プロリーグ(鳳凰戦) レポート

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第32期A2リーグ第6節レポート 西岡 慎奏

2015/09/29
執筆:西岡 慎奏


10節あるA2リーグも、いよいよ後半戦に差し掛かる。
対戦メンバーは藤原、紺野、亜樹と守備力には定評のある組合せとなり、局の勝負が中盤以降となる長丁場が予想される。

予想通り、1回戦目から何と7回の流局で1時間半にも及ぶ長期戦となった。
その戦いの中トップを勝ち取ったのは亜樹。
持ち前の守備も光っていた上、勝負手がアガリに繋がる好調ぶりだった。
タイムシフトを見ると藤原、紺野の守備力の高さも圧巻だが、最後で亜樹に引き負けてしまう展開だ。

2回戦目に入り、東1局から私のツモが伸び6巡目で面前ホンイツをテンパイすると、次巡に亜樹から出アガリ。
亜樹は回避困難な放銃からのスタートであったが、バランスを崩さずアガリを重ね2連勝をものにする。

そして私の中で大きな山場となった3回戦目。
全員にアガリが生まれる中で、2,000・4,000を2回ものにしていた私が36,800点と、小さいながらも1人浮きの状況でオーラスの親を迎える。

当然、僅差でもトップを確保したいという考えより、相手が原点以上を目指した手組みをする中で、どれだけ点数を伸ばせるかがポイントだと思って臨む。

配牌は自風の東がトイツ、ドラの一索がトイツで1メンツもないながらも打点は見込めそうだ。

最初に動いたのは26,700点持ちの紺野。
2巡目のカン八筒に早くもチーの声をかける。
第一打目が七万である事、3,900点で浮きになる事を考えると、ホンイツまたはドラ絡みのチャンタ系であると予想できる。

私は1メンツも完成しないまま東をポンしたが、紺野にドラがあると推定すると、本当に正解だったのか?七対子がよかったのではないか?と心が揺れてしまう。

しかしそんな中、まだ4巡目にして26,700点持ちの亜樹(紺野と同点)からドラの一索が手牌から打ち出される。
当然私の選択肢はポンなのだが、同時に多くの思考が生まれる。
今までの亜樹の麻雀を見て、意志の強い打牌であるのは明らかだ。

パターン1:テンパイ
これは十分に考えられる。おとなしくしていれば手が早そうな紺野がアガり、ラスになる可能性が高い。
ただし、手役絡みの高打点テンパイは考え辛い。
ドラはまず持っておらず、河には南東五索一索の順番で切られている。
ドラなしで高打点かつ早い手が見込めるのであれば、南東よりドラが先に切られそうだ。
従ってテンパイだとすれば、ドラが重なれば原点以上も狙えたが重ならずテンパイ、沈みの3着で仕方なしといったケースが高く、これならば私は放銃しても問題ないため真っ直ぐ手を進められる。

パターン2:ある程度の打点が見込める1シャンテンもしくは2シャンテン。
3,900で浮きになる事を考えると、メンタンピンを手広く構えた可能性から、一通や三色が狙える可能性もある。
ただし、ドラのポンが入った親の上家である亜樹はリーチも難しくなり、真っ直ぐ手を進められないだろう。

そういった思考の中、次巡に亜樹が切った一万もポンとし相手にプレッシャーを与えにいった。
これで私がフーロした牌は、

ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東  ドラ一索
となり、ヤオチュウで放銃ともなれば24,000の可能性もあるだけに、なかなか立ち向かえないだろう。
案の定、先に仕掛けた紺野だったがドラメンツを落とし、明らかに受けに回ったのが分かった。

その間に私は何とか下記テンパイが入る。

二万四万五索五索  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東 

手が整っていたであろう亜樹も、藤原の打牌に合わせ手出しで白切りとした時、受けに回ったと確信した。
しかし、亜樹はその後も手出しで比較的安全な牌を切り出していったかと思えば、突如危険牌とも言える五索を切り「リーチ」と宣言した。

これには私も度肝を抜かれ、考えられそうな亜樹の手役を再度構想する。

手役1:一通
五筒五索が私から4枚見えのため、マンズのみ考えられる。
マンズは河に九万のみ。現物の九万以外切り辛い。

手役2:タンヤオ(タンピン)
五筒五索が私から4枚見えかつ亜樹が両方切っているため、安目でタンヤオの付かない1,300点や2,000点リーチでないと仮定すると、待ちはほぼマンズに絞られる。

本線はこの2つの手役で、待ちも恐らく優秀だろう。
三色は見えている情報からほぼ否定されており、またヤミテンでもツモアガリでトップとなる他の手役であれば、この状況下でリーチはなさそうだ。

メンタンピンイーペーコーなど、1人浮きから一気に沈みとなる放銃は回避したい。
オリに回っても、流局すれば1人浮きの可能性が高い。
よって、情報が増えない限りマンズの九万以外は五索のトイツ落とし、そう決めた。
圧倒的優位にいたつもりであったが、逆に亜樹に完全に追い込まれており、勝負すれば放銃、オリても満貫をツモられるイメージしか浮かばなかった。

ところが数巡後、私のツモってきたマンズは何と自分のアガリ牌である三万だった。

タイムシフトで確認すると、亜樹の手はメンタンピン高めイーペーコーの3面張。
親のドラポンにも逆転の手で押し返す、この日は全部トップを取るとでも言わんばかりの意地を見せつけられた。
普段は守備を重視する亜樹の、めずらしくアグレッシブな一面だった。

3回戦は何とか1人浮きで終える事ができたが、最後の4回戦目もトップは亜樹で、本節+53.7と大勝だった。

相手は全員Aリーグ経験者だ。
一時期不調であったとしても、爆発力もあれば得意技も持っている。
本節に亜樹と対戦してそれを再認識させられた。
ただ、私も引き下がるわけにはいかない。
自分のペースに持ち込めればチャンスはあると信じ、残り4節を全力で戦おう。