JPML WRCリーグ レポート

JPML WRCリーグ レポート/第2期JPML WRCリーグ一次・二次トーナメントレポート

7月15日
うだるような暑さの中、胸に秘めたる想いを持つ者たちが集まり第2期JPML WRCリーグの一次二次トーナメントが行われた。このリーグは連盟員なら誰でも参加することが可能なため、若手や下位リーグの者にとっては大きなチャンスとなっている。
 
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■ 一次トーナメント
1卓 林潤一郎・菊原真人・土井悟・藤島健二郎
前期決勝進出の菊原が今回も予選リーグを勝ち上がり一次予選からの登場。
2回戦終了時藤島1人浮き、林、土井は着順勝負。菊原も2位までのポイント差は19.8ポイントと接戦。
東1局親番で6,000オールをアガった土井がそのままのリードで迎えた南3局林の親番。ここさえ落とせば勝利目前と仕掛けを入れる。しかし単騎待ちの選択でアガリを逃した瞬間、林がリーチ。それを力強くツモアガり6,000オールとし土井をかわす。さらに4,000オールで林の勝ち上がりは確定的に。最後は藤島・土井の競りになり、条件を満たすリーチを入れるが一歩及ばず。土井としては悔しい負けとなった。
1位通過 林潤一郎 2位通過 藤島健二郎
 
2卓 小車祥・客野直・麓征生・ガース
隙のない3者相手にガースは苦戦。1、2回戦とラスに。
1回戦3着の小車。2回戦はどうしても連に絡みたかったがオーラス親番3巡目ピンフ1シャンテンも全く手が進まず、客野のホンイツに捕まり痛恨の8,000放銃となる。
3回戦も小車は必死の粘りを見せるもこの日はどうしても展開が向かなかった。
1位通過 客野直  2位通過 麓征生
 
3卓 井出一寛・森岡貞臣・厚谷昇汰・櫛田利太
1回戦南3局
親番井出
三万四万二索三索四索六索七索八索六筒六筒中中中  リーチ  ツモ五万  ドラ六筒  裏六筒
この強烈な6,000オールで持ち点を74,300点に。このまま大きなトップをとる。
2回戦は1回戦ラスの厚谷が親番井出の時に3,000・6,000を引いて井出をラスにして希望を繋ぐ。
2回戦終了時点でトップを1回ずつ取った櫛田、井出が一歩リード。
3回戦、粘る森岡・厚谷が井出をラスにして迎えたオーラス。森岡が条件を満たすリーチを打つも勝ち上がりが確定的だった櫛田がツモって勝負あり。
1位通過 櫛田利太 2位通過 井出一寛
 
4卓 安田麻里菜・桶本篤史・古本和宏・三浦智博
1回戦は点棒が大きく動く、安田・古本・桶本の順番に親番で連荘する展開。三浦は1人何もできずに点棒を削られていった。トップは最後に連荘した桶本。
これで3者の争いになるかと思われたが、今度はお返しとばかりに三浦が反撃。2回戦トップを取る。2着争いは桶本が制してかなり有利に。
3回戦、後のない安田に手が入る。
東1局 親安田
一万一万三万四万五万一索二索三索一筒一筒二筒二筒三筒  ドラ一筒  6巡目リーチ
東1局1本場 親安田
五万六万七万五索五索六索七索八索四筒五筒六筒六筒七筒  ドラ五索 6巡目リーチ
この大物手に3者は丁寧にオリて2局共に流局。安田はあと1枚がこなかった。
最後は三浦が古本との着順争いを制した。
1位通過 桶本篤史 2位通過 三浦智博
 
5卓 黒木真生・山脇千文美・岡田茂・荒井裕太
1回戦は岡田が持ち味である高打点のアガリをものにしてトップ。
続く2回戦は山脇が大ブレーク。東場の親番で8本場まで積み、持ち点は75,000点を超える。
全員が山脇にこれ以上点棒はやれないと必死に受けるも山脇の猛攻は止まらなかった。
この後は岡田が盛り返し原点付近まで持ち直すも、またもや山脇が点棒を集め、終わってみたら106,000点の超特大トップ。
これで山脇の勝ち上がりは濃厚。
3回戦は岡田が粘る荒井を振り切った。
1位通過 山脇千文美 2位通過 岡田茂
 
