麻雀マスターズ レポート

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第21期 トーナメントレポート

2012/05/12
執筆:西岡 慎泰


2012年4月28日(土)、第21期麻雀マスターズ本戦およびトーナメント1回戦が行われ、
勝ち上がった28名が翌日のトーナメント2回戦、ベスト16、ベスト8と決勝の椅子を争い激戦した。

システムはトーナメント2回戦、ベスト16、ベスト8の各回で、通過順位により決定した組み合わせ4名で、
同一メンバーのまま半荘3回を戦い上位2名が勝ち上がりとなる。

トーナメント2回戦の勝ち上がり者、大筋は以下。

1卓:平田孝章(連盟)、高沢智(連盟)

平田は1半荘目に3倍満をツモアガると、2半荘目もトップで勝ち上がり濃厚とする。
3半荘目は、トータル2着目の高沢が南場の親で大きく加点し勝ち上がった。

2卓:石井一馬(最高位戦)、柴田弘幸(連盟)

石井は仕掛けを駆使し、局面をリードして優位のまま勝ち上がる。
柴田は4着スタートであったが、2半荘目トップで追い付くと、3半荘目はライバルの大きな放銃となる展開もあり勝ち上がりとなった。

3卓:浅井裕介(最高位戦)、泉亮多(連盟)

高打点が多い戦いとなったが、2半荘目までにプラスを重ねた浅井と泉は3半荘目も崩れず勝ち上がる。
ここで残念ながら敗退となったのは内川幸太郎(連盟)。
2半荘目、浅井と同点でオーラスを迎えるが競り負けると、後は必然的に苦しい戦いとなってしまった。

4卓:荒正義(連盟)、海谷善之さん(一般)

荒は苦しいスタートのように見えたが、1半荘目のオーラスで裏ドラを3枚乗せた跳満をツモアガリ2着とすると、
2半荘目は接戦を見事ものにしトップ。3半荘目は無理のない麻雀で勝ち上がりを決めた。
一方、海谷さんはトータルトップ目で迎えた3半荘目、オーラスにリーチで終局を狙うが親に6,000オール含む3連荘でテンパイ料の差まで追いつかれてしまう。
最後は海谷さんがリーチ、追いかける親はドラの發が暗刻となる仕掛けで勝負の分かれ目となったが、海谷さんに軍配が上がる。
ここで敗退となってしまったのは鳳凰位3連覇の実績がある古川孝次(連盟)。
1半荘目オーラス、荒の跳満親かぶり(裏ドラ3枚)で大きく沈んだのが響き、その後は浮上できなかった。

5卓:山井弘(連盟)、杉村泰治(連盟)

山井は1半荘目、東場の親で75,000点まで加点する爆発力を見せつけると、残る半荘を優位に進められ勝ち上がる。
杉村は2半荘目オーラスの親で、ライバルから12,000を直撃しトップを奪い取ると、3半荘目は山井と局を進めれば勝ち上がりという展開となった。

6卓:金太賢(協会)、小車祥(連盟)

金は前日の対局終了後、翌日の場所を確認するためこの会場を訪れていた。
その意識の高さからか麻雀も好スタートで、1、2半荘共にプラスで3半荘目も崩れることなく勝ち上がった。
小車は1半荘目に大きく沈んでしまうが2半荘目にトップを取り、3半荘目もトップでオーラスの親を迎える。
小車はノーテンでも勝ち上がりのため1局勝負かと思われたが、鳴きを入れた1,500で連荘しライバルに反撃のチャンスを与えてしまう。
その反撃のチャンスを得たのは、現十段位瀬戸熊直樹(連盟)。
満貫ツモを狙うも難しく、半ば諦めかけたオーラスはほぼ条件変わらずのもう1局。
一通、タンヤオ三色を狙い。

二万三万四万六万七万八万九万八筒五索五索六索七索八索  ドラ中

ここから五万を引きリーチ。直撃は考えにくいため、一万ツモのみ勝ち上がりとなるが、数巡後のツモは四万
裏ドラが四万五索なら勝ち上がりだが、ツモ回数もまだ残っているため瀬戸熊は四万を河に置く。
その後はアガり牌を引けず流局。ここで十段位は姿を消すこととなり、小車が間一髪勝ち上がりとなる。

7卓:沖野立矢(最高位戦)、加藤晋平(連盟)

この卓は唯一女流プロが残る卓となり、稲森英子(連盟)、斉藤智子(連盟)が戦った。
稲森は2戦連続4着となり敗退濃厚となってしまうが、諦めず戦い3半荘目は60,000点を超える。
3半荘目にその分失点を強いられたのは斉藤。
結果、稲森も届かず、女流プロはここでトーナメントから姿を消し、沖野と加藤が勝ち上がりとなった。

