プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第38期鳳凰戦A2リーグ第最終節B卓レポート

【~A2リーグ最終節B卓~残留、降級が(ほぼ)決定】

私はプロになって13年が経過するのだが、今まで勘違いしていたことがある。
例えば、ある人のスコアが、+15P、▲8P、+5P、▲10Pだったとする。
その人が少し強くなったとすると(実際には麻雀での強さの判断は難しいのだけど、仮の話として)、この成績は下のようになると思っていた。
+17P、▲6P、+7P、▲8P
つまり、少しずつ成績に寄与する、ということなのだが、これは間違いだった。

もちろん、ノーテンで終わる局をテンパイにすることができて、2.5Pか3Pという小さな得をすることもあるが、以下ではないかと思っている。
『多くはその努力・技術が役に立たない(結果は同じ)。しかし、ある局でその技術が生き、アガリになったり、放銃を回避したりして、5Pや10P、順位点も含めたら20P以上も得をすることがある。』
先ほどのスコアの例に当てはめてみると、+15P、▲8P、+5P、+7Pのようなイメージだ。

2回戦南3局、麓のリーチを受けて、山田がこの手牌

 

 

 

三索は無筋だ。しかもほぼノータイム。
(ちなみに、麓は三筒ツモ切り、八索手出し、五万ツモ切り、三万手出しでリーチ)
この局について、山田はインタビューでこう語った。
五万三万って河になってくれたのも、自分にとって幸いでしたね。ドラが固まっているパターンが少なそうなので、打ちたくはないけど3,900くらいならと。一索四索七索は打つ気なかったです。自分の打点も5,200になるので、勝負かけたところはありますね。」

 

 

放銃になっていてもおかしくなかったところ、見事四索のツモアガリ、1,300・2,600。
▲102.5Pの仁平を抜くのが残留条件だっただけに、この2回戦をトップで終えられたのは非常に大きい。

山田は3回戦でも魅せる。

 

 

 

テンパイに溺れず、放銃を回避。
山田「あまりにあたりそうでしたからね。二索五索五索八索か。あたるかどうかはわからなかったけど、打てなかったですね。五索さえ通れば、六筒九筒はかなり勝てそうだったのですが。」
放銃すると沈みで終え最終戦がシビアな条件になっていただけに、非常に価値あるオリだった。

順番が前後するが、これはこの日の開始前のスコア。

 

 

ポイントに余裕のある客野は、リスクを負わない打ち回しで、危なげなく残留。
逆に麓は、どうしても長打狙いとなってしまい、どんどんスコアを悪くする悪循環だった。
古橋は、1回戦東2局の連荘からの6,000オールが決め手。
最後はヒヤヒヤするも、それでも余裕のある残留だった。

 

 

 

(すでに全対局が終わり、スコアと昇級・降級が掲載されておりますが、この日の対局終了時になります。)

 

 

(文:福光聖雄)