プロ雀士インタビュー

プロ雀士インタビュー/第112回:柴田 吉和

「新人王戦」
プロ連盟に入って3年目までの選手がでることの出来るタイトル戦。
121人で2日間戦い、新人王が決まる。
1日目は7回戦。5回戦目からポイントが足りない選手は敗退となる。
2日目は決勝の4回戦。
今回この新人王戦を制したのは、28期生、柴田吉和プロです。
彼が決勝に残ったということをツイッターで知り、私は興奮してすぐにメールで
「決勝がんばれー!」と送った。
するとすぐに返信がきた。
「おら、がんびゃる」
がんびゃるってなに・・・。(笑)
彼とは、プロになる前からの知り合いで、よく麻雀の話をしていたのだ。
今回インタビューアーを勤めさせていただく松岡千晶です。よろしくお願いします。
松岡「インタビューいつにしますかー?」
柴田「うーん特昇の後でいいんじゃないかな?」
彼は新人王戦優勝、私はD3リーグ優勝ということで2人とも特別昇級リーグに参加している。
そして特別昇級リーグが終わり
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松岡「お疲れさまでーす!特昇どうでしたー?」
柴田「んー+93Pくらいかなぁー。千晶ちゃんはー?」
松岡「えええええ!!なにそれすごすぎ!!うちは±0Pでした!」
柴田「おー!それもすごい!プラマイゼロかぁ。」
松岡「違う!プラスゼロだもん!!」
それにしても+93Pだなんてすごい・・・。
彼はプロ連盟に所属してから、D3→D2(1位昇級)→D1(特別昇級リーグ3位)→C3→C2(新人王戦優勝)と活躍をしている。
柴田「何食べたいー?」
松岡「うーん、お鍋!それとビール!」
柴田「いいよーじゃあ、そうしよう!」
お店につき、インタビューをはじめた。
松岡「新人王戦優勝、それと今日の特昇大勝おめでとうございますー!」
柴田「ありがとうー!かんぱーい!」
松岡「新人王戦どうしたか?タイトルとって変わったこととかありますか?」
柴田「今回の決勝が、新人王戦では初めてのニコ生放送でそれを考えて緊張していたけど、いざはじまっちゃったら麻雀にのめりこめたよ!まだねー、タイトルとったぞーっていう実感はない。森山会長が優勝カップを渡してくれた時はすごい実感があった!後はリーグ戦とかで話したことなかった人たちに「おめでとう!」っていってもらえて、あーとったんだなぁと思えるよ。」
松岡「いやあ、柴田さんがタイトルホルダーだなんて嬉しい!なんでそんなに麻雀強いんですか?勉強法を教えてください!」
柴田「勉強法かぁ・・・結構連盟チャンネルは見てるよ。A1とかA2とか。」
松岡「何を考えながら見ているんですか?」
柴田「うーん、僕は滝沢さんの麻雀がすごい好きで、滝沢さんのをすっごい見てるよ。雀風も、人柄も好きなんだよねえ・・・。後、滝沢さんの解説とかすごい為になるよ。だから女流研修で千晶ちゃんは滝沢さんに麻雀教えてもらっているのがすごい羨ましい。」
松岡「へへへ。確かに女流研修ではすごいお世話になってます!いいでしょ~!他はありますかー?」
柴田「後は人の麻雀を見て聞くことだね!自分はこれ打つのに、なんでこの人はこれを打つんだろう!って。」
松岡「うんうん、そうですよね。打つのも大切だけど、やっぱり見て考えることは大切ですよね。でも例えば私結構あるんだけど、A1リーグのリーグ戦とか見てて、ん?って疑問があっても、そのプロには聞けないじゃないですか!そんな時ってどうしますかー?」
柴田「あーそうだよね。そうゆう時は、周りの自分が上手だと思っている人に聞いてるよ。」
私は質問をしながらそれをノートに書いていた。
彼はそれに答えながら箸は進む。
私もお鍋が食べたい。たが、私はペンが進む・・・。
松岡「あっ!今回の戦いでの注目局ってありますか?」
柴田「あー!ペンとノート貸してー説明するよ!」
