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グランプリ レポート

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第3期グランプリMAX ベスト8レポート

2013/03/21
執筆:古橋 崇志


第3期グランプリMAXもいよいよ佳境に入る。
灘・小島を筆頭とする歴戦の猛者を相手に、若手の(この中では)西川・勝又がどう立ち向かうのか。
決勝の椅子を賭けた闘いが今始まる。

1卓:古川孝次 西川淳 灘麻太郎 藤崎智

gpmax
左から藤崎智、灘麻太郎、古川孝次、西川淳

2回戦、静かな立ち上がりであったが、迎えた東3局、局面が一気に動き出す。
灘の8巡目、

三万三万六万七万五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒中  ドラ七索

跳満まで見える1シャンテンになったかと思えば、西川が同巡にリーチ!

四万五万六万七万七万三索四索五索六索七索六筒七筒八筒  リーチ

7,700確定の3面張である。この2人の戦いかと思ったのも束の間「ツモ」の声。
手を開いたのは息を潜めていた藤崎であった。

二万三万七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒三筒  ツモ一万

この3,000・6,000でトップ目に立つと、東4局、

二万三万四万二索三索四索二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  ロン五筒  ドラ七筒

またしてもヤミテンで、灘から五筒を討ち取り点棒を5万点近くまで伸ばす。

南1局、藤崎に待ったをかけたい親番の西川。
3巡目に、2つ仕掛けて以下の形。

四万四万三筒東南中中  ポン五万五万五万  ポン一索一索一索  ドラ三索

この仕掛けを見てか、南家の古川も動き出す。

四索五索六索七索七索九索九索発発発  チー一索二索三索

さすがに仕掛けに関しては古川が1枚上手か。程なくして九索をツモリ2,000・4,000。
南2局、波に乗ってきた古川が、

二万三万四万六万七万八万八万八万四索五索六索五筒六筒  ロン七筒  ドラ四索

藤崎のお株を奪うヤミテンで、その藤崎から直撃する。
このアガリで、古川と藤崎の2人浮きと思われたが、そう簡単に終わらせないのが百戦錬磨のカミソリ灘。
オーラス。

九万九万二索二索三索九索九索四筒四筒九筒九筒南南  ドラ二索

わずか4巡でこのテンパイをすると何と即リーチ!終盤に、力強く三索を引き寄せ6,000オール。
古川を捲り藤崎に肉薄する。
1本場で1,500は1,800、2本場で1,500は2,100と小刻みにアガリ迎えた3本場。

二万二万五万六万四索五索六索五筒七筒八筒南南南中  ドラ四索

なんと配牌1シャンテン。2巡目に九筒を引き入れリーチ!
3巡目に南を暗カンして5巡目にツモ!

二万二万五万六万四索五索六索七筒八筒九筒  暗カン牌の背南南牌の背  リーチ  ツモ七万  ドラ四索

4,000は4,300オールで6万点を超えるトップ。
藤崎・古川共に随所に持ち味を発揮したが、終わってみれば灘圧巻の半荘であった。

2回戦成績
灘+41.6P  藤崎+14.1P  古川▲13.1P  西川▲42.6P

3回戦も灘が止まらない。
2回戦の勢いそのままに連続トップを取り以下の成績。

3回戦終了時成績
灘+65.5P  藤崎+24.4P  古川+13.4P  西川▲103.3P

残り2回戦となったが、実質、藤崎・古川の2着争いであろう。
古川の起家で始まった4回戦、東1局1,600オール、1本場に1,300は1,400オールをアガると、
2本場、

二万三万四万六万七万東東  加カン中中中中  加カン発発発発  ツモ五万  ドラ六筒

4,000は4,200オールをツモりアガリ早くも5万点を超える。
東4局2本場には、10巡目に高目三色のリーチを西川から討ち取る。

二万三万四万三索四索二筒三筒四筒六筒七筒八筒南南  リーチ  ロン二索  ドラ二万

南1局にも2,600オールをツモると、南1局1本場8巡目にこのリーチ!