ベスト16トーナメントは勝ち上がった14名に、前年度優勝の奈良圭純、前日の本戦を1位通過した岡田茂が加わる。

奈良 圭純
奈良 圭純
岡田 茂
岡田 茂

その組み合わせは以下。

1卓:奈良圭純(連盟) vs 高沢智(連盟) vs 金太賢(協会) vs 沖野立矢(最高位戦)

1卓
左から 奈良 圭純(連盟)、沖野 立矢(最高位戦)
金 太賢(協会)、高沢 智(連盟)

2卓:岡田茂(連盟) vs 加藤晋平(連盟) vs 柴田弘幸(連盟) vs 山井弘(連盟)

2卓
左から 加藤晋平(連盟)、岡田茂(連盟)、
山井弘(連盟)、 柴田弘幸(連盟)

3卓:荒正義(連盟) vs 平田孝章(連盟) vs 小車祥(連盟) vs 浅井裕介(最高位戦)

3卓
左から 小車祥(連盟)、vs平田孝章(連盟)、
浅井裕介(最高位戦)、荒正義(連盟)

4卓:杉村泰治(連盟) vs 泉亮多(連盟) vs 石井一馬(最高位戦) vs 海谷善之さん(一般)

4卓
左から 石井一馬(最高位戦)、海谷善之さん(一般)
杉村泰治(連盟)、泉亮多(連盟)

卓は1半荘目トップの高沢、2半荘目大きなトップの金が優位に局を進め、前年度マスターズチャンピオン奈良は跳満をアガるも後が続かない。
\最終半荘、オーラスの親に望みをかける奈良だったが、金が自力で決着をつけた。

1卓勝ち上がり:金太賢(協会)、高沢智(連盟)

金 太賢(協会)
金 太賢(協会)

2卓は、2半荘目に親が連荘→流局といった展開で10本場にもなる打撃戦となった。
しかし蓋を開けると山井の1人浮き、3半荘目は残る3名が着順のみで変わる差。
しかしその3半荘目、オフェンスマスター山井は東1局、親番から良形でないリーチを敢行。
着順を争う3名は放銃を避けたいところだが、柴田は七対子をドラ待ちで追いかけリーチと勝負に出る。
間もなく山井はドラで柴田に放銃となり、順位ウマを加味するとたった一撃で全員との差がなくなってしまった。

柴田と岡田は45,000点程まで点数を伸ばし、局を進める展開となる。
オーラス満貫ツモを狙う山井に、以下の逆転の手が入ったかに見えた。

二万三万四万五万六万七万八万九万一索二索三索九筒九筒 ドラ一万

しかし、一万はすでに場に4枚。
ハイテイを狙っているであろう山井を横目に、岡田が自力で勝ち上がりを決めた。

2卓勝ち上がり:柴田弘幸(連盟)、岡田茂(連盟)

柴田弘幸(連盟)
柴田弘幸(連盟)

3卓は荒の点数が全く伸びず、仕掛けを入れても他家が一手早い。
2半荘終了時には1人沈みで敗退濃厚となってしまい、現鳳凰位はここで姿を消すこととなった。
残る3名は3半荘目を着順のみで変わる差で迎える。
小車、平田が少し優位な点差となる南1局、小車は七対子をドラ単騎でリーチする。
アガリに結び付けば決定打になるだろうが、追いかける立場で最後の親番である浅井は当然真っ向勝負。
2,600オールを引きアガリ一気にトップ目に立つ。

すると次は平田が8,000、そして12,000と加点すると、小車は追い付くのが難しく敗退となってしまった。

3卓勝ち上がり:平田孝章(連盟)、浅井裕介(最高位戦)

4卓は石井、泉が1半荘目2半荘目ともにオーラスまでトップを狙う接戦を繰り広げた。
軍配はどちらも石井に上がったが、泉もトータル3着の杉村に50ポイント近い差をつけ、2名はそのまま勝ち上がりとなった。
杉村は3半荘目で追い上げ、オーラスは逆転の手材料もあったが実らず敗退となってしまった。
また、一般参加で唯一ここまで奮闘した海谷さんも敗退となってしまった。

4卓勝ち上がり:石井一馬(最高位戦)、泉亮多(連盟)

泉亮多(連盟)
泉亮多(連盟)

