リレーエッセィ

第108回リレーエッセイ:山田学武

ども!日本プロ麻雀連盟29期生の山田 学武です!

がくぶではないです、まなぶですよーー!

皆様、新年明けましておめでとうございます。
冬も真っ只中ですが、風邪などひいていないでしょうか?
まあ僕はバカなので風邪ひきませんが。。。

2016年も沢山麻雀して、常に上を目指して戦い続けたいと思っております。
今年も一年宜しくお願い致します。

*~自己紹介~*

簡単に自己紹介でも。
年齢は25才です。出身地はなんとアメリカっ!!!……でも英語はからっきしなのです笑
麻雀以外の趣味は、なんといってもスキーとスノボー!!
毎年10回くらいは通ってます( 行きすぎ)
今回、プロクイーンでは決勝まで残りながら、あと一歩のところで涙をのんだ大里プロよりリレーエッセィのバトンを受け取りました。
拙い文章ではありますが、宜しければ最後までお付き合い下さい。

*~プロローグ~*

(ここに座っているのは誰なんだ?)
王位戦決勝のタイムシフトを見ながら首を捻る。
そこに写し出されているのは、何かに怯え、逃げ腰で、弱々しく座った(もはや戦っていない)、紛れもなく私の姿である。
そう。私は今年、第41期王位戦の決勝の舞台に進んだ。

*~麻雀との出会い~*

私は小さな頃から好奇心旺盛だった。
多趣味な父の影響もあり、子供の頃から沢山の事をさせて貰った。
麻雀牌に初めて触れたのは、小学生のときである。
混ぜる時の心地の良い音、少しひんやりとした感触のある立方体が私の好奇心をくすぐる。
それから間もないうちに、麻雀を覚えた。
覚えてからというもの、中学、高校、大学と暇さえあれば夢中で麻雀をしていた私は、いつの間にか麻雀のプロを志すようになっていた。
そして2013年春、日本プロ麻雀連盟の一員となった。

*~麻雀最強戦全日本プロ代表決定戦~*

そしてプロになってから1年半、いきなり大チャンスを迎える。
それが麻雀最強戦全日本プロ代表決定戦の決勝戦。
ここで勝てれば本戦出場という所まで行きながら、あと一歩及ばなかった。
悔しさと、ここまで来れた事に対する感謝の混ざった複雑な気持ちを胸に帰路に着いた。

*~王位戦~*

最強戦が終わってから約1年、またしてもビッグチャンスを迎えた。
なんと王位戦決勝の舞台に残ったのである。
結果から先に書くと、完敗であった。内容だって見せられたものではない。
敗因を書き始めたらキリがないので、麻雀の内容に関しては猿川プロの観戦記を見て頂きたい。
王位戦決勝観戦記

私からは気持ちの部分に関して話したいと思う。

決勝戦の朝、届く応援のコメントを見て、電車の中で涙が溢れた。
(なぜ泣いてるんだ?始まってもいないのに。少し感情的になっているのか?)
気持ちの揺れに不安を覚える。そしてその予感は的中した。
会場に着いて闘牌が始まってからは、どこかよそ行きの麻雀を打っている自分に気付く。
変な放銃をしたくないという思いが常に邪魔をして、歪んだ打牌を作り上げる。
戦いに参加出来ていない。それでも風は、私に吹いていた。

2回戦3回戦と連勝し、トップ目になる。
しかし、4回戦でもまた、ポイントを守りにいくかのような腰の退けた麻雀をしてしまう。
自分の心にジリジリとヒビが入っていく。

そして5回戦、ついに崩れる。
超ド危険牌を、早く楽になりたい気持ちから焦り打って、12,000点の放銃。
オーラスにも、中途半端な打牌選択。もしこれで勝っていても、見ている人も納得しなかっただろう。

終始気持ちの抜けた、情けない麻雀を打ってしまった。もはや気持ちの面から完敗であった。
麻雀プロとして、これほど恥ずかしい事はない。

少なくとも優勝した石井一馬プロは、戦っていた。
卓上で出来ることをやって、優勝するために全力だったのだ。

見ている人の心をうつような麻雀とは程遠い、内容の薄い麻雀。気持ちの面でも完敗。そんな私に勝利の女神が微笑む筈もない。
トロフィーは私の手をすり抜けて行った…。

さて、こうして文章にしてみると、大会を通して後悔ばかりのようになってしまったが、決してそんな事はない。
決勝まで行けたことは本当に良い経験になったし、沢山の強い方達と真剣勝負出来てとても嬉しかった。
非常に実りの多い大会であったのだ。

ただし……同じ失敗は許されない。

もし次のチャンスがあったなら、見ている人の心をうつような「戦い」をお見せする。
それが、今回応援してくれた人への「恩返し」になると信じて止まない。

今回優勝した石井一馬プロ、本当におめでとうございます。必ずリベンジします。

*~エピローグ~*

「ロン!!」
「あーっ!こんな待ちあるのかよー泣」
「へへー!えーっとリーチ一発うんたらかんたら……」

卓を囲んだ4人からは、今日も笑い声が絶えない。
それは、麻雀というゲームが本当に面白いからだ。

「麻雀ってめちゃめちゃ楽しいね!」
「麻雀ってこんなに深いゲームなんだ!!」
と思ってくれる人が1人でも増えたらな、という思いを胸に、私はこれからも尽力していく。

そしていつの日か日本中を麻雀が埋め尽くして、笑顔に溢れる未来がくるのなら、麻雀プロとしてこれほどの幸せはない。
だって麻雀って、こんなに面白いんだもん

*~おわりに~*

長い文章最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
さて、次にバトンを渡すのは今期女流Aリーグに昇級を決めた藤井すみれプロ!
何度か藤井プロとお話する機会があったのですが、麻雀に対する想いが凄く熱くて、お話をする度に自分ももっと頑張らねばと思わされます。
これは女流Aリーグでの活躍に大注目ですね!

それでは藤井プロ、よろしくお願いします!!!