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第125回:中級講座『我慢とは』 仲田 加南

2017/06/12
執筆:仲田 加南


麻雀は、我慢のゲームだと言われています。
4人がアガリに向かう中、アガれるのはたったの1人だけ。優勝できるのはたったの1人だけ。
だからこその、たくさんの我慢が存在するのは事実です。

しかし、何をもって『我慢』と呼ぶのかは人それぞれ。
そもそもが我慢のゲームなのですから、長年やっていれば少々の事では我慢を我慢とは思わなくなるはずですよね。
それなのに、「今日はよく我慢が出来たと思う」などと自己評価してしまっているようなら、考え方を改める必要があると思います。

『ドラドラの1シャンテンなのに、リーチを受けてオリた』

これって、我慢ですか??
そもそも局面は?放銃するとどのくらいまずい状況ですか?

1シャンテンの形が悪い、掴んだ牌の危険度が高い、押して通ったところで自分の受け入れが狭い、残り巡目が少ない…などと吟味した結果のオリなら、我慢ではなく必然の選択ですよね?

それを我慢と思ってしまう、感じてしまうことは自分にとってマイナスです。
勝手な思い込みでの我慢を重ね、ストレスがたまってしまうのは馬鹿馬鹿しいとは思いませんか?

オリるという選択が我慢であってはいけません。真っ直ぐ進めないことが多いのは当たり前です。また、鳴かずに面前にすることも、役無しテンパイをヤミテンにして手替わりを待つことも、我慢ではありません。全ての選択は、自分が勝つためにしているからです。

私にとって一番我慢し難いこと、それは負けることです。
だから、そのための選択に我慢なんて存在しないはずなんです。

そして、もう一つ、考え方として大事だと思うことがあります。

『放銃は絶対悪ではありません』

むやみに放銃を嫌う人がいますが、それは違うと思います。
もちろん、極端に放銃率を下げなくてはバランスの取れない雀風の人もいますが、普通は打ってアガってを繰り返せる時ほど好調だと思います。
イメージとしては、「満貫をツモって、2,000点放銃」こんな繰り返しが理想です。

とても基本的なことになりますが、放銃しない方がいい時さえ止められればいいのです。

・ 相手が親
(しかし明らかに安く見える仕掛けやリーチに対してや、相手の状態が悪いと判断すれば押す時もあり)
・ ドラポンや、染め手など、明らかに高い相手
・ 2着順落ちする可能性のある時

私が比較的放銃を嫌う場面はこれくらいです。
もちろん、自分の手牌がバラバラなのに放銃するのは嫌ですが。

局面関係ナシで「リーチと言えばオリてくれるでしょ」などと思われるのはもっと嫌だからです。
自分の手牌の魅力、形や巡目、打点にもよりますが、押したかったら押すし、オリたくなったら止めます。
勝手な思い込みの我慢なんてしません。

出来るだけオリない方が、前に出続ける方が、手牌が落ちないと思いませんか?
またはそう聞いたことありませんか?

それは何故なのか、私なりの答えが見つかりました。
急ブレーキを多様するとエンストしちゃう可能性があるからです。するとまたエンジンをかけ直さなきゃいけません。また温めるのに時間がかかるわけです。
だから障害物や危険をできるだけ早めに察知して、減速・徐行することが重要です。

テンパイからのビタ止めも時には素晴らしいプレーとなりますが、それを繰り返すのは難しいし、エンジンに負担をかけることになります。

 

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第33期A1第1節A卓4回戦東4局

親番の前田プロが、近藤プロの東切りを見て早めに受けます。
実際に近藤プロが六索九索待ちでテンパイするのはかなり後のことなのですが、普通に打つと間に合う九索をまた終盤に掴むことになります。
だいたいの人はここで九索を勝負するかの選択になるのかと?
相手はリーチも仕掛けもしていませんし、自分は親なのでテンパイならたぶん止まりませんよね。(普通にやればテンパイは出来てそうです)
しかし、もし止めることが出来てもそれは急ブレーキ。
前田プロが受けてもオリても何故また手が入るのか、ここに答えがあるように思います。

そして、私が我慢について考えるようになったきっかけも、前田プロの麻雀を観てからのことです。
この人の忍耐力はどうなっているんだ?!と最初は衝撃を受け、いろいろ考えました。
その結果、この人は全く我慢を我慢と思ってなくて、当たり前のこととして受け止めているんだなぁという私なりの解釈に。

そうして、私も少しずつではありますが、我慢しているという被害妄想から逃れることが出来、自由な気持ちで麻雀と向き合えるようになりました。

実際に前田プロがどう思っているかは分かりませんし、きっと私とは全く違う麻雀観だとは思いますが。(そもそもレベルが違いすぎてすみません・汗)
でも、辛い時に観るととても励みになるんですよね。
まだまだやれる!って(笑)