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グランプリ レポート

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第4期麻雀グランプリMAXベスト16レポート

2014/03/25
執筆:日吉 辰哉


「麻雀グランプリMAX」
それは、日本プロ麻雀連盟のオールスター戦とも置き換えることが出来るのではないだろうか。
オールスター戦というとお祭り感があるかもしれないがそれとも違う。
今年度活躍したプロが一同に介し、その頂点を競う。
戦績次第では入会間もない若手にもそのチャンスは存分にある。
そんな夢のようなタイトル戦。

実力、勢いを持った者たちで行われた1次、2次予選を勝ち抜いた10名。
ベスト16からは、前原雄大(前年度グランプリMAX優勝)、藤崎智(鳳凰位)、瀬戸熊直樹(十段位)、森下剛任(王位)、小車翔(マスターズ)、沢崎誠(ポイントランキング1位)、以上の6名がシード選手として出場し、タイトル戦は更に熱を帯びてゆく。

勝ち上がり条件は半荘5回戦を行い、成績上位2名がベスト8へ進出する。

 

A卓 前原雄大×前田直哉×杉浦勘助×魚谷侑未

1回戦(起家から、前田・前原・杉浦・魚谷)

前年度麻雀グランプリMAXを制した前原を中心とした展開が予想されるA卓。
東場は穏やかな展開が続く。
南場に入り、その均衡を破ったのは前田。

南2局14巡目
北家・前田

二万二万四万四万四万四索五索七索七索中  暗カン牌の背二筒 上向き二筒 上向き牌の背  ドラ四索

ここから二万をポンして三索-六索待ち。
16巡目に七索をツモリドラ単騎に待ちかえ。
次巡四索を引き当て、3,000・6,000。
ここまで我慢を重ねた前田の大きなアガリ。

この時、杉浦は以下のテンパイ。

六万六万二索三索四索四索五索六索三筒四筒五筒七筒八筒

前田のツモった四索を見て何を思うか。
次局、親の杉浦は1シャンテンからドラの中をリリース。

南3局6巡目
東家・杉浦

三万三万四万八万八万二索三索四索五筒六筒七筒八筒中  ツモ九筒  打中  ドラ中

このドラを前巡重ねた前田がポンしてテンパイ。

西家・前田

四万五万六万四索五索六索五筒六筒東東  ポン中中中

山に5枚残りの四筒-七筒を9巡目にツモアガリ、2,000・3,900。
南4局、親の魚谷が前原から2,000点をアガリ点棒状況は以下の通り。

前田46,300 前原19,700 杉浦21,800 魚谷32,200

南4局1本場、親の魚谷が三色確定のリーチ。
東家・魚谷 6巡目

四万四万五万六万七万五索七索五筒六筒七筒西西西  リーチ  ドラ二索

これをツモリ4,000オール。
一気に前田を抜き去りトップ目に立つ。
ここまで元気のない前原。次局、ドラトイツの手牌を積極的に仕掛ける。

南4局2本場
西家・前原

五索六索七索七索六筒七筒八筒  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  チー三万 左向き四万 上向き五万 上向き  ドラ七索

魚谷、前田の仕掛けを掻い潜りドラの七索を引き当て2,000・3,900。
前原のアガリへの執念を感じた一局となった。

1回戦成績
魚谷+18.4P 前田+14.1P 前原▲10.1P 杉浦▲22.4P

2回戦、3回戦は前原が持ち前の攻撃力を見せつけ連勝。
前田、魚谷も食らいつく。苦しいのは杉浦。

3回戦終了時
前原+30.9P 前田+20.8P 魚谷+8.3P 杉浦▲60.0P

4回戦(起家から、前原・前田・魚谷・杉浦)

東1局で前田が2,000・4,000をツモアガリ一歩リードする。
後がない杉浦。この4回戦はトップが絶対条件。
杉浦は小さいながらアガリを積み重ね、微差のトップ目で迎えた南3局。

選択肢の多い手牌を丁寧に仕上げ前原から6,400。

南3局
南家・杉浦

一万一万二万二万三万九万九万九万七筒八筒九筒発発  ロン三万  ドラ三筒

この日初めての本手をアガる。迎えたオーラスの親番。
淀みない手順で仕上げた手牌。5回戦に望みを繋ぐ大きな4,000オール。

南4局
東家・杉浦

八万八万二索三索四索五索六索七索二筒三筒四筒六筒七筒  リーチ  ツモ八筒  ドラ五索

4回戦終了時
前田+29.4P 前原+6.6P 魚谷▲7.9P 杉浦▲28.1P

最終戦(起家から、前田・杉浦・魚谷・前原)

