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グランプリ レポート

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第9期麻雀グランプリMAX ベスト8 A卓レポート 武田 裕希

2019/03/27
執筆:武田 裕希


ベスト16を勝ち上がってベスト8A卓に進出したのは山田・吉田・藤崎・近藤の4名。皆、連盟チャンネルの放送対局ではおなじみのAリーガーの猛者である。
このベスト8からはシードもなく、激戦を勝ち上がった勢いのあるメンツがぶつかり合うことになる。
この重要な闘いを、誰が制して大一番の決勝に乗り込むのであろうか。

 

100

 

1回戦【起家から 山田、吉田、藤崎、近藤】

1回戦開始わずか6巡で親の山田が親満のテンパイ

五万六万七万五索五索一筒一筒一筒二筒三筒  ポン東東東  ドラ一筒

カン五筒テンパイを果たした近藤が良形への変化を求めて切った四筒が放銃となった。

続く1本場、前局放銃した近藤がリーチ。

四索五索六索一筒一筒三筒三筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒  ドラ一筒

ピンズは場に安く、役なしヤミテンパイの藤崎と鳴いて薄い待ちの吉田との勝負を近藤が制すのかと思われた。
だが、2人とも当たり牌の五筒はぴたりと止めて手を崩す。
待ちとして当たりやすいかどうかというだけの話ではなく、すでに沈んでいる近藤には甘い牌など打たない。
それが百戦錬磨の2人が出したトーナメント戦略の答えなのだ。
この局は近藤の1人テンパイで終わる。

山田リード近藤沈みの状態のまま、小さな点棒の動きを経て南3局を迎える。

ここは、現状28,100持ちで原点以上に復帰できる安めの3,900でも良しの冷静なヤミテンを取った吉田が、高めのタンヤオピンフ三色で7,700を藤崎から直撃した。

二万三万四万七万七万二索三索四索二筒三筒四筒七筒八筒  ロン六筒  ドラ九索

1回戦成績
山田+15.4P 吉田+11.3P 藤崎▲6.7P 近藤▲20.0P

 

 

2回戦【起家から 藤崎、吉田、近藤、山田】

2回戦の序盤は小さなアガリを重ねた近藤と親でメンホン七対子をアガった山田が先行する展開となった。

3本場まで積んだ山田の親。ドラ八筒
この親での子方のテーマは親落としとなる。

藤崎が発をポン、一索をポン、そして最後に七万六万八万のカンチャンでチーして3フーロ。
吉田も白バックで果敢に鳴きを入れる。
この勢いのある親番を続けたい山田もピンフテンパイをヤミテンに構える。

ふと一筒を掴んだ山田の手が止まる。そしてすぐ安全牌の北を切って迂回。
続く吉田も同じく一筒を掴んで安全牌を切って迂回。
いくら親落としがテーマとはいえ、堅実な藤崎が最終形にカンチャンが残りうるフーロをするのか?
しない。残った牌にドラが最低2つある。山田も吉田もそれを理解し、すぐに手を崩した。

結果は、藤崎と迂回して形式テンパイを入れた吉田の2人テンパイ。
残った形は想定通り二筒三筒八筒八筒であった。

形は見破られたが、目論見通り親落としに成功した藤崎。
迎えた南1局4本場はリーチツモピンフイーペーコーをアガリ、そのままの勢いで11本場(流局4回)まで積む。

東場の山田、南場の藤崎。ここで大きく割を食ったのが吉田であった。
南2局4,000オールをアガって一矢報いたが、結果は6,500点持ちのラス。
2回戦で上下がくっきりと分かれる展開となった。

2回戦成績
藤崎+29.1P 吉田▲31.5P 近藤▲14.0P 山田+16.4P

2回戦終了時
山田+31.8P 藤崎+22.4P 吉田▲20.2P 近藤▲34.0P

 

 

3回戦【起家から 山田、近藤、藤崎、吉田】

上下が少し離れた展開となって迎えた3回戦。
東1局、吉田が三色のテンパイを入れる。

一万二万三万一索二索三索九索九索一筒二筒三筒八筒八筒  ドラ三万

1シャンテンの形は

一万二万三万一索二索九索九索一筒二筒三筒四筒五筒八筒八筒

ここから四筒五筒ターツ落とし。これは八筒を生かして純チャン三色まで見た吉田らしい高打点の手組。
ただ、進行を遅らせたことによって他家の手が進んで4人がぶつかる展開となってしまう。
近藤が七対子、山田が鳴きテンパイのチャンタ三色でテンパイ。
吉田が三色ピンフで受けていたならアガリ牌となっていた六筒を近藤が切った直後に藤崎もテンパイ。

三万三万四索四索六索六索四筒四筒六筒七筒七筒北北

今通ったばかりの六筒が山にいて、なおかつ他のテンパイ者が止めないことを見越して白切りリーチを敢行する。
これを即ヅモして、藤崎は3,000・6,000の大きな収入を得た。

4人攻めの状態で、このような見事なアガリで制されたとあっては、さすがの猛者3人の勢いも枯れるのではないか?
観戦している身としてそのように思ったことが浅はかであったことを知るのにさほど時間はかからなかった。

