麻雀日本シリーズ、麻雀日本シリーズ レポート

麻雀日本シリーズ/女流プロ麻雀日本シリーズ2017 予選最終節節レポート 楠原 遊

女流プロ麻雀日本シリーズ、予選第4節が行われた。
3節までの成績は以下の通り。
1位 大平亜季 +61.6P (6/8)
2位 仲田加南 +53.1P (6/8)
3位 朝倉ゆかり +33.7P (7/8)
4位 二階堂亜樹 +22.8P (6/8)
5位 和泉由希子 ▲10.8P (6/8)
6位 高宮まり ▲11.4P (7/8)
7位 魚谷侑未 ▲11.8P (5/8)
8位 宮内こずえ ▲22.7P(6/8)
9位 和久津晶 ▲50.7P(6/8)
10位 大崎初音 ▲64.8P(5/8)
※()内は予選半荘消化数
※予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
※プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
※ルールに関してはこちら→女流プロ麻雀日本シリーズ2017第1節レポート
ついに予選も最終節となり、各自8回の規定半荘のうち、残り1~3回となった選手たち。
現在のプレーオフ進出ボーダーは8位の宮内の持つ▲22.7P。
9・10位の和久津・大崎も少し離されているとはいえまだまだ勝ち残りの可能性は多いにある。
一方、上位の選手も、ポイント持ち越しのプレーオフに向け、ポイントを稼いでおきたい場面だ。
そして難しいのは中位の選手たち。ポイントが拮抗しているため、着順の変動で上位にも下位にも簡単にいってしまう。判断の難しい局面での選択が、プレーオフ進出に大きな影響を与えてしまうのは間違いないだろう。
各自、それぞれのテーマを背負った予選最終日が今、はじまろうとしている。
 
 
16回戦 仲田+53.1(6/8) 魚谷▲11.8(5/8) 大崎▲64.8(5/8) 大平+61.6(6/8) ※()内は消化済み半荘数
■2位仲田VS7位魚谷VS10位大崎VS1位大平
最終日初戦は、ポイントで頭ひとつ抜けた1位2位の大平・仲田、ボーダーのひとつ上7位の魚谷、そして、あと3半荘を残してはいるもののここで何としてでもポイントが欲しい10位大崎との対戦となった。
東1局1本場
親の仲田が2,900をアガってむかえた1本場。
親の仲田が発を仕掛けてこの形。
 
100
 
ここからまっすぐドラを切り出し、それを南家・魚谷がチーしてドラドラの1シャンテンとなる。
五万六万一索三索三索六索六索六筒七筒八筒  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ドラ六筒
しかし仲田もすぐに二万をポンしてテンパイ、
一万一万一万四万五万東東   カン発発発発  ポン二万 左向き二万 上向き二万 上向き  ドラ六筒八筒
ドラ3テンパイとなった魚谷がすぐに三万をツモ切り9,600は9,900。
プレーオフの先にある決勝に向けて、仲田が先頭を切って走り出した。
東2局3本場 供託1
 