一万二万三万六万七万八万七索八索五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ一万  リーチ

安目ながら九索をツモり2,600は2,700オールで6万点を超え、1人浮きの大トップをものにした。

4回戦成績
古川+47.8P  灘▲10.3P  藤崎▲14.5P  西川▲24.0P

4回戦終了時成績
古川+61.2P  灘+55.2P  藤崎+9.9P  西川▲127.3P

古川・灘が絶対有利の最終戦、藤崎が最後の最後まで粘り、オーラス1,300・2,600ツモ条件まで迫ったものの、
流局しここで涙を飲んだ。灘・古川に共通するのが鳴きで、流れを持ってきて最後は門前で決めるところだ。
自分の勝ちパターンで完勝した両名にトッププロの真髄を見た。

勝ち上がり:灘麻太郎 古川孝次

 

2卓:勝又健志 瀬戸熊直樹 前原雄大 小島武夫

gpmax
左から瀬戸熊直樹、前原雄大、勝又健志、小島武夫

1回戦、親番の前原が早速「らしさ」を見せる。
東1局2本場8巡目、

六万七万三索四索四索六索六索六索七索八索八索四筒五筒  ドラ五筒

三筒チー打七索、次巡、ツモ二索四索

六万七万二索三索四索六索六索六索八索八索  チー三筒四筒五筒  ロン八万  ドラ五筒

8巡目で両面チーをする打ち手は少ないと思う。
しかし、前原の中では点数ではなく状態・流れを意識した仕掛けなのだろう。

南1局、ここまでノーホーラの勝又だったが、わずか3巡目でこのリーチ。

五万一索一索四索四索六索六索五筒五筒八筒八筒中中  ドラ五万  リーチ

これを一発でツモり上げ、3,000・6,000と大きな初アガリとなった。
南2局、勝又に触発されたのか、小島も8巡目リーチを一発ツモ!

七万七万八万八万九万九万五索五索三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ五筒

しかし、最後はやはり前原が締めた。オーラス5巡目、

五万六万七万九万九万三索四索四索五索五索六索二筒四筒  ドラ六万

この手を当然の様にリーチと行き、当然の様にツモる。
前原が自らの勝ちパターンで幸先の良いスタートを切った。

1回戦成績
前原+15.2P  勝又+9.1P  瀬戸熊▲6.3P  小島▲18.0P

3回戦、東場は小場で進み迎えた南2局、小島が5巡目にリーチ。

六万六万七万七万二索二索五索五索六筒六筒七筒七筒南  ドラ七筒

リーチを受けた親番の前原が動き出す。あっという間の3フーロで以下の形。

八万七索八索九索  チー二索三索四索  チー一索二索三索  ポン白白白  ドラ七筒

この仮テンをあっさりとツモり500オール。
1本場で2,600は2,700オールをツモると、2本場6巡目で手変わり待たずの押さえ込みリーチ。

一万二万三万七万八万九万四索四索四索五筒五筒六筒六筒  リーチ  ドラ南

前原と幾度となく激闘を繰り広げてきた瀬戸熊。10巡目に以下の手牌。

一筒二筒三筒四筒四筒六筒六筒七筒八筒九筒南南白  ドラ南

親リーチで先制されるが、ここが勝負所と踏んだか無筋を連打。
しかし、流局濃厚な15巡目、ラス牌の五筒を前原が力強く叩きつけ1,000は1,200オール。
点数以上に、流れを引き寄せる価値のあるアガリである。これが前原の勝ちパターンであろう。

