鳳凰の部屋

「忍者襲来」 前田 直哉

初日が終わり、2日目は翌日となる。対局が終わってからどう過ごすかも皆それぞれであるだろう。
私はというと、いつものように真っ直ぐ帰り自炊をした。そしてタイムシフトを見て反省しようと思っていたのだが…タイムシフトが再生出来たのが深夜0時を回っていた。

対局日はいつもそうなのだが、アドレナリンが出てしまっているのでなかなか寝付けない。
横になりながら見ていたのだが結局眠ったのは3時過ぎであった。

翌日、対局4時間前に起きて早めに家を出た。そしていつものように麻雀格闘倶楽部を打って感覚を取り戻す作業をしてからスタジオ入りした。
初日の結果はこのようになっていた。

4回戦終了時
前田直哉+52.1P 勝又健志+34.1P 藤崎智▲38.4P 瀬戸熊直樹▲47.8P

瀬戸熊プロはリーグ戦の終盤からそうであったが、あまり調子は良さそうでなかった。
藤崎プロも初日は手にならないようであった。ただ…この2人がこのまま終わるわけはないと思っていた。が、このまま眠っていてくれたらいいなあとも思っていた。そう!私は小さいのである(笑)

スタジオでは終始穏やかな空気が流れていたように思う。
やはり初めての舞台ということであまりプレッシャーを感じていなかった為だろうか?今日も平常心で戦えそうだ!

5回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)
東1局1本場いきなり勝負所となった。
親の勝又プロから10巡目にリーチが入る。

一万二万三万六万七万八万一索一索二索三索四索五筒六筒  リーチ  ドラ一索

ピンフドラドラの勝負手である。これを受けて次巡私にもテンパイが入る。
奇しくも同じピンフドラドラの勝負手でもちろんリーチとした!

お互い山に5枚生きである。結果は私のアガリとなったがここでアタリ牌を掴んでいたら今後の展開も全く変わっていたことだろうと思う。
まだ若干私のほうに運があるということであろう。

そして親を迎えた次局9巡目にこの形となる。

四万五万二索二索四索五索六索七索八索三筒四筒七筒八筒九筒  ドラ二索

ピンズの場況は良さそうなので外すとしたらソーズかマンズであるが、下家の瀬戸熊プロがマンズで染めている。
アガリを優先させ、あえてマンズを切る選択をした。その切った五万を仕掛けられ、次巡ツモ切られたのが六万…。
やっちまったー!これが正直な気持ちだ。
さらにテンパイとなる三索までツモ切られこの局はチャンスを生かせず少し嫌な感じがした。

そして東4局4本場…ここから忍者こと藤崎劇場が開幕することとなる。

まずはヤミテンでの11,600を出アガリ、次局5本場では2,600は3,100オールをツモって、持ち点を一気に53,600まで伸ばす!
しかしまだこれだけではなかった。オーラスの親番でも加点し終わってみれば6万点越えの1人浮きで、初日の負債を返し一気にプラス域までもってきた!
私はというと…無駄な放銃も見られず、まあよしよしといったところである。

5回戦成績
藤崎智+43.0P 前田直哉▲6.6P 瀬戸熊直樹▲10.3P 勝又健志▲26.1P

5回戦終了時
前田直哉+45.5P 勝又健志+8.0P 藤崎智+4.6P 瀬戸熊直樹▲58.1P

5回戦を終えての休憩時間の藤崎プロは、いつにもまして饒舌で満面の笑みだった。
この人…麻雀以外はわかりやすい(笑)

6回戦(起家から勝又、藤崎、前田、瀬戸熊)

東3局1,500をアガって1本場で迎えた親番で3,900は4,000オールをアガリ、かなり気持ちも楽になった♪
そして2本場で4巡目にこの形になる。

四万四万五万三索五索六索七索二筒四筒六筒六筒六筒七筒七筒  ドラ五索

素直にいけば三索だがドラが五索だし、すでに勝又プロが2枚切っているというところに三索に魅力を感じてとりあえず打四万とした。が、次巡持ってきた牌が四万…まあこれで三万六万マチになったときが強くなると思って気にはしなかったが、6巡目に勝又プロからリーチが入り、その宣言牌を藤崎プロがポン。
勝又プロは捨て牌からして七対子、藤崎プロは迷いながらの仕掛けだった為打点は安いだろうと感じた。
まあ自分も勝負手なのである程度はなんでも行きますけどね!