100
 
5巡目、西家・大平の手がこの形。ここから、1枚切れの西、生牌の東を残し打四索
そして次巡ツモ四万で、続けて四索を切る。
そこに親の魚谷からリーチ。
一索二索三索九索九索九索三筒三筒五筒六筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ二索
そして同巡、大平にもテンパイが入る。
二万三万三万四万四万五万六万七万東南南南西  ツモ五万
西を切って東単騎のメンホンテンパイをヤミテンとする。
5巡目に二万をツモった段階で字牌を切っていると、この五万は一発ツモのアガリ牌となっていた。
暫定1位、決勝を見据えてここはスピードよりも打点を意識した手作りを見せた大平だったが、ここは魚谷が裏ドラとなる七筒を一発でツモって4,000オール。
東1局での放銃を取り返すような大きなアガリをものにした。
その後も仲田・魚谷のアガリ合戦が続き、苦しくなったのは大平・大崎。
テンパイするもののなかなかアガれない大平と、手に恵まれずテンパイすらなかなか叶わない大平。
■南4局 仲田57.400 魚谷37,600 大崎18,700 大平6,300
またしても西家・仲田が先制リーチ。
一万二万三万二索三索四索一筒一筒一筒六筒七筒北北  リーチ  ドラ北
北家・大崎も同巡に追いかけリーチ。
五万六万五索五索五索二筒三筒四筒七筒八筒九筒中中  リーチ
そしてその一発目に親の大平もテンパイ、3件目のリーチ棒を卓に置く。
二万三万四万六万七万七索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ
大きな山場となったオーラスだが、すぐに大崎が五を掴み、大平にメンタンピン裏裏の12,000の放銃。
ここまでなかなか結果に結び付かずにラス目となっていた大平にとっては嬉しいアガリに、この半荘で最も勝ちたかった大崎には、残り2回の半荘の条件がより厳しく突きつけられた1局となった。
オーラス1本場は、これ以上失点出来ない大崎が、魚谷から2,600は2,900をアガリ、苦しかったこの16回戦を終わらせた。
16回戦結果 
仲田+41.7P(7/8) 魚谷+7.1P(7/8) 大平▲14.7P(7/8) 大崎▲33.8P(6/8)
トータル 
仲田+94.5P 魚谷▲4.7P 大平46.9P 大崎▲98.6P

 
 
17回戦 大崎▲98.6P(6/8) 亜樹+22.8P(6/8) 魚谷▲4.7P(7/8) 和久津▲50.7P(6/8)
■10位大崎VS4位亜樹VS5位魚谷VS9位和久津
現在のプレーオフ進出ボーダーは8位宮内の▲22.7P。下位の大崎・和久津はそのポイントを目指しつつ、5位魚谷・4位亜樹のポイントを削ってきたいところだ。
東1局
8巡目、最初にテンパイしたのは北家・和久津。
五万六万七万五索六索七索二筒二筒四筒六筒六筒七筒八筒  ドラ四万
タンピン三色やドラの手変わりが多い手牌をヤミテンとする。
そこに次巡、南家の亜樹が先制リーチ。
二索二索四索五索六索一筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ
しかしここでひけない親の大崎もドラを切って追っ掛ける。
二万二万四万五万六万七万八万九万三索四索五索二筒三筒  リーチ
2件リーチとなるも和久津、ドラを引き入れ、ヤミテンで押していく。
3人の勝負となったが、アガったのは大崎。ツモ四筒に裏ドラが乗り嬉しい4,000オールとなった。
東1局1本場
満貫のツモアガリで、このまま二の矢、三の矢を継ぎたい大崎。
そこに南家・魚谷が、一通の高目の牌を引いて6巡目リーチ。
二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索九索八筒八筒  リーチ  ドラ東
ここに連荘したい大崎が1シャンテンから飛び込み8,000は8,300。
ポイント条件を考えての苦しい放銃となってしまった。
■一方、9位の和久津
南4局
各者の点数状況と3巡目の和久津の手はこちら。
 
100
 
ここまで、丁寧に打ち加点を続けたトップ目の魚谷、そこにどうしてもトップの欲しい10位大崎と9位和久津。
ラス目の亜樹も跳満ツモ、もしくはリーチ棒が出ての満貫ツモで2着も見える位置。
親の和久津の手はこの巡目で4シャンテンと厳しいが、ここから続けざまに仕掛けて11巡目にこのテンパイ。
五万五万四筒五筒  ポン南南南  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ドラ五万
テンパイしてすぐに六筒をツモり見事な2,600オールを決め、トップ目に立つ。
南4局1本場
7巡目、西家・亜樹がテンパイ。
 