オーラスを迎え、トータルラス目の親番・瀬戸熊。絶対に落とせない親番で何とダブリーの手が入る。

四万五万五索六索七索一筒一筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ダブルリーチ  ドラ五筒

しかし、小島も2巡目に追っかけリーチ。

七万八万九万一索三索五索六索七索九索九索発発発  リーチ  ドラ五筒

アガれば30,000点を越えるだけに、ツモにも力が入るが、無情にも三万を掴み11,600の放銃となってしまった。
瀬戸熊は1本場に2,000は2,300をアガリトップ目となるが、立ちはだかったのはやはり前原。
オーラス2本場、

二索三索四索六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ北

これを瀬戸熊から直撃し、この半荘をトップで終える。

3回戦成績
前原+17.5P  瀬戸熊+6.7P  勝又+2.8P  小島▲27.0P

3回戦終了時成績
前原+23.3P  勝又+21.2P  瀬戸熊▲18.9P  小島▲25.6P

4回戦、瀬戸熊・小島は最終戦に望みを繋ぐ為にも、絶対にラスは引けない半荘となるが、結果は小島のトップ。
瀬戸熊は1人沈みのラスを引いてしまい三冠の夢はここで潰えた。

4回戦終了時成績
勝又+25.9P  前原+25.0P  小島+7.0P  瀬戸熊▲57.9P

5回戦、やはり場をリードするのは前原と勝又。東1局、前原が3巡目リーチ。

二万三万四万五万五万七万九万七索八索九索南南南  リーチ  ドラ白

そして勝又が5巡目に追っかけリーチ。

二索三索四索六索七索八索三筒三筒三筒五筒五筒六筒七筒  リーチ

勝又が圧倒的有利かと思われたが、7巡目に八万を掴みここは前原に軍配が上がる。
東2局、今度は勝又が魅せる。6巡目に以下の形。

一万二万三万三万四万五万五万七万七万七万九万白白  ツモ七万  ドラ東

場には八万が1枚切れ、九万が1枚切れ、六万は生牌。ここで勝又は、打五万としカン八万のテンパイを取る。
8巡目、瀬戸熊の切った白をポンし打七万

一万二万三万三万四万五万七万七万七万九万  ポン白白白

しかし同巡、瀬戸熊から親リーチが入ってしまう。そしてツモ六万三万が現物だけに、打三万の高目一通のテンパイに取るのだろうと思ったのも束の間、勝又はノータイムで打九万とし、フリテンの5面張に受ける。
対局後勝又は語る。

「あの場面で、6巡目に前原さんが打九万とした時に、八万はトイツ以上だと読めた。
どうせ瀬戸熊さん以外からは出ないのだから、ツモり易い待ちに受けるのは当然でしょ?」

次巡、読み通り二万を手元に引き寄せる勝又。
ここへ来て、その読みの精度は更に冴え渡っている。

そして最後に小島が魅せてくれた。オーラスを迎え、トップ目は勝又、2着目に前原。
3着目の小島の条件は、前原からの満貫直撃か跳満ツモ。絶対に放銃できない前原は、配牌オリを選択。
14巡目、小島から力強いリーチの声。

三万四万四万五万六万三索四索五索五索六索七索八索八索  リーチ  ドラ五万

リーチが入った瞬間、観戦記者としての仕事を忘れ、純粋に1人の麻雀ファンとして魅入ってしまった。
小島なら五万をツモってしまうのではないか。ギャラリーもそう思ったであろう。
もしかしたら、前原でさえそう思ったかも知れない。

結果は流局であったが、小島武夫の圧倒的存在感を見せ付けた1局であった。

5回戦成績
勝又+14.5P  前原+4.6P  小島▲5.5P  瀬戸熊▲14.6P

勝ち上がり:勝又健志 前原雄大

 

王位戦4連覇の灘。
鳳凰戦3連覇の古川。
十段戦3連覇の前原。
歴史に名を刻んできたトッププロ3名に、連覇を賭け勝又が挑む。

gpmax 灘麻太郎
gpmax 古川孝次
gpmax 前原雄大
gpmax 勝又健志

新たな時代の幕開けとなるのか。王者を決める物語はいよいよ最終章を迎える。