プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記

第37期鳳凰位決定戦二日目観戦記 HIRO柴田

1週間、各々がどのように過ごしたのであろう、動画を見返し対策を練る者や、イメージを大事に挑む者。
それぞれが自分に合った過ごし方を選び長いようで短い1週間が経過した。4者のポイントはこうなっている。

佐々木+66.0P 勝又+11.5P 沢崎▲29.1P 藤崎▲49.4P

首位で初日を終えさらなるリードを狙う佐々木。それを追う勝又、藤崎、沢崎は、まずマイナスをといったところか。
鳳凰位決定位戦2日目の始まりである。

 

100

 

5回戦 (起家から、藤崎・勝又・佐々木・沢崎)

東1局、まずは北家沢崎の仕掛けから始まる。

沢崎
一筒一筒二筒四筒五筒六筒八筒九筒白白  ポン中中中  ドラ五索

沢崎7巡目にして1シャンテンのチャンス手と思ったが二索をツモると打二筒と面白い手を打った。
場には七筒が2枚三筒が1枚、自身の手出しは四筒北東二筒でポン材の一筒白は厳しいが、それをポンできた時の二索切りは相手の読みをずらすのには効果的だ。その様々な意図を我々視聴者は考えさせられただろう。
すると沢崎の次のツモは三索で、ここは打点よりもアガリ易さを重視と判断し八筒九筒と外していく。

藤崎
五万六万七万五索五索八索八索八索一筒二筒三筒三筒四筒  リーチ

すると同巡に親の藤崎がドラを雀頭にしてのリーチ。藤崎にとってここは好スタートを切りたいところ。

沢崎
一筒一筒四筒五筒六筒白白  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン中中中  ロン白

ホンイツのアガリまでは牌の枚数は厳しいと舵を切り替えた沢崎。二索残しから見事にアガリに繋げる。一方の藤崎は感触の悪い立ち上がりとなった。

東3局

佐々木
一万一万二万二万三万四万六万七万二筒白  ポン南南南  ドラ二万

親番の佐々木は4巡目にドラ2枚持ちのチャンス手。これを2枚目の南をポンしてホンイツへ向かうと、

佐々木
一万一万一万二万二万二万三万四万六万七万  ポン南南南

藤崎
三万四万五万三索四索五索六索六索二筒三筒四筒九筒九筒  ツモ六索

ドラの二万一万と引き入れ、満貫の勝負手となる。今局、佐々木に対抗できそうな2番手に付ける者でもアガリは厳しく、今にも佐々木のツモアガリになりそうな雰囲気ではあったが、配牌では4番手だった藤崎が、最後のシャンポン選択で正解を導き出し300・500の価値あるツモアガリとなった。

南1局

勝又
三万五万六万七万八万一索二索五索五索九索九索九索三筒五筒  ドラ五索

誰一人抜け出すことができないで迎えた南1局、南家の勝又が僅かな少考を入れた。
場には四万が1枚、下家の佐々木は少しマンズを多く切っていて、河には四索も置いてある。
それをみた勝又の選択は、ドラ色のペン三索を残した打五筒となった。

勝又
三万四万五万六万七万八万一索二索五索五索九索九索九索  リーチ

すぐに四万を引き入れペン三索待ちのリーチを打つ。狙いの三索は見事山に3枚残っていた。

佐々木
一筒二筒三筒五筒六筒七筒九筒東東東  チー三筒 左向き一筒 上向き二筒 上向き  ロン九筒

しかし、ここは佐々木が勝又のリーチ宣言牌である三筒を仕掛け、親の藤崎から2,000をアガる。これで佐々木が31,600のトップ目に。

南3局

佐々木
五万六万七万一索三索四索四索五索七索八索九索六筒六筒

4巡目にドラ六筒を重ねて一気に引き離す大チャンス。

沢崎
三万三万四万七万七万八万五索六索六索二筒二筒四筒四筒

藤崎
四万四万五万六万六万三索四索五索三筒四筒七筒八筒九筒

同巡に、沢崎・藤崎も1シャンテンとなり、小場となるこの半荘抜け出したいところ。テンパイすれば形に拘らずリーチまで考えていたはずだ。

 

100

 

勝又
三万三万九万九万三筒三筒三筒八筒八筒八筒  ポン白白白  ロン九万

この3者の1シャンテンを追い越すアガリとなったのは、親の勝又。三万が無くテンパイさえ厳しいと思われたが、自力で最後の三筒を引いてしまえば九万は絶好の牌である。
この勝又の7,700に捕まってしまったのは佐々木。まだまだ抜け出させないぞと、執念さえ感じさせられるこのアガリによって、5回戦は佐々木が1人沈みの4着となる。

5回戦成績
勝又+15.6P 沢崎+5.4P 藤崎+1.9P 佐々木▲22.9P

5回戦終了時成績
佐々木+43.1P 勝又+27.1P 沢崎▲23.7P 藤崎▲47.5P

 