私はペンをすぐに箸にもちかえた。
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柴田「ここで六万を引いてね、千晶ちゃんだったらどうする?」
松岡「うーん、きっと七筒をきってリーチかな。」
柴田「うん。そうだよね。解説でもそうやっていってたの。でもね、僕はここで八筒をきってソーズをのばすためにヤミテンにしたんだ。確かに今考えたら、七筒切ってリーチかなって思うけど、感触がよくて手ごたえがあって6,000オールをツモれる気がしたの。そしたらリーチ者から三索がでて7,700をアガれたんだけどね。これはアガれたとき嬉しかったよ。」
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柴田「これでね、七筒九筒ひけー!!って心で願っていたら七筒がきてこれはノータイムでリーチがいけたんだ。ヤミテンでも12,000点あるんだけど、ツモったら6,000オールになるの。牌の来かたがすごいよかった。」
松岡「おおお!すごいっ!本当に気持ちいいくらい来かたがいいですね。こうゆう時ってツモれたりしますよね。わかります!」
柴田「こうゆうのをリーチできない人って結構いると思うんだけど、まだ東場だし満貫あってもリーチして跳満にするのは大事だと思う。」
松岡「うん。点数持ってるときこそ、それを糧にいったほうがいいって私も最近思います!こうゆうのが体制っていうのかな・・・?まだ難しくてわかんないけど・・・。」
松岡「なんか、うまくいってる局ばっかりだから、ミスっちゃったな!みたいに思った局とかないんですかー?」
柴田「あー・・・ミスったっていうか、いろいろ思う局はあった!手詰まってのオリ打ってしまった局面がある。」
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柴田「これはねー解説にも視聴者の人にも言われたんだけど、人読みをしてたんだよね。僕はこの今回の決勝面子で、唯一、五反地さんとは何度か打ったことがあって、プロの研修の時も一緒で倒牌したりして麻雀しててね。そのときの印象が面前高打点、愚形のリーチとか少ないって思っていたんだよ。だからあの時三筒九筒の中筋の六筒を打つか、一筒打つかで六筒を打ったんだよね。」
松岡「あーほんとだ。うーん私は一筒打つかなぁ・・・。」
柴田「ね、そうだよね。人読み抜きだったら一筒きる!」
松岡「こうゆうのって、自分では考えて打っていることでも「?」って映ることがありますよね。私も何度かニコ生で対局をしたことがあるんだけど、思うものがあっての打牌でも、なかなか伝わらなくて「?」って思われたり・・・画面でみるとやっぱり伝わらないこととかあるよね・・・でも聞かれたときにちゃんと答えられればいいと思うんだ!」
柴田「そうだよねぇ~」
松岡「優勝を意識した瞬間とかってありましたか?」
柴田「うーん。 かなぁ。」
松岡「本当おめでとうございます!柴田新人王!」
柴田「ちょっと居酒屋で恥ずかしいからやめてよっ!!(笑)」
麻雀界はどんどん進化していて、今ではニコ生でタイトル戦やリーグ戦までもが見られるようになった。
昔私は、A2のリーグ戦を見に行ったことがあったのだが、人がいっぱいいてなかなかよく見えないし河も遠くて見えない。今はパソコンでいつでも見ることができるし、みんなの手牌や河を照らし合わせることができたり、とても環境が整っている。麻雀の勉強会も沢山行われている。
「今の子たちはいいよねぇー。麻雀を研究する環境整ってるし、みんな優しいから麻雀教えてくれるし。俺の時は人から技術を盗むので大変だったよ。リーグ戦も必ず見に行ってたもんな。」とA1リーガーの先輩がいっていた。
こんなにいい環境にいられるのは恵まれていると本当に思う。
だから私も、柴田さんに負けないよう頑張らなくちゃ。