第200回:プロ雀士インタビュー 松本 幸大 インタビュアー:喜多 清貴 北 淳一
2019年12月17日
2019/8/25
麻雀マスターズでの優勝お祝いムードが覚めやらぬ北の大地に、プロ2年目の松本幸大が新人王のタイトルをもたらした。
雪華王戦(北海道プロリーグ)終了後に行われた新人王戦祝勝会の模様を交えながら、松本幸大プロへの優勝インタビューの模様をお伝えして参ります。
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祝勝会乾杯の音頭は松本とも親交の深い、現麻雀マスターズ真光祐尚プロ。
『何よりタイトルを取った瞬間よりも、先輩・同期・後輩みんなにお祝いしてもらえるこの瞬間が、一番勝ったことをかみしめられる時間かなと思います。これからも松本さんをはじめ北海道本部皆さんで、更なるタイトルを取ることを目標に、これからも研鑽していきましょう。優勝おめでとうございます!』
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前日の予選通過後、決勝戦までの間はどのようなことを考えていましたか?
『初日の予選最終7回戦目に6万点トップ条件をクリアし決勝進出を決めた次に思ったことは、今回勝てなかったら、こんな機会は二度と来ないかもしれない。今後一生訪れないかもれないチャンスなんじゃないかと』
2019年の日本プロ麻雀連盟新人王戦予選は全国から実に136名の参加者があった。その中から上位4名が決勝進出という非常に狭き門である。
『負けることは考えていませんでしたが、対局が終わって後悔だけはないよう出来ることはすべて準備したいって気持ちが強かったです。前日にシシャモを食べたことが予選通過に繋がったのではないかと思い、決勝当日の昼食も同じメニューを注文しました。4回戦の着順を1.3.1.1.にしたいという想いから、それに合わせた時刻(13:11)に会場入りしたりも。』
ゲン担ぎも含め色々と考えていたことなど、普段みせる冷静でクレバーな表情とは違う意外な一面を語ってくれた。対局経験のない相手との、初のタイトル戦決勝。相当な緊張と気合が入っていたことが伺える。
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松本 幸大 プロフィール
1987/12/18生 31歳
血液型 A型
出身 北海道釧路市
・麻雀を覚えたのは中学生の時。オンライン麻雀 東風荘 にて。
『同級生に麻雀ができる人がいなくて、卓を囲んでみたかったのですが、リアルで麻雀ができる環境がほとんど無かったです。』
・その後専門学校への進学の為、道東釧路から札幌へ。学業の傍ら麻雀店にてアルバイトに就く。
・卒業後就職のため上京。
・その後都合により釧路に戻り、その時の職場で現在の奥様(北海道本部所属松本千鶴プロ)と出会う。
・2018年日本プロ麻雀連盟入会(34期前期生)
・プロ2年目、雪華王戦Bリーグ所属。
・書道(準八段)、将棋(アマ四段)の腕前の持ち主。特に将棋は北海道アマ将棋界にも名の知られた存在である。
『昨年から猿川プロらとともに、職域団体対抗戦将棋大会に日本プロ麻雀連盟チームで参加しています。
元々は居飛車党。現在は菅井竜也七段の将棋に影響を受け、振り飛車党に転向しました。』(プロ棋士との対局では飛車落ちで勝てるくらいの実力。)
北海道本部には将棋を愛好する選手も多く、しばし将棋の話に花が咲く。
好きな食べ物は?
我が家で夕食にホイコーロー出た時、
『これめっちゃ美味しい!今までの料理で一番美味いわー!』
って奥さんに言ったら、
《これクッ〇ドゥ(中華合わせ調味料)で作ったやつ…》
と笑顔で返され場が凍り付くという、お茶目?なエピソードを披露してくれました。
・現在は北海道旭川にて麻雀店の経営に忙しい日々ではあるが、家庭では2児の父としての顔を持つ。
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1回戦
東1局
『とにかく1回戦目が大事だなということを考えていました。嘗められたくないというか、他の対局者にスキを見せたくないなって。なるべく嫌がられるというか、怖がられるようにしたいと。新人王戦なのでみんな緊張すると思うんですけど、緊張感からなるべく手が震えたりしないように心掛けました。だけど特に東場はすごく緊張しました。』
2枚目のをポンして打
『出来ればメンゼンでの456の三色5,200くらいの構想でソーズの形で引っ張っていたのですが、2枚目ので自然に両面の牌を取りました。』
東2局
こちらは1枚目のポン打。
真光
この2局連続のアガリで、気持ち良くリラックスして親番を持ってこれたのではないか。
東4局
自身初の親番でラス牌のでのツモアガリ。3,900オール。
東4局1本場
西家の谷プロからピンフドラドラの先制リーチを受けるも、9巡目に無筋の打で七対子単騎での追いかけリーチを敢行する。
この局面のリーチについては?
『ドラが見えておらず分が悪いなとは思っていました。普段のリーグ戦であればリーチしないのですが、4回戦というスプリント勝負ということも含め色々なことを考えての決断でした。簡単にはオリないぞっていう印象を与えたかったです。』
その強い意志が通じたのか、4,800は5,100の出アガリりに成功。
以後、1人テンパイ、1,500は2,400と連続加点していく。
東4局4本場
真光
一つの勝負所はこの局だったんじゃないですか。
北家の宮内プロから・ポンの仕掛けが入り、マンズ模様。
解説席からもそろそろ松本の親番が終わるかという話が出始めた矢先、ドラが重なるや否や、松本は打ちにくいと思われた暗刻のを切って(場に・1枚も見えておらず、宮内の小四喜は否定されていない)の単騎七対子でリーチ。
結果は12,000は13,200の出アガリとなる。
その後、オーラス南4局の親番でも連荘し、この半荘計8回のアガリ。+62.2Pという値千金のリードを手に入れた。
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かくして6時間を超える熱戦を制した優勝コメントは、応援して下さった方への感謝の言葉であった。
『本当にたくさんの方に応援していただいていていました。皆さんの応援のお陰で優勝出来たのだと思っています。』
仲田加南プロから優勝カップを授与された後、激闘後の疲れの中に、どこかほっとしたような笑顔が見られたのが印象的であった。
今回のインタビューの最後に、松本は支えてくれた奥様への感謝の気持ちを語ってくれた。
『予選を勝ち抜いた後、決勝戦を戦うにあたって、自分が対局のことしか考えなくて良いようすべての事をサポートしてくれました。決勝戦対局中は、最初から最後まで会場近くで配信を見ながら応援してくれて。献身的なサポートしてくれたことに、ホント感謝しています。』
雪華王戦(北海道プロリーグ)Bリーグでも首位通過を決め、プロ入り後2期連続の昇級を果たした松本。来期はAリーグでも更なる活躍を見せてくれるはずである。
これからも北海道本部選手ともども、是非応援ほどよろしくお願いいたします。
カテゴリ:プロ雀士インタビュー