6回戦 (起家から、佐々木・勝又・藤崎・沢崎)

 

100

 

東2局

勝又
六万七万八万三索四索四筒五筒六筒七筒七筒七筒八筒八筒  ドラ六筒

追う側にとって親でタンヤオドラ1リャンメンテンパイは絶好のリーチか?と思われたが勝又の選択はヤミテン。

藤崎
四万五万六万二索三索四索三筒三筒六筒六筒  ポン発発発

すぐに追いつくは南家の藤崎だが、

勝又
六万七万八万三索四索四筒五筒六筒六筒七筒七筒七筒八筒

ここは勝又の好判断で、藤崎の待ち牌である六筒八筒を入れ替え11,600へ変化。
最初のテンパイでリーチと打てばここで終わっていた局だけにもうどうなるかわからない。

沢崎
二万三万四万四万五万六万八万八万二筒三筒  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き  打九索

最後のツモ番である沢崎の選択も面白い。下家の佐々木が守備に転じているのを察してか、自身のハイテイアガリより、佐々木を苦しめてのテンパイ維持となる喰い替えを選択。
ハイテイ牌は勝又のアガリ牌であったので沢崎もここは好判断となり、皆が正解の判断を選び続けた結果、佐々木にとっては痛い1人ノーテンとなった。

東2局 1本場

勝又
三万三万六索七索八索二筒二筒二筒三筒四筒五筒七筒九筒  ドラ七索

六索七索八索二筒二筒二筒三筒四筒五筒七筒  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き

沢崎
二万二万二万四万五万六万八万八万五索六索七索五筒六筒  リーチ  ロン七筒

続く1本場では、親の勝又がメンゼンカン八筒のテンパイから、三万をポンしてタンヤオドラ1の六筒七筒待ちへ変化させるが、局面は長引き雲行きが怪しくなると沢崎からリーチが来る。
沢崎の6巡目の五筒が効いたのか、勝又四筒を掴むも現物三筒とせず自らのアガリを重視し七筒での5,200放銃となった。

南3局1本場

佐々木
三万四万六万六万六万二索三索四索二筒三筒四筒発発  リーチ  ドラ北

藤崎
四万四万四万五万六万七万五索六索七索八索九索五筒五筒  リーチ  ロン七索

佐々木が高め三色に振り替えてリーチを打てば、それならばと親の藤崎もリーチのみではあるが応戦し2,000をアガる。

南3局2本場

勝又
四万五万二索三索四索九索九索九索一筒一筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ六筒

藤崎
二万二万三万四万五万七万八万九万二索三索四索六筒七筒  ツモ八筒

次局も勝又のリーチをかいくぐり、藤崎1,300オールのツモアガリでこの6回戦はトップとなった。

6回戦成績
藤崎+20.1P 勝又+9.5P 沢崎▲8.3P 佐々木▲21.3P

6回戦終了時成績
勝又+36.6P 佐々木+21.8P  藤崎▲27.4P 沢崎▲32.0P

 

7回戦 (起家から、勝又・藤崎・沢崎・佐々木)

勝負手がなかなか決まらない佐々木が連続4着になり勝又が首位に立った。
藤崎・沢崎もこれを機に浮上を狙いに来るであろう。

 

100

 

東2局に沢崎がこの3,900を勝又からアガると、

東3局親番の沢崎が

六万六万六万八万八万五索六索  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ロン七索  ドラ南

二筒三筒八筒八筒  明カン四万 上向き四万 上向き四万 上向き四万 上向き  ポン発発発  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ロン一筒  ドラ九索

二万三万四万六万七万八万九万九万四索五索五筒六筒七筒  ロン六索  ドラ九万

この4連続のアガリで持ち点を42,200伸ばすと他の3人も黙ってはいない。

東3局3本場

佐々木
二索二索二索五索六索七索八索九索三筒三筒六筒六筒六筒  リーチ  ドラ六筒

佐々木がこのリーチを打つと、勝又・藤崎も見事な立ち回りで対応する。

勝又
六万七万八万八索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  暗カン牌の背一万 上向き一万 上向き牌の背

藤崎
二万三万四万四万五万六万北北中中  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き

これで沢崎は1人ノーテンで親を落とす。

次局、東4局4本場も、

藤崎
六万七万八万二索三索四索四筒五筒六筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ドラ六筒

佐々木
七索七索二筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒八筒  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き

勝又
五索六索七索三筒五筒六筒七筒八筒東東  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き

藤崎のピンフドラドラリーチに、親の佐々木も応戦。北家に回った沢崎も、佐々木へのケアを考えればやりにくいはずだ。
そして勝又もうまく立ち回り、沢崎にとって痛恨の連続1人ノーテンになった。