6卓 原佑典・沢崎誠・江端隼・大鹿糠文也
D3の3人がA1の沢崎に挑む。
1回戦 南2局 南家8巡目 大鹿糠
一万二万三万一索一索二索二索三索三索二筒三筒西西  ドラ八筒
超勝負手が大鹿糠に入る。ヤミテンの選択もあるかといったところだが、大鹿糠はリーチ。これを原から一筒でアガリ、この半荘トップ。2回戦も3着だが39,000点持ちとプラスを重ね、このまま逃げ切った。
3回戦、沢崎・原は着順勝負。江端は2位との差が51.2ポイントと苦しい。
沢崎が開局から2,600オールと先制したがここから江端が粘りに粘りトップ目にたつ。
迎えたオーラス。江端は沢崎とのポイント差を順位点込みで6.9ポイントまで追い上げていた。
沢崎は積極的に仕掛けて自ら決めにいく。追いついた江端がテンパイを入れていた沢崎から直撃の5,200。
3回戦南4局
六万七万八万二索四索六索七索八索四筒四筒六筒七筒八筒  ロン三索  ドラ四万
江端は苦しい位置からの勝ち上がりだけに喜びもひとしおだろう。
1位通過 大鹿糠文也 2位通過 江端隼
 
■ 二次トーナメント
二次トーナメントはWRCリーグ2位〜11位通過と現グランプリ佐々木寿人、前年度ポイントランキング1位(鳳凰位を除く)の近藤久春を加えて行われる。
1卓 佐々木寿人・森下剛任・林潤一郎・江端隼
1回戦
圧巻の寿人ショーとなる。メンタンピン、ホンイツ、トイトイと、とにかくなんでもアガってしまう。それも全て高打点。極めつけは85,000点オーバーからこのアガリ。
南3局 西家佐々木
二万二万四万五万六万五索六索六索六索七索九筒九筒九筒  ツモ二万  ドラ二万
佐々木は早々と勝ち上がりを濃厚にしてしまった。
2回戦、江端が積極的に動いてアガリをもぎ取りトップを取る。
2回戦終了時に大勢は決してしまった。森下は3回戦執念の国士無双テンパイも実らなかった。
1位通過 佐々木寿人  2位通過 江端隼
 
2卓 近藤久春・足立純哉・客野直・岡田茂
Eリーガー足立が格上3人に挑む。
1回戦、足立が小さいながらもトップを取る。
2回戦は1回戦2着の近藤が70,000点オーバーで終え、ほぼ勝ち上がりを当確にした。足立も3位客野と38.4ポイント差で3回戦を迎える。
ところが、3回戦オーラス近藤28,600点・客野30,800点・足立26,000点・岡田34,600点と客野絶好の並び。客野の条件はツモなら800•1,600、近藤からは16,000点以上、足立・岡田からは3,900点以上(岡田から12,000点だけはダメ)という現実的な数字。
ここで足立は選択。
条件的にはヤミテンの選択もあるが自ら勝負を決めにいくと意を決してリーチ。
七万八万九万一索一索一索三索三索七索八索九索七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ七万
力強く足立はツモりあげ勝ち上がりを決めた。
絶対に勝ってやるという意志が伝わる1局だった。
1位通過 近藤久春 2位通過 足立純哉
 
3卓 冨田久志・小松武蔵・櫛田利太・三浦智博
1回戦は小松と三浦のアガリあいで終了。2回戦はお返しとばかりに冨田が5,200、3,000•6,000、1,300・2,600と立て続けにアガリトップをとる。三浦は連続2着、小松も失点を最小限にとどめ3回戦を迎える。
2回戦終了時、小松+30.9P・三浦+26.2P・冨田▲2.9P・櫛田▲54.2P
小松が南3局で1,300•2,600をアガって(オーラス親から)小松30,100点・櫛田33,500点・冨田35,800点・三浦20,600点の並び。
ツモなら1,600・3,200以上の打点がいる三浦に条件を満たすには十分の手牌。
北家三浦 7巡目
二万四万四万五万六万六万七万八万四索六索三筒四筒四筒四筒  打三筒  ドラ六万
間違えられない選択に手が止まる。
小松も難しい。三浦に1,600・3,200以上をツモられると負け(4,000・8,000以上は勝ち)だが、三浦には5,200以上も打てない為、少考の末、受けることを選択。
重苦しい空気が流れていたが冨田がきっちり3,900を三浦からアガって勝ち上がりを決めた。
1位通過 小松武蔵 2位通過 冨田久志
 
