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麻雀マスターズ レポート

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第27期マスターズ ベスト8A卓トーナメントレポート 小笠原 奈央

2018/05/31
執筆:小笠原 奈央


第27期麻雀マスターズのベスト8トーナメントが夏目坂の連盟スタジオにて開催された。
ここからは配信対局となり、自身の麻雀が多く人の目に留まる。一つ一つ確実に勝利への階段を登り、決勝戦はもう目の前に。選手は更に気持ちが入ることだろう。
100

 

A卓:佐月麻理子(協会)vs山田浩之(連盟)vs沢崎誠(連盟)vs福山満幸(連盟)

日本プロ麻雀連盟WRCルール(一発・裏ドラありの世界大会ルール)での対局。
同一メンバーで半荘3回戦を行い、トータルポイント上位2名が決勝へ進出となる。

 

1回戦(起家から、山田・佐月・福山・沢崎)

序盤はそれぞれが持ち前のスタイルを見せながらも、平たい状況。
東4局で沢崎が河にも配慮を効かせ完成させた七対子をリーチでツモアガリ3,200オールと少し走る。

南1局3本場 佐月が6巡目

七万八万九万五索五索七索八索九索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ  ドラ一索

先にテンパイを入れていた福山。

五万五万一索一索七索七索一筒二筒二筒西西白白

自身がドラドラだとしても相手との距離感を図りながら丁寧な打ち回しを見せていた福山。ここは勝負と鋭い山読みを入れながら強く押すが、来るのは無情にもアガリ逃しの裏目。これも麻雀。2人の勝負どうなるのかと思ったところ、沢崎が3人目として切り込んでいき見事アガリをものにする。

四万六万六万七万八万三索四索五索二筒三筒四筒七筒七筒  ツモ五万

その後、山田が3,900、8,000と連続でアガリ沢崎との点差を縮めて迎えたオーラス。

山田43,600 佐月9,000 福山23,000 沢崎44,400

福山の手牌

三万四万五万三索五索二筒二筒二筒三筒五筒六筒六筒六筒  ツモ七索  ドラ六索

タンヤオを見た三筒切りとなりそうだが、福山の選択は手役をかなり強く見た六筒切り。
その後、自分の意志とは少し反れた六索ツモでヤミテンに構え1,000・2,000をツモアガリ1回戦が終了。

1回戦成績
山田+27.6P 沢崎+17.4P 福山▲8.0P 佐月▲37.0P

 

2回戦(起家から、佐月・福山・山田・沢崎)

東1局 2巡目、山田の手牌

七万二索二索五索六索六索七索三筒四筒六筒六筒東東  ドラ二筒

1回戦トップだったこともあり、かわしに行きたくなるところだが山田は2枚目の東もスルー。
東をトイツ落としして勝負手へと変化させていく。

二索三索四索五索六索六索六索七索三筒四筒五筒六筒六筒  ツモ一索

あまり嬉しくはないツモ一索。ツモ切りか六索切りか?と思ったところ、山田の選択はテンパイ取らずの一通かピンズの伸びを見た六筒切り。山田の意志を入れた勝負手が実るのか!だが親の佐月からの先制リーチ。この親リーは押しづらいところではあるが、ここでまたもや役なしテンパイに構えていた沢崎がピンフに手変わって親に強く押す。最後は無筋のドラまでも切り込んでいき佐月からの見事な2,000の出アガリ。かっこいいの一言だ。
リードしていても勝負局を見極め相手が親であってもとことん戦う。戦わないと勝てない!頭では分かっていてもいざその場に入るとどこを勝負局にするのか、ここで親に18,000打ったら…と最悪のケースも考え慎重になり、その場で正解を導き出すのは非常に難しいものだ。

東4局
焦ることなく押し引きの場面を見極めぐっと耐えていた福山がここで打点も見える先制リーチ。

三万三万五万七万一索二索三索五索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ八万

2,000・4,000の大きなツモアガリでなんと総合トップ目に立つ!

