新人王 レポート

第35期新人王戦 二次予選レポート

『最激戦となった第35期新人王戦も遂にファイナリストが決定!』

仙台育英が東北勢初の深紅の大優勝旗を掲げた2022年9月、北は北海道から南は九州までのフレッシュな顔ぶれがここ東京に勢揃いした。それは白球を追って甲子園の地へ降り立った高校球児を彷彿とさせるような光景、そう今年も新人王戦の季節がやって来たのである。

【全参加者の所属・入会期】
過去最多参加者233名の所属・入会期の内訳は以下の通りである。
※便宜上、後期は次の期に属するものとする。(例:35期後期⇒36期)

 

■一次予選
初日の一次予選では233名⇒60名までに絞られた。二次予選に進んだ選手の一覧と所属・入会期の内訳を次に示す。

 

【二次予選進出者の所属・入会期】

 

 

一次予選通過者の内訳に着目すると東京本部の通過率が上昇し、地方本部・支部にとっては厳しい初日であった事がうかがえる。
また37期勢の躍進にも目が留まった。現王位の渡辺史哉や第10期JPML WRCリーグ優勝の渡辺英梧、第2期の若獅子である松本峻など2年目ながら既にタイトルを持つ選手が多いこの世代の強さが数字からも見て取れる。

 

◆二次予選システム
・日本プロ麻雀連盟公式ルール
1.60名で半荘4回戦50分+1局を行い下位36名が敗退。
2.ポイント持ち越しで残った24名で5回戦50分+1局を行い上位8名が準決勝へ。
3.準決勝は持ち越しなしの半荘2回戦60分+1局のトーナメント戦。各卓上位2名が決勝へ進出。

【対局会場】

 

 

■4回戦終了
※上位24名が5回戦進出。

 

【ベスト24進出者の所属・入会期】

 

24位である椎名の+13.5Pが5回戦進出ボーダーとなった。また所属別の通過率についてはさほど大きな変化はなかったが入会期別では特に比較的多くの経験を積んできた33・34期生の通過率が上昇している点が面白い。

『人は知るから始まりそれを理解し、そして出来るに変わる。』

この言葉は人が新しい事を習得する為の一つの過程に過ぎないのだが、簡単なようで実は意外と難しいのである。“知っていた”のと“できた”との差は麻雀においては雲泥の差。惜しくも敗退してしまった選手達には1年間それぞれ研鑽を積んで頂き、是非この新人王戦を自身の成長を確かめる試金石として挑んでもらえたら幸いである。

■5回戦終了
※上位8名が準決勝進出。

 

通過ボーダーは井坂の+53.3P。
そして準決勝へ駒を進めたメンバーは全て東京本部所属となった。

■準決勝
▪1卓
伏見誠一郎(東京本部・32期後期)
木本大介(東京本部・33期後期)
浜野太陽(東京本部・34期後期)
児玉佳宏(東京本部・37期前期)

 

序盤から浜野が抜け出すとその後はトーナメントらしく局消化に徹する。そして児玉もそこについて行き2人でゴールすると思われたが最終局にドラマが待っていた。オーラスに木本が値千金の2,000・3,900ツモで児玉を逆転し土壇場で決勝行きのチケットを手にする。一方で予選から安定して上位に付けていた伏見だったが、お手本のような手作りも準決勝ではあと一牌が引けず敗退となった。

 

 

勝ち上がり
浜野太陽
木本大介

 

▪2卓
寺下龍太郎(東京本部・38期前期)
岡田舜(東京本部・37期後期)
辻本一樹(東京本部・36期前期)
井坂彰宏(東京本部・36期後期)

 

こちらも1卓と同様に辻本が抜け出し2番手の寺下がその後ろを追って行く。しかし後半になると岡田のアガリに対する精度が冴え渡り、少しずつ寺下との距離を詰めていくと終盤に逆転。最後は辻本が3番手である寺下の親リーチにしっかりと勝負して自らの手で決勝の椅子を手繰り寄せた。井坂も敗退はしたが結果は紙一重であり、来期のリベンジに期待したい。

 

 

勝ち上がり
辻本一樹
岡田舜

 

■決勝戦
2022年9月17日(土)14:00予定

 

浜野太陽vs辻本一樹vs木本大介vs岡田舜
解説:藤崎智×柴田吉和
実況:楠原遊

稀に見る激戦となった新人王戦、その頂点に立つのは一体誰になるのか。
是非その模様も引き続きお楽しみ下さい。

(文:小林正和)