魚谷、杉浦は前に出るしかない。もちろん前田、前原も安心はできない。
東1局、魚谷が1,300・2,600をツモアガリ先制。魚谷は更に攻める。
東2局1本場では積極的に仕掛けるも、親の杉浦に7,700の放銃。
続く2本場ではピンフをアガリ嫌な流れを断ち切る。
迎えた親番

東3局6巡目
東家・魚谷

一万一万二万三万四万五万六万七万七索八索一筒二筒三筒  リーチ  ドラ二筒

このリーチを12巡目にツモアガリ2,600オール。
魚谷はこの時点トータルポイントで前原を抜き去る。
こうなっては引けない前原、小さなアガリを重ねる。
そして杉浦も食い下がる。

南3局を迎え、ここまでのトータルポイントに現在の持ち点を加味すると
前田+8.4P 前原+1.6P 魚谷+1.1P 杉浦▲11.1P
となり、全員に勝ち上がりの可能性がある。
そして全員の手がぶつかる。

東家・魚谷7巡目。

七万八万九万二索三索四索七索七索四筒五筒  ポン中中中  ドラ西

南家・前原7巡目。

三万三万五索六索七索一筒三筒六筒七筒八筒白白白  リーチ

西家・前田9巡目。

四万四万四万五索六索八索八索五筒六筒七筒  ポン西西西

3者テンパイのこの状況、軍配は・・・前原。
価値ある大きな1,300・2,600。

オーラスでは魚谷、杉浦ともに条件をクリアーするリーチをかけるも流局での幕切れとなった。

最終戦終了時
前原+10.3P 前田+1.6P 魚谷▲2.0P 杉浦▲11.9P 供託+2.0P

勝ち上がり 前原雄大 前田直哉

 

B卓 藤崎智×四柳弘樹×中村毅×安村浩司

1回戦(起家から、四柳・中村・藤崎・安村)

鳳凰位藤崎の登場。1回戦からその力を見せつける。

東1局
西家・藤崎6巡目。

四万五万二索三索四索一筒二筒三筒四筒五筒八筒白白  ツモ六万  打八筒  ドラ八索

これをヤミテンに構える。
次巡、白を暗刻にし五筒切りリーチ。更に9巡目に白を暗カン。
14巡目にツモアガリ、2,000・3900。

次局も配牌は悪いながら丁寧な手順で1,300・2,600。

東2局、南家・藤崎。

五万六万七万九万九万三索四索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  ツモ五索  ドラ九万

小さな点棒移動で迎えた南2局。中村に疑問手。
5巡目に安村が以下のリーチ。

南2局2本場
西家・安村

四万五万七万八万九万五筒六筒七筒東東南南南  リーチ  ドラ六索

対して親の中村が7巡目に追いつきヤミテン。

東家・中村

四万五万六万七万八万九万五索五索六索七索八索五筒六筒

14巡目、中村は五筒をツモり、現物の六筒切り。役なしテンパイに受けかえる。
15巡目、中村のツモは四筒。アガリ逃しとなったが、受けを考えてのヤミテンなら致し方ないか。
しかし中村はツモ切りリーチを選択。そして中村に訪れた最後のツモは六万
中村痛恨の放銃となる。

オーラスでは安村が3,900オールをツモアガリ原点復帰。

南4局
東家・安村

一万二万三万五万五万一筒一筒一筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ五万

続く1本場では藤崎が中村から8,000の出アガリ。

南4局1本場8巡目
北家・藤崎

七万八万九万七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒西西  ロン九筒  ドラ三索

鳳凰位藤崎、勝ち上がりに向け好発進。

1回戦終了時
藤崎+31.6P 安村+11.6P 四柳▲14.4P 中村▲28.8P

2回戦は安村が粘り強い麻雀で中村と同点トップ。
3回戦、4回戦は我慢を強いられていた四柳が行かざるを得ない状況となり、放銃が続いてしまう。
3者で点棒を分ける形となった。普段から受けの強い四柳だけに残念な結果となった。

4回戦終了時
藤崎+42.5P 安村+39.8P 中村▲2.3P 四柳▲82.0P 供託2.0P

最終戦(起家から、四柳・安村・中村・藤崎)

