女流プロリーグ(女流桜花) レポート

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第9期女流桜花プレーオフB卓レポート 紺野 真太郎

2014/12/10
執筆:紺野 真太郎


1位 魚谷  191.3P
2位 和久津 141.9P
3位 安田  99.7P
4位 和泉  96.2P
5位 仲田  62.3P
6位 斉藤  46.2P

前週のプレーオフ2.4.6.8位卓が終了しての順位がこうなった。
和久津と和泉の対局は終了しており、3位までが決定戦進出となるので、魚谷はほぼ当確、安田は仲田、斎藤を抑えつつ和泉より下にならないこと。
仲田、斎藤は和泉を超えつつ安田を捉えることと、各自条件を持っての戦いとなる。

通常のリーグ戦と違い、降級というものが無い上に、別卓のポイントも確定している為、追う者にとっては比較的戦いやすい。

1回戦
東1局、親の安田が魚谷から4,800で先制するが、魚谷も東3局の親番で2,600オールを決め逆転。
仲田も南1局、斉藤とのリーチ合戦を制し5,200。浮きに回る。

南2局、5巡目、北家・安田がここから動く。

一万一万二万二万二万三万六万七万二索南北発中  ドラ五万

斉藤から打ち出された二万をポン。ホンイツは見えるが、ドラもファン牌トイツも無い仕掛け。
安田にしてみれば牽制の意味合いが強かっただろう。
9巡目に上家・仲田から切られた4枚目の一万もチーではなくポンとした。

二万三万六万七万北発中  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き

チーをした方が相手から押し返されても安全牌として一万を使えるので良い気もするが、相手から見た場合、迫力はポンのほうが大きい。とはいえ、1メンツも無い3シャンテン。安田も仕掛けてきた親・斎藤の足止めになればくらいのつもりだったろうが、この手が劇的な変化を見せる。

六万北六万とツモリテンパイ。
これは空テンだが、三万を引き二万を加カン。そして終局間際にアガリに結びつけた。

三万三万六万六万六万北北  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  暗カン牌の背二万 上向き二万 上向き牌の背  ツモ三万

原点を割りそうなとこらからの復活。次局の魚谷の親っかぶりでトップに立つ。
しかし、ここで沈むと苦しくなる仲田が、オーラス5,800のアガリで浮きに、魚谷も1本場500・1,000でトップを再逆転し1回戦を終了した。

 

2回戦
安田が仲田から8,000を直撃し先制するも、東4局の親番で、仲田の反撃が開始される。
斉藤リーチ。

100

それを受けた12巡目仲田の手牌

五万六万一索二索二索三索三索四索五索六索六索七筒七筒  ツモ七万  ドラ五万

一索は2枚切れだが、この3面張を斉藤の河がソーズが安く一索四索が捨てられているとはいえ、ヤミテンに受けるイメージが仲田にはなかったが、ここはヤミテンを選択。六索は無筋であったが為、かわしに出た安田が注文にはまった。2,900。点数以上に大きなアガリである。

このアガリがきっかけとなり仲田の猛攻が始まる。
5,800、4,000オールとアガリ、あっという間に40,000点を超える。
黙って見ているわけにはいかない安田、続く3本場、安田と仲田の全面戦争が勃発する。

まずは安田が九万をポン。すると負けじと仲田も発をポンする。
マンズ対マンズの染め手対決。先にテンパイを入れたのは仲田。

二万三万四万四万五万七万九万東東東  ポン発発発  ツモ一万  ドラ八索

五万としカン八万。安田はこの五万五万 左向き六万 上向き七万 上向きでチーして1シャンテン。

二万三万三万四万五万六万東北  チー五万 左向き六万 上向き七万 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  打北

2巡後に安田は一万をツモリ手が止まる。
テンパイだが、東は生牌、三万六万が通る保証など勿論ない。

意を決した安田の打牌は東、そこにすかさず仲田の「カン」の声。
当面の相手からの直撃を狙った大明カン。責任払いありなのでリンシャンに八万が寝ていれば安田にとって痛恨の12,000放銃となるが、そこに八万は存在しなかった・・・

この局のクライマックスを過ぎ、迎えたのは流局。
決定戦3つ目の椅子はまだ決まらない。

安田、仲田の叩き合う半荘であったが、決着をつけたのは魚谷だった。

100

南3局の親番

一万一万四万六万六万八万八万九万九万北北発発  ツモ四万  ドラ四万

強烈すぎる8,000オール。

終わってみれば魚谷2連勝。安田、仲田も浮きは確保し、決定戦進出の行方はまだわからない。

 

100

 

3回戦
終始魚谷がリードする展開。南3局を迎え、安田27,900、仲田25,500このまま終われば勝負は最終戦にもつれ込む。そんな中、親の魚谷がリーチ。安田、仲田共に立ち向かいづらいが、安田の手は

二万三万四万四万四万三索四索六索七索八索二筒四筒中  ドラ四万

この超勝負手。
14巡目に絶好のカン三筒を引き入れテンパイ。魚谷の捨て牌には五索がある。
次巡、五万を引き二万と入れ替え。この二万は魚谷に通っていない。斉藤の手に2人の共通安全牌は中が2枚あったが、流局まではあと3巡。この1枚だけと放たれたのは五索。安田にとっても仲田にとっても大きすぎる8,000。オーラスも安田が1,000・2,000をアガリ待望のトップ。
仲田は沈みの3着となり、両者の差は74ポイントと大きく開いた。

