プロリーグ(鳳凰戦)レポート

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第30期プロリーグ A1 第8節レポート

日本プロ麻雀連盟では、第8節からAリーグの対局を日本プロ麻雀連盟チャンネルで生放送することとなった。結果はもうファンの皆様もご存知かと思うが、少し振り返ってみたい。
3卓12半荘の中で2回の役満が生まれた。まずは藤崎。メンゼン大三元をアガリ降級ポジションから逃れ、一気に決定戦進出の可能性が残る位置まで浮上してきた。上位卓までは届かなかったものの、3位との差が47.2ポイントならば、最終節大きくプラスをすることで3位・柴田、4位・朝武にプレッシャーをかけることができる。2年連続の決定戦進出に期待がかかるところである。
そして沢崎。なんと
二万四万二索二索三索七索八索九索七筒南西北北  ツモ東
この配牌から国士無双のアガリ。道中で北を1枚外したためにフリテンの形にはなったが、13メン待ちとなってのツモアガリは見るものを興奮させた。一度は伊藤にトータル首位の座を奪われたが、見事に再逆転。ポイントも189.3Pまで伸ばし、決定戦進出の当確ランプを灯した。
やはり注目を集めるのは、上記の役満のような大物手ではあるが、ここで生放送だからこそ伝わるA1ならではの技術の詰まった1局をご紹介したいと思う。
C卓3回戦南2局(親・望月11.100、南家・ダンプ24.700、西家・伊藤42.600、北家・沢崎41.600)
8巡目、親の望月が
二万三万七万八万九万一索一索二索一筒一筒三筒南南  ドラ六筒
ここから一索をポン。この牌姿から一索をポンするのは望月のフォームではないが、2回戦が終わって▲17.9、この半荘も11.1持ちと苦しく何とか連荘して活路を見出そうという仕掛けである。
すぐに一万もチーすることができて、
七万八万九万一筒一筒南南  チー一万 右向き二万 上向き三万 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き 
このテンパイを入れる。
すると10巡目、トータルでも今半荘でもトップに立つ伊藤が、
九万九万七索八索九索六筒六筒八筒九筒南南白白 
ここから七筒をチーして打九万とする。
親の望月の2フーロ後に伊藤が仕掛け返したならば、本手と読むのが自然であろう。
この状況でリスクを冒してプレッシャーをかけにいくとは到底考えられず、ノーテンならば打点があり、安手ならばチーテンと考えるべき局面である。
次巡の望月。ドラの六筒を引かされると一筒を切ってテンパイから一転受けにまわる。やはり伊藤の仕掛けが高打点濃厚な以上、一筒南のシャンポン待ちなうえ、アガれても高目2,900では、リスクとリターンが見合っていない。勝負はまだ先と判断した。また、ここまでの自身と伊藤との体勢の差もその判断材料であったであろう。
ここからは結果だが、次巡の望月のツモは白六筒を勝負していれば伊藤のマンガンツモアガリとなっていた。
15巡目。沢崎に十分形の1シャンテンが入っていたが、
二索三索四索五索六索七索八索九索二筒三筒四筒四筒五筒  ツモ白
白を引くと打四筒とする。沢崎もまた好調伊藤に楽はさせない。
ギリギリまで引きつける四筒切りはやはりプロの一打である。
望月、沢崎に白を止められた伊藤は、テンパイができず沢崎1人テンパイかと思われた17巡目。
伊藤は
七索八索九索六筒六筒東南南白白  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き
ここから九筒を引くと、安全牌の東を手出し。
沢崎はドラの六筒を引くと三筒を切って白単騎継続。
この時望月の手牌は、
三筒三筒六筒七筒南南白  チー一万 右向き二万 上向き三万 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き
こうなっていた。ここで望月は三筒をポンして形式テンパイを取り白切り。
これが沢崎に捕まった。
一索二索三索四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒白  ドラ六筒  ロン白
沢崎が四筒切りからの見事な打ち回しで5,200をものにした。
一方、放銃となった望月も、東手出しから伊藤ノーテンと読むのはごく自然であり仕方のない放銃と言えるであろう。むしろ、点数のない親番でテンパイから伊藤にポンテンの入る六筒を打たずに粘りにいったのは、一流の読みであったと私は思う。
やはりA1の戦いは見るものを惹きつける好勝負である。
いよいよ再来週、決定戦進出の3名が決まる。
最終節もA1リーガーが全てをかけた熱い戦いが繰り広げられるであろう。
次回、A1の対局は、12月9日(月)17:00から生放送配信予定です。
荒VS藤崎VS猿川VS望月
是非お楽しみに。