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天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 第1節レポート:ケネス徳田

2016/06/03
執筆:ケネス徳田


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~麻雀異種格闘技戦!?~


プロレス、空手、ボクシング…同一競技内では選手の優劣は付けられても、異なる競技同士での強さの比較はなかなか難しい。そのジレンマを少しでも解消したのが「異種格闘技戦」である。
古くはアントニオ猪木vs.モハメド・アリ、ここ近年ではK-1やPRIDEなど、シンプルかつ単純に「世界で一番強いのは誰だ!?」を決める戦いがあった。

そして麻雀も…順位戦麻雀システムの典型例ともいえる「オンライン対戦麻雀 天鳳」に対し、およそ麻雀プロ団体の中では順位点の割合が一番小さく、逆に素点の価値が高いルールを用いている「日本プロ麻雀連盟」。
ルールも打ち手もファン層もこれまでほとんど交わることのなかったであろう両方の麻雀がついに、麻雀異種格闘技戦として繰り広げられる。

~普通の麻雀と「天鳳」との違い~
おそらく一般的に行われている麻雀のルールは、25,000点持ち30,000点返し、差の5,000点×4人分=20,000点がトップに加算される。この20,000点がある分、2回打ってトップ・ラスだった場合、2着・3着と取った場合よりもプラスにある。つまりそれだけトップの価値が相当大きいということである。

一方、「天鳳」の代表的な特徴としては「トップによるプラス評価よりも、ラスによるマイナス評価の方が大きい(3級まではラスによるマイナスは無い)」ことである。例えば2回打ってトップ・ラスの場合普通の麻雀ならプラスでも、「天鳳」(四段以上)の場合はマイナス、特に段位が上の卓であればあるほど、ラスによるマイナス評価が大きくなってしまう。

いかにラスを回避するか…これが「天鳳」の基本戦略となる。そしてこの「天鳳ルール」をベースとしたルール(1位+50.0P、2位+20.0P、3位±0P、4位▲70.0P)で「天鳳位vs.連盟プロ」の1st Seasonが争われる。

オンライン対戦麻雀天鳳

 

~天鳳位の価値~


「天鳳」のランクは新人からはじまり、9級、8級…1級、一段、二段…十段、そしてさらにその上に天鳳位が存在する。2016年5月現在で、天鳳位に輝いたのはわずか9人!300万人とも言われる「天鳳」ユーザーの最高峰、それが天鳳位である。
「ラスさえ取らなければ上がっていけるんでしょ」と一見思いがちだが…

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「黄色が今シーズンの対局者」

 

天鳳位になるまでには最低2,000~3,000、大体5,000回近くの対局数が要求される。しかも十段から天鳳位に昇段するには「2回のトップが1回のラスで消える」という非常に熾烈なルールの中、およそ1,000回近く好成績を維持する必要がある。
さらに周りの対局者も同ランクと考えると…天鳳位の難易度がどれだけ高いがおわかりであろう。そしてその天鳳位の価値を高めたのが…初代天鳳位・ASAPINさんである。
「ASAPINがいなければ、天鳳もただの一過性のネット麻雀で終わっていたかもしれない」
「天鳳位が他で活躍するほど、天鳳の価値も上がる」
すでに2冊の戦術書を出版しており、プロ連盟主催『インターネット日本麻雀選手権2015』でも準優勝。

 

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またリアル麻雀でも上記の権利で得た王位戦ではA級決勝まで勝ち上がったり、漫画家・片山まさゆきさんが主催している『Good Player’s Club』では2013年度のグランドチャンピオンにも輝いている。

 

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「ネット雀士はリアル麻雀が弱いってのは過去の話です。ネット麻雀のユーザー数もレベルも格段に上がってます」
「天鳳位になれるくらいですから、リアル麻雀は弱いってことはないでしょう」
リアル麻雀でも強いからこそネット麻雀でも最高峰にいられるということである。

 