四柳の勝ち上がり条件は非常に厳しく、実質3名で2つの切符を争う形となる。

迎えた東3局。親の中村が果敢に攻める。
2局連続でリーチを放つもどちらも流局。しかし3本場で2,900をアガる。
積み棒3本、供託3,000点の価値あるアガリ。

東3局3本場5巡目
東家・中村

二万三万四万四万五万五万六万六万中中  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ロン四万  ドラ五索

これはわずか5巡目のアガリである。前巡に

二万三万三万四万四万五万五万六万中中  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ツモ六万

ここから三万を切りだしている。
巡目も浅いことから清一色に向かうことも考えられたが、同巡藤崎が

二索三索四索五索五索六索六索七索西西  ポン南南南

このテンパイを果たしており好判断だったか。
中村は続く東4局で1,300・2,600をツモアガリ、トータルポイントで安村を抜き去る。

踏ん張りどころの安村。この半荘現在ラス目。
迎えた南2局の親番。ライバルの中村が早々に仕掛け、安村にプレッシャーを掛ける。
しかし最初のテンパイは安村。

南2局5巡目
東家・安村

四万六万四索五索五索七筒七筒八筒九筒九筒  暗カン牌の背北北牌の背  ツモ五万  打四索 左向き  リーチ  ドラ四筒

上記の手牌で即リーチ。
待ちの八筒は、河に1枚、自身で1枚、中村の手牌に1枚あり残り1枚。
安村から見えるだけでも残りは2枚。親番を離せない安村は流局も覚悟の上であろう。
13巡目。安村は手牌の横に八筒をそっと置く。
中村を再逆転、藤崎も抜き去る大きな3,900オール。

更に次局、9巡目リーチで3,900は4,000オール。

南2局1本場11巡目
東家・安村

一索二索三索五索六索七索一筒二筒三筒六筒七筒発発  ツモ五筒  ドラ発

このアガリで他家を大きく引き離す。
こうなると苦しいのは中村。南3局の親番を維持できない場合、オーラスの条件は非常に厳しい。
そんな中村に引導を渡そうと藤崎が以下のテンパイ。

南3局14巡目
南家・藤崎

四索四索七索七索七索六筒六筒六筒八筒八筒発発発  ドラ六索

待ちの四索は山に残っていないが、八筒は2枚生きている。
ジリジリとした緊張感の中、ツモ切りが続く。

藤崎、最後のツモ牌を河に切る。ベスト8を決定する戦いは次局に持越し。
親の中村は流局寸前で意地のテンパイを果たしていた。

チャンスの後にはピンチあり。
次局、好配牌を手にした親の中村は4巡目にポンしてテンパイ。

南3局1本場4巡目
東家・中村

二索三索四索七索七索一筒一筒中中中  ポン西西西  ドラ七索

この場面、打六索としてのテンパイだが河に一筒が1枚放たれており、打一筒のテンパイ取らずも考えられたがここは素直にテンパイ取り。そして次巡七索を引き当てた中村。4,000は4,100オール。
まさに電光石火のアガリである。

目まぐるしく入れ替わるボーダー争い。
この時点で通過者は安村、中村。

藤崎が追い込まれる・・・・日本プロ麻雀連盟現鳳凰位藤崎智。
視聴者を唸らせるこのアガリ。

南3局2本場
南家・藤崎

三万四万五万六万七万八万二索二索四索五索六索三筒四筒  ツモ五筒  ドラ一筒

藤崎がトータルポイントで中村を再逆転する。
見応え十分の戦い。ドラマはオーラスへ。

この時点で安村の通過はほぼ確定しており、藤崎、中村の争い。
ポイント差は僅か3.7ポイント。
中村の1人テンパイでは逆転されてしまうため藤崎も手牌を進行させなくてはならない。

安い連荘では次局以降も中村には条件が残るため、藤崎は高打点を目指しピンズのホンイツへ向かう。
中村はトイツ手へ向かう。そして下家藤崎の危険牌であるピンズを切りだしていく。

流局。藤崎は中村の捨て牌からテンパイ濃厚と判断しテンパイ宣言。
中村の手牌は伏せられた。中村ノーテン。

次局は中村が残されたチャンスをきっちりものにする。
執念の1,300・2,600のツモアガリ。ベスト8への切符を手にした。

南4局1本場
北家・中村

二万四万六万六万四筒五筒六筒七筒八筒九筒  カン四索四索四索四索  ツモ三万  ドラ三万

鳳凰位藤崎敗退。しかしその存在感は非常に大きく視聴者を大いに沸かせたことだろう。

最終戦終了時
安村+44.5P 中村+34.0P 藤崎+33.5P 四柳▲114.0P 供託2.0

勝ち上がり 安村浩司 中村毅

 

