プロ雀士コラム

プロ雀士コラム/サンフランシスコ麻雀大会レポート② ジェン

Day 2
アメリカに行くと一番食べたくなるのは、アメリカの朝食。フレンチトーストに目玉焼き(リャンメン軽く焼いて黄味は柔らかく)、ベーコン、ホットココア
最高!
Perfect!
だけど、朝食を一緒に食べに行く相手がいない。
10時開始の大会まで2時間しかないのに店を探す時間もない。
だから、近くにあったドーナツ屋へコーヒーとドーナツを買いに!
ごめんなさい、ミスタードーナツとは比べ物にならない。
アメリカのドーナツ(クリスピークリームの甘過ぎバージョンではなく)は本当に本当に
最高!
Perfect!
チョコのフロスチングが乗っているケーキドーナツを食べながら荷造りをして大会へUberで向かった。10時開始で9時くらいに到着。
おう!早い!偉いジェン!と思ったら、ほぼ最後に着いたのは私だった(笑)まじかー
でも実際には早いし、いいか。
大会に参加する面子に初めて会った。と言っても、知り合いが多かった!もちろんガースプロは知り合い。
そしてもう1人日本からゲストとして呼ばれたベンジャミン・ボアス(最近は本を2冊出版している。めっちゃめっちゃめっちゃ面白い。私は読んでいないけどめっちゃめっちゃめっちゃ面白い!)はとても仲が良い、付き合いが長い友達だ★
そして、Mahjong NewsというHPを管理しているScott Millerさん、シアトル麻雀のメインメンバーとパリの世界選手権にも来ていたZachary XXさん、シアトル麻雀のセットに参加した時(実家に近いから何回か訪ねたことがある。)に対戦したシェーンズ(Shane ZamoraとShane Rideoutの2人のシェーンだから複数系のシェーンズ)、USPMLのリーダーと今度の世界選手権の主催者であるDavid Bresnickさん等は、久しぶりに会えた。シャイの私は知り合いが多くてとても安心した。
それと今回は、ロスで麻雀団体を作った「ラポン」達に初めて会うことができた!「ラポン」は、ほぼ日本にルーツがある人が集まっていて、ノーレート麻雀をしている。ロスに会場もあって、オフ会などもしているみたい。みんなとても優しい!しかもジェンとガースには日本語で話してくれた。もちろん皆さんは英語も完璧に話せるが、私たちの日本語のレベルも認めてくれてまた感動した。ちなみに「ラポン」という名前は「LA Pride Of Mahjong」を訳して作ったようだ。かっこいい!みんなかっこいいジャケットを着ていて羨ましい!と思った。日本プロ麻雀連盟もお揃いのジャージがあったらいいのになw
実はジェンにも「honorary member」になって、ジャケットを作ってくれると言ってくれた。今度、ロスに行く機会があったらいいな!
 

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ラポンのメンバー達

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大会だけど、予選は6回戦、8人の準決勝は1回戦、4人の決勝は1回戦で、予選は総合ポイントで決まる。
準決勝からポイントは50%持ち越しになり、ゼロスタートではない。
初日は当然大会でもらったТシャツを着て、1回戦の卓に着席。麻雀というのは、1つの大会での結果で何も判断できないけれど、とりあえずせっかくアメリカまで来たからプロとしていい印象を残したいと思った。
 

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大会Tシャツ

 
1回戦はほぼハプニング無しで、ラス前に跳満をつもり無事にプラス2着で終わった。プラスだ!この調子でベスト8へ行ければいいなと思ったけれど、隣のテーブルに「Tsumo!フォアサウザンドイーチ!Ron!セブンサウザンドセブンハンドレッド」とうるさく次々上がっているプロがいて集中できなかった。(笑)うそうそ。2回戦はいいこと無し、ラストで終わって昼食の時間にはマイナスの状況だった。ガースはまたまたロン!Tsumo!トップ!で大きくプラスだった。
 

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海外の大会のとても楽しいところは、チャリティーイベントとか感謝祭と同じように、役満をアガった人がいたら会場内のみんなが拍手する。麻雀のコミュニティーの絆の強さ、仲の良さ、前向きの態度は明らかだ。
そして2回戦でそのまさかの役満が出た。隣のテーブルに四暗刻単騎待ちの出アガリがあった。皆が拍手して、審判がアガった人の記念写真を撮って、大騒ぎだった。REXXの全自動卓の真ん中のボタンを押して、河の牌を落とした瞬間にアガった人の下家が「捨て牌に三萬あったじゃん!見たよ!」と大騒ぎ!まさか?!フリテンで四暗刻単騎の出アガリ?
結局、記念写真を見て、フリテンの事実を確認してチョンボになった。
残念!もったいない!
 