そして追いついたのは11巡目だった。打四万を選んでなかったらアガリであった牌だが打点も十分リーチとした。
結果は、藤崎プロに300・500をツモられたのだが、得点以上に痛かった。波に乗り損ねた感じである。

しかし南1局で再びチャンスが訪れる。5巡目にこの形になる。

五万七万九万九万九万九万六索七索八索二筒二筒七筒八筒九筒  ドラ四索

三色があるのでカンせずの五万切りとする。そしてここから7巡目にドラの四索を持ってきて1シャンテン戻しの七万切りとした。
カンをしたところで七万を切るのは決まっていたので、あえて他家に手牌をさらす必要もないのでカンは先送りとした。
そして次巡、またドラの四索を持ってきてここでカンをしてそのままツモ切りリーチとした。
そしてこれを出アガリ、オーラスを迎えたところで、持ち点を5万点まで伸ばすことが出来た。

こうなれば出来ることなら1人浮きを目指したいところである。
そしてそのオーラスで2巡目から藤崎プロが自風の西を仕掛けてホンイツへ向かう。

まあ打点はありそうだが、藤崎プロがツモってくれれば親の瀬戸熊プロが沈んで1人浮きになるから…ま!それもいいか!などと姑息なことを考えていた(笑)

そして11巡目に藤崎プロがツモ!いつもより手が少し踊っているように見える。
あれ?そして開けられると3,000・6,000…予定と点数が違うんですけどー!!!!

二万二万二万北北中中  ポン西西西  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ツモ中  ドラ六筒

これで藤崎プロも浮きにまわって終了した。

6回戦成績
前田直哉+26.4P 藤崎智+7.0P 瀬戸熊直樹▲10.0P 勝又健志▲23.4P

6回戦終了時
前田直哉+71.9P 藤崎智+11.6P 勝又健志▲15.4P 瀬戸熊直樹▲68.1P

これで2日目の半分が終わった。私は今日も好調を感じていた。
牌が自分のイメージしたように来てくれている。こうなればとにかく高打点だけ目指して自分の麻雀を打てばいいだけである。
瀬戸熊プロは相変わらず不調そうであった。得意のクマクマタイムは発動せず親で連荘が出来ていなかった。
ただ、1度瀬戸熊プロの時間が来たらこの程度のマイナスはあっという間に挽回するであろう。
勝又プロは前日見せた爆発力は今のところおとなしかった。ノリだしたら手が付けられないのでこのまま今日は終わってほしいところである。
藤崎プロは…不気味である。顔がじゃないよ?(笑)やっとエンジンがかかってきたように感じていた。

でも私に焦りは全くなかった。自信とかではなくいずれ来ることがわかっていたからである。
まあこのメンバーでは、そう簡単に逃がしてくれないであろうことは誰しもが知っているところであろう。
とにかく自分の中ではポイントは関係なく、1半荘1半荘を油断せずに落ち着いて打とうと思った。

つづく!

次回予告
「2日目後半戦!くれぐれもオリる時はしっかりとね!」

追伸
私の仕事には祝日も長期休暇も関係無い。その中で対局や解説、撮影、ゲストに参加させて頂くわけだが、平日はほぼ有給や早退という形でお願いしている。
…が足らない。…とにかく足らない。有給が全く足らないのである!!!無給で休むこともだいぶ増えてきた。
プロとしてとても有難いことであると思うし感謝している。
しかしこのペースで休み続けたらそろそろ最後通告が来るのでは?と最近おびえています(笑)