プロ雀士コラム

プロ雀士コラム/『麻雀格闘倶楽部 彩の華 世代別王&女王決定戦 頂上対局』レポート 小車 祥

2015年6月20日、『麻雀格闘倶楽部 彩の華 世代別王&女王決定戦 頂上対局』が、日本プロ麻雀連盟の夏目坂スタジオから生放送で行われました。
その模様をレポートという形で皆様にお伝えさせて頂くこととなりました。
担当させて頂きます、小車祥です。
よろしくお願い致します。
このイベントは、麻雀格闘倶楽部 彩の華において『SG第1回世代別王&女王決定戦』ゲーム機大会で上位入賞したユーザー16名が世代別の看板を背負い直接対局するイベントです。
さらに四人麻雀、三人麻雀の各優勝者は、プロとの特別対局で対戦できるというスペシャルなイベントとなっているのです!
まずは四人麻雀と三人麻雀の決勝メンバーを決める予選が行われました。
四人麻雀の予選は東風戦を3回戦行い、上位4名が決勝進出。
三人麻雀の予選は4回戦行い、上位3名が決勝進出。
まずは出場メンバーをご紹介します!
・四人麻雀
U24 セロニアスさん
25-29 TERRYさん
30-34 ちばいがこさん
35-39 ずみさん
40-44 テンサバ!さん
45-49 きみさん
O50 クリリンさん
・三人麻雀
U24 VIOさん
25-29 あさメロンさん
30-34 ひろやんさん
35-39 しゃーぼーさん
40-44 *ふみや*さん
45-49 ひろゆきさん
O50 フラット。さん
女性 SAC13さん
激戦の末、見事決勝に勝ち残ったのが以下の方々です!
・四人麻雀
TERRYさん(1位通過)
クリリンさん(2位通過)
テンサバ!さん(3位通過)
きみさん(4位通過)
・三人麻雀
ひろゆきさん(1位通過)
VIOさん(2位通過)
ひろやんさん(3位通過)
 
まずは四人麻雀の決勝が生放送されました。
実況は私小車、解説は滝沢和典プロ、特別解説として和久津晶プロと魚谷侑未プロが解説ブースに入り、対局の模様をお伝えしました。

100

四人麻雀決勝(起家から、テンサバ!さん・きみさん・TERRYさん・クリリンさん)
東1局、まずはTERRYさんから先制リーチ!
一万一万一万二万三万四索赤五索六索一筒二筒二筒三筒三筒  リーチ  ドラ六筒
カン四筒テンパイをヤミテンに構え、二筒を引き入れ上手くリャンメン待ちに変えてからのリーチ。
このリーチに対して仕掛け返していったのがクリリンさん。
一索二索三索七筒八筒中中  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン北北北  ロン六筒
2,000のアガリ。
東2局、親のきみさんが先制リーチ!
七万八万一索二索三索三筒三筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  リーチ  ドラ北
これに対してさきほどリーチをうまくかわされたTERRYさんが今度こそはと言わんばかりに追いかけリーチ。
七万八万九万三索四索四索四索赤五索七索八索四筒五筒六筒  リーチ
しかし軍配はきみさんに上がり、きみさんが九をツモ、裏ドラが七万で2,600オール。
南2局1本場にはクリリンさんの跳満が炸裂!
五万五万七索八索二筒二筒二筒五筒六筒七筒中中中  リーチ  ロン九索  ドラ九索  裏二筒
12,000のアガリでトップ目に立つ。
これできみさんとクリリンさんの一騎打ちになりました。
南3局にはきみさんがアガリ返し、再度きみさんが2,800点差のトップ目に。
南4局。
仕掛けを入れてテンパイを取ったきみさん。
三索四索五索七索七索二筒二筒四筒五筒六筒  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ドラ南
終局間際、二筒をツモ。
最後はきみさんがきっちりアガりきり、見事優勝を勝ち取りました。
四人麻雀優勝 きみさん