C卓 瀬戸熊直樹×小車翔×灘麻太郎×二階堂留美

十段戦連覇中の瀬戸熊の登場である。
≪卓上の暴君≫と呼ばれる、その攻撃力に期待である。

そしてマスターズチャンプ小車。
若手代表、九州代表として晴れの舞台に登場。

しかし、1回戦は両名共に灘の自在に繰り出される技の前に後手を引かされる苦しい立ち上がり。

2回戦(起家から、灘・二階堂・小車・瀬戸熊)

瀬戸熊の反撃。

東2局5巡目
西家・瀬戸熊

八万九万七索八索九索一筒二筒三筒七筒九筒南南北  ドラ六索

この形から上家から放たれた3枚目の八筒に目もくれない。
この時、灘に仕掛けが入っており、3枚目ということもあり八筒をチーする打ち手も多いであろう。
瀬戸熊は8巡目に七万を引き入れ、次巡、二階堂から八筒でアガリ切る。

灘の仕掛けは

東2局3巡目
北家・灘

二万八万一索一索二索東東西西北白発中

ここから西をポンして打八万
かなり苦しい仕掛けに感じられたが最終形は

一索一索二索二索東東東北白白  ポン西西西

以上の1シャンテン。自由自在に仕掛けを操る。
瀬戸熊はこの後も攻め続ける。

南1局2本場ではトイツ手とメンツ手の判断が難しい手牌を七対子に仕上げ灘から6,400。
更に次局では

南2局
東家・二階堂

一万二万三万六万六万六索七索八索二筒三筒四筒六筒八筒  ドラ七筒  リーチ

北家・灘

四万五万九万九万九万一索一索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ

この2件リーチに真っ向勝負。無筋を連打しヤミテンで押し切り灘からアガる。

西家・瀬戸熊

三万四万二索二索三索四索五索五索六索七索八筒八筒八筒  ロン五万

迎えたオーラス。

南4局6巡目
東家・瀬戸熊

二万四万六万四索五索五筒五筒七筒八筒八筒八筒発発  ドラ七万

この形になり、場に放たれた発をスルー。
昨今の麻雀では鳴くことが多いと思われるが、瀬戸熊はスルー。
これをメンゼンで仕上げ。アガリ切る。

価値あるトップで1回戦のマイナスを解消する。

2回戦終了時
灘+17.3P 瀬戸熊+6.9P 二階堂+4.0P 小車▲28.2P

3回戦は接戦のオーラス、小車が2,000・4,000で1人浮きのトップ。
小車は隙のない麻雀を打ち続け、最後まで勝ち上がりの希望を繋ぐこととなる。

4回戦(起家から、二階堂・瀬戸熊・灘・小車)

南場を迎え持ち点は以下の通り。
二階堂34,000 瀬戸熊18,200 灘34,900 小車32,900
ここまでのトータルポイントを加算すると
灘+28.0P 二階堂+0.5P 小車▲6.9P 瀬戸熊▲21.6P
トータルポイント4番手は瀬戸熊。

南1局5巡目
北家・小車

四万五万六万七万八万九万一索二索三索九索九索七筒八筒  リーチ  ドラ八万

小車が上記のリーチ。対して瀬戸熊の手牌。

南家・瀬戸熊

二万二万六万七万四索四索六索六索六索八索東白白

ここから勝負に向かう瀬戸熊。
7巡目にアタリ牌の六筒を掴んでいる。迎えた10巡目。

二万二万六万七万六索六索六索六筒白白  暗カン牌の背四索 上向き四索 上向き牌の背  ツモ四筒  打四筒

六筒はすでに自身の2巡目に捨ててある。
ここでタンヤオに向かう打白の選択もあったがノータイムで四筒をツモ切り。
次巡五筒をツモ切る瀬戸熊。13巡目に八万をツモ切る小車。
瀬戸熊の心中は如何に・・・

15巡目

二万二万六万七万六索六索六索六筒白白  暗カン牌の背四索 上向き四索 上向き牌の背  ツモ七万  打六筒

3回戦までの展開に焦りがあったわけではないと思う。
最後までアガリを追い求めた瀬戸熊の放銃。

更に次局の親番では灘の仕掛け、二階堂の先制リーチ。
粘りに粘りテンパイするも直後に二階堂のツモアガリ。
この時、二階堂の二万は山に1枚。瀬戸熊の三索-六索は山に3枚。

