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チャンピオンズリーグ レポート

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第5期JPML WRCリーグ ベスト16A卓レポート

2019/01/22
執筆:楠原 遊


今期で5期目をむかえたJPML WRCリーグ。
所属リーグや支部・入会期を問わない、日本プロ麻雀連盟WRCリーグによる自由参加型のタイトル戦。

参加者は半年間20回の予選のうち、5回に参加し突破を目指す。
今期の予選参戦者はAリーグからEリーグまで合わせて87名。
そこで勝ち上がった34名と、シード者による一次トーナメント・二次トーナメントを経て、さらなる上位シード者が待つベスト16の卓にようやくたどり着く。
ベスト16シードは、鳳凰位・十段位・予選第1位・そして前回WRCリーグの優勝者。
そしてここからは連盟チャンネルでの生放送対局でのトーナメント4回戦となる。

第2期では3年目の中川基輝が、そして第3期ではその同期の小林正和が戴冠。
下位リーグ所属の選手にとっては、大金星を挙げるまたとないチャンスとなる。

 

べスト16 A卓

 

100

 

 

1回戦(起家から仲田加南→原佑典→藤島健二郎→藤本哲也)※以下全て敬称略

東1局に藤島に6,400を献上した原がその後調子がいい。
東2局に6,000オール、そして1本場に

一万二万三万四万五万七万八万九万三索三索一筒一筒一筒  リーチ  ツモ三万  ドラ三索

安目ながら4,100オールをアガリ大きなリードを築いてゆく。

 

100

 

原佑典 D1リーグ 東京本部所属 二次トーナメントより勝ち上がり
まだまだ若手といえるポジジョンではあるが、SNS上での注目をかなり集めている選手。
自身の得意とするWRCルール、格上3人との戦いに、気合も入っていることだろう。

先行した原に、まずはじめの選択が訪れる。

南1局
4巡目西家・藤島が2枚目の東をポン、そして9巡目に1シャンテンとなった藤本から白をポンして打西、この形。

一万二万四万七万八万九万南  ポン白白白  ポン東東東  ドラ三索

そして2巡後、1巡前に藤本が切っている七万もツモ切ってゆく。
他家の押し返しや手牌での有効度を鑑みて、この七万は手牌には留めない。
実際は1シャンテンの藤島の手牌だが、他家から見たらホンイツテンパイでもおかしくない捨て牌だ。

そして12巡目、南家・原にもテンパイが入る。

 

100

 

四万を切ればピンフのテンパイ、七万は自身から3枚見えていて六万九万の景色は悪くないが、下家の藤島に通っていない牌。
トップ目であることも考えると、失点を避けるのもまたひとつの選択。
ここは前巡藤本が通した八万を切って役なしテンパイに構える。

そしてすぐさま、長く1シャンテンだった親の仲田にテンパイが入る。

二万二万二万六万三索三索三筒三筒四筒四筒五筒五筒中  ツモ中  ドラ三索

七対子とメンツ手、どちらもテンパイを取れるこの手牌。仲田は六万切りのリーチを選択。
そして、なんとこのシャンポン待ちがこの巡目に4枚山に残っている!

そういえば宣言牌の六万は原の待ち牌であるが、役がないのでアガることができない。
そして原は一発目に持ってきた無筋でオリ、そして4人の中で一番早く1シャンテンだった藤本もここで脱落。

親の仲田の独壇場になるかと思われたが、すぐに追いついてアガったのは藤島だった。

二万三万四万六万七万八万南  ポン白白白  ポン東東東  ロン南

場に1枚切れの南をすぐに仲田からとらえ5,200は5,800のアガリ。
仲田の待ちは4枚すべて、山に残ったままであった。
そして、明確にアガリの分かれ道が見えていた原は何を思ったか。

南3局 ここまで、原点近くをキープしながら3着目の藤島の親番。

 

100

 

藤島健二郎 来期A2リーグに昇級 東京本部 ベスト16シード
前回優勝の藤島がここからの参戦。持ち前のバランス感覚で、ゲームを俯瞰的に見ることのできる打ち手。
悲願の初タイトル獲得からたった3ヵ月半での防衛戦となる。

親の藤島に先行テンパイ、カン四万のタンヤオ三色7,700点。

 