「決まったかな・・」「そうですね・・」

放送ブースで交わされた短い会話。プレーオフを含め、ここまで全27戦を終えた段階での絶望とも思える差・・仲田は何を思い最終戦の卓につくのだろうか・・

「朝まで連チャンしてもいいですか?」

1回戦開始前、仲田はこんなことを尋ねていた。
顔は笑っているが、目は笑ってない。仲田にとってこのくらいの差は諦めるに値しないのだろう。

 

4回戦
東3局2本場、ここまでは魚谷の1人浮きで、安田、仲田共に少しの沈み。
嵐の前の静けさか・・

12巡目、安田四索をチー。残った形が

二万二万五索六索七索八索一筒三筒五筒六筒  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き  ドラ二万

実質2シャンテン。少しの違和感。焦りか・・

仲田はこの時すでにテンパイしていた。

一万二万三万四万五万六万二索三索四索六索八索四筒四筒

点差を考えれば、最低でも満貫級が欲しいとこなので、当然のヤミテンであろう。
もし七索をツモれば一万切りフリテンリーチもやむなしである。

安田の鳴きで、仲田が引き入れたのは四万
条件を満たした。リーチに踏み切る。2巡後、安田テンパイ。

二万二万五索六索七索八索三筒五筒六筒八筒  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き  ツモ七筒

仲田のリーチは子方のもので、ツモられても、放銃しても点差はほぼ同じならば八索勝負の選択もあるか・・だが、安田は現物の三筒を選択。次巡、五索を引くと五筒は勝負し、二万五索のシャンポンテンパイ。
仲田の待ちをソーズと感じ、ピンズは勝負する辺りの感覚は良いが、ここは単純に勝負を選択した方がよかったように思える。

この後はどこかで見たような光景が繰り広げられた。
安田ツモ四筒、仲田ツモ七索・・仲田のターン開始だ・・

100

「6,000は6,200オール」

四万五万六万六万七万三索三索四索五索六索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ八万  ドラ三索

2局連続の1人テンパイの後の2本場、ついに安田の背中を捉える位置まできた。

続く3本場、勢いは止まらない。点差は既に9.8Pまで縮まっている。
10巡目、仲田またもやリーチ。これで5局連続リーチだ。

三万四万五万六万七万二筒三筒四筒四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ七索

ドラこそ無いが、絶好のメンタンピン3面張。
ツモるか直撃で74P差の逆転が現実となる。

その時安田の手牌は

二万二万三万五万六万七万七索七索六筒七筒七筒中中  ツモ五万  ドラ七索

相手の当たり牌を掴んだのはもう数えきれない。それでも我慢してきたから、この位置で戦うことができていた。だがもう我慢も逃げも許されない。安全牌は1枚もない。

中、次巡ツモ七索、打中、1シャンテン。
さらに次巡、ツモ八筒テンパイ。ここはノータイムで打七筒の勝負。もう迷いはない。

こうなればもう待ちの強さなど関係ない。五分の勝負・・。
安田、ドラ七索をツモ。暗カン。リンシャンは九筒。勝負はまだつかない。

次の仲田のツモ・・マンズだ・・手元に引き寄せるか・・それとも・・

「ロン」

100

開かれる安田の手牌。ギリギリでの競り勝ち。決定戦へ大きな前進。これがドラマかマンガならばここでラストシーンでもおかしくない・・が、これはリアル。幕はまだ下りてはいない。

南3局、あと2局で決勝。安田にしては配牌がいい。3巡目でこの形。

一万一万二万六万七万八万四索五索六索九筒九筒西西  ツモ五索  ドラ七万

ここから打二万・・?・・安田は北家だ。五索を残しソーズ2メンツを見るのはいいが、それなら打一万とし、平たくした方がよいのでは・・4トイツだけに七対子の目を残したいのか・・

七筒ツモで打五索。完全に形を固めた。リーチなのか?魚谷の捨て牌は

一筒 上向き南北二筒 上向き二索 上向き八万 上向き一索 上向き

こうで、手組を放棄しているようには見えない。
8巡目、八筒を引きリーチ。一万西のシャンポン。
10巡目、魚谷から発せられたのは「リーチ」安田の構想は崩壊した。

あっさり引かされる五筒・・そこに「ロン」の声・・

五万六万七万四索五索五索六索六索七索六筒七筒八筒八筒  リーチ  ロン五筒

見事すぎるタンピン三色。絶望的に大きい18,000・・

次局、魚谷2,600オール。安田も追いかけリーチを打つが届かない。
3本場は安田が1人テンパイ。そしてオーラスへ・・

結末は意外なほどあっさりついた。安田が選択を間違えずに6巡でツモあがった。

長かった戦いが終わった。結果的には、前年度の決定戦と同一メンツとなった。
去年は劇的な吾妻の初戴冠で幕を閉じた。今年は全員がタイトルホルダーである。
更なる素晴らしい戦いを魅せてくれることに期待してレポートを終えたいと思う。