プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第37期鳳凰戦A2リーグ最終節C卓レポート

 

A2リーグ最終節最終局。
手元に持ってきたハイテイ牌をすぐに開かず、内川は祈るように目を瞑りました。

近藤・内川・藤島の熾烈な2番手争いで始まった最終節は、痛恨の3連続4着を引いた藤島が最初に脱落。
A1への昇級は2名で1位杉浦が完全に抜け出していたため、終盤は近藤と内川の一騎討ちの様相を呈していました。

 

 

これを決めれば逆転というチャンスが何度もきた内川でしたが、ギリギリでかわされ混戦のまま最終局へ。
内川が2位の近藤を逆転するためには、6,400点を直撃するか跳満のツモアガリが必要な条件。

 

 

この局、先にテンパイをしたのは近藤。
雀頭が内川の現物ということもあり、ポンしていた役牌を加カンして積極的に攻めます。

 

 

毎巡絞り出すように打牌を選択してきた内川にここでテンパイが入ります。
覚悟を決めた表情に変わった内川は、タンヤオ七対子でリーチを宣言。
このままツモっても満貫止まりなので近藤には届きません。
直撃をすれば逆転ですが、近藤が内川のリーチに放銃してくれる確率は限りなくゼロに近いです。

内川のチャンスはたった1巡、ハイテイだけしかありませんでした。

 

 

目を開いた内川は自らの運命を確認し、それを受け入れて終局。

A1への昇級は杉浦勘介と近藤久春の2名に決まりました。
昨年最終節まさかの大逆転を喰らった近藤はリベンジ成功。
今年1年、近藤が背負っていた悔しさは、来期の内川に引き継がれたように思えます。

 

 

(文:越野智紀)