プロリーグ(鳳凰戦)レポート

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A1リーグ第4節レポート 仁平 宣明

第32期A1リーグ自戦記:仁平宜明
僕にとって6年ぶりのA1での対局。
ここまで3節を終えてまず最初に感じたのが、当然の事ながらレベルが高い。
わかりやすい一例をあげれば、自分が早い先制リーチをかけられたとしても、一対山になる事はほとんどなく、当り牌はおさえられて終盤にもう1人か2人来る。
みんながそれぞれ自分の型を持っているので、型にはまると止められなくなる。
その事を誰もが理解しているので、自分がそうなった時もなかなか一方的な展開にはさせてくれない。
誰もが人の心理状態を把握しながら打っている。
麻雀という根本的なものは変わらないのだが、この場に座った人は皆、同じ事を感じその違いを思い知らされるだろう。
それが連盟最高峰のA1リーグなのだ。
僕としては久々のA1リーグの感覚に嬉しい気持ちと、この中で結果を出さなければというプレッシャーが交差していた。
ここまで3節を終えてスコアは全てマイナス。
致命傷は受けていないし、対戦相手が強いにしてもどうも調子が出ていない。
踏み込みが浅かったり、放銃の形が悪いのが何度かあった事も、これまでの闘い方にどこか焦りがあったのではないかと思う。
今回の対戦相手は荒、沢崎、勝又。
荒さんには本当に大切な事を教えていただいたり、麻雀を観て学ばせてもらったものは計り知れない。
沢崎さんにも麻雀に留まらず、色々な事をご指導いただいている。
僕にとってお二人は目標であり、いつの日か越えたい高い壁だ。
勝又君は昨年A1に昇級していきなりの決定戦、今期もリーグ戦は好調で上位につけている。
僕自身にとっては、上を目指すかどうかの正念場でもある1節となった。
1回戦の開局は西家スタート、手牌はすごくいい。
三万四万五万二索三索三索四索六索六索六索八索五筒五筒  ドラ四筒
この1シャンテンに4巡目一索を引いて役なしテンパイ。
この後の手牌変化を見て当然のヤミテン。
解説の前田が予想した通り、六筒ツモで五筒切りのテンパイはずしをして直ぐに七筒を引いて役ありに変化。
沢崎から二索が出て開局を制す。
このアガリは、配牌から見れば物足りないがいいアガリだと感じた。
東3局、親番で好配牌をもらう。
東家
二万二万六万六万七万八万九万六索八索東東西発発  ドラ二索
この配牌から第一打に八索を切ると次巡すぐに七索でソウズの面子を並べる。
この事で捨て牌の序盤が派手になってしまっているので、一色を警戒されるのを嫌い、
二万二万六万六万七万八万九万六索東東西発発
この2シャンテンで三万ツモで先に二万を払い、その後、六万が暗刻になった後の三万もツモ切りで、捨て牌でピンズのホンイツに見せるために多少のリスクを覚悟で迷彩を作る。
当然、東発を引けばリーチ。
結果は、四万を引いて最悪の字牌待ち残り。
これは終盤までもつれるなと感じたのも束の間、望外の東ツモ。6,000オール。
かなりいい感触だが、この後が続かないというより続かせてくれないのがA1リーグだ。
南1局で、勝又の先制リーチをうけて、西家の僕の手牌が1シャンテン
四万五万一索六索七索一筒一筒一筒六筒七筒八筒九筒九筒  ドラ八筒
五索八索が薄い事もあり先に五索八索を引けばリーチと考えていた。
すると先に三万を引いてテンパイ。
八索は3枚切れでリーチの勝又のリーチ宣言牌が八索なので使っていそうだ。
一索は通りそうだがリーチしないのなら、行く価値なしとみて一筒の暗刻落としをする。
すぐに勝又が8枚目の五索八索待ちの五索をつかみ失敗してしまったと思ったが、結果は無事流局。
状態が良い時の闘い方としては良くないが、リスクとリターンが見合わないのでこれは良しとした。
オーラスも勝又の仕掛けに対して、手出し六万のトイツ落としをみて八万と何かのシャンポン待ちだと読み、テンパイしたら五万を押すと決めて見事に読み通りとなる。
この1回戦目は良く打てたなと感じたが、2回戦、急に手が重くなりアガリが遠くなる。
2回戦はノーホーラで終局した。
3回戦、ここで僕らしくない鳴きで、ここまで絶不調の荒を復活させてしまう。
供託リーチ棒2本の4本場。
四万五万一索一索六索八索二筒三筒四筒六筒東中中
ここから七索を仕掛けて勝又と荒にメンゼンのテンパイを入れさせてしまった。
この、普段自分ならしない鳴きで今まで不調の荒を復活させてしまったと考える。
このような隙をみせると、全くぬかりないのはさすが荒だ。
3回戦は荒の大きな1人浮きのトップでスコアは4人平たい状態になった。
4回戦、この回は是が非でもプラスしないと、また今節もマイナスしてしまうと頑張るも沢崎の攻めがきつい。
南3局の沢崎の親番を簡単に流せたのは大きいが、オーラスは見事な沢崎の仕掛けによってテンパイ牌を食い流された。
この日の結果はプラス13.0Pで何とかプラスで終えた。
だが今期初のプラス。ここからきっかけを掴めると僕は信じている。