南2局
北家・二階堂

一万三万七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒西西  リーチ  ツモ二万  ドラ六索

東家・瀬戸熊

一万二万三万一索二索三索四索五索三筒四筒五筒七筒七筒

いよいよ厳しくなった瀬戸熊。視聴者の悲痛なコメントが流れる。
それでも瀬戸熊は・・・・瀬戸熊。

南3局1本場15巡目
北家・瀬戸熊

六万七万五索六索七索三筒三筒五筒六筒七筒中中中  リーチ  ツモ八万

苦しい戦況の中、8枚目の八万を引きアガリ2,000・3,900。
オーラスを迎え点棒状況は

二階堂39,100 瀬戸熊17,900 灘31,000 小車32,000

最終戦に向け1,300・2,600以上のアガリが欲しい瀬戸熊。

南4局10巡目
西家・瀬戸熊

二万三万四万三索四索八索八索八索一筒一筒二筒三筒四筒  リーチ  ドラ九万

渾身のリーチ。
私には、南2局の親が流れた時の劣勢さは既に感じられなかった。
しかし、3者はきっちり対応。
このリーチは流局となり、現実は1人沈みのラスとなる。

それでも視聴者の皆様に熱い麻雀を届けられただろう。
この熱いモノを伝えられることこそ、今麻雀プロに求められているものなのかもしれない。

4回戦終了時
灘+16.1P 二階堂+9.6P 小車▲6.8P 瀬戸熊▲19.9P 供託1.0P

最終戦終了時
灘+33.1P 二階堂+17.1P 小車▲13.7P 瀬戸熊▲37.5P 供託1.0P

勝ち上がり 灘麻太郎 二階堂留美

 

D卓 沢崎誠×森下剛任×望月雅継×河井保国

1回戦(起家から、望月・沢崎・森下・河井)

王位、森下の登場である。中部本部期待のホープ、地方の想いを抱き夢の舞台に。
更に、今年度ポイントランキング第1位の沢崎。
実力、知名度共に十分の沢崎に対し3者はどのように立ち向かうのか。

その沢崎とAⅠリーグでの対戦経験も豊富な望月。1回戦東1局から3者を圧倒する。

東1局10巡目
東家・望月

一万一万五万六万七万四索五索六索七索五筒六筒七筒八筒  ツモ六筒  打四索  ドラ三筒

これをヤミテンに構える。12巡目には五筒を引き入れ打八筒。ヤミテン続行。
同巡、森下から11,600の先制パンチ。
沢崎の捨て牌が国士模様だったこともあるが、この手牌をヤミテンに構える望月を初めて見た気がする。
慎重というよりは、柔軟さを感じさせるヤミテン。
対局者が望月に対して持っているイメージを改めるには十分な一局であったであろう。

続く1本場では、森下、河井の両者テンパイもアガリは望月。河井から4,800は5,100。

東1局1本場
東家・望月

一万一万一万六万六万七万八万九万七索七索七索四筒五筒  リーチ  ロン三筒  ドラ五筒

これ以上の加点は阻止したい3者。
まずは河井が仕掛けてテンパイ。

東1局2本場6巡目
北家・河井

一筒三筒四筒五筒北北  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン東東東  ドラ八索

続いて7巡目には森下がテンパイ。

西家・森下

二万三万四万一索二索三索四索四索一筒三筒発発発

そして当然のように追いついた望月。そしてリーチの宣言。

東家・望月

一索二索四索五索六索七索八索九索六筒七筒八筒白白  リーチ

勢い的にも望月が押し切ると思われたこの局を制するのは・・・沢崎。
望月がリーチを宣言した時の沢崎は以下の2シャンテン。

南家・沢崎

四万五万二索三索四索五索五索二筒三筒三筒五筒七筒七筒

リーチ宣言牌の四筒二筒三筒四筒でチーして打七筒。次巡の六筒をチーして打三筒
そして河井から1,000は1,600。

南家・沢崎

四万五万二索三索四索五索五索  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ロン三万

3者のテンパイをリャンシャンテンから追い抜く。
打点は安いものの、非常に粘り強い価値あるアガリ。

ダメ押しを寸前でかわされた望月。
それでも次局で5,200をアガると、それ以降も繊細、且つ丁寧な手順のうち回し。
オーラスも自らアガリ切り1回戦を1人浮きのトップで締める。

1回戦終了時
望月+29.9P 河井▲3.6P 沢崎▲7.4P 森下▲18.9P

2回戦(起家から、河井・森下・望月・沢崎)

