プロ雀士インタビュー

第209回:プロ雀士インタビュー 本田 朋広  インタビュアー:木原 翼

本田プロに初めて会ったのは、2017年10月の王位戦北陸予選。
その王位戦予選で同卓したかもしれないとお互い薄い記憶があるくらいで、次に会うときは新しい年になっており私はプロになっていた。

まだ2年程の付き合いである。
その後はセットをやってもらったり、たまに連絡を取りあって麻雀やスポーツの話をする感じで良くしてもらっていた。

私は去年関東に引っ越していたので、今回のグランプリ期間中には頻繁に連絡を取って、試合後、富山に帰れないときはご飯に連れてってもらったりした。
大変お世話になっており優しくて穏やかな人である。
すき焼きが続いたのできっと好物なんだと思う。

 

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長くなりましたが、編集部の観戦記にもありましたように、今回本田プロの優勝インタビューをさせて頂きますのは、北陸支部所属34期生の木原翼です。
初めてのインタビューで至らない点が多々あると思いますが、最後までよろしくお願い致します。

〈本田プロのプロフィール〉
1983年10月3日生まれ A型
富山県出身 独身(募集中と言ってました)
28期後期入会(8年目) 鳳凰戦C2リーグ
第2期北陸プロリーグ優勝
第20期北陸プロアマリーグ優勝
大学卒業後、自分の雀荘を持つために勉強として雀荘に就職。
25才で現在のお店をオープンし28才でプロになる。
趣味は映画鑑賞(主にサスペンス系)

決勝戦のその日にも会ったが、3月末に改めて約束しインタビューさせてもらった。

木原「改めて優勝おめでとうございます!」

本田「ありがとう。」

木原「1人だけ飲んですいません笑」

本田はお酒が飲めない訳ではないが控えているそう。

 

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木原「まずはグランプリ振り返ってどうでした?」

本田「普段中々打てない強い人とたくさん打てて楽しかったよ。その中でも同期の柴田くんは意識したよね。タイトルもいくつか獲ってる出世頭だし負けなくないって凄く思った。」

木原「あとはやっぱり大三元ですかね。」

本田「ね。2回目は逆にやめてくれと思ったよ笑 テンパイしてからはポイント差もあったから色々考えてて頭こんがらがってた笑」

本田はグランプリMAXの予選で2回大三元をアガっている。
どちらも白で出アガリ、2回目に関してはメンゼンでツモれば四暗刻も付くダブル役満の形だった。
この局はYouTubeの日本プロ麻雀連盟チャンネルにアップされているので是非ご覧下さい。

 

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木原「決勝の面子が決まったときはどうでした?」

本田「キツいよね。道中もみんな何でも出来るけど、決勝が特に全員穴が無いなと思ったよ。」

木原「決勝戦の前にシミュレーションとかしてました?例えば劣勢だったら初日はここまでに抑えようとか。」

本田「そういうのは一切なかったよ、守るのはやめようって。事前に色々考えて上手く打とうと思ってもボロが出るだけやし、マイナスしたときはそのとき考えようって思ってた。」

木原「1回戦が大きなトップから始まり、結果的には初日を2番手と80P以上の差で終えたんですけど、どの辺りから今日は行けそうだなって思いました?」

本田「2回戦南4局1本場かな。オーラストップ目で迎えたけどラス親の直さんがアガって2着になった局。そのまま浮きで終わろうと仕掛けたんだけど、運よくドラが重なってアガれて再逆転したときは行けそうだなって思った。ツイてただけだろうけどね笑」

 

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一万二万三万五索六索一筒一筒七筒八筒九筒  ポン白白白  ツモ四索  ドラ一筒

白ドラ2で1,000・2,000は1,100・2,100のツモアガリで再逆転

・初日終了時点でのポイント
本田+82.6 吉田+0.6 内川▲30.5 山田▲52.7

木原「最終日迎えるまでの心境はどうでした?」

本田「毎日そのこと考えてたよ。結局最終日までにどうしたらいいか考え切れんかったし。ポイント的にはかなり余裕があるけど、今まで色んな決勝見てきてすんなり終わったのは無いからさ。
それで5回戦東1局1本場にヒロさんの見逃しを見て、試練はこんなにすぐやってくるものかと。
頭真っ白になったよね笑」