南1局
佐月は1回戦から真っ向勝負で戦いに行くも牌の巡り会わせに苦しめられ1人置いて行かれる。
佐月、大事な親番で役牌を仕掛けホンイツ、三元役も見ながらの手牌進行。
ここに容赦ない沢崎からの攻撃。

三万三万三万七万八万九万八索九索一筒一筒七筒八筒九筒  ドラ一筒

解説の白鳥翔もこれは流石にヤミ…と言いかけたところに沢崎の選択は迷うことなくリーチ。
佐月が一発で七索をキャッチして放銃に回った。12,000!!
ここでも佐月は苦しい展開。どこかで打破していきたいが、中々浮上を許してもらえない。これぞ強者が揃うベスト8

南3局 親番山田

二万二万八万八万二索四索七索七索八索六筒  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  打一万  ドラ六万

まだ苦しい形ではあるが、状態を考慮して間に合わないと踏んだのか、ここは果敢に前に出る山田。
二万八万もポンしてテンパイ。自身でこじ開けた500オール。

南3局1本場 親番山田 4巡目

四万五万五万七万九万九万四索五筒六筒西西発中

ここからドラ切りとした山田。その後意思と沿ったようにマンズが伸び、

二万三万四万五万五万五万七万八万九万九万西西西

ここから九万をツモアガリ大きな4,000オール。
前局自ら切り開いた500オール。そこから風向きが変わったかのような、山田の意志に牌も応えるように流れに乗った4,000オール。やはり麻雀牌は4者が魂を込める事で生きて動いている。私にはそう感じてならなかった。

南3局3本場 南家沢崎

配牌
六万六万五索八索八索一筒三筒七筒九筒白白白発中

白が暗刻でかわしに掛かるかと思ったが沢崎の選択は打九筒
状況なども考えると、なかなか打九筒にはならなそうだが、予想を覆し見るものを楽しませ結果を出してくる沢崎。

ここでも

六万六万四索五索六索八索八索八索三筒三筒白白白  ツモ六万  ドラ三筒

3,000・6,000の大きなツモアガリで沢崎が抜ける。

オーラス 北家山田

七万八万九万一索二索三索四索五索六索七索八索西西  ドラ西

2回戦3着目の山田。この手をアガれば2着浮上。確実にアガリに結び付けるため冷静なヤミテン。
2着目の福山は山田に捲られると最終戦が少し厳しくなる。福山も1シャンテン追いつけるのか!
辛い展開が未だ続く佐月、ピンズの染め手で少しでも差を縮めようと試みるが当たり牌の三索をキャッチ。終局かと思ったが、現マスターズ佐月危険を察知!三索を保留して手の内に収めた。だが山田強し!高めの九索で3,000・6,000をツモアガリ2回戦が終了。

2回戦成績
山田+45.1P 沢崎+45.1P 福山▲12.2P 佐月▲78.0P

 

3回戦(起家から、山田・沢崎・佐月・福山)
決勝の椅子は2名のみ。山田と沢崎が同ポイントで抜けた最終戦。佐月は10万点トップ程が必要な厳しい最終戦とはなったが最後まで何が起こるか分からないのが麻雀。

東1局1本場 親山田
佐月から一通確定の先制リーチ。
点数状況的に打点もありそうな佐月からのリーチなので、行き辛くはあるがドラ3となった山田が無筋を通していきテンパイを入れる。

二万三万四万四万四万五万六万二索四索五索五索白白白  ドラ白

ここで決まり手となるツモ4,100オールで山田が抜ける。

東2局 西家福山
追いかける福山。前局佐月にメンチンの1シャンテンで5,200の放銃に回ったが今回も勝負手が入る。

三万四万二索三索四索七索三筒四筒七筒八筒八筒東東中  ドラ六索

ここから打七筒として東のトイツ落とし、三色が崩れたとしてもタンピン系の移行も出来る手組で

最終形
三万四万二索三索四索二筒三筒四筒八筒八筒八筒東東東  リーチ

好形のアガリも見込める1シャンテンで真っ直ぐ攻め込んだ山田から裏ドラも乗せて8,000の出アガリ。
並びが出来てきた。

東3局 親番佐月
配牌でダブ東が暗刻の佐月は勝負手。3巡目ドラのくっつきと好形を目指しテンパイ取らずをした佐月だが、6巡目でテンパイが再度入り七筒も場に良く見えることからリーチの選択。

四万五万六万五索五索六索七索八索七筒七筒東東東  ドラ三筒

ここからダブ東を暗槓。なんと新ドラは東!ツモれば倍満から!
自身最後のツモで狙い通りの七筒ツモ!8,000オールで決勝の席は譲らんと食らいつく。

東4局 親番福山
ここは勝負の大事な親番。だが配牌は厳しい。

五万七万八万一索二筒四筒七筒八筒東南北白発中

落としたくない親番なだけに字牌を切って様子を見そうだが福山は打五万とした。
その後も七万八万と両面払いでこうなっても打点を見た福山らしい麻雀を魅せ続ける。
沢崎は鳴いてかわしにかかる。ここは福山もスピードを合わせ鳴きを入れていく。
沢崎が先制テンパイ。福山も追いつく!!

