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第2回リーチ麻雀世界選手権レポート 菅原 千瑛

2017/11/08
執筆:菅原 千瑛


ネオン輝く"眠らない街"ラスベガス。世界最大の観光都市である。そのラスベガスも、驚くことに100年前の人口はたったの25人だったという。

現在の年間観光客はおよそ5000万人。訪れるのは綺麗な景観やショー、カジノを楽しみ、アメリカンドリームを夢見る人々。

 

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2017年、10月8日。麻雀界史上最もドリームという言葉の似合う日本人が、世界各国の強豪を押し退け、アメリカはラスベガスの地で世界チャンピオンとなる。これはまさにアメリカンドリームといえよう。

しかしこの夢は単なる夢物語ではない。たったひとつの椅子を賭け、世界30ヶ国から集まった者たちによる激闘が繰り広げられた、現実だ。

そうして勝者と敗者の嬉しさや悔しさがおり混ざる中、勝利を手にし続け、たったひとつの椅子に座ることの許された新たな王者が生まれたということは、紛れもない真実である。

日本時間の10月6日午前1時(ラスベガスは10月5日午前9時)、第2回リーチ麻雀世界選手権は幕を開けた。

今大会、日本プロ麻雀連盟からは61名が出場。
(2014年パリで行われた第1回リーチ麻雀世界選手権は、連盟からは40名、全体の出場選手は23ヶ国120名)

参加選手はこちら。

 

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森山茂和

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伊藤優孝

 
 

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前原雄大

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ともたけ雅晴

 
 

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藤崎智

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瀬戸熊直樹

 
 

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佐々木寿人

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内川幸太郎

 
 

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山田浩之

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白鳥翔

 
 

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紺野真太郎

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HIRO柴田

 
 

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古橋崇志

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吉田直

 
 

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山井弘(第1回チャンピオン)

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井出康平

 
 

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西島一彦(第1回2位)

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西川淳(第1回3位)

 
 

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吉田幸雄

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柴田吉和

 
 

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杉浦勘介

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森下剛任

 
 

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客野直

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黒木真生

 
 

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ガース

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増田隆一

 
 

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奈良圭純

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ケネス徳田

 
 

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武田裕希

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中村毅

 
 

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三戸亮祐

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清原継光

 
 

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福光聖雄

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羽山真生

 
 

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中村慎吾

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吉野敦志

 
 

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蒼山秀佑

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阿部謙一

 
 

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伊賀則夫

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平野良栄

 
 

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山田学武

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菊原真人

 
 

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土屋幸弘

 
 

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二階堂亜樹

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宮内こずえ

 
 

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高宮まり

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東城りお

 
 

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魚谷侑未

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蒼井ゆりか

 
 

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ジェン

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小笠原奈央

 
 

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手塚紗掬

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山脇千文美

 
 

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童瞳

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小島優

 
 

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内田美乃里

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赤司美奈子

 
 

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齋藤麻衣子

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西川舞

 
 

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美唔

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菅原千瑛

 
 

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ジェマ

 
 

日本プロ麻雀連盟チャンネル運営
三田晋也
大庭三四郎

大会はWRCルール(連盟のWRCルールとの相違点もあるが、概ね同じ。一発裏ドラあり、30,000点持ち30,000点返し、順位点は5,000点,15,000点)である。

ベスト16までは麻雀は手積みで行われる。時間は90分+1局。

オーラス前、持ち点を4者がこのように用紙に書き、それぞれ確認を行う。

 

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点数申告は基本的には英語で。
例えば「1,300・2,600」は、「one thousand three hundred(ワンサウザンドスリーハンドレッド),two thousand six hundred(トゥーサウザンドシックスハンドレッド)」となる。

もしくは、「thirteen hundred(サーティーンハンドレッド),twenty six hundred(トゥエンティシックスハンドレッド)」や、「one three(ワンスリー),two six(トゥーシックス)」でも大体は通じる。

世界各国の勤勉な方々の中には、日本語で点数申告される方も少なくなかった。
「メンピンツモドラダカラー、エットー、イチサンニーロク!」
これには驚かされた。

ちなみに私が満貫は「マンガン」、跳満は「ハネマン」、倍満は「バイマン」、でもほとんど通じるということが分かったのは予選最終日のことであった。

3日間にかけて行われた予選9回戦を勝ち上がったベスト32の選手はこちら。

 

