プロ雀士インタビュー

第144回:プロ雀士インタビュー 白鳥翔  インタビュアー:安村浩司

白鳥・・・白鳥・・・白鳥・・・
この1ヶ月間、何度この名前をタイプしただろう。
4月末に行われた第25期マスターズのBest8・決勝の観戦記を私、安村が担当させていただいた。
PC、携帯を駆使して画面上の白鳥翔プロの圧勝劇を見続け、その有り様を書き綴る。
気が付いた時には、「し」と打つと予測変換で「白鳥」が一番上に登場するようになっていた。
白鳥という人が自分の恋人かのような錯覚を抱き始めた頃、インタビューの日を迎えた。

待ち合わせの場所に着くと、既に白鳥プロがトレードマークの水玉模様の服を着て待っていた。

 

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白鳥「何?何?どーしたのよ」
といつもの軽いトーンで会話が始まる。

 

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安村「マスターズの連覇おめでとう!」

白鳥「ありがとう!」

安村「さっそくだけど聞きたい場面があって、東1局の八筒放銃は翔ちゃんのベースの押し引きとは違うと思ったけど、どういう思考だったの?」

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白鳥「これには理由があって。どんな麻雀でもいいのだけど、例えば一日打つとして、一番最初に出した押し引きがその日の基準になると思っていて、だから、これを押せなかったら次も押せない。元々自分は2着取りがしやすい雀風で、準決勝まではそれでいいけど、1位が全てで回数が決められている決勝だと、それではダメだと過去の色々な決勝を見て思った。手を作って、しっかりぶつけてそれが成功した時に優勝が近づくと。」

安村「なるほど、その後の押し引きがブレなかったのも八筒の基準があったからとういことか。初タイトルとなった昨年の決勝との違いはあった?」

白鳥「そうだね、リードしても精神的にバタバタしなくなったかな。最終戦も70P程リードがあって取りこぼせない気持ちになって緊張はしたけれど、焦ったなきもなく、やるべきことはしっかり出来たかなとは思う。」

タイトル戦は追うよりリードしたまま逃げ切るのが一番難しいといわれている。今あるものを失いたくない、守りたいといった心境が焦りを呼び、逆転を引き起こすのかもしれないが、白鳥プロの今年の戦いは全く精神の揺れは感じられず、心技共に完璧と言える内容だった。

安村「麻雀が進化していると解説陣や会長もおっしゃられていたけど、何かきっかけはあったの?」

白鳥「きっかけは無いけど、他の人の麻雀を研究をしたことかな。タイトル戦の決勝に関して言えば、和久津さんの打ち方が参考になったし、普段の麻雀で言えば、勝又さん。あと実況もしているから色々な方の思考を取り入れることが出来る。そういった部分は大きいよ。他には、ロン2で6巡目をパっとみて、この牌は生きていそうだとか、このメンツで構成されていそうとか、牌を伏せて読む訓練をしてる。」

安村「読みの練習かー」

白鳥「そういうのって確実に当たるわけじゃないけど、サンプルとして沢山見るのは大事だと思う。」

安村「見えないところで結構やってるね」

白鳥「ちょっとこれだけは言わせてほしい。若手はみんなやってなさすぎる!トップのベテランと呼ばれる方々が努力しているのに、若手がやらないと勝てるわけないじゃん!だから自分自身もそうだけど、もっと若い人に頑張って欲しいと思ってる。」

安村「耳が痛いけど、納得するまでやらないといけないよね。」

白鳥「そう、やってる人は本当やってるよ!」

トップクラスの人にはそこにいる理由と背景があって、何もしないで乗り越えられる壁ではないということを十分理解しているからこそ、この言葉が出てくるのだろう。

安村「決勝見ていて、かなり完成形に近い麻雀に見えたのだけど、今の自身の麻雀についてはどう考えてる?」

白鳥「うーんまだ良くわからない。以前、後輩から麻雀を教えてほしいと言われた時も、遠慮しているかとかではなくて、教えることは出来ないけど一緒に考えるのは出来ますって言い方をしてた。質問してくることも、多分正解はあるのだけど、大体答えが無いようなことが多いし、自分は教えるほど正解を持ってないから。ただ、今が一番充実してるというか、麻雀やっている最中に、こっちの方がいいかな?と打っていたのが、今はこっちが良いだろう!と自信を持って打てている。」

安村「完成までは行かないけど、大分固まってきているってこと?」

白鳥「かもしれない。まだわからないけど。自分の良さはスタイルがない柔軟性がある所だと思っているからそこを伸ばしていきたい。」

こういった決めつけない柔軟な思考と努力の量が白鳥プロの力の源になっているのだろう。上を目指す者であれば、見習うべき姿勢である。私も負けていられない。

安村「マスターズの話も一段落したので、今日は全国の白鳥プロファンから様々な質問をいただいているのでお願いします」

白鳥「何々?」

 

Q1麻雀プロになっていなければ何になっていたと思いますか?

白鳥「何者でもなかったと思います。考えられないなあ。」

 

Q2何故そんなに白いのですか?美白している?

