田は7巡目のピンフテンパイをヤミテンに構え、小川から1,500は2,100と供託のリーチ棒で4,100点の加点。
この時点で福田は木暮まであと13ポイント。親番継続中の福田にとって大チャンス。
3本場、小川が11巡目にピンフドラ1のリーチ。
一万二万三万四万五万六万二索二索三筒四筒四筒五筒六筒  ドラ六筒
流局が近づく16巡目、西家の木暮がチーテンをとる。次巡、木暮のツモは九索。ノータイムでツモ切った木暮の九索に塚越がロンの発声。
「12,000は12,900」
四万四万四万八索八索八索九索九索六筒六筒北北北  ドラ六筒
四暗刻が食い流れた。この放銃により木暮は4着目へ。トータルで福田に逆転される。その差3.6ポイント。
南3局、前局にその場が騒然とするアガリを見せた塚越の親番、わたしは密かに奇跡の大連荘を期待した。
四万五万八索八索一筒二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒西
九筒チーしドラの西を切ると、最終局条件を残したい西家小川がこれをポン。小川が2,000・3,900をツモアガリる。
六万七万八万六索八索六筒六筒  ポン西西西  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き
南4局、福田を追いかける立場となった木暮の親番。
まずは仕掛けてタンヤオの1,500を小川からアガリ。
四万五万五索五索二筒三筒四筒  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き
続く1本場、11巡目に木暮がリーチ。
三万三万四万五万六万一索三索五筒六筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒
これに対し西家福田も優勝を決めに動く。
四万五万六万三筒三筒三筒五筒六筒七筒八筒  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き
しかし結果は、木暮が小川から3,900は4,200のアガリ。これで再び福田を逆転するが、その差2.1ポイント。
すっかり勢いを取り戻した木暮。次局5,800は6,400を小川からアガリ。
六万六万七万七万八万八万二索三索五索五索一筒二筒三筒  ロン一索  ドラ七索
木暮と小川の着順が入れ替わったことにより、木暮は福田に12.5ポイントの差をつけた。
最終局、福田はさっきまですぐそこにいた木暮を逆転するのに満貫ツモ条件となり、必死でその条件を満たす手組を探っていくが、ツモが効かない。
一方、一度は手放しそうになった優勝の2文字が、再びすぐそこに迫ってきている木暮の手は震えていた。
対局後に木暮は言った。
「内容は20点でした」
それを聞いて周りは笑ったが、木暮はこの優勝を糧にさらに進化するだろう。そしてこんな風に生きのいい若手選手が増えつつあることが、北関東支部の今後の発展の要となることは違いない。
そして退いていく者。彼もまた北関東支部で共に闘い、麻雀について熱く語り合い、何度も牌を交わした仲間である。新たな道での活躍を期待する。
最終戦結果(総合ポイント)
木暮▲14.7P(+30.8P)
福田+33.2P(+19.4P)
小川▲29.1P(▲9.6P)
塚越+10.6P(▲40.6P)