 

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木原「最終日は苦しい展開が続いてましたが、勝てると思ったのはどこですか?」

本田「7回戦でホンイツアガって浮きで終わったときやね。」

 

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本田「あとは1つずつ消化していけば大丈夫かなと思ったけど全然ダメだった。勝てるって思ったのもダメやっただろうね。特にラス前は極限状態やった。リーチに対してオリる牌選び間違えたりしたし、特に南3局3本場のヒロさんの6,000オールはヤバいって思った。こっちから見たら、開いた瞬間四暗刻に見えてドキドキしたし笑」

木原「最後はしっかり押して決めましたけど、道中鳴く選択肢はあったんですか?タンヤオや一気通貫の片アガリなどありましたけど」

本田「役が確定する鳴きはしたと思うけど、片アガリになる鳴きはするつもりはなかったね。最近はああいうの鳴く人も多いのかもしれんけど。」

実際に山田から出た七筒はチーせず一索を引き入れ打八筒六索を引き入れテンパイし打六筒と勝負して見事にアガリを決めた。

 

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二万三万五万五万一索二索三索四索五索六索六索七索八索  ロン四万  ドラ三万

ピンフドラ1で2,000は3,200の出アガリでオーラスへ

木原「最後の1局はどうでしたか?」

本田「条件がみんな一緒やったし最後は楽やったよ。」

そのまま山田、内川の2人テンパイで最終8回戦が終わり本田の優勝が決まった。
今大会通して本田は押すところでしっかり押してアガリ切っていた印象がとても強かった。
最後の牌が来るかどうかは紙一重ではあるが、その姿勢に牌も答えてくれてたのではないかなと思う。

木原「今後の目標はなんですか?」

本田「もう1回勝つことやね。色んなシードやチャンスももらえるし。勝つまではそこまで勝ちにこだわってなかった感じがあるけど、1回勝ったら周りからそういう目線も入ってくるし、マグレとは思われたくないから早く名前を残したりもう1つタイトルが欲しいよね。」

木原「プライベートだと?」

本田「お店出せたらいいなとは思ってるよ。」

木原「試合以外のことで聞きたいのは、ゲン担ぎやルーティンってあります?例えば赤のネクタイがかなり多かったんですけど」

 

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本田「北陸プロリーグで優勝したときのネクタイだから多めにしてた。あと、他のネクタイが不評だったのもある笑」

木原「他にはあります?」

本田「北陸プロリーグの日に、試合前にみんなでサイゼリア行ったんやけど、そのときミラノ風ドリアと小エビのカクテルサラダを食べて優勝したから、そのあとのグランプリの日も試合前に行って同じの食べてたよ。」

木原「これからも食べるんですか?」

本田「別に食べないかな。あとは試合時間に合わせて寝る時間変えたりとか、ちょっと良い栄養ドリンク買って途中で飲むとかはあるね。」

木原「なるほど。他に何か聞きたいことあるかな~。」

本田「なんか甘いもの食べようよ。ここなんかある?」

木原「ここはアイスくらいしかないんで喫茶店行って食べて解散しましょうか。」

こうしてインタビューは終わった。
本年度、マスターズは北海道本部の真光プロ、王位は中部本部の森下プロ、そしてグランプリMAXは北陸支部の本田プロ。
地方所属プロがタイトル戦で結果を残し、それぞれの所属する各本部支部に刺激や希望を与えただろう。

地方から東京へ来るには色々な面で負担も大きい。
本田も北陸プロリーグからグランプリMAXの決勝までの約2ヶ月で8回も富山から通っている。
地方からでも各本部支部やプロ個人から様々な方法で発信や活動をしているので是非応援して頂けたらと思います。

長くなりましたが最後までご覧頂きありがとうございました。
本田プロおめでとうございます!

 

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ロールケーキを目の前にして楽しそう。