女流プロリーグ(女流桜花) レポート

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第10期女流桜花プレーオフB卓レポート 紺野 真太郎

前週に行われたA卓の結果以下の通りのポイントとなった
1 宮内 +158.8P
2 斉藤 +117.8P
3 和泉 +101.6P
4 亜樹 +98.2P
5 瑠美 +97.1P
6 平岡 +94.8P
7 内田 +43.0P
8 魚谷 +29.6P
平岡、内田は残念ながら決定戦進出はならず、瑠美も厳しい。
暫定3位の和泉も、亜樹がすぐ下にいるので胃の痛い思いでこのB卓の模様を眺めていることであろう。
宮内は和泉より上で終わればほぼ進出が決まる。斉藤も同様。亜樹も和泉を上回ることが最低条件。
魚谷は苦しいが、こちらも和泉を超えてくることが条件となる。
そんな各自の思いが交差する中、プレーオフB卓は開始された。
100
1回戦 斉藤 魚谷 亜樹 宮内
東1局、5巡目ですでに亜樹、宮内テンパイ、斉藤、魚谷1シャンテン。しかも魚谷はツモリ四暗刻の1シャンテンだ。
6巡目、親の斉藤にテンパイが入る。
七万八万九万四索五索六索六索七筒八筒九筒南西西  ツモ四索  ドラ南
ドラの南は1枚切れ。五索も1枚切られており、斉藤の判断に注目だったが、斉藤はリーチを選択。すると亜樹もツモ切りで追いかけリーチ。
三万三万三万四万五万七万八万九万六筒六筒発発発
亜樹からしてみれば、斉藤を捕えることが出来れば決定戦進出が確実なものとなる。
その標的がリーチにきたのだから、ぶつけない手はないだろう。
しかし、この局を制したのは宮内だった。押した魚谷から七筒でロン。
五万六万七万二索三索四索八索八索五筒六筒七筒八筒九筒  ロン七筒
決定戦への足場をさらに固めた。
東4局1本場、親の亜樹が以下の形でリーチ。
一万一万六万七万八万七索八索九索六筒七筒八筒中中  リーチ  ドラ六万
一万が良く見え、一万でも十分であったろうが、結果は高目の中をツモ。当面のライバル斉藤を逆転する。
東4局3本場10巡目、魚谷自風の西とドラの一索が暗刻の1シャンテン。
三万四万一索一索一索三索三索三筒四筒西西西白  ドラ一索
12巡目に五筒をチーしてテンパイ。次巡、斉藤にもテンパイが入る。
四万四万五万六万七万四索四索四索六筒七筒八筒東東  ドラ一索
東を引きにいくリーチ。亜樹が親であることもそう判断させる理由の一つであろう。中を仕掛けホンイツに向かっていた亜樹の手牌。
一万二万二万三万五万六万七万八万九万東  ポン中中中  ドラ一索
2人の当たり牌が浮いている形。さらにリーチ者斉藤の現物には二万がある。ピンチだ。
放銃も時間の問題かと思われたが、魚谷の切った六万を宮内が仕掛けた。
四万五万五索六索七索四筒五筒六筒八筒八筒  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ドラ一索
宮内にしてみれば、丁寧に局を消化していけば良い訳で当然のチーであろう。次巡の魚谷のツモも六万で宮内が捌ききった。
ここまでトータルトップらしく堅実に進める宮内に南2局1本場11巡目決め手が入る。
二索三索四索七索八索九索南南発発中中中  ドラ九索
1シャンテンであった斉藤から発がツモ切られ12,000。1回戦は宮内トップ。亜樹2着で終えた。
100
1回戦終了
宮内+20.0P 亜樹+14.2P 魚谷▲13.8P 斉藤▲20.4P

