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第110回:中級講座『自然、意図、意識』 紺野 真太郎

2016/03/08
執筆:紺野 真太郎


今月よりこの中級講座を担当させていただくこととなりました紺野真太郎です。よろしくお願いいたします。

昨年末に左足を骨折し、最近は連盟チャンネルの放送などでは、そのネタで繋いできた感があったのですが、そんな折にこの中級講座の依頼がきました。2か月を超える入院生活もそろそろ終わりが近づき、休んでいた分も仕事しないとなあと思っていたところなので、正に渡りに船。喜んで引き受けた次第です。

しかし、困ったことが1つ。

「何書きゃいいんだろ・・」

大体、こういう文章を書くときは技術論や自分の麻雀観なりをベースに書いていくのでしょうけど、自分にとっては自然に普通に打っているだけのつもりなので、特になあ・・とも思ったり・・

まあ、恰好つけても仕方がないので思うがままに書いてみようかと思っています。

さて、みなさんは麻雀を打つ時に何を一番意識しますか?私は「自然」ということを一番意識します。この「自然」には2つの意味があり、文字通り川や海や山、草原などを意味する「自然」と普通という意味の「自然」です。

しかし、これはあくまで私が意識するだけのことで、相手が同じように考えるわけはありませんし、「自然」なんてものの感じ方は人それぞれだと思います。ただ、「麻雀」というゲームを進めるにあたって自分なりの指針を持った方がいいですよという意味です。

相手の立場で考えてみましょう。少し乱暴に言ってしまえば相手は何をアガっても、何を切っても、何を仕掛けても、何をリーチしても悪くはありません。(良いという意味とはちょっと違います)

自分の考える「自然」に当てはまらないとしても、相手にとっては「自然」なことかもしれません。全てをひっくるめて「自然」なのです。

自分の中で理不尽と思えることが当たり前のように起こります。それは「麻雀」においても「自然」においても同じです。そこを受け入れられないと、相手にではなく、自分に負けてしまいます。

「自然」に向かって「雨降らないで」といったところで聞いてはくれません。ならば、こちらは「傘を差す」などの対応をすればいいのです。(私はよほどの大雨でも降らない限り、傘を差すとことはしませんが・・)

「麻雀」も「自然」と同じように対応していくゲームと私は考えます。相手のアクションに対し、自分がどう対応するか(対応しないという対応もあります)が大事なのです。相手にこれをやるなとは言っても聞いてはくれません。相手も自分の意志の元で戦っているのです。

では、自分はどう打ち進めていけばよいのでしょうか。それは、常に明確な「意図」を持ち、それを「意識」して打ち進めることだと私は考えます。一例として、私なりの戦い方を書いてみます。

対局への入り方は人それぞれだと思いますが、勝負は席に着く前から始まっています。私の場合対局の開始前に牌を触りなんとなくですが「今日はいけそうだな」とか「指の感じがしっくりこないな」とかを感じとるようにしています。麻雀店で打つ場合は対局前に牌を触れないことが多いですが、やはり、その日の体調であったり、起こった出来事などを思い出し基準にしています。

ただ、それを鵜呑みにして対局するのではなく、心の準備運動といったところでしょうか。

卓につくと場所決めと親決めですが、みなさんは何家スタートが得意とか苦手とかありますか?私は感触が良いときは「起家こい!!」良くないときは「ラス親でお願いします・・」と念じていることが多い気がします。(気合半分、冗談半分といった感じですが・・)2回戦以降は相手の調子なども考え希望する座順なども入ってきます。(座順は意識しますが、あの席がいいとかはあまり考えません)

座順と親が決まりゲームがスタートしました。東1局に関しては着順の並びはありませんので、基本的には自分がアガることを目標として進めていきます。

私は配牌を貰ったらまずは最終形をイメージします。動きの無い配牌時なので最高形をイメージして構いません。ただスピード的に無理がないものをイメージします。

基本的にこの配牌時に最終形をイメージするという作業は毎局行います。ただ、単純に最終形をイメージするのは東1局だけで、次局からは状況を加味したものになっていきます。(東1局でも起親の場合は連荘狙いなどの状況加味になる場合もあります)

この作業は車で出掛ける時に目的地までのナビをセットする行為に似ています。ナビには目的地までの道順が表示されるように、配牌で最終形をイメージすることによって不要牌を見つけ出し、効果的な余剰牌の持ち方を考え、アガリへの道筋を描くことが出来ます。

配牌時に描いた最終形ですが、この最終形が本当の最終形になることは稀です。車に目的地のナビをセットしても、天候の変化や、事故や渋滞などで到着時間や道順が変化したり、場合によっては目的地自体を変えなければいけなくなったりするのと同じ様なことで、相手から仕掛けやリーチが入ったり、欲しい牌が薄くなったりで真っ直ぐ進められなくなったり、そもそも描いた最終形通りに牌が来てくれること自体が稀ですから当然です。

状況が変化するごとにイメージしていた最終形は変わっていきます。最初は「リーチ、ツモ、タンヤオ、三色、ドラ1」をイメージしていたとしても、親がファン牌をポンしたので、こちらも仕掛けての「タンヤオ、ドラ1」で妥協したり、親の仕掛けの後に更に他家からリーチが入り、危険牌を処理し切れなくなりオリを選択せざるをえなくなったり、反対に「七対子」を狙っていたら手が伸び「ツモり四暗刻」になったりと、局が進むごと、極端に言えば1牌、1牌、場に打ち出されるたびに最終形を変化させていきます。その結果、オリでバラバラが最終形だったり、ギリギリでテンパイが取れて形式テンパイになったりすることもあります(もちろん望外に倍満、三倍満、役満なんてことも・・)

先ほども書きましたが、局が進んでいくと、この最終形イメージが状況を加味されたものになっていきます。「親の連荘を止めたい」「供託のリーチ棒を回収したい」このような状況であればスピード寄りに。「2着よりも一気にトップを狙いたい」「相手が前に出づらい状況なので突き放しにいきたい」などであれば打点寄りの最終形イメージになっていくでしょう。

こうして私は常に進行を「意図」し、その意図により最終形を「意識」し戦っています。

今回書いたのは私の進め方でありこれが絶対に正しいとかは言いません。自分に合った進め方を見つければ良いと思います。ただ、麻雀ファンの方のヒントの一つにでもなれば幸いです。

結局、中級講座なのに麻雀牌が出てくる前に終わってしまいました。次回からはちゃんと麻雀牌を使う予定です。そして今回の内容を掘り下げてみようと思っています。

それではまた。