南4局

北家の沢崎が2枚目の五筒をポンとして打二万のこの形。

四万二索四索三筒三筒六筒白発発中  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  打二万  ドラ一筒

現状藤崎が36,500持ちトップ目、沢崎は31,400、トータルで浮いている勝又・佐々木は沈んでいるが、なにやら大人しく終わる気はない雰囲気。

沢崎
四万四万三筒三筒白白中  ポン発発発  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き

勝又
二索三索三索四索六索七索八索白白中  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き

勝又・沢崎共に仕掛けが空回りしだして抜け出したのはこの男。

 

100

 

佐々木
七万八万九万七索八索九索九筒  チー八筒 左向き七筒 上向き九筒 上向き  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ツモ九筒

荒れ模様のこの半荘、見事に最後の九筒をツモアガリ佐々木がトップを取る。

7回戦成績
佐々木+20.6P 藤崎+10.9P 沢崎▲7.4P 勝又▲24.1P

7回戦終了時成績
佐々木+42.4P 勝又+12.5P 藤崎▲16.5P 沢崎▲39.4P

 

8回戦(起家から藤崎・勝又・沢崎・佐々木)

東1局1本場

藤崎
三万三万八索八索八索三筒四筒五筒七筒八筒九筒発発  リーチ  ドラ四筒

流局スタートの1本場、親の藤崎が三万発のシャンポンリーチを打つ、その宣言牌は四万だ。
字牌が良しと見たか、それとも打点を見たのか、私はこういう選択をした時の藤崎はアガった場面しか見たことがない。

沢崎
四索五索六索六索七索四筒四筒五筒六筒七筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ツモ五索

ここは沢崎も高打点チャンスの場面ではあったが、藤崎がリーチならばと現物の四万をチーして、あっさり五索をツモり1,000・2,000のアガリとなる。

東2局

佐々木
二万五万五万六万八万五索六索七索七索八索一筒八筒中  ツモ四万  ドラ四万

配牌からのツモが良好となり以下となる

佐々木
二万三万四万四万五万五万六万四索五索六索七索七索八索

四万三万四万四索と一気に跳満まである1シャンテンとなったが、佐々木を止めるカウンターを放ったのは勝又。

 

100

 

勝又
五万六索九索三筒四筒五筒六筒七筒七筒南北北北中  ドラ四万

ホンイツは見えるが、配牌にスピード感は無かった勝又だが、ピンズのツモが良好となる。

勝又
二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒北北北  ロン七筒

佐々木が六筒八筒と外すと、次に持ってきた七筒が勝又への7,700の放銃となる。

東3局2本場

沢崎
二万三万三万四万四万五万八索九索四筒五筒六筒西西  リーチ  ドラ八索

親の沢崎がリーチ。下家の佐々木がソーズのホンイツだが、ここで手を緩めるわけにもいかないはずだ。

藤崎
二万三万四万五万五万七万八万九万七索八索七筒八筒九筒  リーチ

藤崎もここで勝負リーチ。高め九索はまだまだ山にある。

勝又
六万七万八万一筒一筒二筒三筒三筒六筒七筒八筒白白  ツモ七索

勝又もテンパイを入れてはいたが、佐々木のホンイツ、藤崎、沢崎のリーチに対して持ってきた七索はキツい牌でここまでか。

 

100

 

佐々木
三索三索三索五索六索七索八索九索発発  ポン中中中  ロン四索

この全員テンパイを制したのは佐々木。先ほどの放銃をものともしない7,700のアガリだ。

南1局1本場

勝又
一万二万三万五万六万七万四索五索六索三筒三筒東東  リーチ  ツモ三筒  ドラ東

勝又がこの2,000・3,900をアガると。

南2局
勝又
二万五万七万九万一索六索一筒二筒六筒東東北白中  ドラ三万

親番でこの難しい配牌を丁寧にまとめ4,000オールに仕上げる。

勝又
二万三万五万六万七万一索一索東東東白白白  ツモ四万

これで勝又の持ち点は50,000点を越え1人浮きとなり、再び佐々木のトータルポイントを抜く。

南2局1本場

勝又
三索三索三索五索六索七索南南白白  ポン中中中  ドラ北

親の勝又はさらに畳み掛け満貫のテンパイを入れる。これを佐々木から直撃できれば大きなリードとなる為、佐々木のリーチに真っ向勝負だ。

 

100

 

佐々木
二万三万四万七万八万九万五筒六筒七筒七筒七筒北北  リーチ  ロン北  ドラ北

佐々木も覚悟は出来ている。だからこそ討ち取ることが出来るのであろう。勝又から北のアガリとなり、佐々木8回戦は浮きの2着で首位キープのまま2日目を終えた。

8回戦成績
勝又+27.3P 佐々木+5.9P 藤崎▲12.1P 沢崎▲21.1P

8回戦終了時成績
佐々木+48.3P 勝又39.8P 藤崎▲28.6P 沢崎▲60.5P