プロリーグ(鳳凰戦)レポート

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A1リーグ第1節 A卓レポート

鳳凰位から陥落し、グランプリで敗れ、自分の麻雀を少し見失っていた。
どういう麻雀を打って、僕は勝って来たのだろうと自問自答する毎日。
リーグ戦まで徹底的に基本を見つめなおした。
前々回、鳳凰戦に敗れ、リーグ戦の第一節を終えた時、決定戦に戻れるような気がした。
それは、打っている時に感じた感覚なので、どうしてそう思ったのかは解らなかった。
多分、鳳凰位だった二年間、少しだけ強くなっていたのだろう。
だが、前回と違い今回はどう思うのだろうか。
リーグ戦を迎えるまでの気持ちは、明らかに今回の方が良くない。
対戦相手は、近藤プロ、猿川プロ、勝又プロ。
近藤さんとは1年間リーグ戦で戦った事があり、猿川と勝又とは勉強会などを含め、対戦回数は充分にあったが、リーグ戦では初めての対戦となっていた。
近藤さんは昨年、前原さんとの降級争いに、500点差で競り勝っていたし、猿川もあわや
降級と言う場所まで追いつめられたが、踏ん張った。
勝又は、A2からの昇級組で勢いにのっている。
時の勢いという点では僕が一番ないと思っていた。
苦戦することが予想された。
対局にあたり、二つだけ注意する事をしっかり意識して臨んだ。
1つは、くだらない放銃をしないこと。勝負振りは仕方なし。
二つ目は、字牌の扱いを充分すぎるほど、丁寧にすること。
これ以上ない程の不安を抱えながら、開局となった。
1回戦、いきなり猿川が、2000オール、4000オールと引きアガリ、場を支配する。
僕の開局の配牌は、
一万三万一索五索八索八索二筒二筒二筒南西西北  ドラ二筒
いきなりのドラ暗刻だったが、実らず。
その後も、テンパイはするものの、アガリまで届かず、防戦一方となる。
いきなり我慢の時間帯が続く。
浮上のきっかけは、アガリから起こる場合が多いが、
しっかりした守備から変わる事もある。
きっかけとなったのは、東3局1本場ドラ二万の場面。
少し復調気配の近藤さんの親番だった為、近藤さんを見ながら手を進めていた。
7巡目、親の近藤さんの捨て牌は、
一索 上向き西北五万 上向き発八万 上向き白
手牌は、
二万二万四索四索五索六索七索八索九索四筒八筒九筒東
となっていた。やはりチャンス手だった。
同巡、僕の手牌は、
三万六万七万三索三索五索五索二筒二筒三筒五筒六筒白中
となる。
切る牌は二択。場に1枚顔を見せた白か、初牌の中
普段なら白を合わせるのだが、近藤さんマークもあり、中を打ち出した。
この辺りの字牌の処理が、AⅠではさまざまな事を引き起こす。
次巡、南家勝又が、以下の捨て牌でリーチときた。
九万 上向き七万 上向き七索 上向き南九万 上向き二筒 上向き一索 上向き五筒 上向き
この瞬間、僕の心の中は、「白単騎のチートイツだな」と感じていた。
いや、感じる事が出来た。
その後、近藤さんからもリーチが入り、僕の手牌の白も2枚となるが、
白をおろす事はなく流局。
この1局が大きな分岐点となった。
この白を放銃していれば、この日は違う結果になっていたと思う。
1回戦を沈み2着、2回戦を浮き2着と耐えて、2連勝してこの日の復帰戦を終えた。
充実感が広がった。もう一度、戦える事を確信した。
長年リーグ戦を戦って来たが、これ程対局を終えて、自分の麻雀人生でほっとする事も
珍しいくらい安堵していた。それ程追い込まれたいのだと思う。
負けを糧にして成長できた時、昔の自分を超える事が出来る。
あと何度自分を超える事が出来るか分らないが、
残り9節しっかり自分と向き合いながら、
大切に戦って行きたい。

A1 A2 B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3


第30期鳳凰位
藤崎 智
出身地(秋田)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 対局消化数 合計
1 近藤 久春(秋田) 55.3

4/40

55.3
2 柴田 弘幸(神奈川) 53.1

4/40

53.1
3 瀬戸熊 直樹(東京) 50.5

4/40

50.5
4 伊藤 優孝(秋田) 24.3

4/40

24.3
5 古川 孝次(愛知) 13.2

4/40

13.2
6 沢崎 誠(群馬) ▲9.3

4/40

▲9.3
7 勝又 健志(東京) ▲ 10.9

4/40

▲ 10.9
8 荒 正義(北海道) ▲ 13.2

4/40

▲ 13.2
9 望月 雅継(静岡) ▲ 20.4

4/40

▲ 20.4
10 前田 直哉(静岡) ▲ 23.4

4/40

▲ 23.4
11 朝武 雅晴(千葉) ▲ 24.3

4/40

▲ 24.3
12 猿川 真寿(静岡) ▲ 94.9

4/40

▲ 94.9

鳳凰位決定戦進出者 3名   降級者 2名
決定戦進出&降級ライン:順位枠内に表示
※同点の場合は期首順位が上の者を上位とする。