グランプリ レポート

第11期グランプリMAX決勝戦二日目レポート

~稀に見るシーソーゲーム! 激闘の果てに勝ち残った者は!?

3/20(土) グランプリMAX最終日が行われた。 

 

 

 

グランプリMAXは、昇段の際に用いられるポイントをランキング化し、ランキング上位者と、現タイトルホルダーが一堂に会する、今年を締め括るタイトル戦になっている。

決定戦初日を終え、ポイントは以下の通り。    

 

 

 

 

 

本田朋広 初日1位+64.4P  

 

 

 

山田浩之 初日2位+35.0P  

 

 

 

沢崎誠 初日3位▲45.6P  

 

 

 

柴田吉和 初日4位▲53.8P  

本日、最終日に、5.6.7.8回戦が行われ、トータルポイント1位が優勝者となる。
逃げる本田と、追う3者。果たして、本田を捉える事が出来るのであろうか。

 

 

 

実況は、お馴染み日吉辰哉。
解説は藤崎智、瀬戸熊直樹が努める。 

初日同様、立会人、ともたけ雅晴の合図で、5回戦が開始された。 

 

 

 

5回戦。

東1局、山田がこのアガリ。  

 

 

   

親被りが本田で、いきなりトータルポイントを逆転してしまった。

それだけでは終わらなかった。
次は、初日の鬱憤を晴らすかの様に柴田が12,000  

 

 

 

打ち込みに回ってしまった沢崎も、山田から8,000。 

 

 

 

大物手が乱舞する展開に、置いて行かれたのが本田。
次は私が、と大物手のテンパイを入れるも、

 

 

 

アガったのは山田。

本田に試練の時が訪れる。

5回戦は、山田・柴田・沢崎・本田の順となり首位は山田に。

6回戦
逆転した山田。ポイント差は35.3P。決して小さく無い差である。
更に離す事が出来れば、悲願の優勝にぐっと近づく。

東4局、山田の仕掛けが思わぬ伸びを見せ、ホンイツの柴田から7,700。

 

 

   

この半荘においても本田の上に立つ。
しかし、南1局。同じく思わぬ伸びを見せた本田の手に山田が8,000の放銃。

 

 

 

それが響き、沢崎・本田・柴田・山田の順で6回戦終了。

7回戦
東3局、山田・本田・柴田の手がぶつかり、山田から柴田に5,800は7,000の放銃。 

 

 

 

これにより、本田がトータルトップに返り咲く。
だが次局、山田が柴田から5,200は6,700をアガリ返して、再び首位に。 

 

 

 

首位を巡り、一進一退の激しい攻防が繰り広げられたが、最後に抜け出したのは本田。

トータル首位で最終戦に臨む事となる。

最終戦
本田と、山田の差は9.4P。
2人の戦いは、山田リードで南場に入っていた。
沢崎・柴田の条件があまりに厳しいものだったから、正直このままオーラスまで向かうものだと思っていた。

しかし、レジェンド沢崎、最後の親番で、諦めない事の大切さを見せ付けてくれる事になる。
沢崎の親番が続いていく。50,000・60,000・70,000 山田は懸命に立ち向かって行く。しかし沢崎の親を落とす事が出来ない。

2本場71,000持ちの親沢崎は三色リーチを打った。牌音は高く美しかった。まさかを期待させる力強さがあった。 

 

 

 

ファンを背負う、トッププロの執念。

そこに本田がぶつけていく。暗刻のドラを切って追いかけリーチ!。逃げない姿勢。現グランプリの意地。決着は一瞬だった。

 

 

 

 

 

本田・山田に肉薄する。

南3局、山田にツモれば、2.000・3.900の勝負手が入る。 

 

 

 

そこに、親柴田のリーチが飛ぶ。

 

 

  

暗刻筋を勝負して向かう山田。しかし次の無筋で動きが止まる。 

 

 

 

実況の日吉が叫ぶ。山田の決断はオリ。
柴田の次の牌は、皮肉にも山田の当たり牌であった。 

 

 

 

執念の連荘を続ける現十段位柴田であったが、その親も終わりの時が訪れる。
柴田のリーチに、本田が仕掛けて応戦。結果は本田が制した。あまりに大きい、発・ドラ3であった。 

 

 

 

オーラス、山田の条件は、2.000・3.900。
懸命に手を作る山田であったが、その手が開かれる事は無かった。

第11期グランプリMAX優勝者は、本田朋広の連覇で幕を閉じた。 

 

 

 

ずっと息が苦しかった。やっと息が吸える。と本田は語った。
ポーカーフェイスの向こうで、自分と闘い続けていたのだろう。戦いから解放された、爽やかな笑顔を見せてくれた。

 

 

 

仲間への思い。そして、力強い言葉を残して、インタビューが終了した。 

 

 

 

最後に森山会長の挨拶の言葉で、第11期グランプリMAXが締め括られ、今年度のタイトル戦がすべて終了した。

 

 

  

凄まじい戦いであった。内容・ドラマ性・表情、どれを取っても皆さんの心に強く残ったのでは無いかと思う。
まだ見ていない方が居たら、是非、映像で見て欲しい。素晴らしい感動が待っている事と思う。

(文:船木伸一)