100

 

そこに引いてきたのは五万

六万ツモの4面張変化も見て八万切りかと思われたが、ここでの藤島は五万のツモ切り。
打点の確保と、五万を場に増やすことによる四万のアガリ易さを見すえた非常に実践的な選択に思えた。

しかしここは原が、藤島から2,000点をアガリ親を流してゆく

オーラスは4着目の仲田のリーチに全員が対応し、流局での終了となった。
序盤にアガリを重ねた原がトップ、そして東3局にドラ単騎の七対子をツモった藤本が2着で1回戦を終えた。

1回戦結果
原+30.5P 藤本+7.1P 藤島▲8.8P 仲田▲29.8P

 

 

2回戦(仲田→原→藤本→藤島)

東1局
西家の藤本が先行テンパイ、リーチとゆく。

 

100

 

藤本哲也 C1リーグ 東京本部所属 二次トーナメントより勝ち上がり
まだ獲得タイトルはないものの、RMUクラウン決勝進出や、マスターズベスト8進出などさまざまなタイトル戦で爪跡を残している。
タイトル初奪取に向け、この戦いも負けられない。

一索二索三索二筒二筒二筒三筒四筒五筒八筒八筒六万七万  ドラ北

しかしそこに追いついたのは藤島。

三筒三筒四筒四筒七筒七筒九筒九筒北北白白発

決まり手になりそうなホンイツ七対子ドラドラ。
しかしここは、すっかり最短の形でテンパイをいれアガリ切る藤本のスタイルでしっかり500・1,000のツモアガリで局を流してゆく。

2回戦はこの藤本のゲーム参加率が大きく目立った半荘となった。
ほぼ毎局テンパイをいれ、アガリを決める局もあれば放銃にまわった局もあった。
そして南2局、トップ目の仲田から8,000点の直撃を決め、2着目に立つ。

迎えたオーラス、各者の持ち点は以下の通り。

仲田34.3 原25.3 藤本32.1 藤島28.3

1回戦トップだった原がラス目につけているが、トップから4着まで1万点圏内にいる非常に競った状況となった。

北家・藤本が南家の第一打の東をポンしてこの形。

 

100

 

かなり遠い形に見えるが、オーラスの競り合った局面、ここはじっとしてはいられないとホンイツにむかう。

そして親の藤島も南をポン、南家・仲田も五筒をポン。
3者が仕掛けを入れ、場は一気に空中戦の様相を呈してゆく。

最初にテンパイを入れたのは仲田。

六万六万三筒三筒三筒発発  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ドラ一筒

発の後付けからトイトイへの手牌変化となりこの形。
ここにドラドラのテンパイを入れた藤島が飛び込み痛すぎる5,200点の放銃で4着落ち。苦しい前半戦となった。

2回戦結果
仲田+29.8P 藤本+7.1P 原▲9.7P 藤島▲21.9P

トータル
原+20.8P 藤本+14.2P 仲田▲5.3P 藤島▲30.7P

 

 

3回戦(藤本→仲田→原→藤島)

勝負も折り返しとなる3回戦。
東2局、前局に白中と加カンして藤本から8,000点をアガった仲田の親番。

 

100

 

仲田加南 C2リーグ 東京本部所属 二次トーナメントより勝ち上がり
先日女流桜花を3連覇したことも記憶に新しい仲田。WRCリーグへの参加は4期ぶりとなる。
積極的に攻め、かわし手と勝負手のメリハリが持ち味の仲田。
インタビューでは苦手だと言っていたトーナメント戦だが、ここでも非常に「らしい」戦い方で魅せる。

三万四万五万七万七万六索七索三筒四筒五筒六筒六筒六筒  ドラ六筒

9巡目、ドラ暗刻、ヤミテンで12,000点確定のこの手を躊躇なくリーチとゆく。
トーナメントで現在3番手、ヤミテンの選択肢を取る打ち手も多いであろう局面だが、これが仲田の麻雀。
アガるべきところで大きくしっかりと。たとえ流局してもこの手を見せられるならば後悔はしない。
この手をホンイツ七対子1シャンテンの藤本から討ち取り、裏が乗って18,000のアガリ。
1回戦4着スタートだった仲田がトータルトップ目に踊り出る。