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審判のTuvyさん

 
でも役満はいいな?と思いながら2回戦が終わって昼食の休憩に入った。
私は海外の麻雀プレイヤーが大好き。とてもいっぱい麻雀の話をしたいと思っているが、多くのプレイヤーは日本のアニメ・漫画の大ファンで、アニメと漫画の知識が貧しいジェンは話についていけないことが多い。そのため海外の大会に参加すると、とてもシャイになる。昼食はどうしよう?誰か誘ってくれないかな?ガースプロはどうするかな?と1人で悩んで居るところ、ラポンがホテルの向かい側にあったIHOPに誘ってくれた。
IHOP!いよいよ本格的なアメリカの朝食を食べる機会が!喜んでついて行った。
大会の主催者のダニエルさん(愛称ダスケ)も一緒に来た。IHOPはパンケーキ屋のファミリーレストランで子どもの時によく家族と一緒に行った。大好きなフレンチトーストと卵セットを注文して、アメリカで食べたいものリストを制覇し、満足した。
最高!
Perfect!
 

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主催者のダニエルさん

 
大会に戻って、3回戦ではまたなんとかプラスな2着。だけど4回戦はラストで、結局1日目は大きなマイナスで終わった。ガースプロは大きなプラスだった。
4回戦のプレイが18時頃に終わり全自動卓でフリープレイタイム!数多く手積みで麻雀を打っている皆がこの時間を楽しみにしていた。アメリカ各地から来ている友達とセットをし始めた。
時差ぼけなのか、私はとても気分が悪くて少し仮眠をしてから麻雀をすることにした。けれど、結局フリープレイには参加できなかった。
Day 3
大会の1日目が終わってちゃんと寝たらまた麻雀ができるようになって5回戦はなんと絶好調!
いよいよプロらしく、国士無双を最後の九索でつもった!
 

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大きなトップを取って、大逆転で11位まであがることができた。ベスト8に残るチャンス!6回戦でトップ条件!
大会でワンチャンスだから前に出て勝負!
しかし、何もうまく行かず、対面はデカデカデカの8万点トップで私は3着のちょっとマイナスで予選が終わった。
ガースプロは連続2着で準決勝に通過した!めでたし!
予選が終わったけれど、せっかく遠くまで来た全員は麻雀がしたくてたまらないから大会は続く!
次は7回戦。今回の対面が5万点のトップで他の誰も何もできなかった。少しでも順位をあげたいのにな…
実は予選が終わった後、注目が少し変わった。アメリカの日曜日といえばアメリカンフットボール!大好きなシーホークスの試合がちょうど大会の7回戦の開始時間に始まった!会場のホテルにスポーツバーがあったから7回戦が終わったあと、見に行った。
しかし、バーで座ってテレビで試合を見ることはアメリカではそう簡単ではない。まずは21歳じゃないとバーで座ることができない。年齢は言わなくても21歳の誕生日はとっくに過ぎているとわかるよね?
まずバーテンダーに「身分証明書はありますか?」と聞かれて「はい、あります。そしてコーラをください。」と言ったら「いいけど、21歳じゃないとバーでは座れませんからね。」と言ってきた。
笑いながら年齢を教えたら、期待していた、アメリカの一番好きなところの大驚き★「嘘でしょう?!」と何回もワシントン州の運転免許証を確認していた。
嬉しい!
最高!
Perfect!
アメリカでは20代前半と言っても信じてくれる!
 

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シーホークスのファン!

 
 