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ベスト32から決勝までは2回戦トーナメントで行われた。

そして、今回からWRCではサイドイベントというものが登場。

敗退した選手達はベスト32、16と同時進行で、赤ありの東風戦大会。

そしてベスト8と同時進行で、交流を図るため各卓に1人ずつ日本人選手を講師として迎えて、終局後倒牌ありで行なう勉強会が行われた。
その様子がこちら。

 

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ベスト16の選手はこちら。

 

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ベスト16のうち、連盟からは11人。

そして、ベスト8の選手はこちら。

 

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決勝に残ったのはともたけ雅晴、中村ゆたか、山田浩之、増田隆一の4名だ。

 

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この時点で中村は世界女性チャンピオンの座を射止める。

決勝の1回戦、自分以外の3人の本手が決まり、厳しい戦いを強いられていた山田のオーラスの親番。トップ目の中村からドラ2のリーチが入る。が、自身も役牌を2つ仕掛けてホンイツのテンパイを果たし、勝負に出る。残り枚数2対1の勝負の軍配は山田。
12,000を中村から直撃でアガリ、ラス目からいっきにトップ目に立つ。

この時点でのポイント
ともたけ35.8P 増田23.5P 中村24.3P 山田36.4P

オーラス1本場、山田が増田に1,000は1,300放銃となり、トップはともたけに。このアガリで増田はラスから3着に。

ともたけと山田は0.7ポイント差であったことから最終戦はほぼ着順勝負となる。増田、中村は自分がトップかつ、素点差や着順差を多少つける必要あり。

新たな世界チャンピオンが誕生する瞬間を見守る人々。パブリックビューイングの会場の様子。

 

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最終戦、東1局2本場、ドラは中
ともたけの配牌はこちら。

一万一万九万二索四索六索七索九索九索一筒五筒七筒九筒東

ともたけの選択は四索
解説も驚くドリーム選択。

連荘中の増田からリーチ、そして増田から放たれたドラの中をポンしてテンパイは中村。

しかしこの局、アガリをものにしたのは2人のどちらかではなく、ともたけ。

一万一万七索八索九索一筒二筒七筒八筒九筒  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ツモ三筒

ポンテンをとり、すぐに三筒のツモアガリとなった。
打点こそ低いものの、価値のあるアガリである。

そして、我らがドリームの真骨頂は南1局。
ともたけの配牌

三万三万三万五万四索五索五索六索一筒三筒四筒五筒南北  ドラ四索

ここからツモ三索で345の三色の1シャンテンになる。

三万三万三万五万三索四索五索五索六索三筒四筒五筒南

一索もツモ切り。
二索なんかひいても安くなっちゃって嬉しくないじゃない!もったいないじゃな~い!”
そんな声が聞こえてきそうな、アメリカンドリーム打法炸裂である。
当然、七筒もツモ切り。

すぐに四万を引き入れ、ドリームヤミテン。

数巡後、ツモ七索で3,000・6,000。

他3者に条件を突きつけることとなる、とても大きなアガリをものにする。

その後、山田は読みの鋭さ、増田は意地と気合いの追い上げをまじまじとみせつけるも、最後は自身でアガリを決め、ともたけがたった1つの世界チャンピオンの椅子を手にした。

麻雀は負けることの方が多いゲームだ。そう書くと語弊があるように思えるが、優勝者以外はチャンピオンにはなれない。そう、チャンピオンになれるのはたった1人だけなのである。

224分の1。世界の頂点に立つということの重圧は想像だにしないほどであろう。
その上で、自身の麻雀を貫き通すということ。それはどんなに困難なことか。

しかし、それをきっちりやってのける者がもし現れたならば、麻雀の神様はおそらくその者に微笑むのであろう。

ベスト16で敗退した山脇千文美と山田学武のインタビュー時、悔しい気持ちを抑え明るく話す山脇の笑顔と山田の真摯な言葉に胸を打たれ、私は気付けば泣いていた。悔しくて、悲しくて、誇らしくて、嬉しくて。

今回、ラスベガスという日本から遠く離れた土地で、長時間の移動の疲れや時差ボケ、環境の違いから体調を崩す者も少なくはなかった。
それでも日本のリーチ麻雀で、日本人の活躍が華々しかったことは、私にとって、とてつもなく誇らしかった。

対照的に、表彰式でも、最後まで、ともたけ雅晴は泣かなかった。
戦いが終わった瞬間から、笑っていたのである。それはもう、とびきりの笑顔だった。

カラッとした空気のラスベガス、アメリカンドリームの勝者には、涙ではなく笑顔がとてもよく似合うのだなと思った。

 

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