4卓 鮎川卓・奈良圭純・桶本篤史・井出一寛
1回戦は1時間半を超える熱戦。ここは井出が57,500点の大トップ。
奈良はドラ3の手など入っていたが井出のアガリ牌を掴まされる苦しい展開。
2回戦も井出は50,000点を超えるトップを取って勝ち上がりを確定させる。
こうなってくると2位通過争い。
ここまで鮎川は井出の爆発の中でも手堅く連続2着でまとめている。
3回戦も鮎川は南3局でこのアガリ。
三万四万四索五索五索六索六索七索五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ二万  ドラ
トータルポイントで桶本を突き放し、オーラス桶本の親は井出と鮎川が2人でアガリに向かい桶本にチャンスを与えなかった。
1位通過 井出一寛 2位通過 鮎川卓
 
5卓 船木伸一・中川基輝・山脇千文美・麓征生
1回戦、2回戦ともに麓・中川・山脇・船木という着順。
連続ラスの船木は苦境に立たされる。
2回戦終了時ポイント
麓+48.5P 中川+17.8P 山脇▲15.7P 船木▲52.6P
3回戦、一次トーナメント同様、山脇が親番でブレーク。さらに加点を続け、持ち点を73500点まで持っていき一気に2人を抜き去る。
迎えたオーラス。親から中川35,600点・船木600点・山脇65,900点・麓13,800点
中川難しい手をまとめ上げ14巡目にリーチ。
一万二万三万五万五万五万六索七索八索七筒八筒西西  リーチ  ツモ九筒  ドラ東  裏二万
これが嬉しい一発ツモ裏1で4,000オール。これで中川が一歩抜け出す。
勝ち上がり濃厚かと思われた山脇。この時点での麓との差はたった3.9ポイント。
最終局、麓が山脇の下家、条件を考慮してこの仕掛け。
3巡目
一万一万一筒二筒四筒七筒八筒九筒南南発  ポン東東東  ドラ一索
これで山脇に受けさせることに成功し、最終的には条件を満たすテンパイを入れてしまう。
一筒二筒七筒八筒九筒南南発発発  ポン東東東
麓はまんまと1人テンパイをせしめ山脇を0.1ポイントかわした。
1位通過 中川基輝 2位通過 麓征生
 
6卓 藤原隆弘・松崎良文・大鹿糠文也・藤島健二郎
藤原は60歳を超える大ベテラン、藤島・松崎はともに40歳で10年以上のキャリアを持つ選手。対する大鹿糠はまだ3年目の25歳。なんとも面白い組み合わせとなった。
大鹿糠は真正面から3者にぶつかっていく。
この日の大鹿糠は面打点高打点にこだわっているように見えた。
だが流石に3者は一切隙を見せない。この卓はダントツで早いテンポでまわったのだが、隙を見せないが故の早い展開と言えば伝わるだろうか?
膠着状態ながらも藤原は点棒が削られる苦しい展開。
試合巧者が集まっただけにハイライトはオーラス。
点棒状況が(親から)松崎23,500点・藤島43,8000点・藤原9,900点・大鹿糠41,700点で1本場供託1本という状況
大鹿糠は1,000点アガって藤島をかわせば良い状況。松崎は小さい加点では次局にもつれる苦しい状況だが藤島には2,000点まで打てる。
藤島がタンヤオ牌を仕掛け、加点が絶対条件の大鹿糠は一歩も引かない。
松崎は自身の手牌とドラの北が3枚切れた状況を踏まえ藤島にあとは任すことを選択。
しかし無情にも藤島は1枚切れの南バックテンパイ。
大鹿糠はピンフのみの手を思い切ってリーチ。これに無理する必要のない藤島がオリにまわり大鹿糠の1人テンパイで藤島を逆転してトップとなり勝ち上がりを決めた。
松崎はすべての状況を考えて最善を尽くしたが一握りの運が足りなかったか。
1位通過 藤島健二郎 2位通過 大鹿糠文也
 
ここまでEリーグから足立、Dリーグから大鹿糠・中川・江端の4名が勝ち上がった。彼らにしてみれば、またとないチャンスだけに力が入っているに違いない。
他の勝ち上がり者にとっても喉から手が出るほど欲しいタイトルへのチャンスである。
だが、ここからさらに前期優勝の羽山真生、現鳳凰位前原雄大、現十段位藤崎智、WRCリーグ予選1位末続ヒロトシを加えてベスト16の戦いが幕を開ける。彼らの挑戦はまだまだ厳しいものとなりそうだ。