プロ雀士インタビュー

第194回:プロ雀士インタビュー 吉田 直  インタビュアー:和久津 晶

鳳凰位になるなんて夢のまた夢。

果てしなく長い道程、ひとつひとつ階段をのぼり転んではまた立ち上がり、遠くて見えすらしないゴールに向かってまた階段をのぼり続ける。そんな日々の繰り返し、ルーティンを私達は苦しくも楽しくも思いながら過ごしている。最後に待っているのは一体何なのか。

これから書く人物は、迷いながら行ったり来たり、離れたり諦めたりまたやっぱり思い直して

「俺はおまえが好きだー!」

と夕陽に叫び、泣き、朝陽の美しさにまた涙する。そんな男の物語である。

申し遅れましたわたくしもその壮大な夢を追う夢見がちな少女A、和久津晶と申します。
この度インタビュアーを務めさせていただきました。
少々、いやかなり拙い文章になりますが頑張ったので最後までお付き合い頂けたら幸せです。

吉田直。タダシと読みます。23期生。六段。1977年2月18日生まれ。水瓶座。O型。新潟県出身。

16期に1度プロ試験を受け合格、半年で退会、23期にもう一度プロになりD2リーグからのスタート。
ほぼストレートで昇級を続け、4年後にはA2リーグに。すぐに降級し今度は2年かけてA2に出戻り。
3年かかってやっとの思いで念願のA1へ。
そして鳳凰位。

和久津「あれ、最後だけめっちゃ短縮してない?」

吉田 「そうなの。紆余曲折あったんだけどね。」

和久津「泣いてたねー」

吉田 「まあ決定戦残った時にすでに泣いてたからねー笑」

 

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直さん(ちょくさんと呼んでます)の優勝が決まった瞬間に、他団体の麻雀プロの友達からラインが飛んできた(まさに飛んで)。

「みんなでサプライズ祝勝会しませんか?」

日程は3週間くらい先で、忙しいみんなでも集まれる様にと配慮されていた。愛されてんな。
かれこれ何十人という麻雀プロが集まったのではなかろうか、団体も年齢も性別も、お目にかかった事の無い人もいっぱい来ていて

(どんだけ顔広いんだよ、、、)

とちょっと笑った。

誕生日祝いも兼ねていたので

 

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そしてみんなで買ったネクタイを渡すと

 

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大事に大事に包装紙を開け何度も写真を撮り、また元に戻そうと必死に包装していた。
この日私が確認出来ただけで7回は泣いたと思う。
泣きキャラ。素直で、明るくて、ハマってしまうと何も見えないかのごとく突き進む。愚直。
スネークツモに至っては、師と崇める瀬戸熊プロのアドバイスにも関わらず夢中になるとつい出てしまう。
かわいいか。