1回戦好調だった望月に代わり2回戦スタートダッシュを決めたのは沢崎。
東2局で2,000・3,900。東3局では1,000・2,000。
東4局の親番を1人テンパイでの流局。迎えた1本場。好配牌を手にした沢崎は以下のテンパイ。

東4局1本場12巡目
東家・沢崎

三万三万四万五万六万七万八万一索二索三索四筒五筒六筒  ドラ二索

まだ2回戦が始まったばかり。
しかしAⅠリーガーの沢崎、望月にリードされたまま終盤戦を迎えれば、森下、河井にとって勝ち上がりの条件が厳しくなるのは明らかである。
これに立ち向かうのは同巡に追いついた河井。
序盤から三色を睨んだ手順でテンパイ即リーチ。

南家・河井

七万八万四索五索五索五索六索八索六筒六筒六筒七筒八筒  ツモ七索  打四索  リーチ

そして沢崎もリーチで応戦。
河井は自信の手組。勝ち上がりに向け負けるわけにはいかないこのリーチ。
河井は静かに六万六を手牌の横に置いた。戦線に留まる大きな2,000・3,900。

更に南3局では全員の手がぶつかる。

南家・沢崎10巡目

一万二万三万四万五万六万五索五索二筒三筒四筒東東  ドラ東  リーチ

西家・河井12巡目

二万三万一索一索二索三索四索六索七索八索一筒二筒三筒

北家・森下12巡目

一万二万三万一索七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒

東家・望月15巡目

七万八万九万三索四索五索六索六索六筒六筒七筒七筒八筒

軍配は河井。
トップも見える位置に付けるが、序盤にリードされた沢崎に一歩届かなかった。

2回戦終了時
望月+11.4P 河井+2.5P 沢崎▲13.9P 森下▲27.8P

3回戦では望月が1人浮きのトップ。森下が負債を1人で抱え込む形となる。

4回戦(起家から、沢崎・森下・河井・望月)

勝ち上がりに向けトップが欲しい森下。
東2局で望月が5,200をアガッた次局、再び望月にチャンス手。

東3局8巡目
南家・望月

一万一万一万二万三万三万四万五万五万五万六万東東  ツモ六万 打東  ドラ五索

テンパイではあるがTは場に2枚切られており東のトイツ落としで清一色へ向かう。
これに対抗するのは後のない森下。11巡目に追いつく。

北家・森下

二万四万六万二索三索四索二筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒  ツモ三万 打六万  リーチ

森下のリーチ宣言牌である六万をポンして5面待ちの望月・・・これをポンせず。
次巡、森下が六筒をツモアガる。
ポンしていれば望月の放銃であったであろう。絶妙なバランス感覚。

南1局、望月は6巡目に発をポンしてホンイツに向かう。迎えた10巡目、

南1局10巡目
北家・望月

三索三索五索五索七索七索九索九索九索南  ポン発発発  ドラ一万

上家の河井から切られた六索に目もくれずツモ山に手を伸ばす望月。
これに追いついたのは親の沢崎。13巡目以下のリーチ。

東家・沢崎

一万二万三万四万五万六万三索五索七索五筒五筒五筒六筒  ツモ四索 打七索  リーチ

この七索を望月がポンしてテンパイ。AⅠリーガー同士の真っ向勝負。
軍配は沢崎。望月から価値ある5,800。
沢崎は一気に抜け出す。次局、4,000は4,100オール。

南1局1本場11巡目
東家・沢崎

二万三万六万七万八万三索四索五索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ツモ四万  ドラ四筒

このスピード感。掴んだチャンスは必ずものにする。
この沢崎に追いすがるのは森下。
次局、河井とのリーチ合戦に競り勝ち2,000・4,000。

南1局2本場17巡目

四万五万六万二索三索四索一筒一筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ一筒

オーラスで1,300・2,600をツモアガッた森下が逆転トップで締めた。

4回戦終了時
望月+12.5P 沢崎+8.3P 森下▲9.6P 河井▲11.2P

ここまで健闘した森下、河井ではあったが、やはり壁は高かった。
最終戦は自力で上回る沢崎、望月が隙を与えない卓回しで勝ち上がりを決めた。

最終戦終了時
沢崎+13.9P 望月+11.4P 河井+2.5P 森下▲27.8P

勝ち上がり 沢崎誠 望月雅継

ベスト8では決勝戦に向け、更に熱い戦いが期待できるであろう。