~天鳳位vs連盟プロ~

●勝又健志(第32期鳳凰位)
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●前田直哉(第31期鳳凰位)
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●藤崎智(第30期鳳凰位)
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●瀬戸熊直樹(第26・27・29期鳳凰位)
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●佐々木寿人(モンド杯3回優勝)
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歴代鳳凰位4名と攻撃10守備0の最終兵器・佐々木寿人が歴代天鳳位を迎え打つ。
「ラス回避の天鳳ルールでヒサトを出すって…」
異種格闘技戦の要素が強いこの対決。前田、勝又、藤崎のように相手のルールや文化に合わせるタイプが基本だが、瀬戸熊のように相手構わず自分のペースに引きずり込ませるのを得意とする打ち手もいる。そして佐々木は…当然後者のタイプ。
「アイツは「俺が俺が」のタイプ。人に合わせるような事するわけないじゃない」(某 が◯く◯部総帥)
例えば2回戦東2局、南家・藤崎がわずか4巡目に中のポンテン。

一万一万四索五索六索七索八索九索東東  ポン中中中  ドラ三筒

5巡目にツモ九索でテンパイ外しの打一万でホンイツに向かう。この同巡、北家・佐々木が

二万四万六万六万六万二索二索南南北白白発 出る白

この白をポンして…打二索。藤崎の仕掛けが入っているがお構いなしに、ここからホンイツへ。だがこの作戦が功を奏す。
さらに南も鳴いて二索のトイツ落としを見せる。当然速度では藤崎の方が早く、

四索五索六索六索七索八索九索九索東東  ポン中中中

これで東九索のシャンポン待ちになるが、佐々木のあからさまなホンイツ・トイトイ仕掛けにより、西家・かにマジンさんが

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生牌の東を掴まされ完全撤退。この時、藤崎にソーズが余ってなかったため、佐々木が素直に打っていたら九索が出ていたかもしれない。しかし東が2件に打てない牌になった以上ベタオリするしかなくなってしまう。

東家・独歩さんも

五万七万三索四索赤五索四筒五筒六筒七筒七筒  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き  ツモ東

回ってテンパイは入れたものの、やはりツモ東でテンパイ崩し。
相手にプレッシャーを与える佐々木の麻雀の成功例である。結果、藤崎から三万で5,200のアガリ。オーラスも下位陣からのリーチをかわしてアガリ、この半荘のトップとなる。がこの日5回戦、佐々木にとっては2回戦では…

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天鳳ルールで致命的なラス。さらに就活生@川村軍団さんに

四筒五筒六筒七筒七筒南南発発発  ポン中中中  ロン南  ドラ東

満貫を放銃してしまい特大ハコラスに。
「大体ラス1回でトップ2回分が消えてしまう評価方法です」(ASAPIN)
つまり最初のトップが帳消しに…

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 前田直哉 82.9 ▲ 1.6 81.3
2 かにマジン
(八代目天鳳位)
22.9 25.2 48.1
3 ASAPIN
(初代天鳳位)
24.1 24.1
4 すずめクレイジー
(四代目天鳳位)
32.5 ▲ 87.1 55.2 0.6
5 勝又健志 0.0
6 就活生@川村軍団
(九代目天鳳位)
▲ 9.1 2.4 ▲ 6.7
7 藤崎智 ▲ 3.0 65.8 ▲ 78.8 ▲ 16.0
8 瀬戸熊直樹 ▲ 106.3 ▲ 2.8 75.8 ▲ 33.3
9 佐々木寿人 57.3 ▲ 102.3 ▲ 45.0
10 独歩
(三代目天鳳位)
▲ 77.2 24.1 ▲ 53.1

 

~交流と進化~

他流試合というのは、自流の強さやプライドを賭ける一方で、交流によりお互いを高め合うという側面も持つ。
とりわけこの『天鳳位vs.連盟プロ』においては天鳳位たちの「着順ベースを主眼に置いた打ち回し」に対し、連盟プロたちの「親番を軸にしての爆発力」という構図にになる。
戦う相手でも互いを認め合う真摯な姿勢、そして相手の長所を吸収して己の糧にして成長するのである。
天鳳位vs.連盟プロ、もちろん試合の中身も結果も重要ではあるが、一番大事なのはお互いを認め合あうこと。そしてより一層の高みを目指すことである。
そしてそれはプレイヤーだけではなく、この対決を見ている天鳳ファン、連盟ファンにとっても言えることである。

 

【「天鳳位vs.連盟プロスケジュール」】
予選第2節:6/5(日)
予選第3節:7/3(日)
予選第4節:8/13(土)
プレーオフ:9/22(木祝)
決勝戦  :10/23(日)