プロ雀士インタビュー

プロ雀士インタビュー/第161回:第1期WRCリーグ優勝特別インタビュー 羽山 真生  インタビュアー:和久津 晶

100

 
皆様いかがお過ごしでしょうか!
今回のインタビューは「雀荘のおやじ」こと羽山真生プロ。
第1期WRCリーグ優勝についてお届けしたいと思います。
インタビュアーは淑女なわたくし、和久津晶がつとめます。
面白くないですねすみません。
それではよろしくお願いいたします!
早速羽山プロから
「いつ空いてる?俺20日まで東京いるよ!」
とメールが飛んできたので、
「麻雀と同じで積極的だなあ、、、」
と思いながらグランプリMAX一次予選後なら空いていると伝えると
「じゃあその日にしよう、終わったら連絡してー」
相手に合わせる対応型。
O型の私が何も連絡せず(むしろ忘れてた)にいると、二次から出場の羽山が、気付いたら会場で観戦をしていた。
私と羽山はまあまあ前から仲が良い。
どの位かと言うと、一緒にカラオケに行くとマイクを奪い合う、くらいの仲だ。
もちろん会計は羽山社長だが。
和久津「ごめんごめん終わったよー!」
羽山 「いやー明日古川さんとだわー!」
和久津「悪かったねあたしじゃなくて」
羽山 「どうする?今日行ける?」
和久津「え?勿論。ってか無理ですね、とか言ったらどーすんのよ」
羽山 「明日も空いてますよ」
こんな感じである。
羽山真生
四段、27期生、来期からC3リーグ所属。
1975年9月14日生まれ、A型。
現在は名古屋在住で、対局の度に新幹線で通っている。
確か前は滋賀から、その前は福岡から来てた気がするなー。
私が10代の頃から知り合っているので、付き合いはそろそろ20年近いか。
皆様、意外に若くてびっくりしました??
見た目、所作、おなか周りは正に「雀荘のおやじ」。
ハンドルネームは譲りますよ。
知っているマニアな方もいらっしゃると思いますが、羽山はアマ時代、今から19年も前にG1タイトル王位を獲得し見事連覇。
「もっと遠くへ行きたいと願った たった一度生まれてきた奇跡は計り知れない だからこそ怖いのかもしれないレールに乗っかるのも無限に広がる自由も」
羽山「当時は大学3年生だったからなあ。就職活動してて、全部駄目だったら麻雀プロになろうかとも考えていたけど」
羽山は現在会社員。結婚して中2と小2のお子様がいる。
和久津「色々と余裕が出来たから麻雀プロしてみようかなーて感じ?」
羽山「1つ目の理由は王位戦のシード権が切れたこと。」
和久津「まだあんの」
羽山「こっからが大事だから聞いてよ!あのね、当時僕が王位を獲った時に瀬戸熊さんが」
和久津「大先生と呼びなさい」
羽山「瀬戸熊大先生が、羽山が勝てるなら僕も勝てるからプロになろう、って言ってプロになったんですよ」
和久津「自慢かい!若干ディスられてるじゃん!」
羽山「そうなんだけどね。そうしたら瀬戸熊さんが鳳凰位になったから俺も出来るかなって思って試験を受けたんですよ。なんだけど全然リーグ上がらなくてタイトル戦もダメで、大変だけどWRCリーグ参加しよう!って訳だったのよ」
確かに、WRCリーグは地方プロが参加するのは大変である。
5節参加して負けなら交通費と時間の大きなダメージをくらう。
羽山「瀬戸熊さんに、羽山さんは過去の人だからなあ 笑、と言われてやる気になりました。」
和久津「ほらね大先生のおかげじゃん!感謝して!」
羽山「勿論です。それと会社の皆様にスケジュール等で大変ご迷惑おかけしたにも関わらず負けましたーじゃ申し訳なくて。」
なるほどそういうプレッシャーもあるのかー。
先日の地方リーグチャンピオンシップ、地方の代表として戦った選手達の気持ちを、ちょっと想像しただけで胸が苦しい。
「何処まで行ってもゴールはいつも心の中にあるものだから、どの十字路が繋ぐ未来へも目の前の一瞬に全てを捧げて」
自分で決めた事ではあるが、自分だけの物ではない。それが人道を行く麻雀プロの忘れてはならない真実か。
和久津「そー言えば麻雀の話してなかった。あれ良かったねオーラスのフリテンリーチ」
羽山「それベスト8」
和久津「あそーだっけか。アレも良かったじゃん」
羽山「それはバトジェネね、、、」
和久津「まじか。んじゃ羽山さん的なベストショット教えてよ」
羽山「菊原プロのタブリーにゼンツして三万六万で追っかけたやつ!」
和久津「あれね!鳴いたらツモられてたやつだ」
羽山「そうあの親が続いたのが良かったかなと。」
和久津「随分と謙虚な感じですね。どやどやしてよ」
羽山「いや今回は本当に恵まれて、他の選手の方々のほうが我慢我慢の麻雀でしたから。」
和久津「まさか羽山さんの口からそんな言葉が!これ別に録音とかしてないよ??」
羽山「ホントに思ってますから!ただ、二度と来ないチャンスかも知れないから力が入り過ぎて、所作が荒々しくなってしまったのが申し訳なく、、、。」
和久津「やっぱ変わったよねー」
実は今回、もしかしたら羽山が勝つんじゃないか、と思っていた。
正確には、勝つ可能性が出た、だが。
偉そうに言っているつもりはない(実際自分は全然勝ってはいないし、、)。
麻雀プロの試験を受けに来るには、皆何かしらの自信を持ってくる。
羽山の場合はプラス「実績」も持ってきた。
なりたての頃よく
「上家が全然意味不明の鳴きするから」
「下家が親に3フーロもさせてべたおりして」
とかリーグ戦の後は文句ばっかり言っていた。
これは羽山に限らずだが。
ある日から突然言わなくなった。
C3リーグに降級した日からだ。
羽山「落ちたからには自分に原因があると思います。勉強し直します」
羽山は明らかに「変わった」のだ。
「何度だってやり直せる だけど今は二度と来ない 進んで行くのさ時代のせいや誰かのせいにするくらいならもう一度夢を」
 

