プロ雀士コラム

第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 プロ雀士予選C卓レポート ケネス徳田

トライアスロン予選プロC卓は「女流卓」、つまり全員女流プロの卓である。
公式戦やTV対局なので何度も対戦している相手だけに、お互い手の内も知り尽くしていると思われる。がしかし、このトライアスロンに関して言えば、そういった過去の経験則は当てはまらないかもしれない。
なぜなら、データの少ない三人麻雀がこのトライアスロンの肝だからである。

 

4月15日に行われた「予選プロC卓」の出場者は次の4名。
・和久津晶(プロクイーン)
・高宮まり(第8期麻雀女王)
・宮内こずえ(第4・7回女流モンド杯優勝)
・二階堂瑠美(第11期プロクイーン)

TV対局での実績をしっかり残している4名だけに、そして三人麻雀も含め、誰が勝ち上がるが予想がつかめない。
だが、先が見えないくらいのほうが、見ている者にとっては面白い勝負になる。

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★東風戦(順位点5-15)

後半の半荘戦・三麻戦にむけての前哨戦という意味合いの強い東風戦だが、だからこそこの東風戦で勢いはつけておきたいもの。
高宮・和久津が3,900クラスのアガリの後、東3局で親番・宮内が

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とペン三索を力強くツモ。そして裏ドラを乗せてで4,000オール。

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オーラスも勢いに乗ってツモリ三暗刻でリーチ。

二万二万二万三索四索五索九索九索三筒三筒三筒四筒四筒  リーチ  ドラ西

だが親番・高宮が追っかけリーチ。そして…

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なんと宮内が放銃となり、5,800直撃で高宮のトップ逆転となった。

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東風戦成績

高宮+22.1P 宮内+8.5P 瑠美▲6.9P 和久津▲23.7P

 

★半荘戦(順位点10-30)

東風戦ラスだった和久津が起家。この半荘戦では挽回しておきたいところ。さっそく開局2巡目に選択が。

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ここから打点、つまりイーペーコーや七対子を見て四索をツモ切る。すると12巡目に七対子ドラドラテンパイ。

三万三万五万五万八万九万九万一索一索二索二索六筒六筒  ドラ三万

マンズが場に安く、自分でも七万を2枚切っているが慎重にヤミテン。
終盤にカン七万のターツを外した瑠美から9.600のアガリを取る。

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だが放銃した瑠美も逆に、同1本場では和久津から満貫を取り返す。

二筒三筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒東東  ロン五筒  ドラ五筒

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東2局、東風戦のオーラスと同じ、高宮・宮内のリーチ合戦だが、今度は宮内の勝ち。
ドラ暗刻リーチをツモって裏ドラ1枚で跳満。

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さらに東3局1本場の親番でも4,000オールツモ。

四万五万六万六万七万八万四索五索六索四筒六筒白白  リーチ  ツモ五筒  ドラ九筒  裏九万

このアガリで6万点近くまで浮上。これで早くも勝負ありかと思われたが、待ったをかけたのが和久津。同2本場で一発満貫ツモ。

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南場の親番で瑠美から12,000。

三万三万六万七万八万五索六索七索一筒二筒三筒七筒八筒  リーチ  ロン九筒  ドラ二筒  裏三万

同1本場で宮内から5,800を直撃。

二万三万四万五万五万五万五索五索六筒六筒  ポン二索 上向き二索 左向き二索 上向き  ロン五索  ドラ六筒

このアガリでお互い5万点台でほぼ並びに。
そして南3局の勝負所では、ホンイツ仕掛けの宮内に対し、そのピンズを止めて5メンチャンでリーチした和久津。
結果は…宮内の放銃となる。

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南3局の3,900の直撃は大きく、和久津がこの半荘戦を制す。

半荘戦成績
和久津+56.3P 宮内+28.1P 高宮▲15.9P 瑠美▲68.5P

半荘戦終了時
宮内+36.6P 和久津+32.6P 高宮+6.2P  瑠美▲75.4P

 

★三麻戦(順位点10-20、5万点持ちスタート)

大きく1人沈んだ瑠美は非常に苦しい状況。5万点持ちスタートで10万点以上とらないとトータルポイントプラスには浮上できない。
一方現状3位の高宮は、上2人が並んでいる分そこまで厳しくはない。どちらか1人をかわせば良いだけ。
自分がトップなら文句無し、2着でも下と1万点離せば良いだけである。
だがここまでの勢い通り、三麻戦も和久津が、そして宮内がアガリを重ねる。

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東場を終えて、和久津・宮内がトップ争い。このまま波乱もなく終わりか…と思われたが、南4局で和久津がなんとダブロンの標的に遭ってしまう。

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宮内は7,700だが…

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なんとメンチンリーチ! こちらは16,000。
この放銃で和久津はラス落ち、一気に寒い立場に。
そして高宮のモチベーションはアガリ、西2局なんとかテンパイ連荘で耐え、2本場でようやく大きいアガリ。

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しかも裏ドラが八索で12,000オール(親の倍満ツモ)。高宮64,200、和久津18,000と勝負あったと思われた…が、これでもまだまだ終わらないのが三人麻雀。
西4局が終わっても、70分という時間が過ぎない限りは「返り東場」で対局が続くのである。つまり和久津にもう1度親番が回ってくるのである。

西4局で満貫をアガった和久津。そのむかえた返り東1局の親番でなんと…

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ベルセルク高宮に親番を明け渡すことなく、制限時間までひたすらアガリ続けたアマゾネス和久津。
終わってみれば完勝であった。もっとも本人にとっては苦勝だったかもしれないが…

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「苦勝で苦笑」

三麻戦成績
和久津+53.4P 瑠美+13.3P 宮内▲15.0P 高宮▲51.7P

最終成績
和久津+86.0P 宮内+21.6P 高宮▲45.5P 瑠美▲62.1P

プロ予選C卓勝ち上がり 和久津晶 宮内こずえ