対局番組レポート

特集企画/天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 決勝レポート:ケネス徳田

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~天鳳位2vs連盟プロ2の決勝~
 
5vs5で始まった『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』。しかし予選終了段階で連盟プロ側の前田・勝又両プロが敗退。天鳳勢が上位をほぼ独占するなど、連盟プロ側にとって苦しい戦いが続いていたが、なんとかプレーオフで瀬戸熊プロ、藤崎プロの2人が奮闘し決勝に駒を進めることができた。
プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 ASAPIN(初代天鳳位) 129.2 77.5 ▲ 2.7 204.0
2 瀬戸熊直樹 16.7 24.8 86.1 127.6
3 藤崎智 19.6 59.9 18.2 97.7
4 独歩(三代目天鳳位) 100.3 3.4 ▲ 16.8 86.9
5 就活生@川村軍団(九代目天鳳位) 58.0 ▲ 6.9 22.2 73.3
6 佐々木寿人 92.6 ▲ 95.4 63.3 60.5
7 かにマジン(八代目天鳳位) 35.8 25.4 ▲ 82.8 ▲ 21.6
8 すずめクレイジー(四代目天鳳位) 93.0 ▲ 88.7 ▲ 87.5 ▲ 83.2

 
天鳳位側は予選序盤から首位をキープし続けたASAPINさん、そしてプレーオフ最終戦で瀬戸熊・藤崎両プロの猛攻に耐えきった独歩さんが決勝に。
天鳳ルール特有の順位点(+50、+20、±0、▲70)から、この決勝戦も当然ながら「ラス回避」が至上命題だが、直接対決であることから勝負所の見極めも重要。これまで以上の熾烈な戦いとなるであろう。
 
 
~通算2回の天鳳位!?~
 
初代天鳳位のASAPINさん。つい先ごろ、2度目の天鳳位を獲得したという。
 
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どういうことかというと、別アカウントで1からやり直し、第11代天鳳位になったのである。雀力はもちろん、数千ゲームという膨大な時間も要求される天鳳位。しかも「わざわざもう1度」というモチベーションも考慮すると、おそらく他の誰にも真似できず、まさに偉業としか言いようがない。
1回戦東1局10巡目、ASAPINさんにテンパイが入る。
 
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六索を切ってヤミテン。すると12巡目、南家・独歩さんからリーチが入る。
三万四万五万二索二索二索二筒三筒四筒六筒六筒東東  ドラ六筒
東とドラの六筒とのシャンポン待ち。このリーチを受けてASAPINさん、現物の六万西をツモ切って15巡目にツモ三万
 
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直前に下家の瀬戸熊プロが三万を切っておりリーチには安全牌。だがASAPINさんはこの三万を止め、打一万とした。
なぜならこの時の場の状況が次の通り。
[東家・瀬戸熊]
西南白一筒 下向き九筒 下向き白
東五索 上向き三索 上向き三索 上向き九万 上向き六索 上向き
八索 上向き三万 上向き
[南家・独歩]
中西六索 上向き五万 上向き六万 上向き五索 上向き
四筒 上向き八筒 上向き三筒 上向き八筒 上向き八索 上向き三索 左向き
二万 上向き一索 上向き
[西家・藤崎]
一索 上向き九索 上向き九筒 上向き中一索 上向き八索 上向き
南中南四索 上向き三筒 上向き赤五索 上向き
二万 上向き四万 上向き
直前の藤崎プロの打四万に反応して止めた三万なのである。ここまでなら普通の守備的な打ち手でも行えるかもしれない。
だが次巡、再び一万ではなく1枚切れの発をツモ切り。17巡目の瀬戸熊プロの打一万に「ポン」の声。
つまり1度自分で切った一万を鳴き戻し、打三万でテンパイを取った。なぜなら、警戒していた藤崎プロが*北のトイツ落としをしたので三万が大丈夫になったという判断なのである。
三万でやめたならば発でもやめて一万のアンコ落としがほとんどの打ち手の選択なのだが…一旦退いても、形式テンパイの可能性をギリギリまで残す、こうしたストイックさが天鳳位を獲るための必要条件なのであろう。
 