五索五索四筒四筒白発発発中中  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ツモ五索  ドラ五索

沢崎が中を持ってきて放銃に回る。対抗の沢崎からの直撃!12,000。
後は2,600オールで並びと福山、決勝の椅子も目の前に見えてきた。佐月にとっても条件は良くなった。
こうなっても沢崎焦りは見えず一貫して戦い、600・1,100、1,000と着実にアガリ、局を消化していく。

南2局 南家佐月
ここでまた佐月に勝負手が入る。

一万一万二万二索二索五索五索八索八索五筒五筒六筒六筒  ドラ八索

打点が欲しい佐月。1枚切れの二万でリーチと勝負!
最後の二万をツモアガリ裏も乗せて力強い4,000・8,000。
女流雀王・現マスターズの意地を魅せる!またもや倍満。内容は勿論、試合展開も非常に面白い!
何事も諦めるべからず。6,000オールでほぼ並びまで追い込んでいく。

南3局
連荘して点数を稼ぎたい佐月が先制リーチ!

一万一万七万八万八万九万九万一索一索一索二索三索四索  リーチ  ドラ中

そこに鳴きを入れていた沢崎もテンパイでバシッと勝負!

四万四万八万八万七索八索九索南南南  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き

そこに3人目で福山も追いつく!

三万三索四索五索六索七索八索三筒三筒四筒四筒五筒五筒  ツモ九索

福山長考。大事な勝負局面。放銃しても今まで表情は変わらず無駄な動きが全く無かった福山。ここは珍しくグッと唇を噛み締め、三万切りリーチを選択。次巡九索一発ツモ。福山見事答えを選び出した2,000・4,000。
これで沢崎と福山の差は1.5P 1,500点。

トータル3着目の福山は、最終親番なのでアガっても連荘となるが僅差には間違いない。佐月は役満条件と苦しくなった。

最終戦オーラス 親番福山
14巡目 先制リーチ

四万五万六万六万七万八万二索三索四索八索九索北北  ドラ七索

沢崎も鳴いてテンパイに追いつく

五万六万二索三索四索六索六索七索七索七索  ポン南南南

この勝負どうなるか!手に汗握る展開!
福山は残り1枚 沢崎も残り2枚
どちらに女神は微笑むのか…

次巡、福山が沢崎の当たり牌四万を持ってきて沢崎の勝ち上がりでベスト8A卓は終了した。

最終結果
山田+46.7P 沢崎+7.3P 福山▲22.2P 佐月▲31.8P

A卓決勝勝ち上がり
山田浩之 沢崎誠

『負けるような内容だった』と自身を酷評した佐月。
まだプロ6年目ながら、女流雀王・麻雀マスターズを獲得している佐月麻理子。メディアへの露出も多く、周りからの評価も高い。今回のトーナメントは戦う姿勢を見せるも苦しい展開からスタートとなったが、随所で見せる佐月の丁寧な選択。最後は倍満の2連続で諦めない気持ちに見るものは惹きつけられ、また全精力をかける佐月の表情はグッと胸が熱くなる。

『初の配信対局緊張して前の日は寝られなかった。変なところあったかな?』と腰が低く、話すと笑顔が素敵な福山。終始落ち着いた表情、所作が印象的で、解説の白鳥翔も是非お手本にして欲しいとの言。また手役を見ながらの手牌進行、相手との距離感を図った選択・押し引きが抜群で本当にC3リーグなのか?!また是非福山の麻雀を見たい!と多くの声があがった。福山ファンが急増したことは間違いないだろう。

やはり真剣勝負で見えないモノをそれぞれ背負いながら一打一打に思いを込める姿に、我々は心を打たれ、見ている間にファンになり、気付けば一喜一憂している。今回も手に汗握ったり、グッと目頭が熱くなったり、嬉しくて思わず声が出てしまったのではないだろうか。私は実況ながらもそのような思いになった。見応えたっぷりの最高にワクワクする対局だった。

これで決勝の2名は確定。この後B卓からも2名が勝ち上がりいよいよ決勝戦となる。B卓もきっと内容の濃い対局になること間違いなしだろう。