プロ雀士コラム

第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  決勝戦レポート ケネス徳田

各界の著名人雀豪を一堂に集めた『麻雀トライアスロン雀豪決定戦』。
半年かけて争われた予選、準決勝を終え、いよいよ4名による決勝戦が行われる。
知力・体力・時の運すべてを兼ね備えた打ち手は果たして誰が!?
8月23日に決勝戦が行われました。プロ2名、ゲスト雀豪2名による決勝戦。
まずプロ側からは初の女性決勝進出者、二階堂亜樹プロです。

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予選、準々決勝、準決勝とすべて1位通過での決勝進出です。
特に4人麻雀での持ち味である、受けながら相手のチャンスを潰すという打ち方を、三人麻雀でも応用しています。
女性初決勝だけではなく女性初優勝も期待されています。

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昨年からリーチ麻雀世界選手権、モンド杯と優勝している山井弘プロ。
このトライアスロンも勝てば「変則三冠」というやつでしょうか。
大舞台になればなるほど実力を発揮するタイプなだけに、一番の注目株です。

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そしてゲスト雀豪予選を勝ち抜いたのはTVプロデューサー・中村伸喜さん。
予選では国士無双2回という離れ業で勝ち上がり、準決勝でも大村朋宏さんとのデットヒートを粘り勝っての決勝進出です。
大技はもちろん小技もしっかり兼ね備えた存在と言えます。

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そしてもう1人のゲスト雀豪代表、現最強位でサイバーエージェント社長・藤田晋さんです。
もちろん最強位に続く「著名人二冠」を狙っていることでしょう。

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厳しい予選を勝ち上がった4人のこの決勝戦。さて一体どんな麻雀になるのでしょうか?

 

★東風戦(順位点5-15)

東1局1本場、起家・中村さんが東中のシャンポン待ちで先制リーチ。

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中をツモ、そしてこの中が裏ドラになって6,000オールとなります。
東2局3本場、東家・藤田さんがダブ東暗刻で先制リーチ。

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ツモれば4,000オールで中村さんを射程に捕えれる位置につけられますが、ここは山井プロが追っかけリーチ、そしてツモアガリ。

二万三万四万五索六索七索二筒三筒四筒七筒八筒南南  リーチ  ツモ六筒  ドラ三万  裏三索

その山井プロが東3局でも満貫のツモアガリ。

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一万二万三万五万七万六筒七筒八筒九筒九筒九筒西西  ツモ六万  ドラ九筒

オーラスもヤミテン5,800で亜樹プロから。

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このアガリにより100点差で中村さんをかわしてトップになりました。

東風戦成績
山井+31.8P 中村+21.7P 藤田▲19.0P 亜樹▲34.5P

 

★半荘戦(順位点10-30)

東風戦ラススタートの亜樹が半荘戦で挽回します。東2局1本場7巡目、東家でテンパイが入ります。

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ドラの七筒を切れば六筒九筒待ちでピンフになりますが、八筒を切って西七筒のシャンポン待ちリーチを選択しました。
この待ち取りが成功。六筒九筒よりも先に西をツモって4,000オール。
同3本場も、中村さんの先制リーチをかいくぐり1,000オールで連荘に成功。

六万七万八万四索六索七索七索三筒四筒五筒  ポン二索 左向き二索 上向き二索 上向き  ツモ五索  ドラ四索

この序盤のアガリで5万点オーバーに。この貯金を守り切って見事亜樹プロが半荘戦を制しました。
2着に食い込んだのは藤田さん。南3局6巡目に

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六筒でテンパイを外します。が、この後全くと言っていいほどくっつきません。三筒七索という好牌を浮かしているのですが…13巡目に

一万二万三万三万四万五万七索二筒三筒三筒四筒七筒七筒  ツモ三筒  ドラ七筒

渋々テンパイを取り、次巡渋々リーチ。すると16巡目にドラの七筒をツモって満貫のアガリ。
直前に山井プロが追っかけリーチをしてたこともあり、このリーチ棒の分山井プロをかわして2着になったのです。

半荘戦成績
亜樹+44.4P 藤田+13.0P 山井▲8.9P 中村▲48.5P

半荘戦終了時
山井+22.9P 亜樹+9.9P 藤田▲6.0P 中村▲26.8P

 

★三麻戦(50,000点持ち、順位点10-20)

起家から亜樹プロ・藤田さん・中村さん・山井プロの座順、つまりトータル順位が2位・3位・4位・1位の順番です。
決勝戦にふさわしい、均衡したトータルポイント。4位の中村さんでも、山井プロを3着に落とせば2万点差つければ優勝。
誰が勝ってもおかしくありません。

その中村さんが先制パンチ。東1局、リーチ一発ツモで4,000オール(満貫ツモ)のアガリを繰り出します。

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続く東2局は東家・藤田さんがホンイツ仕掛けで3,900オール(7,800点)のツモアガリ。

トータル3位・4位のゲスト雀豪2人が意地をみせます。三麻戦はいかに親番でアガリを重ねるかが大事になってきます。

もちろんトータルリードしているプロ2人もゲスト雀豪の連荘を許しません。
元々亜樹プロも山井プロも相手に隙を与えない打ち方。三麻戦にも関わら大物手が全くでません。
西入まで誰も一度も6万点に行かず、この時点でトップ目の亜樹プロが56,400という小場の展開がひたすら続いています。

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ようやく点数が動き出したのが西3局。4巡目に亜樹プロがリーチ。

二索二索二索四索五索六索六索六索七索八索九索白白  ドラ中

メンホンの変則3メンチャンリーチです。中村さんが国士無双狙いで押してきます。この2人に挟まれた山井プロが

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中村さんの国士無双を警戒したのでしょう。リーチに通っている一筒も暗刻の西も切れず。四索のワンチャンスで三索を切って亜樹プロに12,000の放銃をしてしまいます。

この局を境に三麻戦らしい展開に。
次局東家・山井プロが放銃を取り返す一発ツモで9,000オール(親跳満ツモ)。

三索四索赤五索五索六索六索七索七索三筒三筒赤五筒六筒七筒  ツモ五索  ドラ発  裏八索

これでプロ2人が抜け出す形に。
事実上山井プロと亜樹プロのマッチレースとなります。
追う山井プロを尻目に…

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返り東1局2本場、親番で亜樹プロが6,000オール(親満貫ツモ)で一歩抜け出します。

オーラス、山井プロは満貫ツモで逆転となります。

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藤田さんの逆転条件が役満クラス。ということは、亜樹プロも積極的にアガリに向かわなくては山井プロに逆転されてしまいます。
なぜなら四人麻雀と違って三人麻雀での満貫ツモは簡単にできるからです。

ですが、やはり簡単なのは単純にアガること。
アガリ優勝の亜樹プロが白を一鳴き、山井プロがテンパイを入れる前にあっさりツモって優勝となりました。

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半荘戦終了時
山井+22.9P 亜樹+9.9P 藤田▲6.0P 中村▲26.8P

三麻戦成績
亜樹+44.9P 山井+19.6P 中村▲27.2P 藤田▲37.3P

最終成績
亜樹+54.8P 山井+42.5P 藤田▲43.3P 中村▲54.0P

 

第6回目のトライアスロンにして、初の女性優勝者が誕生しました!

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優勝 二階堂亜樹