100

 
続いて、三人麻雀の決勝が放送されます。
三人麻雀決勝の特別解説は、荒正義プロが務めました。

100

三人麻雀決勝(起家から、ひろやんさん・ひろゆきさん・VIOさん)
東1局、まずはひろやんさんがアガります。
一索一索二索二索二索四索四索四索赤五索六索  ポン東東東  ツモ七索  ドラ一万
3人麻雀の親の満貫は6,000オールの得点となり、まずはリード。
東場はひろやんさんがアガリを重ね、南場に入った時には2着と4万点以上の差をつけたトップ目。
放送時間の都合上、時間打ち切りがあり、残り時間は10分程度。
ひろやんさんの優勝ムードが漂い始めました。
南1局でひとまずアガり親を持ってきたのがひろゆきさん。
四索五索六索四筒五筒六筒北北発発  ポン南南南  ツモ発  ドラ五索
子の満貫は4,000オール。
南2局、29,800点差でひろやんさんを追うひろゆきさん。
後がないVIOさんがチンイツでリーチ。
そして親のひろゆきさんも苦しい配牌から14巡目にようやくリーチ。
九万九万九万二索三索八索八索八索赤五筒六筒七筒白白  リーチ  ドラ九万
ひろゆきさん、一索を一発ツモ。
9,000オールでひろやんさんとの点差が僅か1,800点になります。
南2局、1本場。
残り時間僅かな中、早めにアガってなんとか最後の親番に賭けたいVIOさんから先制リーチ。
四索五索六索七索七索一筒二筒三筒六筒七筒八筒発発  リーチ  ドラ三筒
ここで動いたのがひろゆきさん。
二索四索六索四筒赤五筒六筒七筒七筒南南  ポン白白白
そしてひろやんさんが以下の手牌。
三索四索赤五索六索三筒四筒赤五筒九筒九筒九筒南発発  ツモ三索
14巡目、南を切ればテンパイですが、南は場に1枚も切れていない危険牌。
テンパイノーテンでひろゆきさんに逆転されてしまうひろやんさんですが、かと言って簡単に切れる牌ではなく、ここで少し考えます。
南を使い切ってのテンパイを目指すという選択肢を取れば、ひろゆきさんがノーテンだった場合や、VIOさんのアガリが発生した時に自分が優勝となる可能性も残っています。
ひろやんさんの選択は打九筒
その直後にリーチをかけていたVIOさんがツモ切った南を、ひろゆきさんがポンしてカン三索のテンパイ。
そしてすぐにVIOさんが三索をツモ切ってひろゆきさんのアガリ。
仮にひろやんさんが南を勝負していたとしても、ひろゆきさんが三索をツモアガっていたという結果。
限られた時間の中で追い上げ、優勝を勝ち取ったのはひろゆきさんとなりました。
三人麻雀優勝 ひろゆきさん

100

これにて世代別王&女王決定戦 頂上対局の頂点に輝いたユーザーが決まりました。
改めておめでとうございます!
そして放送では、そのまま優勝者とプロとの特別対局が生放送されました。
まずは四人麻雀の特別対局。
特別解説には森山茂和プロ。

100

優勝者のきみさんの対戦相手は、二階堂亜樹プロ、和久津晶プロ、魚谷侑未プロと豪華メンバー。
四人麻雀特別対局(起家から、きみさん・魚谷・和久津・亜樹)
序盤は緩やかな立ち上がりでしたが、
東4局の和久津のアガリで、和久津が抜き出ます。
三万三万四万五万六万五索六索七索八索九索四筒五筒六筒  リーチ  ロン四索  ドラ九索
8,000のアガリ。
100
和久津はさらにアガリを重ね、オーラス亜樹の親番を迎えた頃には2着と23,900点も差をつけたトップ目。
親の亜樹はここまで我慢を強いられていた展開だったため、すぐに親が終わってしまうようなイメージすらあった。
しかし亜樹、このまま終わるわけにはいかないと力強い粘りを見せる。
三万四万三索四索五索三筒四筒五筒六筒七筒八筒中中  リーチ  ロン二万  ドラ白
アガリ連チャンの麻雀格闘倶楽部ルール。
本心ではアガりたくない亜樹だったのかもしれないが、ひとまずは2,000のアガリ。
南4局1本場、亜樹が以下のテンパイ。
一万二万三万三万三万三万四万五万四索赤五索赤五筒六筒七筒  ロン三索  ドラ七筒
11,600のアガリ。
終局間際なんとかアガり、連チャンに成功する。
これで亜樹と和久津の点差は12,500点。
南4局2本場。
亜樹、苦しい手牌から15巡目にようやくテンパイ。
一筒一筒三筒三筒八筒八筒九筒九筒東西西北北  ドラ中
しかしなんと、この巡目にしてこの東が牌山に3枚残っているという事実。
当然のように、ほどなくして東を亜樹がツモり6,000は6,200オール。
100
なんとついには逆転してしまい、亜樹が見事勝利となりました。
対局後のインタビューでのきみさんの言葉。
「やはりプロの方はオーラが違いますね。麻雀を打っているとひしひしと伝わってきます。とても楽しかったです」
100
第一線で戦う女流プロ3名に囲まれて、その戦いに巻き込まれたような雰囲気になってしまった(笑)きみさんでしたが、とても楽しそうにされていたのが印象的でした。