100

 
和久津「あとなんかある?インタビューて。羽山さんの女性のタイプとか?」
羽山「結婚しとるがな!」
和久津「あそーね。じゃーお肉食べていい?おなか空いたー。ゆーみんに全部食われるー」
魚谷「これ一人一皿だから大丈夫です」
和久津「まじか!贅沢ー!」
一次で敗退した魚谷プロが可愛い顔して待っていたので連れてきた。
魚谷「糖質制限中だからお肉がいい!」
和久津「じゃーここ入ろー(手前のホルモン屋)」
魚谷「あっちがいい!(奥のしゃぶしゃぶ割烹)」
羽山「はいはい分かりました」
和久津、魚谷「羽山さんご馳走様でーす!」
羽山「わしのインタビューやないんかい!」
羽山は見た目よりも年上に思われる事が多い。多いというかほとんどか。
それでもみんなに
「えー羽山さんそんな若いの?見えない!」
「羽山さんマナー悪っ!」
「ウィングツモうざっ!」
とかいつもめちゃめちゃに言われている。
みんな羽山が怒らないのを知っているからだ。
それって凄いことじゃないですか。
真面目で気さくで頭が良く(少々理屈っぽくもあるが)、家族や友達思い(特に女子に甘い)、勉強熱心で向上心の塊。
これに謙虚な姿勢(麻雀中は勘弁してあげて)が加わった、今まさに勝つべくして勝った愛すべし戦士!
羽山真生はこれからどんどん活躍し、好感度もちょっとずつ上がっていくことだろう。
期待の意味も込めて。
とりま羽山さん、優勝ホントにおめでとう。
過去の人じゃなくて良かったです。笑
文中の言葉はレミオロメンさんから。
地方から頑張る全ての麻雀プロへ、もっと遠くへ!
「諦めないで その心が決めた道を走り抜けて 強い風が吹いた日こそ誰よりも早く強く美しく 駆け抜けてよ夢の中を 光の方へ闇を裂いて」