和久津「インタビューだから趣味とか聞くよ!麻雀の話は観戦記にいっぱいあるし」

吉田 「そうだね。えっと趣味は、、、みんなといる事!」

和久津「なんそれ、、、」

吉田 「カラオケでもご飯でも、とにかく仲間?友達?先輩後輩と一緒にいる事が趣味かな!」

和久津「ええっと、特技は?」

吉田 「計算!」

和久津「あれ、理数系だっけか」

吉田 「理科とか全然無理!数学も別に。公文やってたから計算は得意なんだよねー!」

和久津「部活は?子供の頃の夢とか」

吉田 「サッカーとバスケと卓球と、、。あ!卓球で全国大会行ったことあるよ!クラブチームにも入ってたし。」

浮気性かよ、、、。

吉田 「ハマるとそればっかやるから。高校の時は生徒会役員とかやってた!」

髪型、普通だったんだ、、、。

吉田 「子供の頃の夢はねー、先生!あと警察官とか!体育教師になりたかったんだー。」

暑苦しいのは昔からか、、、。

和久津「あれ?麻雀はいつから?」

吉田 「18才かな。当然ハマって、雀荘で働いたりもした。会社員やったり、またメンバーやったり、繰り返してた」

和久津「1回めっちゃ痩せたよね?」

吉田 「A2に戻った時に、麻雀の仕事は辞めて配送業やったら痩せた!麻雀も調子良かったし!」

和久津「で骨折してリバウンドしたのね」

吉田 「うん。笑。でも1年間こころおきなくA1に専念する事が出来て、それで!」

まさに生けるポジティブ。

吉田 「リーグ戦の前は巣鴨道場で公式ルールを打つ、前原さんオススメのカレーを食べる、瀬戸熊さんオススメの肉を食べ、、」

和久津「もういいわ」

吉田 「決定戦の前にカレーパン食べたら勝ったのね。それから必ずカレーパン持ってく」

クサいわ!

吉田 「荒さんに試合前は食べない方が良いんだよ、と言われて、慌ててカレーパンのジンクスを説明したんだよね!」

、、、。

麻雀について聞いてみた。

吉田 「麻雀はいつも通り!」

おい。

吉田 「でもちゃんと休憩の時に歯みがきしたり顔洗ったりしたよ!瀬戸熊さんが、、、」

まだまだ続くので端折っても良いでしょうか。

 

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人柄はこんな感じです。語尾にびっくりマークが必ずついてしまうのは、彼がしょうがくせ、、いや少年の様に目をキラキラとさせながら、お母さんに話しているかの様にドヤドヤしているからで、、、。

では麻雀プロとしての吉田直を。

和久津「これからの直さんはどうなっていくの?」

吉田 「目指すのは瀬戸熊さん!」

和久津「あーね。って答えになってないわ」

吉田 「現役最強、かな。一発屋で終わりたくない。とりあえず連盟タイトル特にG1は全制覇したい!」

和久津「それなー!かっこいいじゃない」

吉田 「60代になってもタイトル取れるとかスゴいよね!俺も生涯現役でずっと麻雀してたい!」

和久津「麻雀道は棘の道やぞ(by藤島)」

サラッと言ったなー。なかなかに言える事では無いと思う。
負けたらどうなる?骨折じゃなく病気になったら?
麻雀は面前手役攻撃型(自称)。誰もがスピード型になって追いつかなくなったら?
若手イケメンが大量に入って来て肩身が狭くなったら?

吉田 「講師とかは向いて無いと思う。人に教えるのって苦手かも」

実際こう見えて彼は緊張しいだし、気が優し過ぎて、、無理かも、、、
そうなると将来の不安、って私が考える事じゃ無いか。でも私が考えてる事でもあるし。
でもそこは生けるポジティブ神として、なんとか乗り切っちゃうんだろうな。

これからの直さん、は、これからの麻雀の勝ち負けでどんなモノにもなっていく。
怖いけど、わくわくする。
そんな毎日を 「みんな」 と一緒に過ごす事が夢、私は解釈してみる。

吉田 「でも子供は欲しいかな!大好きなんだ!いつかパパになりたいなー!」

和久津「そこは普通かよ」

超念の為。タイプの女性は「笑顔が可愛くて優しい人」。独身です。

上の写真の撮影者は笑顔の可愛いこの女性

 

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麻雀プロには、麻雀が好きで強い人と打ちたい、麻雀タレントとしてスポットライトを浴びたい、などライフスタイルや性格、事情、色々な人がいると思う。みんな麻雀が好きな事に変わりは無い。

生涯現役を宣言する選手の覚悟とはいかなるものか。自らを信じ、愛し、戦い続ける人生を選び、最後には何が待っているのか。

吉田直を見ていたい。近くで。同じ険しく荒れた道を転がりながら、傷だらけになって一緒に笑い合いたい。このインタビューをいつか直さんにしてもらえる日が来るのか。来ないのか。

「己の名誉、その栄光伊達じゃねぇよ 投げ出すならば最後Only god can judge me!」

きっついけど行こう。最後に素直に一言言うわ。

直さん、おまえすげぇーーーーーんだ!!!

全然、物語ではなかったかな。
終わりまで読んでいただき、ありがとうございました!