 
~天鳳位随一の攻撃力~
 
東4局の親番で6000オールをアガるASAPINさん。
九万九万二索三索四索七索八索九索四筒五筒赤五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ五筒  裏発
このアガリで6万点を超える。一方独歩さんは13200点のラス目だが…
 
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南2局の親番で持ち前の攻撃力を発揮する。0本場でASAPINさんから12000の直撃。
 
四万四万五万六万七万三索四索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン二索  ドラ二筒  裏白
1本場で2600オール。
 
一万一万五万六万七万八万九万四索五索六索七索八索九索  リーチ  ツモ四万  ドラ四索  裏九筒
2本場で2600オールとこれでASAPINさんとほぼ並び。
 
八万八万三索四索赤五索七索八索北北北  ポン南南南  ツモ六索  ドラ六索七筒
そして3本場で6000オール!
 
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4本場でダメ押しの7700をASAPINさんから。
 
二万四万二索三索四索四筒四筒赤五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン三万  ドラ東  裏四索
圧倒的な力押しで1回戦は独歩さんが制した。
 
 
~苦しい立場の連盟プロ勢~
 
ASAPINさん、独歩さんが快調に飛ばす一方、連盟プロ勢の苦戦が続く。
1回戦、オーラスでは瀬戸熊プロが3面チャン待ちをヤミテンでラス抜けがやっと。
 
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3回戦もチートイツ・赤をヤミテンでアガって3着浮上。
 
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どちらもリーチを打っていれば2着まで狙えるほどの点差であったが「2着:+20、3着:±0、4着:▲70」という順位点の考え、確実にラス抜けを選んだのかもしれない。
 
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しかし本来の瀬戸熊プロの麻雀と比べると、「ラス回避」に縛られすぎた感もある。数字の上では正しい選択なのだろうが…。
そして、非常に苦しい立場に追い込まれたのが藤崎プロ。
 
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1戦目、2戦目と連続ラス。3戦目で2着になったものの、2・1・1着のASAPINさんを逆転するのは事実上不可能な数字となった。
 
 
~最終戦の決まり手~
 
最終戦をむかえてのトータルポイントは
ASAPIN+143.1
瀬戸熊直樹  +2.2
独歩 ▲3.7
藤崎智   ▲143.1
瀬戸熊プロ、独歩さんと150P弱差をつけているASAPINさん。「3万点のトップラス」で逆転されるだけに、数字ほどダントツ状態とはいいがたい。とはいえ「ラス回避」さえすれば事実上逆転は不可能となる。
何度も書いたことだが「ラス回避」は「放銃回避」ではない。多少放銃のリスクを負ってでも貯金を作る、これが「ラス回避」戦法である。
この最終戦、東4局11巡目で東家・ASAPINさんが先制リーチ。
 
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九筒六万のシャンポン待ち。手格好と巡目を考えるとヤミテンにする打ち手も多いだろう。しかも瀬戸熊プロが五索 左向き四索 上向き六索 上向きで仕掛けいる局面。独歩さんもタンピン三色のイーシャンテン。
直撃されるリスクはもちろんあるが、こちらは現状テンパイ+親番。対し相手はイーシャンテン、という手牌進行まで読み切ってのリーチなのである。
すると結果は一発で九筒ツモ。
六万六万三索四索五索一筒二筒三筒三筒四筒赤五筒九筒九筒  リーチ  一発ツモ九筒  ドラ中  裏六万
さらに裏ドラが六万で6000オール。最良の選択が最高の結果を生んだ。
[最終結果]
ASAPIN:+219.5
独歩    : +22.3
瀬戸熊   : +2.3
藤崎    :▲244.1
 
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『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』はASAPINさんの優勝で幕が閉じた。ルールがルールだけにやはり天鳳勢に一日の長があったと思われる結果となった。
しかし12月より『天鳳位vs.連盟プロ 2nd season』が開催される。ルールはなんと一発裏ドラ無し、いわゆる「プロ連盟Aルール」での対戦となる。
天鳳位の5名はそのまま、連盟プロ側は佐々木寿人に替わってなんと前原雄大プロが参戦決定。
 
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天鳳勢がAルールに対応できるか? 連盟プロが地の利を得てリベンジできるか? 注目の戦いはまだまだ続く。