プロリーグ(鳳凰戦) レポート

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第32期A1リーグ最終節レポート 白鳥 翔

2016/01/12
執筆:白鳥 翔


年末にA1リーグの最終節が日本プロ麻雀連盟チャンネルにて3日連続で行われた。
最終10節目は9節目までのトータルポイントによって、下位卓、中位卓、上位卓に振り分けられ、下位卓から対局が行われる。
まずは最終節の初日、下位卓の模様から振り返ってみたいと思う。

ほぼ降級が確定するといってもいいこの最終節下位卓、ポイント状況は

9位  沢崎   ▲72.6P
10位 ともたけ ▲159.1P
11位 仁平   ▲210.7P
12位 荒    ▲220.8P

最終節終了時のトータルポイント下位2名がA2リーグに降級となるため、現在の残留ボーダーはともたけの▲159.1P。
仁平と荒はともたけとはそれぞれ、51.6P、61.7Pの差。実質、この3人の中でトータルポイントが上になった1名だけが残留、残り2人が降級となるだろう。

しかし50~60Pの差というのは直接対決であってもかなり大きな差だと私は思っている。この日本プロ麻雀連盟のAルールは一発も裏もなく順位点も小さいからだ。
仁平、荒は1半荘でもともたけに浮き、沈みを決められてしまえばかなり苦しくなってしまう。

まずは1回戦、東1局、東2局とそれぞれともたけ、仁平がアガって少し加点すると、東3局、ともたけの好プレーが光る。
荒のホンイツ仕掛けを受けてこの手牌。

一万九万九万九万五索五索六索六索八索八索七筒八筒九筒  ツモ八索  ドラ九筒

一万を打つとツモリ三暗刻のテンパイが入るが堪えて打六索一万は荒の当たり牌。そしてともたけ、

一万九万九万九万四索五索六索八索八索八索七筒八筒九筒  ツモ一万

この700・1300をツモアガった。 

南1局には沢崎が4,000オール。1本場はともたけがドラドラのペン七筒テンパイを崩してのピンフに持っていき、ヤミテンで仁平から3,900は4,200のアガリ。
これもペン七筒で即リーチといってもおかしくないと思って見ていたので素晴らしいの一言である。このアガリで、荒、仁平が沈んでともたけが浮いているという、ともたけにとってはこれ以上ない展開に。

南2局、荒が親番で、

五万五万二索二索二索六索七索八索三筒四筒四筒五筒五筒  ドラ七索

このリーチを打つも、先にテンパイを入れていた沢崎が

一筒一筒二筒三筒四筒八筒八筒八筒南南南西西  ツモ西

この3000・6000のアガリ。
続く南3局も荒、仁平のリーチを受けるも掻い潜って、仁平からメンホン七対子のアガリと沢崎が止まらない。
沢崎も降級の可能性が0という訳ではないので、このアガリでようやくと思っていたかもしれない。
更には来期の期首順位や年度末に行われるグランプリMAXにも順位が影響する為、安全に少しでもポイントを伸ばしたいところだ。

南4局を迎えて、持ち点は

沢崎   62,000
ともたけ 31,200
荒 16,300
仁平 10,500

荒、仁平にとっては絶望的な数字だ。このまま終われば1回戦目で実質ゲームセットとなる位の差になってしまう。親はともたけ。
なんとかして沈めるくらいはしたいところだ。
荒はドラドラ、仁平はトイツ手を見て寄せていく。
そして仁平の最終手番。手元に二万を引き寄せた。

二万二万二索二索五索五索五索南南南発発発  ツモ二万

山に残り1枚の二万を引き寄せて、見事四暗刻のアガリ。
これで仁平、逆にともたけを沈めて、自身が浮くという最高の結果をこの1局で導きだした。

1回戦終了時、トータル(9節目までのポイントも加算した)は

沢崎   ▲40.6P
ともたけ ▲177.9P
仁平   ▲194.2P
荒    ▲250.5P

仁平はかなり現実的な数字になった。荒は厳しいか。
2回戦は荒がともたけをラスにして執念のトップ、仁平が2着につけた為、これで数ポイントだが何とともたけを上回ってしまった。
3回戦は南4局を迎えて、仁平がトップ目、ともたけが浮きの2着目でこのテンパイ。

七筒八筒九筒東東東南南南西西白白  ドラ八索

荒は4着目。ラス親で粘るが、沢崎の巧みな捌きで、ともたけの超大物手も実らずこのままの並びで終了。

3回戦終了時、トータルは

沢崎   ▲40.0P
仁平   ▲170.3P 
ともたけ ▲199.3P
荒    ▲253.4P

仁平、ともたけの差は29P。荒は2人をかわさないとならない為かなり大きなトップが必要となる。
東1局、南家の荒、強烈な意地のアガリが炸裂。

一索二索四索四索五索六索六索七索七索七索八索八索九索  ドラ七索

これをリーチを打っていた沢崎から捕えて16,000のアガリ。
東4局にともたけが連荘。ここでなんとか仁平に追いつきたいところではあったが、仁平が落ちついてタンヤオ七対子でともたけの親番を落とす。

しかし南1局、4巡目という段階でドラの六索が暗刻になった仁平が下家の1つ仕掛けているともたけに対して五索を打ちだすと、

一索一索一索三索四索五索六索七索西西  ポン白白白  ドラ六索

この8,000に捕まる。このアガリでまだ仁平が上だが約6ポイント差と全く分からない展開に。
実質決着がついたのが南3局1本場、仁平の親番。

仁平が三万から仕掛けて、

二万二万六万六万四索四筒四筒四筒南南  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ドラ九筒

5巡目に南を引き入れてテンパイを入れると、ともたけも同巡

七万八万九万三索三索三索四索四索五索五索二筒三筒五筒  ツモ五索

これでテンパイをいれるもヤミテンに構え、次巡ツモ五索で打三索リーチとピンフイーペーコーにしてリーチと勝負にいった。
そして沢崎から一筒が打ち出された。しかしともたけロンの声はかけず。あくまでツモってオーラス自分の親を有利に迎えることに賭けた。

仁平が押してきているのを分かった上でのこの選択だったが、結果は仁平がともたけから7,700は8,000のアガリ。
これで仁平が逆転残留を決めた。

ともたけ、荒が降級となってしまった訳だがやはりこの2人は風格がある。
ともたけはA2に落ちてきたとき1期同じリーグで戦ったことがあるが圧勝して1年でA1に返り咲いた。

そして、荒。30年以上A1から落ちたことがない。その伝説に終止符が打たれた。

「A1から落ちたら引退するのかな?」とか
「落ちても続けてほしい」とか
「それは荒さんが決めること」とかたくさんのコメントを見ながら実況してきた。

対局後のインタビューで「色んな意見があるから正月にゆっくり考えようかな。でも僕は打ちたいからやる方だと思うけど。生涯現役でいきたいけどね。」と語ってくれた荒。
まだどうなるか決まった訳ではないが、来年すぐにA1に昇級するという荒正義、初の昇級が見られる日がくるかもしれない。