100

 
続いて三人麻雀特別対局。
特別解説には二階堂亜樹プロ。

100

三人麻雀優勝者のひろゆきさんの対戦相手は、森山茂和プロ、荒正義プロ。
三人麻雀特別対局(起家から、ひろゆきさん・森山・荒)
東1局から親のひろゆきさんが思い切った選択。
五索六索一筒三筒三筒四筒赤五筒七筒八筒九筒南南発  ドラ六索
この手牌から打六索とします。
3巡目とはいえ、ドラ含みのリャンメンターツをここから外していったひろゆきさん。
思惑通りすぐにホンイツのテンパイを入れます。
一筒一筒三筒三筒四筒四筒赤五筒五筒七筒八筒九筒南南
四索七索待ちなら七索をすぐにツモっていて、跳満のアガリ逃しをしてしまいましたねなんて解説席では話していましたが、ひろゆきさんは最終的に以下の手牌にしてツモアガリ。
一筒三筒三筒四筒四筒赤五筒赤五筒六筒七筒八筒九筒南南  ツモ二筒
親の倍満で12,000オールの大きなアガリからスタートします。
東1局1本場にもひろゆきさんがアガり、大きなリードとなります。
その勢いを止めたのが荒。
続く2本場、荒のテンパイ。
三索四索五索六索三筒四筒四筒赤五筒六筒七筒発発発  ツモ二筒  ドラ八筒
実はこの手牌、一度カン二筒のテンパイを外していて、荒の河には一筒が置かれている。
この時、森山は四筒七筒でテンパイしていて、荒がフリテンを嫌えば放銃は明らかでした。
しかしここでの荒の選択は三索を切ってのフリテンリーチ。
ほどなくして発を暗カンし、リンシャン牌で七筒をツモ。
子の跳満で6,000は6,600オール。
100
南1局には荒のメンゼン大三元テンパイ。
一索一索四索赤五索六索白白発発発中中中  ドラ七索
しかしこれは成就せず。
南2局、森山の最後の親番。
荒がリーチ。
九万九万四索赤五索七索八索九索四筒赤五筒六筒白白白  リーチ  ドラ東
この親は落とせない森山も以下のテンパイ。
100
一筒二筒三筒三筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒九筒九筒
しかしここは荒が三索を一発ツモ。
南3局。
かなりの点差だったが荒が追い上げ、ついには8,200点差と逆転圏内。
制限時間の都合上、この局が最終局となります。
荒、8巡目にテンパイ。
一索二索三索五索六索七索八索九索六筒六筒八筒発発  ツモ七索  ドラ北
一気通貫がつかない方のツモ。
ここはリーチを打たず打六筒とし、確実に逆転できる手を目指します。
しかし、同巡にテンパイを入れたひろゆきさん。
一索一索七索八索九索三筒五筒八筒八筒八筒白白白
すぐに四筒が打たれ勝負あり。
森山、荒という強敵を相手に見事ひろゆきさんが勝ち切りました。

100

ひろゆきさんは対局後のインタビューでも
「偶然です。流れがよかったんでしょう」
と謙虚な姿勢で、とても好印象な方でした。
実際は偶然ではなく、しっかりと麻雀を打った結果だと思いました。
100
 
放送が終わった後は、優勝者以外の方々とプロとの記念対局も行われました。
100
その後には写真撮影やサイン会など。
皆さんとても気さくで楽しい方ばかりで、その場にいることができた僕もとても幸せに感じました。
この日、改めて麻雀という競技を通してたくさんの人と交流も持てることに感謝をしつつ、私自身もっと精進して今より深く関わっていけるプロになりたいなと思うのでした。
また機会があれば、このような素敵なイベントに参加させてもらいたいと思いました!
ご参加くださった方々、放送をご視聴頂いた方々に改めて感謝しつつ、お礼の言葉と共に締めさせて頂きたいと思います。
本当にありがとうございました!!
この対局の模様は下記youtubeでご覧いただけます。
https://youtu.be/exDYeEUT-mA

100