白鳥「してねーわ」

安村「白いよね本当。日傘をさして紫外線対策とかしてそう。」

白鳥「一応ちょっとしているよ」

安村「日焼け止めクリーム?ベタベタ?」

白鳥「ベタベタだわ!普通でしょ」

 

Q3壁に麻雀の反省文を貼る作業はまだされてますか?

白鳥「反省文はやめたけど、最近は何切るとか、近代麻雀の面白い記事とかは貼っていて、時々見返すよ。」

 

Q4恋愛については、やはり麻雀と同じでチキンなのですか?

白鳥「・・・・・・・・・・・」

安村「エピソードを1つ」

白鳥「・・・・・・・・・・・」

安村「初恋のお相手は?」

白鳥「フルート吹いていた子が好きでしたよ、ええ。」

 

Q5ヒサト棒※の名称についてはどうお考えでしょうか?

白鳥「いや、最高でしょ!名前がつくのって凄くない?」
※ハコテンになった時に差し出す棒の名称。佐々木寿人プロがよく使わせ、自らもよく使うということで最近名前のついた、これからの麻雀界のスタンダードになる可能性を秘めた棒。

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Q6 所属しているチームちっちゃい(藤崎プロ、前田プロが所属)の中で、本当は俺が一番大きいと思っている?

白鳥「いやね、天鳳戦×連盟見て思ったけど、凄い、あの2人は凄いわ。全てを受け入れるみたいな、なんか菩薩みたいな感じじゃん。俺が一番ちいさいわ。」

 

Q7狙い、テーマは?

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白鳥「狙いって何よ。いや、セカオワが好きだったのよ。深瀬さん。」

 

Q8狙い、テーマは?

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白鳥「この時はこれがいいと思っていたのでしょう。この髪型すごいな(笑)流行ってたのかな。」

白鳥「てかなんだこの失礼な質問コーナーは!」

安村「ありがとうございました(そろそろやめておこう)」

安村「そういえば翔ちゃん、麻雀はどこで出会ったの?」

白鳥「麻雀はマリオと一緒にしてた。」

安村「マリオと一緒?」

白鳥「ファミコンのマリオをして、飽きたら麻雀のゲームが横にあったから役も分からずやってたよ。」

安村「マリオが麻雀してくれるのかと思った(笑)。麻雀のどこに惹かれたの?」

白鳥「なんか、俺、上達しているな!て実感があったの。それが最初は嬉しくて麻雀が好きになった。」

安村「皆最初はそんなものだよね。では一般の方に向けた麻雀の上達方法をお願いします。」

白鳥「うーん、まず自分で考えることが大事だと思います。麻雀は未開拓な部分も多いし、教える人によって得意不得意な部分がある。聞いてもいいと思うけどそれを鵜呑みにしないで、自分でその都度考えることが上達の近道だと思います。」

この白鳥プロの思考はとても共感出来る。何を正解とするかは常に変化して良いものだと思うし、自分のペースで麻雀を楽しんでもらいたいものだ。

安村「その後、プロになって昨年初タイトルとなるマスターズを獲得したわけだけど、タイトルと獲ってから何か変わったことはある?」

白鳥「色々なチャンスを貰えるようになった。モンド杯であったりマンスリーリーグであったり。その機会は自分にとって貴重な経験。他の対局時に、これだけの経験をして来たんだ、ずっとこれだけ強い面子と対局してきたのだから大丈夫だろうという自信に繋がったよ。もう1つは、麻雀業界で名前を残したいという目標があったから、そういった意味ではタイトルを取ることで達成出来たと思う。ただ、それで満足してしまって、しばらくフワフワした気持ちがリーグ戦にも出てしまい、それが本当に良くなかった。そんな中、対局に呼んでもらい、気を引き締めなきゃと思わせてくれた。有難い機会だったと思う。」

安村「そう考えるとタイトルって本当大きい!」

白鳥「そうだね。昨年マスターズを取った時、顔を合わすなり優考さん(伊藤優考プロ)に「ありがとう」って言われたの。それが今年連覇した時は「おめでとう」って言われて凄いジーンと来た。なんか深いなって。連盟の歴史みたいなものが詰まっている気がしてね。だから自分もその歴史を作って行けたらいいと思っている。」

今季で第25期目となったマスターズ。偉業を達成した者には名誉と共にその責任も生まれるのだ。白鳥プロの等身大の言葉からは確固たる決意が感じられた。

安村「では最後にこれからの抱負とファンの方へメッセージをお願いします。」

白鳥「抱負としては、かなり大きいことだけど、将棋の羽生善治さんの羽生マジックのように白鳥が選んだことだから何かある!と観て下さっている全員に思われるようになることです。ファンの方にはこれからも自分らしい麻雀を見ていただければと思います。その為に普段からしっかり稽古してどんな対局もコンディションをしっかり整えて臨みたいと思います。皆様応援よろしくお願いします。」

羽生さんか・・・難しいよ翔ちゃん!
「白鳥マジック」いつ飛び出すか大注目である!

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