東2局1本場

五万六万五索五索五索六索七索五筒六筒七筒東東東  ツモ四万  ドラ五筒

親の近藤がアガリ、3,900は4,000オール

東3局0本場

五万五万六万六万七万七万八万一索二索三索四索五索六索  ロン八万  ドラ五万

吉田が藤崎から直撃。7,700

南1局0本場

二万三万四万六万六万五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ロン四索  ドラ四万

山田が近藤から直撃。11,600

南2局0本場

六万七万八万八万八万一索二索三索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ロン四索  ドラ八万

リーチの近藤が藤崎から直撃。12,000
なんとこの時点で藤崎が17,100持ちのラス目となってしまった。
その後も藤崎はアガリを拾うことはできず、藤崎とともに先行していた山田も沈み3回戦は終了した。

3回戦成績
山田▲14.9P 近藤+27.5P 藤崎▲22.9P 吉田+10.3P

3回戦終了時
山田+16.9P 藤崎▲0.5P 近藤▲6.5P 吉田▲9.9P

 

 

4回戦【起家から 藤崎、近藤、吉田、山田】

前を走る藤崎・山田の2名が3回戦でマイナススコアを取り、一気に混戦となり迎えた4回戦は先ほどまでの混戦とは打って変わって小さな動きで東4局まで進んだ。
ドラ2の手で本手に仕上げたいが間に合わないとみた山田が形式テンパイで粘って迎えた1本場。
前局の粘りをここで活かすべく、役牌ドラ待ちのシャンポンリーチを打つ。

三万三万四万五万六万六筒七筒七筒八筒八筒九筒中中  ドラ中

安めではあるが三万をツモり、3,900は4,000オールで先頭に立つ。

続く2本場では藤崎のこのアガリが飛び出す。

二万三万四万四万五万南南中中中  暗カン牌の背発発牌の背  ロン三万  ドラ八万

放銃したのは近藤。3回戦で縮めた藤崎・山田との差がここにきてまた開いてしまった。

このまま2対2の形で最終戦を迎えることになるのかと思われた矢先、南3局で事件が起こる。

一万二万三万一索一索七索八索中中中  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ドラ中

山田のこのテンパイに九索で飛び込んだのは藤崎。
近藤・吉田の2件リーチがあるにもかかわらず、鳴きながら攻めドラの中まで切り飛ばす山田に最大の警戒をしていた藤崎であるが完全に手詰まり状態。

この放銃で、山田が1人上に抜けて3人で残りの1席を争う展開で最終戦を迎えることになった。

4回戦成績
藤崎▲2.9P 近藤▲18.3P 吉田▲11.2P 山田+32.4P

4回戦終了時
山田+49.3P 藤崎▲3.4P 吉田▲21.1P 近藤▲24.8P

 

 

5回戦【起家から 近藤、山田、吉田、藤崎】

5回戦東1局は、どうしてもトップを取りたい近藤と吉田の染め手合戦となった。
近藤、3フーロして以下の形から三索切り高め取りテンパイ。

二索二索三索北北  ポン発発発  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  打三索

吉田も近藤の危険牌を次々と切り飛ばして以下のテンパイにたどり着く。

一筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒  暗カン牌の背西西牌の背  リーチ

火の出るような力強いリーチ。
近藤のもとに一筒が転がり込み、8,000の放銃。

この1局は近藤・吉田のお互いの命運を分ける1局となった。

点棒的には小さな動きで迎えた東4局1本場。
ここをチャンスと見た吉田はしっかりと面前で手を進め、以下のテンパイでリーチを打つ。

二万二万六万七万八万五索六索七索六筒六筒六筒南南  ドラ八万

吉田に迫られた親の藤崎はリーチ前から柔軟な2シャンテン戻しの手順で押し返せる形を作っており、すぐに追いつきヤミテンのタンヤオで粘る。

三万四万五万六万七万七万三索四索四索四索六索八索五筒六筒  打七万

最終形
二万三万四万五万六万七万三索三索四索四索四索五筒六筒

だが、ここは勢いに乗る吉田が南をツモり、1,300・2,600は1,400・2,700(供託2,000)のアガリでついに藤崎を逆転する。

南1局以降は大きな点棒の動きはなく、テンパイ料で藤崎が浮きに回り吉田を逆転した状態で南3吉田の親番を迎える。

吉田の先制リーチに対して、藤崎も鳴いてテンパイを入れ後がない近藤も追いかけリーチを打つ。
吉田が五索八索待ち、近藤が二索五索待ち。鳴いた藤崎も2人の待ちの五索を止めて単騎で粘ったが、吉田のツモアガリ2,000は2,400オールで再逆転。

藤崎は次局も山田への放銃で点棒を減らしたが、オーラスの親での連荘で吉田を逆転。
吉田は1,000・2,000条件であったが、先頭を行く山田がツモアガリ終局を迎えた。

5回戦成績
近藤▲28.5P 山田+1.9P 吉田+19.9P 藤崎+6.7P

5回戦終了時
山田+51.2P 藤崎+3.3P 吉田▲1.2P 近藤▲53.3P

逆転に次ぐ逆転の最終戦を経て、勝ち残ったのは山田と藤崎の2名となった。