東2局1本場
ここまで、なかなか出番がなかった原に先行テンパイが入る。

 

100

 

この七対子ドラドラ、各者の捨て牌からも絶好の待ち。現状トータル2着目という状況の下ヤミテンとする。
すぐに追いついたのは西家・藤島。

二万二万四万四万六万八万八万七索七索三筒三筒東東  ツモ八索  ドラ二筒

前巡のテンパイから、こちらも八索をツモって契機と見たか、リーチといく。
単騎同テン対決となると不思議なもので、「良さそうな待ち」がゆえにその牌での放銃も見えてくる。

リーチに対して、より切りづらい三筒を引いてきた原が選んだ八索で、藤島が3,200は3,500のアガリ。
自身から見ても絶好であった待ちだけに、原の心中やいかに。

しかしここから、吹っ切れたように原が攻め返しを見せる。

東4局

三万四万五万六万七万七万七万二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ七万

ドラが暗刻の手をここだとばかりにリーチ、トップ目の仲田から12,000を出アガリ。
道中放銃しつつもアガリにしっかり向かい、原らしいまっすぐな麻雀でこの半荘を2着で終える。

3回戦結果
仲田+36.9P 原+1.7P 藤島▲14.2P 藤本▲24.4P

トータル
仲田+31.6P 原+22.5P 藤本▲10.2P 藤島▲44.9P 

 

 

最終戦(原→仲田→藤本→藤島)

最終半荘、トータル2位の原と3位の藤本の差が32.7ポイント、そして4位の藤島との差が67.4ポイント。
ひと着順10ポイントのアドバンテージがつくとはいえ、大きな差となった。
南3局、南4局と、最後まで親番が残っている2人は積極的に攻めていく展開になると思われる。

しかし、予想に反して東3局に藤島が2,000・4,000をアガった以外は仲田のかわし手で局が進む。

南1局、親の原にドラドラの手が入る。中をポンしてこの形。

 

100

 

ここはペン三筒をはずして、形・打点を見た選択とする。
そこに西家・藤本からのリーチ。

五万五万五万六万七万八万一索二索九索九索七筒八筒九筒  ドラ六万

ペンチャン・カンチャンを引き入れての先手リーチ。そして藤島にもテンパイが入る。

六万一筒二筒二筒三筒三筒四筒四筒西西西北北  ツモ七万

ホンイツや七対子ドラドラも見える1シャンテンだったが、引き入れたのはリャンメンテンパイ。
ここは素直に追っかけリーチとゆく。
追い掛ける2人のぶつかりあいとなったが、すでに藤島の待ち牌は山に残っていなかった。
ここはラス牌の三索をつかみ、藤本への2,600の放銃で局を終える。

その後も藤本・藤島は手を作ってゆくがアガるのは逃げる仲田と原。
最終戦はこれまでよりも早いスピードで、オーラスを迎える。

南4局 各者のポイントは以下の通り

 

100

 

藤本の勝ち上がり条件は原からの跳満直・ツモアガリ。親の藤島は連荘。
その藤本が9巡目、リーチと行く。

三万四万五万六万七万八万七索八索二筒二筒六筒七筒八筒  ドラ南

六索をツモれば裏ドラ要らずの跳満条件クリア。山をツモる手に力がこもる。
仲田・原はこのリーチに受けており、原にとっては長い祈りの時間となるかと思われた。
しかし仕掛けた親の藤島が、藤本の切った八索に声をかける。

四万五万六万九万九万四索五索六索六索七索  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き  ロン八索

藤島もまた、この親の連荘に勝ち上がりの希望をかけている。
しかしその繋いだ親も次局、仲田のアガリで終わりを迎える。

最終戦結果
藤島+24.2P 仲田+8.5P 原▲3.5P 藤本▲29.2P

勝ち上がり 仲田加南 原佑典

仲田「今日はまだまだ甘いところがあった。タイムシフトを見直してもっともっと勉強して、気合を入れて次回に臨みたいと思います。応援よろしくお願いします。」
原「ここまで、勝ち上がってきたのははじめて。これから先は未知の領域。応援してくださる皆さんのためにも、次も頑張りたいと思います」