100
 
この半荘、ここまでの間、厳しい位置に立たされていた亜樹だが、ここで迷いなくリーチ。
その宣言牌の八万をポンした和久津がこの形。
二索二索五索六索七索二筒三筒  ポン東東東  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ドラ北
点棒状況的にも、プレーヤーのタイプ的にも、決して打点が安くないであろう亜樹のリーチ、しかし受けた和久津もトップ目ではあるがツモられてしまうと魚谷にまくられてしまう上に、より一層の加点が欲しい状況。
1,500は1,800のテンパイだが、ここは無筋の牌を押していく。
大崎・魚谷が一歩引き、2人のぶつかり合いとなった。
そして4巡後、勝負の決着がつく。
二万三万五万六万七万三筒四筒五筒北北発発発  ロン四万  ドラ北  裏北 
亜樹がリーチ・発・ドラ4の12,000は12,300を和久津から直撃。
亜樹は2着に浮上、そして和久津は勝負した結果ではあるがトップ目から4着への着落ち。
17回戦は、大崎・和久津ともにここまでのポイントゆえ、振りで厳しい戦いを強いられた半荘となってしまった。
17回戦結果 
魚谷+22.6P(7/8) 亜樹+4.1P(7/8) 大崎▲7.4P(7/8) 和久津▲19.3P(7/8)
トータル 
魚谷+17.9P 亜樹+26.9P 大崎▲106.0P 和久津▲70.0P

 
 
18回戦 宮内▲22.7P(6/8) 和泉▲10.8(6/8) 大平+46.9P(7/8) 仲田+94.5P(7/8)
■8位宮内VS6位和泉VS2位大平VS1位仲田
18回戦は、プレーオフ進出ボーダーの宮内、そこから10ポイント差の和泉、そしてこれが最終戦となった1位仲田、2位大平の戦いとなった。
8位の宮内は9位の和久津と約50ポイント差あるとはいえ、この後には直接対決が控えている。ここで浮いておけば、最終戦での戦い方がぐっと楽になる。
東3局3本場
ここまで、和泉が強い麻雀を打っている。
東1局にホンイツの2,000・4,000をアガると、東2局では2,600オール、その1本場では宮内のリーチにぎりぎりまで押すもテンパイせず流局となるが、加点に対するしっかりとした意思を見せた。そしてその合間を縫うように東3局2本場では大平が宮内から2,900は3,500のアガリ。
宮内は現在、20,900点持ちのラス目と苦しい立場に立たされている。
6巡目、そんな西家の宮内がここで先行テンパイ。
 
100
 
巡目の早い、ドラが3枚の役ありリャンメンテンパイで、四万七万は生牌。宮内の雀風からしてリーチもあるかと思われたが、ここは静かにヤミテンを選択。
3巡後にテンパイした和泉のリーチ宣言牌四万を捕えて8,000は8,900のアガリ。
ここまでの状況を鑑みた丁寧なヤミテンで、冷静に局を進めていく。
■WRCルールの役満パオ
南2局1本場
中をポンしている西家の仲田が、今度は白をポンして1枚切るところ。
四万六万七万七万八万六筒七筒発  ポン中中中  ポン白白白  ドラ三筒
ちょうど前巡に1枚目の発を切られたばかりだったが、ここで仲田が選択したのは七万
四万へのくっつきのホンイツ役役と、三元役を逃さない選択だ。
ポイント上でも余裕があるので、四万を引いたら発を切って五筒八筒のテンパイは取る手組みである。
そこに、南家・大平もダブ南を鳴いて参戦していく。
五万六万七万七索七索三筒四筒五筒六筒八筒  ポン南南南
するとその鳴きで、仲田に発が流れる。
六万七万八万六筒七筒発発  ポン中中中  ポン白白白
そしてテンパイしている大平に最後の発が流れ、ツモ切りされたものをポン。単騎の選択で切った七筒が大平に捕まり、3,900は4,200の放銃となった。
ところで、大平の所属する最高位戦日本プロ麻雀協会ルールには役満のパオは存在しないが、このWRCルールには役満パオが存在する。このテンパイから六筒を切ると、大三元のツモアガリは大平の一人払いとなっていた。
しっかりと間合いを測り、紙一重のところでしっかりとアガリ切った大平の打ち筋が光った局となった。
南3局
6巡目、親の大平の先行リーチ。
二万三万四万五索六索七索八索九索五筒六筒七筒八筒八筒  リーチ  ドラ六万
これをうけて南家・仲田がこの形。
六万六万七万八万東東東  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ポン発発発
ここはしっかりと攻め切って、大平から8,000は8,300を討ちとった。
オーラスは、北家の大平がドラ3のリーチをかけるも流局し、アガリ回数で他を圧倒した和泉のトップで半荘が終わった。
18回戦結果
和泉+31.2P 宮内+7.8P 仲田▲10.4P 大平▲29.6P
トータル 
和泉+20.4P(7/8) 宮内▲14.9P(7/8)  仲田+84.1P(8/8) 大平+17.3P(8/8)