はい、麻雀大会だね。
決勝戦は録画をするからと決勝通過者は少し休憩で、私たちは最後の1回戦が始まった。8回戦で女性が少ない大会なのに、このテーブルは偶然にも女性4人だった!対面のラポンのジュンコさんがとても強かった!5万点トップ!ジェンは3着で報告することなし。
ガースは5?8位の決定戦で無事に勝って、5位で終了した。
アメフトタイム!
スポーツバーに戻った。シーホークスが負けている!
最悪!
Not Perfect!
と思ったけれど、最後の2分で逆転タッチダウン!勝った!わーい!
最高!
Perfect !
シーホークスの勝利を見届けてから会場に戻った。決勝戦が行われている!参加者全員が観戦しているため、直接見られる場所がなく、初めてゆっくり主催者のキラさんと話せた。スペルはKiraだけど、デスノートの影響なのか英語のKiraが言えずに、毎回、日本語の発音で「キラ」と呼んでいた。(キラさんも11月に来日決定!一緒にセットしたいね!)
今回のイベントはPMLの初めての大会で、今までなかったことをいっぱいしようとキラさんとダニエルさんが頑張ってくれた。まずはこのイベントで初めてアメリカで全自動卓のみの大会が開催された。
実はキラさんはプログラミングのプロで、大会の結果のライブレポートとして全ての卓の結果をリアルタイムで投稿することにしていた。そのため、半荘が終わる時に結果を提出してアップするのではなく、アガる度に審判を呼んで点数とアガった人を報告した。この結果はダニエルさんがリアルタイムで更新して、世界どこからでもリアルタイムで全ての大会状況を確認できるようになっていた。このシステムを作るためにキラさんはプライベートの時間を使ってコードを全て自分で書きましたと。
私のツイッターをフォローしている人で、そのリンクを見てくれた人もいるかと思いますが、主催者とスタッフ全員が本当に頑張った!
 

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主催者のKiraさん

 
決勝戦は全部撮影した。今回、生放送はできなかったけど、後でアップロードするようだ。決勝の面子は、ラポンの野口てっぺいさん、シアトル麻雀のチャーリー・マックドネルさん、USPMLの会長デイビッド・ブレスニックさんとサイモン・フアンさん。
 

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決勝戦

 
最初から野口さんがテーブルを支配し、その優勝は観戦していた誰もが期待していた。そこでオーラスを迎えて、チャーリーさんの親番。
連荘して、点数を集めて優勝は結局チャーリーさんに!シーホークスと同じく最後の最後まで負けていたのに大逆転だった。シアトルのチームが強い日曜日となった!
 

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実はこの最終戦でもハプニングがあった。計算の間違いで点数の状況が変わってしまった。対戦を録画しているため、先ほどの四暗刻と同じように簡単に確認できると思うよね。しかし判決はそれができない。なぜかというと、フリテン四暗刻の事例は、気付いた時にはまだサイコロを振っていなかった。決勝戦の点数計算の間違いは気付いた時にはもうゲームが進められた状態だったので、ビデオで確認できても遅いという判決だった。
とても論理的な決断だと思った。
優勝が決まったらまたフリープレイが始まり、表彰式の準備が始まった。
私とガースプロはラポンのメンバーとセットをしながら表彰式を見た。
多くの賞品が集まっていた。小さいものでも参加者全員が何かを持ち帰ることができた。これは主に日本プロ麻雀連盟が提供してくれたおかげだ!クリアファイル、ストラップ、DVDなど、世界どこの麻雀プレイヤーでも喜ぶようなグッズをいっぱい提供してくれた。私とジェマプロの会社(そうそう、私は一応社長ですよ)からも麻雀牌、カードセットと麻雀の本を提供した。
 

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日本プロ麻雀連盟の提供グッズ

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リーチスピリッツの提供グッズ

 
だが、今回の参加者全員が狙っていたプライズは来年ラスベガスで行われる世界麻雀選手権の参加権だった!チャーリーさん、おめでとうございます!
表彰式が終わったら掃除が始まったにも関わらず、REXXの卓だけでフリープレーが続いた。そこでとても面白いことが…普通のリーチ麻雀の半荘が十分足りたということなのか、今度は「しゃぶしゃぶ麻雀」(英語ではpotluck)というルールで打っていた。この独特なルールの特徴は、ルールがセットしていないこと。各プレイヤーが新しいルールを作ってそれを守りながらいつもの日本式麻雀を打つこと。今回の目立った独特なルールは、加カンでも大明カンでもした場合は手が面前になることと、テンパったらアガリ牌の1つ上の数字でしかアガれないルールだった。例えば23456の形で普通なら1-4-7待ち、なのに2-5-8でしかあがれない。フリテンになることが多いそう(笑)
とても勉強になりそうなルールだと思った。誰か一緒にやってみない?
初めてのパシフィック麻雀リーグの大会では私は順位で結果を出せなかったけれど、大会中の2つの役満のうちの1つ、国士無双をアガったことと、新しい友達がたくさんできた。
2017年の世界麻雀選手権も楽しみだ。
次はラスベガスへ!
 

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