プロ雀士インタビュー

第232回:プロ雀士インタビュー 菅原千瑛  インタビュアー:藤井すみれ

「麻雀したいなぁ」
「公式ルール打ちたいなぁ」
彼女からの連絡はいつもそんな文章が並ぶ。

第2期桜蕾戦を優勝し、公式戦初タイトルを獲得した菅原千瑛。
なんと4連勝!
というタイトル戦決勝であまり聞いた事のない完勝だった。

そんな彼女の友人でもある私に初めてのインタビューを任せてくれるという。
少しでも魅力が伝われば幸いである。

 

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ひろえおめでとう!

菅原「ありがとうー!!」

プロ10年目で念願の初タイトルだね。
夏に勝てたRTDガールズトーナメントも嬉しかったし、ノリにのってるね。

菅原「そうだねー。本当に嬉しい。RTDの時も色んな人に喜んで貰えて、会長にも「よかったな」って言ってもらえて感動してしまった(笑)
少し前の夕刊フジ杯の個人決勝と、女流モンド新人戦決勝でどちらも勝てなくて本っ当に悔しくて…」

どちらも準優勝だったんだよね。

菅原「夕刊フジは1回戦に四暗刻ツモったのに負けてしまって、女流モンドはチンイツの待ち取りを倍満に受けていればまた違った未来があったから…うーん、でも難しいかなぁ。」

負けた対局をしっかり振り返って糧にできたのはあるよね。

菅原「それはあるねー!」

 

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【プロになったきっかけ】

モンドをずっと見てたんだよね。

菅原「中学生の時から見てたよ。大学生になっても楽しみにしてて、モンド王座で荒さんが優勝したのを見て、カッコイイなぁ。私も強い人と戦ってみたいなぁって。それで、毎月買ってた近代麻雀でプロテストがあるって言うのを知って、応募したの。」

1人で?誰にも相談せず?

菅原「そう。だから周りの誰も私がプロテストに応募したのは知らなかった(笑)」

それはすごい!女性だと麻雀仲間や、プロの知り合いに相談する事が多いのに。

菅原「それで19歳で受けたんだけど、チョンボしてしまったり、筆記もあんまり出来がよくなくて、落ちちゃったのね。でも女流勉強会に誘ってもらって、勉強しながら半年後の試験は合格をめざそう!って事になって、次は合格できたんだ。その勉強してる時にロン2のCMに出させてもらったりしたんだよ。」

ーー「あ、ロン!やったぁ!」
と無邪気に喜ぶひろえ。
あの小島武夫や、若かりし佐々木寿人らも出演する超豪華なCMだ。

【桜蕾戦について】

RTDガールズトーナメントを優勝して、2日後にはもう桜蕾戦の予選が始まったんだよね。

菅原「そうなの。しかも、第1期はWRCルールだったんだけど第2期は公式ルール!めちゃくちゃ嬉しくて、楽しみだったなぁ。やっぱり公式ルールが一番好きだから。」

公式ルール依存性だよね(笑)

菅原「あ!もちろん最強戦ルールもМリーグルールも他のルールも大好きなんだけど、やっぱり特別かなぁ。なのに予選では負けてしまって、推薦を頂けて通過したんだけど、なんかこう…情けなくて本当に悔しかった。」

うんうん。でもきちんと勝ちきって決勝まで行けたからね。
そして決勝では4連勝で、全体的にはもちろん安定していたんだけど、ひとつだけ気になってるところがあるんだよね。

 

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ダブ東とのシャンポンに受けていたところから、悩んだ末に三万六万九万に受け変えたところ。

菅原「そうなの!ただこれは、場面的にも対局者へのリスペクトでもあって、ダブ東が打たれる可能性がかなり低いなぁと。」

満貫テンパイした藤田さんからたまたま東が打たれて、しかもツモられて親かぶりの結果になったんだよね。

菅原「さすがにグラグラきたよー(笑)やってしまったかなぁ?と少し思ったけど、でもそこは自分の選択だからね…」

うん。その半荘をきちんと持ち直してトップがとれたのが、立派でした。
その後も安定してたね。

菅原「うん。もちろん展開が向いたのもあるけど。最後の一牌まで、勝ったって絶対思わないようにしようって。麻雀は何が起こるか分からないって思って打てたのが良かったなぁ。」

【周りの人達】

優勝して、反響はどうだった?

菅原「RTDや桜蕾戦で優勝した時、本当にたくさんの連絡やSNSでのメッセージが貰えて、ありがたかった。あと、お母さんが体調崩していたから優勝でもらったお花をあげたんだけど、実家のトイレにドライフラワーにして飾ってあって『千瑛優勝!』って書いてあるのを見て、あぁ良かったなぁって。ずっと応援してくれてるんだなぁって思ったよ。」

先輩達も皆喜んでくれたね。

菅原「勉強会とか色んな場所で、山井さん・滝沢さん・山田ヒロさん・勝又さん…他にも沢山の人達に教えてもらっていたし、少しでも恩返しがしたいなぁって思ってた。会った時に頑張ってねって言ってもらえたり、一緒に喜んで貰えるのが幸せだね。」

 

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【次の目標】

菅原「女流桜花、いまはBリーグなんだけど、早くAリーグに戻ってゆーみんに挑戦したい。鳳凰位戦もC2リーグだから、10年後までにはAリーグに手が届くようになりたいなぁ。ちょうど亜樹さんが10歳年上で、自分の10年後こうなりたいって考えた時にイメージする事が多いの。麻雀はもちろん、人間性が素晴らしいから。」

それはめちゃくちゃいいね!
素敵な目標の指針だね。
逆に、10年前と比べて自分はどうなった?

菅原「多少の経験を積んで、我慢強くなったかなぁ。視野も広がってきて、全ツ!ってなってた所を踏みとどまれたり、逆にできなかった所で勝負に行けたり。少しだけ自分の型ができてきた気がするよ。」

自信もついてきたかな?

菅原「私つえー!と思う日は多分来ないし、力もまだ足りてない。でも進化して行きたいな。良い結果と良い内容ってどっちかでもダメだから、どちらも残せるようにしたいなぁ。」

【最後に】

菅原「ひろえの麻雀が好きだよ、って言ってもらえるのが一番嬉しくて、力になります。これからもそう言ってもらえるように精進していきますので。応援宜しくお願いします!」

麻雀が大好きで、周りの人が大好きで、10年間ひらすら牌を握ってきた彼女。
友人として、先輩として、麻雀仲間として、本当に誇らしく思う。
これから、更なる活躍をしてくれる事を期待しています!

 

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