プロ雀士コラム

第39期後期プロテスト 執筆:阿久津翔太

(文:阿久津翔太)

まずは最初に感謝を述べたい。
このコラムを見に来てくれた皆さんに。

おそらくこれを見ている貴方はいつも連盟のコラムや連盟の放送対局などを見てくださっている方、あるいは連盟員、あるいはこれから日本プロ麻雀連盟のプロテストを受けようとする者であろう。
いつも連盟を、あるいはプロ麻雀業界全体を応援してくださっている方々には本当に伝えきれない感謝がある。皆さんがいなければ麻雀プロという業界も、もちろん連盟も成り立たない。そして1人1人の声が自分達の活動のモチベーションにもなる。本当にありがたい。
同じ連盟でプロとして時に戦い時に協力し合う先輩、後輩、仲間の皆さんにも数えきれない感謝がある。

今、私はスタジオの裏方をやることもあるし、実況や解説をすることもあるし、選手として座ることもある。それ自体非常にありがたいことだし、自分は恵まれているなと思うと同時に、色々な仕事をしていく中で、選手というのはとても多くのスタッフによって成り立っているのだなと実感する。
自分もするからこそ実況や解説の前にはその人の対局を見たり、人となりを調べたりと色んな準備をして、選手を輝かせるための最大限の努力を皆していることを知っている。
僕の尊敬する実況者の1人である日吉辰哉プロは、私の10倍準備をする。10倍というのは大げさに聞こえるかもしれないが、決して比喩ではない。だからあれだけの人々に麻雀の面白さや感動を伝えられる。

数多くのプロによって支えられてることへの感謝は忘れてはならない。

そして、これから日本プロ麻雀連盟に入るため、プロテストを受ける皆さんにも感謝を伝えたい。
連盟には必要なのだ。新しいスターが。
もちろん自分がそうなりたいという気持ちは誰よりもあると思っているが、スターは何人いても困ることはない。

麻雀業界にはプロとして合格しても上のリーグに行ったり、放送対局に出るまで長い時間がかかるという問題があった。
しかし、今は若獅子戦や桜蕾戦という30歳未満の方にとっては一気に有名になったり、上のリーグに行ったりと大活躍できるチャンスが年に2回もあるし、それ以外にも鸞和戦やWRCリーグや、新しく開設された赤入りのWRC-Rリーグなど、プロになってすぐ放送対局に出れるチャンスがいっぱいある。

実力さえあれば有名になったり上のリーグへ行けたりするチャンスが十分あるということはとても画期的であり、若手やこれから入るプロにとっては本当に本当にありがたいことだ。

私は第1期の若獅子戦を優勝したことでリーグもC1、B2と上がって、Focus Mをはじめ、色んな対局に出たり、解説もしたり、こうしてコラムも書いている。
誰よりも恩恵を受けてきたからこそ、本当に恵まれている時代だということは誰よりも心の底から皆さんに伝えたい。
だから実力に自信がある者はぜひ日本プロ麻雀連盟のプロテストを受けにきてほしい。

麻雀プロは他の業界と比べて、『なること』よりも『なった後どうするか』が大切だ。

今回のプロテストは入会審査部よりのオファーを受けて私が担当させていただいた。
構成、チェック等は勿論、先輩にキチンとしていただいた。
内容は当然言えないが、少し難しめではあると思う。
だが、どんな問題が出てきても解けるぐらいの雀力と自信をつけて挑んでほしい。

若手は特にプロになってすぐ放送対局に出る可能性がある。そこでたくさんの方に見られたり応援していただいたりする。
そこで情けない麻雀やミスをしてしまっても、見ている側からすれば良い経験になれば良いねというものだが、そんなミスや敗北を許せないのは誰よりも自分自身だろう。
チャンスがたくさんある時代とは言え決して無限ではない。限りあるチャンスを最大限に生かし、勝利を、感動を得るためにはやはりある程度の雀力と知識は必要だ。

だから、筆記試験の問題は、これが全部解ければすぐに放送対局に出ても良い麻雀が打てるであろうというレベルを意識して作らせていただいた。
どうか、たくさん麻雀を打って、たくさん麻雀の勉強をして、自信を身につけて、日本プロ麻雀連盟の門を叩きに来てほしい。

輝くための舞台は用意されている。

1人の連盟員として、1人の麻雀打ちとして、私は貴方の挑戦と、貴方の麻雀を楽しみに待っています。

最後までこのコラムを読んでくれた皆さんと、プロテストを受ける決意を固めた皆さんに感謝し、皆さんとの再会を楽しみに待っています。