 
 
19回戦 和久津▲70.7P(7/8) 朝倉+33.7P(7/8) 魚谷+17.9P(7/8) 宮内▲14.9P(7/8)
■9位VS2位朝倉VS5位魚谷VS8位宮内
それぞれの選手にとって予選最終戦となるこの半荘。プレーオフボーダーを賭けた8位の宮内と9位の和久津の直接対決にも注目が集まる。
東4局
前局、和久津が魚谷から8,000は8,900をアガリ、現状和久津トップ目、宮内ラス目で迎えた東4局。
親の宮内がテンパイ。
二万二万二万六万七万七索七索八索三筒四筒五筒白白  ツモ八万  ドラ白
ここからノータイムで八索を切ってシャンポンリーチに踏み切った。
 
100
 
残り2回の親番、ドラドラのリャンメンテンパイに取りたくなるが、場を見ると、六索が1枚切れ、九索が3枚切れ。
ここは冷静に場を見て待ち選択をした宮内、六索九索をツモる前に自ら七索を引いて、見事な4,000オールを決めた。
■和久津、最後の親番
南1局2本場
東4局の親番で、いとも簡単にラス目からトップ目までのぼりつめた宮内。一方、それを追う立場の和久津には厳しい条件が押し付けられた。
この親番は落とせない。
7巡目、はじめにテンパイしたのは西家・魚谷。
一万一万七万七万八万八万一索五索五索一筒一筒中中  ドラ四索
そして南家・朝倉も自身から見える3枚目のドラを、和久津からチーしていく。
三万五万五万六万七万四索四索五筒六筒九筒  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き
これを見た魚谷は一索単騎でツモ切りリーチ。ドラ筋で、和久津の第一打の牌に、勝負を賭けた。
そして朝倉も負けじと、上の牌姿から六万をカンチャンでチー。
シャンテン数が変わらない好形変化の喰い伸ばしチーだが、朝倉のこのような仕掛けはこのシリーズ始まって以来初めてのものだ。
そして11巡目、親の和久津もようやくテンパイ。
二万二万六万七万八万四索五索六索二筒三筒六筒七筒八筒
この手でリーチ。そして朝倉も七筒を引いてテンパイ、無筋の牌を押していく。
和久津にとっても、魚谷にとっても、朝倉にとっても引けない戦いとなったが、ここは和久津が四万をつかみ朝倉に8,000は8,600の放銃。
最後まで果敢に戦った和久津だったが、ここにきて事実上の戦線離脱となってしまった。
その後も的確にアガリを拾い続けた宮内がトップ、攻めの姿勢を崩さなかった朝倉が2着で19回戦を終えた。
19回戦結果
宮内+30.7P 朝倉+10.5P 魚谷▲20.6P 和久津▲20.6P
トータル 
宮内+15.8P(8/8)  朝倉+44.2P(8/8) 魚谷▲2.7P(8/8) 和久津▲90.6P(8/8)

 
 