トータルポイント
宮内+178.8P 亜樹+112.4P 斉藤+97.4P 魚谷+15.8P
2回戦 斉藤 亜樹 魚谷 宮内
東場は大人しく進行し、迎えた南1局3本場11巡目亜樹テンパイ。
二万二万三索三索八索八索一筒一筒東北北中中  ドラ七万
ドラも無くヤミテンに構える。同巡魚谷がリーチ。
五万五万七万八万七索八索九索二筒三筒四筒四筒五筒六筒  リーチ
捨て牌から九万が良く見え引きに行くリーチだ。更に親の斉藤がこのテンパイ。
一索一索二索二索三索三索四索五索五索六索六索西西
この手が決まれば・・魚谷の河に四索七索が1枚づつ。テンパイ打牌は四万。これは魚谷のリーチに通ってない。場に緊張が走る。
次巡、斉藤のツモは二索。これも通ってない。この1巡で打たれなかったこともあったのだろう。斉藤はリーチを決断した。
2件リーチに挟まれた亜樹。待ちを二筒に振り替え粘っていたが、四索を引かされる。
二万二万三索三索八索八索一筒一筒二筒北北中中  ツモ四索
これはさすがに・・とばかりに少考ののち打北としこの局はギブアップ。行く末を見守る側に廻った。
決着は15巡目だった。2件リーチを受けながらもテンパイを入れていた宮内が、親にはほぼ通るであろう九万をツモ切り魚谷が3,900は4,800のアガリ。斉藤の勝負手は実らなかった。
南3局、亜樹が8巡目にテンパイ。
一万一万五万六万七万六索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒  ドラ七索
親の魚谷がソーズ気配。手替わりを待つというよりは躱し手としてのヤミテンか。
ところがこの絶好に見える四筒七筒がなかなか顔を見せない。そうこうしてる内に魚谷が追いつく。
二索三索七索八索九索北北北中中  ポン白白白
宮内、斉藤はオリに廻り、亜樹と魚谷の一騎打ちとなったが、亜樹の四筒七筒は脇に流れる。そして・・「ツモ」
二索三索七索八索九索北北北中中  ポン白白白  ツモ四索  ドラ七索
4,000オールを決め、この半荘のトップをもぎ取った。
100
2回戦終了
魚谷+21.3P 亜樹+5.6P 宮内▲11.0P 斉藤▲15.9P

トータルポイント
宮内+167.8P 亜樹+118.0P 斉藤+81.5P 魚谷+30.0P
3回戦 魚谷 宮内 亜樹 斉藤
東4局2本場、親の斉藤がテンパイ。
五万六万七万四索五索六索三筒四筒五筒七筒七筒八筒八筒  ドラ七筒
亜樹もドラ単騎七対子で追いつく。両者ヤミテン。宮内もカン五筒を引きテンパイ。
四万四万五万六万六万三索三索四索五索六索四筒五筒六筒
直後の亜樹、五万ツモ。これをツモ切り8,000の放銃となってしまった。
ここでトータルポイントを整理すると、宮内+183.2P和泉+101.6P瑠美+97.1P亜樹+96.7Pと瞬間的ではあるがA卓から2名進出の並びとなった。
南1局、亜樹が南を暗カン、斉藤が仕掛ける中、親の魚谷がリーチに行く。
二万四万五万六万七万五索五索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ九万
三万は2枚切れだが、亜樹、斉藤が手間取ってる感があり、牽制の意味もあるか。
だが、亜樹がリーチの一発目に無筋の二索を押してきたのを見て何を思っただろうか・・11巡目、亜樹テンパイ。魚谷の現物の五筒八筒だが追いかけリーチを選択した。
四万五万六万二索三索四索二筒二筒六筒七筒  暗カン牌の背南南牌の背  ドラ九万
上家からの五筒にも動かずリーチに仕上げた亜樹。この手を勝負手と捉えての判断。この判断が功を奏し魚谷から4,500。トータル2番手に舞い戻った。
南2局1本場、前局高目6,000オールのリーチを放つも流局だった親の宮内。七対子1シャンテンで放した七万が四暗刻手替わり待ちだった斉藤に捕まった。
五万五万六万六万七万三索三索三索八筒八筒八筒東東  ドラ五万
斉藤はこの半荘のトップ目に浮上。決定戦ボーダーに近づく。オーラス11巡目、親の斉藤がリーチを打つも亜樹が三色をアガリ終局。苦しかった半荘を浮きで乗り切った。
100
3回戦終了
斉藤+13.3P 宮内+5.9P 亜樹+2.8P 魚谷▲22.0P