いよいよベスト8トーナメントとなる。
ここを勝ち上がった4名が、翌日の決勝戦を戦うことができる。

masters21

組み合わせは以下。

1卓:金太賢(協会)vs浅井裕介(最高位戦)vs岡田茂(連盟)vs石井一馬(最高位戦)

1卓
左から 岡田茂(連盟)、石井一馬(最高位戦)
浅井裕介(最高位戦)、金太賢(協会)

2卓:平田孝章(連盟)vs柴田弘幸(連盟)vs高沢智(連盟)vs泉亮多(連盟)

2卓
左から 柴田弘幸(連盟)、泉亮多(連盟)、
高沢智(連盟)、平田孝章(連盟)

1卓は1半荘目高打点が連発するも、接戦となったオーラスを浅井がアガリトップで終える。
2半荘目の南1局、50,000点に届こうかという金の親リーチに対し、浅井は真っ向勝負に出て以下の手牌で追いかけリーチとする。

四万四万八万八万八万一筒一筒一筒六筒六筒南南南 リーチ

八万を暗カンした数巡後に六筒を力強く引き、8,000・16,000のアガりをモノにした浅井は勝ち上がり濃厚となる。

残る3名は、最終3半荘目を着順のみで決まるポイント差で迎える。
その東3局、西家・岡田のリーチは以下。

七万七万四筒五筒六筒三索三索四索四索五索五索西西 リーチ ドラ二万

一発で西を引きアガると、裏ドラは何と西
4000・8000で決勝進出へ大きく前進する。

しかし、石井は南3局の親で連荘を重ねる。
岡田は石井のリーチであろうが何度も勝負しオーラスを優位に迎えたかったが、オーラスは石井が200点岡田より上で迎える形となった。

点差変わらずオーラス1本場となった岡田の手牌は、自然に以下となる。

二万四万四万五万六万七万東東東発発 ポン中中中 ドラ発

岡田は迷わず四万切りとするが、間もなく石井が発を切りさらに次巡ツモ切りで発を並べる。
岡田にとっては、勝ち上がりとなれば悔やまないかもしれないが、結果は無情にも浅井のアガリで決まってしまった。

決勝進出者:浅井裕介(最高位戦)、石井一馬(最高位戦)

浅井 裕介(最高位戦)
浅井 裕介(最高位戦)
石井 一馬(最高位戦)
石井 一馬(最高位戦)

卓は、スタートから3局連続のアガリで50,000点を超えた平田の親番、東2局2本場で局面が大きく動く。
好調な平田に以下の形でテンパイが入る。

三万四万五万二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒二索三索 ドラ六筒

安目の五万を引いた平田は感触が良くないためヤミテンとする。(対局後のコメントより)
そこに泉が先制リーチ。平田は手牌を崩し安全牌を打っていく。
その後に高沢が追いかけリーチとし、間もなく北を力強く引きアガる。
え?北は柴田が2枚、オリに回った平田が1枚…。国士無双の追いかけリーチであった。

決勝進出へ大きく前進した高沢、役満放銃を回避できホッとする平田、2名が優位にゲームを進める。
しかし、2半荘目にトップとなった泉が3半荘目に裏ドラ3枚となる8,000オールを引きアガリ、
負けじと平田が16,000をアガると、高沢はトータル3着まで後退してしまう。

高沢もハイテイで4,000・8,000を引きアガリ再逆転すると、トータル3着となった泉の照準は平田。
オーラスは、泉が一発か裏ドラ狙いのリーチをするも流局で終えた。

決勝進出者:高沢智(連盟)、平田孝章(連盟)

高沢智(連盟)
高沢智(連盟)
平田孝章(連盟)
平田孝章(連盟)

決勝進出者から以下のコメントをいただいた。

浅井裕介
「ベスト16の最終半荘、着順勝負はキツかったです。王位戦は決勝まであと一歩で敗退したので、その悔しさをバネに頑張りました。」

石井一馬
「今日は慎重に打ちました。それが良い結果になったと思います。初の決勝ですがいつものように打ちたいです。」

高沢智
「ベスト8は運にも恵まれていました。今日は緊張せず打てましたが、明日はどうか分かりません。」

平田孝章
「今日は本当に疲れました。明日までゆっくり寝て頑張ります。」

誰が優勝しても、新マスターズチャンピオンとなる決勝戦。
初の栄冠を手にするのは誰か!?

決勝観戦記は、トーナメント2回戦で惜しくも敗退となってしまった現十段位、瀬戸熊直樹プロが担当する予定です。
そちらも、連盟ホームページで掲載予定となっていますのでお楽しみに。

(文中敬称略)