20回戦 和泉+20.4P(7/8) 高宮▲11.4P(7/8) 大崎▲106.0P(7/8) 亜樹+26.9P(7/8)
■4位和泉VS8位高宮VS10位大崎VS3位亜樹
4節、全20戦に及ぶ予選もこの半荘が最終戦。
19回戦でトップを取った宮内に代わり、プレーオフ進出ボーダーの8位に立った高宮が今回、大崎のターゲットとなる。
高宮と大崎の現在のポイント差は117.4P。高い壁だが、やる前から諦めるような打ち手がファンに選ばれる筈もない。
決勝ボーダー上にいる亜樹・和泉と、プレーオフ敗退を賭けた大崎、それぞれの戦いの行く末を見ていきたい。
東1局
8巡目、北家・亜樹にテンパイが入る。
六万六万六万八万一索二索三索三索五索五筒六筒七筒東  ツモ四索  ドラ東
ここから八万を切ってドラ単騎のリーチ。七万八万も生牌だが、ここはドラを切らない選択をした。
その後、東は各者に1枚ずつ流れ、流局かと思われたが、12巡目、南家の高宮にもテンパイが入る。
七万七万七万三索四索五索五索五索六索二筒三筒四筒東  ツモ七索
こちらもドラの東単騎か多面張の選択となったが、高宮が選択したのはより広く受け攻める東切りリーチ。
亜樹にリーチ・ドラドラの5.200の放銃となってしまったが、高宮の攻めの姿勢が垣間見えた興味深い局となった。
東2局
8巡目テンパイを入れたのは北家・和泉。
一筒三筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西  ポン白白白  ドラ七索
そして11巡目、西家・亜樹もテンパイ、リーチ。
五万六万六万七万七万八万五索六索四筒五筒六筒発発  リーチ
すぐに親の高宮のテンパイ。
七万七万四索五索六索七索八索九索五筒六筒七筒東東
ダブ東七万のシャンポン待ちで追いかけリーチとする。
手がぶつかる展開となったが、勝負はすぐに決着した。
亜樹が高目の東を一発で掴み、高宮にリーチ・一発・ダブ東・表1裏3の24,000放銃。東1局とは全く別の形での東のアガリとなった。
南3局
大崎が最後の親番でリーチ。
 
100
 
同巡に、北家・高宮もトップ目から追いかけリーチ。
 
100
 
役ありで大崎の現物待ちだが、ここも広い形で強くぶつけていく。
大崎、高宮、2人のツモる指先に力がこもるが、軍配は高宮に挙がる。一筒をツモってリーチ・ツモ・ピンフ・ドラの1,300・2,600のアガリ。
ここで親が落ちた大崎の予選敗退がほぼ決まる。
南4局1本場
9巡目、ラス目の親・亜樹から先制リーチ。
一索二索四索五索六索七索七索七索八索九索五筒五筒五筒  リーチ  ドラ二索
これを受け14巡目、2着目満貫出アガリトップの和泉の手がこちら。
四万四万五万五万六万二索五索六索三筒三筒四筒五筒六筒  ツモ四索
トップを目指す条件を満たした手となったが、ラス目の親にドラを勝負せず三筒を外していく。
しかし無情にも、同巡の亜樹のツモは六万。ドラを勝負出来ていたらのたらればになってしまうが、すぐにその結果が見えてしまう結果となった。
その六万をチーして、ドラ単騎のテンパイを取り直すも、この局は2人テンパイで流局。開かれた亜樹の手を見た和泉は何を思ったか。
ここはヤミテンにせずリーチをかけた亜樹の作戦勝ちとなった局となった。
オーラス2本場は、亜樹が和泉から12,000は12,300の直撃、3本場にようやく和泉が400・700は700・1,000をツモり予選最終半荘を終わらせる。
20回戦結果
高宮+30.7P 和泉+5.0P 亜樹▲10.3P 大崎▲25.2P
トータル 
高宮+19.1P(8/8) 和泉+25.4P(8/8) 亜樹+16.6P(8/8) 大崎▲131.2P(8/8)

以上で女流プロ麻雀日本シリーズの予選20回戦が全て終了した。
結果は以下の通り
システム
■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦
予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

序盤から展開に苦しんだ和久津・大崎が、その条件ゆえの難しい押し引きにまた苦しみ、予選敗退となった。
特に、初戦の東1局に48,000を放銃した大崎は、常に厳しい選択の上での麻雀を強いられていたことだろう。
一方、プレーオフ進出した選手たちにもまだまだ、厳しい戦いが待っている。
ポイントが拮抗しているため、各自2回のプレーオフでまだまだ誰が決勝に残るのか分からない。
女流プロ日本一を決める戦いを、楽しみにして頂きたい。
プレーオフ日程
2017年3月8日17:00~
1回戦:仲田加南vs高宮まりvs大平亜季vs魚谷侑未
2回戦:朝倉ゆかりvs和泉由希子vs二階堂亜樹vs宮内こずえ
3回戦:1位vs4位vs5位vs8位
4回戦:2位vs3位vs6位vs7位
実況:古橋崇志
解説:藤崎智(現十段位)・前田直哉