トータルポイント
宮内+173.7P 亜樹+120.8P 斉藤+94.8P 魚谷+15.1P
最終4回戦 宮内 斉藤 魚谷 亜樹
宮内はほぼ当確、亜樹は+101.6Pの和泉を下回らなければOKなので20,000点を切らないことがおおよその条件か。
魚谷はざっとではあるが10万点トップ。斉藤は6.9ポイント以上浮けば、これも和泉を超えてくる。
各自条件と思いを抱えて最終戦が開始された。
東1局は亜樹が2,000・4,000で決定戦に大きく前進。東2局1本場は魚谷が負けじと2,000・4,000で簡単には逃がさない。
東3局1本場、親魚谷がリーチ。
一万二万四万五万六万七万八万九万三索三索西西西  リーチ  ドラ南
もちろんだが、魚谷は全く諦めていない。それに対し仕掛けを入れていた斉藤。9巡目に手が止まる。
三万四万六万六万二筒二筒二筒三筒四筒五筒  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ツモ三万
魚谷の捨て牌にマンズは九万1枚だけ。ピンズはほぼ通りそうだが、斉藤は歯を食いしばり四万を打った。
しかし、結果は斉藤にとって無情であった。魚谷三万ツモ。4,000オール。
落ち込んでる暇はない斉藤、東3局2本場、高目ツモ倍満のテンパイを入れるがこれも実らず。
一筒一筒二筒二筒二筒七筒七筒七筒北北  ポン発発発  ドラ南
2,000・4,000で先制していた亜樹だが、点数を削られ気づけば原点間近。まだ余裕はあるとはいえ気は抜けない。
東3局3本場タンヤオドラ3のテンパイ。
四万四万四万三索三索三索二筒二筒五筒六筒  チー四索 上向き五索 上向き六索 上向き  ドラ三索
親の魚谷も七対子で追いつく。七筒単騎でリーチ。
五万五万六万六万一索一索七索七索七筒八筒八筒発発  リーチ
亜樹は直後にドラ三索を暗カン。更に緊張感が増す。
先ほどの三万の引き合いには競り勝った魚谷であったが、ここは勝てずに亜樹に軍配。2,000・4,000今度こそ安全圏か。
南1局1本場、魚谷2,600テンパイ。
二索二索六筒六筒七筒七筒八筒中中中  ポン発発発  ドラ四万
ここから上家が切った九筒をチーして食い延ばしを図る。そしてそれが実を結ぶ。
六筒六筒七筒九筒中中中  チー七筒 上向き八筒 上向き九筒 上向き  ポン発発発  ドラ四万
60,000点近くまで得点を伸ばし「もしかして・・」と思わせる戦いをしてきた魚谷の最後の親であったが・・・
二索三索四索六索七索八索八索九索白白  チー三索 上向き四索 上向き五索 上向き  ドラ白
アガったのは亜樹。1度は危ない場面があったとはいえ、終始安定した戦いぶりを見せた亜樹が最後も自力で決着をつけた。
100
最終4回戦終了
魚谷+37.1P 亜樹+17.4P 斉藤▲24.0P 宮内▲30.5P

プレーオフ最終成績
1 宮内+143.2P
2 亜樹+138.2P
3 和泉+101.6P
※これより上位3名が決定戦進出
4 瑠美+97.1P
5 平岡+94.8P
6 斉藤+70.8P
7 魚谷+52.2P
8 内田+43.0P
女王吾妻への挑戦権は宮内、亜樹、和泉が勝ち取った。
決勝メンバーはこの2年の新世代と呼べる者たちから四天王と呼ばれる者たちにがらりと入れ替わった。
吾妻の3連覇は成るのか。それとも亜樹3度目の戴冠か。宮内、和泉の悲願が成就されるのか。
決勝戦は12/13.12/20.12/27の3日間完全生中継で行われる。お楽しみに。
決勝初日 :12/13(日) 14:00
実況:勝又健志
解説:瀬戸熊直樹・魚谷侑未
実況:勝又健志
牌譜解説:山田浩之
決勝二日目:12/20(日) 14:00
実況:勝又健志
解説:前田直哉・滝沢和典
牌譜解説:山田浩之
決勝最終日:12/27(日) 14:00
実況:勝又健志
解説:藤崎智・佐々木寿人
牌譜解説:山田浩之